■感想 ジョナサン・モストウ監督『サロゲート』とAnybots
人間のあらゆる社会活動を代行する“サロゲート”と呼ばれる身代わりロボットが開発され、人類は自宅からサロゲー トを遠隔操作するだけで、リアルな現実世界に生身の肉体をさらす必要はなくなった。
『サロゲート』 オフィシャルサイト
もともとアール・キューブ・ロボティクス技術に強い関心を持つ(下の過去記事リンク参照)当Blogとしては、外せないテーマの映画。、、、と言いつつ実は最近までこのブルース・ウィルスの映画がテレイグジスタンステーマとは知りませんでした。
ということで、ブルーレイをレンタルで観ました。
で、映画はまさにテレイグジスタンステーマを追求し、エンターテインメントとして纏めるとしたら、というアイディアに満ちていて、それなりのストーリー。
クライマックスの人類全体を巻込むシーケンスとか好きなのだけれど、映画全体はとても喰い足りないものに、、、。
たぶん余りにあり得ない設定(人々がほぼ全人類、遠隔ロボットに人生を置き換えるわけがない)と、本来テレイグジスタンスで避けて通れないアイデンティティの問題がコア・テーマになっていないからだと思う。
もっとこのネタなら、ストーリーはSFのセンス・オブ・ワンダーを描けたはずなのだけれどなー。残念。
ということで、これだけでは余りにつまらないので、ブルー・レイの特典映像に入っていたテレプレゼンス・ロボットAnybotsについて、調べてみた。
このロボット、アメリカのベンチャーで秋に新モデルが発売される予定とのこと。
Anybots、遠隔操作ロボット「QB」を開発(Robot Watch)
新ロボットQBは重さが約16kg。高さは中央の棒を伸び縮みさせることで、86〜188cmの間で調節できる。パソコンとネットワークを通じて遠隔操作 し、離れた場所にいる人と高品質の音声・ビデオでやり取りできるというQAの基本的な機能を残しながら、重さを約9kg軽くして持ち運びやすくした。
GetRobo Blog: Anybotsがテレプレゼンス・ロボットを正式発表、価格は15,000ドル
Anybotsが今日、米国でテレプレゼンス・ロボット「QB」を正式ローンチした。リリースによると、この秋に発売で、価格は15,000ドル(今の為 替レートで約140万円)。同社のホームページも新しくなり、「One-Click Commuting」(ワン・クリック通勤)というキャッチフレーズがついている。
Anybots - One-Click Commuting(公式HP)
写真にあるように、当初の開発では二足歩行ロボットとして構想されていた。
しかし徐々に技術とコストの現実性から、足がセグウェイになり、腕がなくなり、最後はボディもただの棒になってしまった。
この経緯は、ロボットの夢が現実になっていく時の苦悩を示していて大変痛々しい。
テレプレゼンスでやれることも限定されていて、とてもキャッチフレーズの「One-Click
Commuting」は遠いだろう。
でもこの分野のテクノロジーには凄く期待しているので、今後もウォッチしていきたい。
◆関連リンク
・サロゲート (映画) - Wikipedia
『サロゲート』(原題:Surrogates)は、2009年のアメリカ映画。原作はロバート・ヴェンディティとブレット・ウェルデルによる同名のアメリカ ン・コミック。
・ Robert Venditti / Brett Weldele『Surrogates-Graphic-Novels』
・ Robert Venditti / Brett Weldele『Surrogates 2 -Graphic-Novels』
・YouTube - Up Close with Anybots QB Telepresence Robot.
PCMag.com Editor-in-Chief gets up-close and personal with this new virtual person robot from Anybots. It's called QB and is remote-controlled via any PC.
・YouTube
- Anybots launches robot co-worker for remote collaboration.
CEO Bob christopherの解説。
・Dexter and
Monty are Anybots: Dynamically balancing walking humanoid robots : Tech
Digest
二足歩行型Antbotsとセグウェイ型Antbotsのバランス勝負
・YouTube - CES 2009:
Anybots QA Demo
◆当Blog過去記事
・アレック
ス・リベラ監督 テレイグジスタンス・ロボットSF 『スリープ・ディーラー:The Sleep Dealer』
・ 東大舘暲研究室
相互テレイグジスタンスの第二世代 テレサ2とツイスター4に関する報告
・TELESAR
とTele-Existence Master-Slave System マスターとスレーブが同期して動くシーンはなかなか感動。
・当
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