« ■S.R.ディレイニー『ダールグレン:Dhalgren』舞台化 Jay Scheib "Bellona, Destroyer of Cities" | トップページ | ■iOS 4.1 HDR撮影 下呂 禅昌寺 & 緑の館 »

2010.09.15

■感想 ディーン・デュボア,クリス・サンダース監督『ヒックとドラゴン』

Photo_4

【ベネチア映画祭】3D映画部門は『アバター』『ヒックとドラゴン』が同点グランプリ

"清水監督率いる 審査員団は、15本のノミネート作品の中から、「まったく違う視点で作られているのが面白い」(清水監督)と、同点だった『アバター』(ジェームズ・キャメロン監督、20世紀FOX映画)とドリームワークスのアニメーション『ヒックとドラゴン』(ディーン・デュボア、クリス・サンダース監督)の2作品をグランプリに選出"

ヒックとドラゴン (映画) - Wikipedia

2010年4月27日、ドリームワークス・アニメーションのCEOであるジェフリー・カッツェンバーグは、続編映画の計画あり、さらにテレビシリーズの構想もあることを『ハリウッド・レポーター』誌で明らかにした。公開は2013年後半を目標としている。

Photo_3

 新3D映画元年に『アバター』と、この『ヒックとドラゴン』という傑作が登場したことは映画史に残っていくんだろう、そしてベネチアがそれを認めた(しかもその審査委員長が清水崇監督!)。
 という嬉しいニュースを伝えておいて、あと、感想。

◆感想
 神は細部に宿る。物語よりディテールを語るべきだろう。
 3Dの効果を出す為のドラゴンのアップとか、ヒックの豊かな表情、そして炎の中に立つ少女のポーズ、トゥースと初めて心通わせるシーンのガムランの様な音楽、自ら作った道具を用いた飛行シーン...。
 キャラクターデザインは、スチルでは抵抗あったけど、3D動画として表情が加わると、なかなか情感に溢れていて素晴らしい。
 フォトリアルなCGとアニメと実写の中間のキャラクターの見事な融合。ここまで異世界を眼前に表現できる映像技術があれば、ハリウッドが、多分いまだ実現していない本格的な異世界本格SFの映像化も可能だろう。(『アバター』は異世界エンタテインメント/アクション映画であって、本格SFではないと思うので、、、(^^;))

 そして、巨龍との闘い。怪獣映画最大のガメラの火炎を超えたかも。

 動きの感覚とレイアウトも素晴らしかった。飛行シーンと空中戦はアバターに勝るとも劣らない。3D感はともかく、スピードとシャープな画面設計は上かも。(キャメロンは映像のスタイリストというより物量の監督ですからね。)

 1回観ただけなので断言出来ないけど、観てる間、レイアウトがいいシーンがいくつもあったと記憶。
 実は未来少年コナンを思い出して観てた。海辺の街、物と体を使う少年(少々頭でっかちだけど(^^))、浮遊感のある飛行シーン、そして画面レイアウト設計。

◆初Xpand 3D
 今までReal DとIMAX 3Dは観ていたけれど、今回、時間帯が合わず初Xpand 3D。びっくりしたのは、暗いシーンでのモアレ縞のひどさ。暗いシーンで階調がとにかくガタガタ。メガネを取ると縞が見えないので明らかに液晶の悪影響。RealDではほとんど感じたことはないのだが、、。
 電子式液晶シャッター眼鏡なので、眼鏡の個体がたまたま悪かった可能性もある。叩いて直せば良かったのかな(^^;)。とにかく、違和感、でかかった。

◆関連リンク
ディーン・デュボア - Wikipedia クリス・サンダース - Wikipedia
YouTube - How to Train Your Dragon Official Trailer
YouTube - Behind the Scenes (The making of and original scores) - How to Train Your Dragon
 CG制作風景。動画の動きのチェック会等、メイキング。
ヒックとドラゴン - Wikipedia
 原作ではトゥースでなく、トゥースレスなんですね。

|

« ■S.R.ディレイニー『ダールグレン:Dhalgren』舞台化 Jay Scheib "Bellona, Destroyer of Cities" | トップページ | ■iOS 4.1 HDR撮影 下呂 禅昌寺 & 緑の館 »

コメント

「ヒックとドラゴン」、あちこちから賞賛の声が聞こえるのも納得の完成度でした。
定番のドラゴン物語に3Dで新風を吹き込みつつ、万人向けのストーリーに仕上げられていて、
これまで作られた中では最も「理想的なドラゴン映画」に近かった気がします。

>3D感はともかく、スピードとシャープな画面設計は上かも。
「アバター」ほど没入感を感じる映像ではないけど、コンテはこっちが優秀ですね(笑)。
「アニメならではの面白さ」を、きちんと映像化できていたと思います。
随所にジブリ風の演出も見られましたが、それもまたご愛嬌ってものでしょう。

しかし怪獣モノでこんなにいいのを撮られちゃうと、我が国もうかうかしてられません。
日本の監督さんたちにも、一層がんばってもらわなくちゃ(笑)。

投稿: 青の零号 | 2010.09.17 21:26

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■感想 ディーン・デュボア,クリス・サンダース監督『ヒックとドラゴン』:

» 傑作アニメ「ヒックとドラゴン」を見逃すな! [Biting Angle]
新宿ピカデリーで『ヒックとドラゴン』3D(日本語吹替版)を見てきました。 この写真は、海外版サントラCDのジャケットです。 作品のイメージにピッタリなので、使わせてもらいました。 主にTwitter方面で絶賛を聞いて「じゃあ見てみるかな」と足を運んでみたわけですが、 すごく面白かったですよ! 「あっ!」と言わせるほど革新的な驚きはありませんが、レベル自体は非常に高い。 お金と人手を十分にかけて、きっちりと作られているのがよくわかります。 そしてアバター以上にジブリ的な映像表現の数々と、わかりや... [続きを読む]

受信: 2010.09.17 21:28

« ■S.R.ディレイニー『ダールグレン:Dhalgren』舞台化 Jay Scheib "Bellona, Destroyer of Cities" | トップページ | ■iOS 4.1 HDR撮影 下呂 禅昌寺 & 緑の館 »