■感想 ディーン・デュボア,クリス・サンダース監督『ヒックとドラゴン』
【ベネチア映画祭】3D映画部門は『アバター』『ヒックとドラゴン』が同点グランプリ
"清水監督率いる 審査員団は、15本のノミネート作品の中から、「まったく違う視点で作られているのが面白い」(清水監督)と、同点だった『アバター』(ジェームズ・キャメロン監督、20世紀FOX映画)とドリームワークスのアニメーション『ヒックとドラゴン』(ディーン・デュボア、クリス・サンダース監督)の2作品をグランプリに選出"
2010年4月27日、ドリームワークス・アニメーションのCEOであるジェフリー・カッツェンバーグは、続編映画の計画あり、さらにテレビシリーズの構想もあることを『ハリウッド・レポーター』誌で明らかにした。公開は2013年後半を目標としている。
新3D映画元年に『アバター』と、この『ヒックとドラゴン』という傑作が登場したことは映画史に残っていくんだろう、そしてベネチアがそれを認めた(しかもその審査委員長が清水崇監督!)。
という嬉しいニュースを伝えておいて、あと、感想。
◆感想
神は細部に宿る。物語よりディテールを語るべきだろう。
3Dの効果を出す為のドラゴンのアップとか、ヒックの豊かな表情、そして炎の中に立つ少女のポーズ、トゥースと初めて心通わせるシーンのガムランの様な音楽、自ら作った道具を用いた飛行シーン...。
キャラクターデザインは、スチルでは抵抗あったけど、3D動画として表情が加わると、なかなか情感に溢れていて素晴らしい。
フォトリアルなCGとアニメと実写の中間のキャラクターの見事な融合。ここまで異世界を眼前に表現できる映像技術があれば、ハリウッドが、多分いまだ実現していない本格的な異世界本格SFの映像化も可能だろう。(『アバター』は異世界エンタテインメント/アクション映画であって、本格SFではないと思うので、、、(^^;))
そして、巨龍との闘い。怪獣映画最大のガメラの火炎を超えたかも。
1回観ただけなので断言出来ないけど、観てる間、レイアウトがいいシーンがいくつもあったと記憶。
実は未来少年コナンを思い出して観てた。海辺の街、物と体を使う少年(少々頭でっかちだけど(^^))、浮遊感のある飛行シーン、そして画面レイアウト設計。
◆初Xpand 3D
今までReal DとIMAX 3Dは観ていたけれど、今回、時間帯が合わず初Xpand 3D。びっくりしたのは、暗いシーンでのモアレ縞のひどさ。暗いシーンで階調がとにかくガタガタ。メガネを取ると縞が見えないので明らかに液晶の悪影響。RealDではほとんど感じたことはないのだが、、。
電子式液晶シャッター眼鏡なので、眼鏡の個体がたまたま悪かった可能性もある。叩いて直せば良かったのかな(^^;)。とにかく、違和感、でかかった。
◆関連リンク
・ディーン・デュボア - Wikipedia クリス・サンダース - Wikipedia
・YouTube - How to Train Your Dragon Official Trailer
・YouTube - Behind the Scenes (The making of and original scores) - How to Train Your Dragon
CG制作風景。動画の動きのチェック会等、メイキング。
・ヒックとドラゴン - Wikipedia
原作ではトゥースでなく、トゥースレスなんですね。
| 固定リンク
« ■S.R.ディレイニー『ダールグレン:Dhalgren』舞台化 Jay Scheib "Bellona, Destroyer of Cities" | トップページ | ■iOS 4.1 HDR撮影 下呂 禅昌寺 & 緑の館 »
コメント
「ヒックとドラゴン」、あちこちから賞賛の声が聞こえるのも納得の完成度でした。
定番のドラゴン物語に3Dで新風を吹き込みつつ、万人向けのストーリーに仕上げられていて、
これまで作られた中では最も「理想的なドラゴン映画」に近かった気がします。
>3D感はともかく、スピードとシャープな画面設計は上かも。
「アバター」ほど没入感を感じる映像ではないけど、コンテはこっちが優秀ですね(笑)。
「アニメならではの面白さ」を、きちんと映像化できていたと思います。
随所にジブリ風の演出も見られましたが、それもまたご愛嬌ってものでしょう。
しかし怪獣モノでこんなにいいのを撮られちゃうと、我が国もうかうかしてられません。
日本の監督さんたちにも、一層がんばってもらわなくちゃ(笑)。
投稿: 青の零号 | 2010.09.17 21:26