■感想 中島哲也監督『パコと魔法の絵本:PACO and The Magical Book』
Paco and the Magical Picture Book Trailer
中島哲也監督『パコと魔法の絵本』を観た。
これは面白い。物語、登場人物の奇天烈も楽しいし、CGと実写をカットバックした映像の奇想にもワクワク! 予告篇ではごく一部しか見えないけれど、CGと実写はとにかくデフォルメも効いて、ファンキーでクール。
「きれいはきたない、きたないはきれい」という言葉を何故か真っ先に思い出す映画。穢くへんちくりんに歪んだ登場人物達の織りなす美しい話。そしてHDRのようなコントラストが飛んだ映像も「きたないはきれい」を体現してる!
ティム・バートンの映画を彷彿とさせるコンセプトだが、その視点はバートン程、黒く淀んではいない。しかしそれと拮抗するような、楽天的な狂躁がここにある。
CGディレクター、プロデューサーは、(株)ルーデンス増尾隆幸氏。
ガマ王子、沼エビの魔女他のキャラクター、ザリガニ魔人の巨大な怪獣のような遊園地のような映像、実写とのカットバック、、とにかくスピーディーな展開に眼を奪われた(^^) 。
『パコと魔法の絵本』凄く演劇的と思ったら、後藤ひろひと原作の舞台『MIDSUMMER CAROL ~ガマ王子VSザリガニ魔人~』がベースになっている。これは観てみたかったなー! 登場人物は一部設定が違うようだ。
舞台の登場人物の写真を見ていると、雰囲気が違うが、パンクな感じは映画でのオリジナルなのだろうか?
◆関連リンク
・『告白』も手がけたCGクリエイターに聞く3D映像の可能性 (ORICON BiZ) - Yahoo!ニュース.
"増尾氏自身は、現在、フルCG の作り込んだ映像の製作よりも、実写との組み合わせにより惹かれていると続ける。 「CG はカメラ、照明、演技をすべて請け負うということを、CG 屋はもっと意識すべきです。CG 技術はさらに向上していくわけで、求められるのは表現のアイデア。生身の俳優と絡むことで、幾つも発見することができますね"
・中島哲也監督インタビュー | クリエイティブ・タブロイド withD(ウィズ・ディー).
"例えば、ガマ王子と いうカエルのキャラクターであれば、質感についてはCGディレクター増尾氏独自のこだわりがあり、そこに監督が細かく口を挟んでいたのでは、本来追求すべ き構成や演技プランが疎かになってしまう。そこで、監督としてはNGを出す際は極力シンプルな形で、目指すゴールに対して不足している点を指摘することを 心掛けているという"
・後藤ひろひと - Wikipedia
・ DVD『MIDSUMMER CAROL ガマ王子VSザリガニ魔人』
・ DVD『MIDSUMMER CAROL ガマ王子VSザリガニ魔人2008年版』
芝居『MIDSUMMER CAROL ガマ王子VSザリガニ魔人』、DVDがある。初演の2004年版に加え、2008年版もある。
・ 堀米 けんじ『パコと魔法の絵本 ガマ王子対ザリガニ魔人』
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