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2011年1月

2011.01.31

■シネグリーオ製作・冨永昌敬監督『アトムの足音が聞こえる』試写会プレゼント

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映画『アトムの足音が聞こえる』公式HP
cinegriot

“ この世ならざる音”を探し求める、一人の男の生き様を見つめる ドキュメンタリー映画。
 1963年、「鉄腕アトム」の放映がスタート。
 ブラウン管の中を元気に動き回るその小さなロボットの足音は、無機質な金属音ではなく“ぴょこぴょこ”と愛らしく響いていました。
 本作は、この一度聞いたら忘れることの出来ない“未来”の音を生み出した音響デザイナー・大野松雄の軌跡を描いたドキュメンタリーです(略)
 その波乱の人生を追うのは、『乱暴と待機』『パンドラの匣』の 冨永昌敬監督。
 2011年5月 ユーロスペースほか全国順次公開"

 TVアニメ『鉄腕アトム』で忘れられないあのアトムの音を作った音響監督・大野松雄氏を撮ったドキュメンタリー。
 アニメのアトムで育った我々世代にとっては、郷愁以上に、大野氏の創造した音は未来の感覚と密接に結びついている。
 今でもあの音を聴くと、当時の夢の21世紀の息吹を感じるような気持ちになるのは僕だけだろうか(^^;)。

Twitter / @坂本雅司さん

"@butfilp はじめまして。初代アトムのアニメの音響デザイナー映画「アトムの足音が聞こえる」を製作しました。よろしければ試写状をお送りしたいのですが。シネグリーオ坂本"

 この映画の企画・プロデュースを務めたシネグリーオの坂本雅司さんから、twitterでこの映画の試写会の券を5枚いただいたので、本Blogで希望者の方にプレゼントさせていただきます。

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 『アトムの足音が聞こえる』試写会は、上にある通り、映画美学校試写室(渋谷) 2/15(火)13:00, 3/4(金)15:30。京橋テアトル試写室(中央区) 3/17(木)13:00、4/5(火)15:30の予定。試写状で好きな日に参加できるので、いずれかの日程で参加できる方を募ります。
 観た後に、この記事へのコメントで簡単でもいいので、感想を書いていただくことを応募条件とさせて下さい(^^;)。試写に僕も行ければいいのですが、何しろ東海地区在住ではこの日程での参加は残念ながら無理です。なので感想を教えていただければ幸い。
 応募はメールで「アトム試写希望」とだけ書いて、以下のアドレスまで。
  butfilp@i.ソフトバンク.jp (ソフトバンクは英語に置換下さい)
 締切は2/5(土)まで。応募が多ければ抽選とさせていただきます。
 当選者にメールで連絡、本名と送付先を教えていただく形にしたいと思います。
 奮って御応募下さい!!

※このような試写状のプレゼントは、他の映画でも上記メールへ提案いただければ、随時実施したいと思います。映画関係社の皆さん、もしご覧になっていたら、よろしくお願いします。ただの個人blogではありますが、、、(^^;)。
 できれば僕も参加できる名古屋の試写会をお願いしますorz。

◆関連リンク
・『アトムの足音が聞こえる』紹介記事
 シネマトゥデイ Yahoo!ニュース配信
シネグリーオでは『劇場版神聖かまってちゃん』という魅力的な映画を作られていて、注目です!! (詳細は明日の記事を参照)

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2011.01.28

■古川日出男『TYOゴシック』刊行 & リーディング&トークショー

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古川日出男『TYOゴシック』
(ヴィレッジブックス公式HP)

" ほら、もうそこに怪物は立っている。
  古川日出男が挑む、魔都TOKYO(TYO)の貌。
 巨大都市東京の中でうごめく何かを、圧倒的な筆致で描く連作短篇集。これが日本発・世界文学の標準形。"

『TYOゴシック』ヴィレッジブックス刊 発売記念
 古川日出男 リーディング&トークショー
 (ジュンク堂書店 新宿店 トークセッション情報)

"■2011年1月31日(月) 19:00〜(18:30開場)

☆場  所  ジュンク堂 新宿店 8Fカフェ
☆入 場 料  1,000円 (1ドリンク付き)
☆定  員  40名"

 リーディング!! スピーカーのコーンでなく古川日出男の声帯が震わせた空気を、一度、生で体感したい!

 最近、少しご無沙汰していた古川日出男の小説。
 まず表紙のゴシック夜景にゾクゾク。この迫力はベルカ以来‼

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2011.01.27

■ベルリン『Proto Anime Cut』展に庵野秀明,渡部隆,森本晃司,小倉宏昌,押井守各氏が出品

株式会社カラー最新情報
ベルリン『Proto Anime Cut』展に庵野秀明が出品
.

"ベルリン『Proto Anime Cut』展に庵野秀明が出品

ドイツ・ベルリンのKuenstlerhaus Bethanienにて開催中の『Proto Anime Cut』展に、庵野秀明の作品を出品させて頂いております。

展示されているのは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』制作のためのレイアウトや設定(約30点)、自身の撮影による資料写真(約20点)などです。レイアウト・設定はすべて手描きによるオリジナルを展示しています。"

les jardins des pilotes —

"21 January – 6 March 2011 Opening: 20 January 2011, 19:00 Künstlerhaus Bethanien, Berlin

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  このサィトの記述によると、庵野氏の他、渡部隆,森本晃司,小倉宏昌,押井守各氏のレイアウト画等の資料が展示されているようだ。

 上の同サイトからの引用画は、渡部隆氏の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」からのレイアウト図。
 このように制作スタッフのクレジット付で、映画のプリプロ段階の作品が展示されるのは、とても素晴らしいと思う。今回は、アニメータの本篇原画は展示されていないようだが、そうしたものも展示され、欧米で各アーティストの業績が正統に評価されて、アートの領域でも名声が確保されることを望むものである。

 そして日本へは逆輸入して、アーティストとして、アニメータとかレイアウトマンが世間に認知されて行くといいのだが、、、。

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2011.01.26

■NHK BS-hi 『風を食べる生物 ~生命を創る男テオ・ヤンセンの挑戦~』

『風を食べる生物 ~生命を創る男テオ・ヤンセンの挑戦~』

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 NHK BS-hiで放映されたテオ・ヤンセンの番組についてレポート。
 先日、放映の際に、twitterでつぶやいたメモを整理したものなので、既に僕のつぶやきを読まれた方は、スルーして下さい。(当日のつぶやきは、こちら→BP@究極映像研(@butfilp)/2011年01月03日19:13〜20:12 - Twilog)
 写真は我が家のビーストくんと愛犬マフィン。

 各種のストランド・ビーストを砂浜で動かして優秀なものの機構を選択していくことによる進化を再現。風で飛ばされないように砂浜に杭を打つビーストもいるらしい。面白いアプローチだ。

 13本のビニールチューブによる脚のリンク機構の説明。地面で水平に動く。1500の組み合せを計算機シミュレーションで試して最適な長さ(聖なる数字)を決めたとのこと。

 最も進化したアニマリス・シアメシスは、72本の脚とペットボトルの圧縮空気タンクを利用したもの。これにより無風状態でも動ける。 

 テオ・ヤンセンのオランダの工房の制作風景。テオの足元に佇む愛犬ミスターマーフィー。
 圧縮空気を動力にした手作りのパイプ自動カッター。チューブの曲げ装置も自動で同じ角度の部品をどんどん作れる。ベアリングも熱で暖めたチューブにはめ込んで固定するだけ。15種類のパーツで各種ビースト作成。部品標準化も進んできているということである。

 東工大広瀬教授のコメント「有益性はないのでロボットではない。人に感動させる新しい分野の技術」。モータによる機構オブジェのアーティスト田中真聡氏「強い魅力がありアートと呼びたい。無用の用」

 テオ・ヤンセンが語る「黄色いプラスティックチューブはタンパク質」
 「チューブと恋に落ちたから使っている。他の材料を使ったら不倫」ww。
 「チューブの色が近い将来灰色になるらしい。僕のキャリアはそこで終わる。タンパク質が無くなると進化は止まる。オランダのチーズ色でないと愛せない」

 子供時代を語る姉。浜辺へ遊びに行きたいと泣く写真。37歳の時の絵描きマシーンビデオ。壁を水平に動かして機械の前にいるものの光を受けて吹き付ける絵の具の量を変えて転写するマシーン。連載していた、新聞のコラムは発明品や新しい文字(SWAIPの原型のようなもの)について。

 家族との休日。高校生の娘も黄色いチューブに恋!? しててドラム製作。チューブの色は何でもいいって。あとテオについて娘さん発言「ビーストを空想ばかりしてるので親として面倒くさくない」(^^)

 Youtubeに増殖するストランド・ビースト。既に1000本の動画が存在するとか。人が乗れるのは僕も見たことがあるが、エネルギ効率がよさそう。他の二足歩行ロボットより低損失だと思う。

 日本の中高学生3チームが1週間で自分たちのビーストを作成。
 4本脚のテオヤンセン機構のウィンドサウルス。重りの重心移動で坂道を歩く未来のダンゴムシ。圧縮空気とタービンで動く駆動/木製リンクの新機構の脚のラクダ。テオ「君達はウィルスに感染しミュータントを作った」。

 ストランド・ビーストのDNAは、ミームとして世界に拡散し、新たな進化を遂げつつあるようです。
 クラークかレムの筆致で、アーティストが生んだこのDNAが1世紀後に世界でどのような進化を遂げるか、幻視した小説を読んでみたいものです。

◆関連リンク
Hirose Fukushima Lab 東工大 広瀬茂雄教授の研究室HP
 開発された数々のロボット
JDN /サイバーキュレーター /5.田中真聡
 各種作品の写真。
キネティックアーティスト 田中真聡さん : パパ・タラフマラ新作公演「パンク!ドンキホーテ」メイキングブログ

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2011.01.25

■『不思議の国のあぐ作品展VI 』@ 名古屋 ギャラリー「アートグラフ」

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不思議の国のあぐ 作品展 | optoo TORQUATA DECO etc... 名古屋のアクセサリーショップ&オンライン・アクセサリーショップ Sipka 公式ブログ

"Sipkaのメインイメージヴィジュアルの人形を制作して戴いた作家 「あぐ」の個展が現在、名古屋市千種区のギャラリー 「アートグラフ」にて開催中です。 6回目の個展となる今回の展示は、マリオネットなどの人形、エッチングに加え、 立体作品を用いたストップモーションアニメや切り絵アニメの上映も行うようです。
「不思議の国のあぐ作品展 Ⅵ」
2010年12月18日(土)〜2011年2月21日(月)
ギャラリー アートグラフ
〒464-0821 名古屋市千種区末盛通4丁目13番地 第二富士ビル2F
tel (052)762-6223

 昨日の記事で紹介したオブジェの作家 あぐ さんの個展について、Twitter / @泡: @butfilp sipkaさんから教えていただいたので、ここでご紹介する。 

 詳細はリンク先を観ていただきたいが、名古屋のギャラリーで現在、開催中。
 展示はオブジェに加えて、コマ撮りのアニメ作品の上映も実施されているということで、たいへん楽しみな催しとなっている。

 時間が取れなくて、今週は行けなかったのだけれど、近いうちに、行ってみたいと思っている。

◆関連リンク
:::Artificial Dreamy Eyeballさん::: : **不思議の国のあぐ作品展VI【081130:日】*** こちらに木のオブジェ作品の写真が一点掲載されている。
静かにめるへんさん | ★★★ 最近のフリ−ダムさ〜ん ★★★
 こちら、2009年の記事。作家御本人と、別の作品の写真。
マロニエ葉書さん ~galleryshop Yumi:不思議の国
 2009.5/11-5/18に由美画廊で開催された個展のレポート。クリックすると拡大する作品4点の写真あり。
不思議の国のあぐ作品展 - Google 画像検索

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2011.01.24

■アクセサリー・セレクトショップ・sipka-シプカ- @名古屋大須

Sipka

アクセサリー・セレクトショップ・sipka-シプカ-

"Sipka-シプカ-は、「すべてのものには物語がある」をコンセプトに身につける人が物語を感じるような アクセサリーをセレクトしたショップです。
作家が作品に込めた想いは ギャラリーのような店内で丁寧に紐解かれ、 手に取った人が自由な発想で装う事で 「物語」となり循環してゆきます。
まるで子供が魔法に導かれて冒険を繰り広げるように... 作り手が錬金術師のお店に託した幾つもの物語とともに 不思議なアクセサリーとの出会いがあなたを待っています。
愛知県名古屋市中区大須二丁目14番地3号エビスビル2F"

 twitterで知った名古屋のシュルレアリスム(^^;)!
 昨年12月、東海地区のNo.1ワイドスクリーンバロック地域(^^)である大須にオープンした「アクセサリー・セレクトショップ・sipka-シプカ-」。
 とにかく上で引用させていただいたお店のHPにおいて、メインビジュアルイメージとなっているオブジェが素晴らしい。
 チェコのシュールレアリスト ヤン・シュヴァンクマイエルを彷彿とさせる佇まい。シュヴァンクマイエルより強力にスティームパンクな雰囲気を漂わせて、さらに機械的な硬質なイメージが加わり、異彩を放っている。

 アクセサリーとかファッションの領域に疎い僕でも、このオブジェの放射するオーラに導かれて、周囲にディスプレイされた造形品を思わず購入してしまいそう。女性、しかも東欧アートファンの女性はくれぐれも御注意下さい(^^)。

■このオブジェの作家 あぐ さん

Twitter / @泡(awa_des_jours)さん

"@butfilp sipkaのオブジェを作った方は「あぐ」さんという方で、愛知県在住の作家さんです。ドゥシャン・カーライの教え子さんなのですよ。名古屋、本山の 「アートグラフ」という版画専門のギャラリーで年に一回個展をやってらっしゃって、丁度今も2月半ばまでやっています"

 このお店とオブジェ制作に関係されている@awa_des_joursさんに御質問して、オブジェのアーティストの方について判明。
 Dusan Kallay / ドゥシャン・カーライ(チェコの絵本CEDOK bookstoreへのリンク)の教え子でもある「あぐ」さんとのこと。

 あぐさんについては、続けて、明日の記事で、この個展の情報をご紹介する予定。

◆関連リンク
optoo TORQUATA DECO etc... 名古屋のアクセサリーショップ&オンライン・アクセサリーショップ Sipka 公式ブログ
 アクセサリーの新作や展示会の最新ニュースはこちらに掲載されています。

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2011.01.21

■超裸眼立体視法 3D No glasses by Jonathan Post

YouTube - 3D No glasses by Jonathan Post
(Twitter / @Toshio Kinoshitaさん経由)

"左右の瞼を電気的に開閉させることで3Dを見る発明。アイデアとしては画期的だけど少し怖いなぁ。将来映画館で実用化されたら映画よりも皆の目を見ている方が面白いかもしれない!:動画:メガネなしで3Dテレビを観る画期的発明 (自前シャッター式)"

 Jonathan Post氏が発明した新方式をアーティストのFrançois Vogel 氏がデモンストレーションしている映像。
 これは凄い、マッドエンジニアリング!(^^;)。是非、上の動画を観てほしい(全体2分弱の後半)。
 筋肉が電気刺激で動いて、まぶたがシャッターの役割を果たしている!まぶたが高速でパチパチしてる。これと液晶モニタの映像が同期して、立体視が実現できているらしい。
 しかし、本来リアルな3Dを得るには、各眼30コマ/sが必要で、開閉をそれだけのスピードでしなくてはいけないわけで。本当にできるのだろうか。
 特に長時間続けたら、恐ろしいことになりそうである。

◆関連リンク
paranoid US - François Vogel 公式HP
 映像作家François Vogel氏の制作した、いくつかの動画がある。
paranoid US - François Vogel - Little Dragon 'After The Rain' (excerpt)
 このコマ撮りのPVがなかなかいい。

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2011.01.20

■大人の科学「テオ・ヤンセンのミニビースト」

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 「テオ・ヤンセンのミニビースト」を買った。
 上の写真、上段右が全部品。ここからはめ込み式のプラモデルのように接着剤不要で組み立てる。
 ちょっとわかりにくい部分もあるけど、説明書を見て1時間くらいで組めるでしょう。
 取説をじっくりみて、部品の表と裏を間違えないように注意して組み立ててれば大丈夫。僕は一回裏表を間違え、ほとんど完成したところから、一度バラして組み直したので(^^)、1.5時間かかったww。
 うちのビースト君の動きを、下の動画でご覧下さい。


 
脚の動きのアップも少し入っています。これ、横からかなりの勢いでウチワをあおいでいます。脚の動きがスムーズで柔らかい動きをするので、凄く生物的に感じる。ルックスを工夫・加工してみるのも面白いだろう。
 動画の途中、巨大生物が後ろを通りかかりますが、うちの犬です(^^;)

 これを作ることによって、ストランドビーストのリンク機構を、身をもって(失敗すると身に付く(^^;))知ることができた。ちょっと高いけれど、ファンには堪りません。これで、巨大な奴を自作する人も出て来るでしょうねw。

◆関連リンク
大人の科学マガジン Vol.30『テオ・ヤンセンのミニビースト 』
 Amazonでは売り切れ中ですが、うちの近所でも積んであったので、書店はまだ大丈夫でしょう。twitterのつぶやきでは一時Amazonで売上げ首位だったみたい。次も期待できるかも(^^;)。
テオ・ヤンセンのミニビースト | 大人の科学マガジン公式HP 動画
YouTube - 改造版テオ・ヤンセン Theo Jansen のミニビースト 大人の科学M Vol.30

テオヤンセン日本オフィシャルサイト
STRANDBEEST
Theo Jansen - Google ビデオ
Dailymotion - TEDTalks_ Theo Jansen (2007), a video from tedtalks. www.ted.com, Tedtalks, biomechanics, Theo, creatures.ヤンセンが解説
Theo Jansen『The Great Pretender』

当Blog記事
・見学記 2009.1『-Theo Jansen- テオ・ヤンセン展』-1
・見学記 2009.1『-Theo Jansen- テオ・ヤンセン展』-2
・Theo Jansen- テオ・ヤンセン展
「テオ・ヤンセン展~生命の創造~」@日本科学未来館 シアメシス&大人の科学ミニビースト

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2011.01.19

■トラン・アン・ユン監督ライブトーク 劇的3時間SHOW

劇的3時間SHOW 5人の国際映画監督が語る
 2010.12/13にトラン・アン・ユン監督が、青山のスパイラルホールで3時間語られたトークイベントから、約7分間がYoutubeに公開されている。

 映画言語について語るユン監督の言葉が、昨日の記事に書いた内容と関係していて、とても興味深い。どこかに文章が起こされていないかと思ったのだけれど、なかったので、とても貴重な発言と思うので、以下字幕から書き起こし。(問題があれば削除します。)
 

"映画という芸術とはどういうものなのか、僕なりに考えていることを...皆さんにお話しできればいいと思っています。"

"ピカソが自分の個展で、ある女性に会います。その女性はピカソの絵画の前に立って、私はあなたの絵をまったく理解することができない、と言います。ピカソは、その女性に視線を投げて、優しそうな微笑みを浮かべながら、マダム、絵画というのはひとつのランゲージです。ですからそれは語るものなのです、と言います。ここで重要なのはランゲージつまり言語とは何かということです。"

"映画言語、ランゲージという部分においては、今まであまり語られることはなかったと思います。このようなことをテーマにする映画監督も、あまりいなかったと思っています。"

"(黒澤明監督『生きる』のカメラワークについて)この方法というのは、まさしく黒澤監督のヒューマンな部分、そしてモラルな部分を見ることができます。つまりカメラがアグレッシブに、その男の顔を捉えているわけではないのです。男の顔は病気を感づかれて絶望に打ちひしがれてはいるのだけれども、カメラがそれを捉えるのではなく、男の方がカメラに向かって、そんな表情を表していくわけです。"

"映画というのは、理解しやすいアートだと言われていると思います...映画というのは、より複雑であって言葉では表現できない、いろんな感情を感じ取ることができる。"

"『ノルウェイの森』ですが…機会があればストーリーを追うということを置いといて…色の変化、音の変化、そういったことだけに集中してこの作品を見たら、別の感情が感じられると思います"

"そういう感情が持てるというのが、映画が持っている、特性だと思います。ですから、映画を見る時に映画言語というようなものを少し意識しながら見ると、 また別の見方ができるんじゃないでしょうか"

 ここまでがPart1、続きも面白いがこの延長上で、さらにユン監督の映画の考え方について述べられている。あとはYoutubeの動画をご覧あれ(^^)。大変刺激的です。

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2011.01.18

■感想 トラン・アン・ユン監督 村上春樹原作『ノルウェイの森』

Jpg

映画|ノルウェイの森(公式サイト)

 トラン・アン・ユン監督『ノルウェイの森』を遅ればせながら観た。
 傑作! 俳優と音楽、そして映像が語る豊潤な空間。奇跡のようなショットがいくつもある。
 特に冒頭の引用写真のシーン。
 直子からの手紙で会えることがわかって階段を駆け上がるワタナベの映像から、直子が治療する京都の阿美寮の森の空撮への切替えのカット。凄い映像の快感がある。
 そして、その阿美寮の夏の草原シーン(下左)と、レストランでの会話するハツミに迫るカメラの映像。特に前者はなんとも不穏な空間を見事に切り取っている。なんなのだろう、この異界感覚。
 他にもいくつもあるのだけれど、この3ショットに特に痺れた。この映像を観るだけでも映画館へ脚を運ぶ価値があると思う。

Photo

 トラン・アン・ユン監督の映画は、第一長編『青いパパイヤの香り』に続いて、観たのは2本目。
 第一長編も独特の映画空間で素晴らしかったのだけれど、新作は、そこからも凄く進化してる。映像と音と音楽の演出の文体が凄い。そして全体は村上春樹の作品としても成立している奇跡(^^;)。

 阿美寮のシーンに代表される不穏な狂気のような映像の凄み。 どこか黒沢清『カリスマ』を思い出したが、個人的には黒沢清作品比2.5倍の強度。もちろんホラーではないが、そうした映画のファンにも薦められるくらいの秘めた迫力がある映像。

 トラン・アン・ユン監督の文体。
 『青いパパイヤの香り』ではセリフを刈り込んで俳優の表情と情景と、そのアップ映像が特徴で、独特の静かなトーンだった。
 『ノルウェイの森』では才気走ったカット割と音楽のインサートがさらに凄みをそれに追加。まさに映画の神が宿ったような奇跡的瞬間を作り出している。

 トラン・アン・ユン監督の独特の映画演出に加えて、村上春樹の小説の文体が人物のセリフとして、映画としてはある意味、過剰に混入する。
 しかしそれによって獲得された映画の豊潤+村上文体をリアルな人がしゃべることで、いくつか吹き出すような笑撃もw。

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 加えて、音も凄い。
 最初の方で直子とワタナベの歩くシーン、そこの森の音にまずまいった。とにかく映像も音も物語も、鋭敏な刃物のような演出!

 撮影監督は李屏賓。
 スクリーンの印象は全体がくすんだように感じられる映像だったが、パンフのスチルで観るとクッキリ。くすんだ映像が良かったのだけど、映画の空気に侵入された僕の気のせいだろうかw。

 音楽はレディオ・ヘッドのギタリスト、ジョニー・グリーンウッド。主題のビートルズの歌も使われているが、全体の音楽のトーンはそれを汚したような歪んだ旋律に彩られている。不穏な弦の音にゾクゾクw。Amazonで視聴できる曲"レイコ"とかとてもいい。
 Jonny Greenwood "Doghouse" performed by BBC Orchestra
 『ノルウェイの森』サウンドトラックの基になったもの。この弦の不穏さを試聴あれ。

◆滝本誠さんとの『ノルウェイの森』をめぐるツイート

Twitter / butfilp トラン・アン・ユン監督『ノルウェイの森』

"映画としての異界度は私的には『マルホランド・ドライブ』以来のレベルだった。不穏な空気感、暗黒への踏み込み方等、まさに一級の異界映画。ベトナムから生まれたノアール、滝本誠さん( @noirtaki )は観られたのだろうか。"

Twitter / @滝本誠さん

"@butfilp 「ノルウェーの森」観てないのですよ。パンフに原稿依頼はあったのですが、とても断れない魅力的な編集者なので、これは試写観ると押し切られるという恐怖から試写行かずW。村上春樹氏はたしか以前、リンチからオファーがあれば、と書かれてましたが。"

 残念w‼ この映画にとてもマッチしたLPの形態をした見事なパンフに、足りないのが滝本さんの評論。いずれどこかで是非、書いていただきたいものです(^^;)

 そして、村上春樹のデイヴィッド・リンチへの監督してもらいたいという情報。リンチが撮っていたら、、、、想像するだけで、脳内映像が暴走します(^^)。

◆あと極々私的に。
 加えて『ノルウェイの森』は、1/14深夜1/15早朝にtwitterでつぶやいた『アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風』をめぐる意識についての話とクロスする(またかw!読み飛ばしてねw)。
 言語で描かれる小説はまさに意識の紡ぐ物語。比して映画は、音楽と映像と言語とそして言語化されない人体の動きと呼吸から構成される。言語をはみ出た豊潤さを獲得した『ノルウェイの森』。

 村上春樹が生み出した登場人物たちの湛える精神的な病のいくつかは、言語と意識が生起したものだろう。映画が始まって、それと拮抗する無意識の知性(身体の動き?)が映画の演出でどう描かれるか期待しつつ観た。そこはたぶん村上も主題にした性の部分として描写された。

◆関連リンク
『ノルウェイの森』トラン・アン・ユン監督インタビュー -インタビュー:CINRA.NET

"他にも映像化したい作品はありましたか?
トラン:それはもちろん、映画化しても素晴らしい作品になる可能性は多くの日本文学から感じられます。私は今までたくさんの刺激を受けて来ましたし、オリジナル脚本で撮る予定の次回作にも多くの日本文学、特に村上春樹さんの影響があると思います。"

Togetter - 「映画「ノルウェイの森」を読み解きながらほとばしるドーパミンっ、村上隆さん @takashipom の 壮絶・悶絶・絶賛!っぷり。」

 村上隆さんの『ノルウェイの森』の大絶賛ツィートをまとめたもの。内容は最高のハイコンテクスト映画であり、革新的と書かれている。
 特に以下のユン監督とのやりとりの部分が興味深いので、以下引用。

"・『ノルウェイの森』監督の Tran Anh Hung様より、ウェブのお問い合わせメールから、メールを頂きました。凄く驚くと共に感動的な手紙の内要でした。誰かがフランス語に翻訳してくださったのでしょう。 takashipom 2011-01-12 11:16:37
・ 『ノル森』監督の トラン・アユン監督からの手紙。クリエーターは常に孤独なのです。なぜなれば、頭脳に瞬くきらめく閃光を通常の文法しか持たない大衆に向けて表現し、共感を呼ぶ行為は『不可能』に近い事を知っている。 takashipom 2011-01-12 11:19:05
・ 「ノル森」:しかし、勇気を持って今ある文法をパッチワークし、その隙間に新しい文法を忍び込ませて、世界のどこかにいる同士にむかって暗号を流す。しかしそれは孤島から瓶に手紙を封じ込めるのと同じように不可能性の高い伝達方法なのです。 takashipom 2011-01-12 11:20:44
・ しかし、それが『芸術』なのです。その暗号を受け取る能力を持った人間が実は評論家、批評家としてこの世に存在するのですが、『ノル森』においては、なぜかその言語解読者がいなかった。 takashipom 2011-01-12 11:22:01
・ 僕は仕方なくと言うか、流れ着いた瓶のふたを開けて出て来た暗号を解読して、皆に伝えねばならないと思った。それが漂着した瓶を拾ってしまった者の責任だから。takashipom 2011-01-12 11:23:19"

Togetter - 「番外編: 村上隆さん @takashipom ハイコンテクスト編 2010年12月21日」
・TBS RADIO ザ・シネマハスラー「ノルウェイの森」 (ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル)
 Podcastを聴くと、他に、時系列で並べていない2.5時間版, 脚本通りの3.5時間版もあるらしい。これはブルーレイで全ver出してほしい。
 釈然としないところが多いとライムスター宇多丸氏は語っている。あと阿美 寮の夏の草原シーンとレストランでのハツミを挙げ前者はJホラー的と言っている。

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2011.01.17

■恵比寿映像祭 ヤン・シュヴァンクマイエルの夢 『サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生-』上映と監督によるQ&A

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「サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生-」

"第3回 恵比寿映像祭
ヤン・シュヴァンクマイエルの夢 最新作「サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生-」
公演日 2011年2月19日(土)
開演 13:00 / 開場 昼12:45
会場 東京都写真美術館ホール
* この回上映後、監督によるQ&Aあり(予定)。
前売り1/15〜
全席指定-900円※(空席あり)
チケットぴあ
 Pコード:763-091"

 ついに邦題が決まり、公開が決定された!!
 合わせてヤン・シュヴァンクマイエル監督の来日が予定されているとのこと。2/19の上映後には、監督によるQ&Aがある。

 というわけでチケットぴあでチケット取った。
 今のところ、行ける当てはないのだけれど、勢い購入してしまった。もし都合と交通費が工面できなかったら、どうしよう(^^;)

恵比寿映像祭(公式HP)

"チェコ・アートアニメーションの代名詞ともいえるシュヴァンクマイエルの最新作《Surviving Life》のプレミア上映にあわせて、制作時の習作ほか資料を展示。生涯現役のシュルレアリストが見せる終わらない夢の断片。"

Yebizoブログ » みどころ1/ヤン・シュヴァンクマイエル祭り!?.

"プレミア上映は、2月19日(土)と2月27日(日)のみ。しかも19日(土)には来日した彼自身が上映後のアフタートークにお付き合い頂きます。

また地域連携プログラムではチェコセンター(チェコ共和国大使館内)にて2月22日(火)~展覧会とゲストトークを行います。"

 2/22のイベントについては、Czech Centres(チェコセンター)公式にもまだ記載がない。またわかり次第、紹介したい。

◆関連リンク 当Blog記事
ヤン・シュヴァンクマイエル『サバイビングライフ』メイキング
新作『Surviving Life』に関するパリでのティーチイン
『Surviving Life』予告篇
『サバイビング・ライフ』準備中 Přežít svůj život:SURVIVING LIFE, Jan Svankmajer
ヤン・シュヴァンクマイエル公式サイト+新作『サバイビング・ライフ(理論と実践)』情報

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2011.01.14

■感想 トラン・アン・ユン監督『青いパパイヤの香り』Trần Anh Hùng "Mùi du du xanh"

Photo

青いパパイヤの香り - Wikipedia

"『青いパパイヤの香り』(あおいぱぱいやのかおり、ベトナム語題: Mùi du du xanh, フランス語題: L'odeur de la papaye verte , 英題: The Scent of Green Papaya)は1951年のサイゴンを舞台とした、ベトナム・フランス共同制作の映画。トラン・アン・ユン監督のデビュー作で、カンヌ国際映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)・セザール賞新人監督賞を受賞したほか、アカデミー外国語映画賞にもノミネートされた。"

トラン・アン・ユン - Wikipedia.

"トラン・アン・ユン(チャン・アィン・フン、クオック・グー:Trần Anh Hùng, 漢字:陳英雄, 1962年12月23日 - )はベトナム出身の映画監督・脚本家である"

 『ノルウェイの森』の予習で(^^)トラン・アン・ユン監督の長編デビュー作『青いパパイヤの香り』を観た。
 ハリウッドでも日本でも中国でもない独特の文法の映画。セリフをミニマムにして、カメラはグッと被写体に迫って、静かに深く対象に迫る映像と物語がなかなか。
 一瞬、小津安二郎を思い出したけれど、あの架空の昭和初期と比べると、やはり随分と異なる。

 そして村上春樹の作風と近いかというと、これも明らかに異なる。
 けれどもどこか通底している...。この監督は12歳でベトナムからフランスへ移住したとのことだが、ベトナム映画の文脈とはどんな風に接続しているのか気になる。ベトナム映画一本も観たことないのでww。

 小津を思い出した要因のひとつが、『大人の見る繪本 生れてはみたけれど』に通じるいたずら坊主の三男の存在。物語では触れられなかったが、彼の消息が知りたいw。

DVD『青いパパイヤの香り』

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2011.01.13

■iPhone立体3Dスキャンアプリ『Trimentional』

iPhoneのカメラで立体の3Dスキャンができるアプリ『Trimentional』
  Touch Lab - タッチ ラボ
(Twitter / @日下部むのるさん経由)

"iPhoneのカメラを使い立体から3Dの物体を合成する「3Dスキャナー」。撮影した物体の正面だけでなく角度を変えて表示することができます"

 iPhone立体3Dスキャナーアプリ"Trimentional"。
 リンク先の記事を見ていただくとわかるが、一回のシャッター操作で、iPhoneの画面の光を四方から当てるようにして、画面側のカメラで撮影。その四方の光による陰影から被写体の奥行きを計算し、3Dモデルを自動作成するアプリ。

 さっそくインストールして試してみたので、ご報告。

Trimentional_dog_5_picies2

 まず家人が作成したぬいぐるみを撮影した結果の3Dモデル。
 本来はiPhone上で、指で動かしてグリグリといろんな角度からの映像が見られるのだけれど、ここでは写真のようにその画面キャプチャーの静止画で雰囲気を見てもらいたい。

 さすがに簡易的なスキャナーなので、なかなか凹凸をバッチリは認識できないw。それでもそれなりに3Dグリグリ感があるので面白い。以下、参考にさらにいくつか撮った結果。

Trimentional_pappet_pig

 上はチェコのパペット。下がブタの加湿器(^^;)。
 なかなかそれらしくモデル化されているが、でもやはり黒い部分があると、なかなか凹凸が正確に把握されていない。

Trimentional_muffin

 次は生物(動く被写体で撮りにくいw)。
 うちの愛犬マフィンを撮ってみたら、本当は鼻の高い美人なのだが、こんないびつな顔に(^^;)。鼻が黒いので凹と認識してしまうんですね。陥没した顔が痛々しい!!

Trimentional_dog_wire2

 このようにワイヤフレームにも簡単に変換できる。

 今後は、このアプリ、基本の3Dデータ取得性能向上と、撮った3Dモデルを公開できる仕組みが出来ると良いね。
 このように今回紹介しているが、これは本来、アプリでモデルを指で動かして観ないと本当のところは解らないからw。

 最後に蛇足。
 3Dデータモデルをグリグリ動かして、家人に見せたら「マックスヘッドルームみたい。でもそんな映画を覚えているのは記憶の無駄遣いだわっ」w。最近、 究極映像探求に家人はまるで無関心(否定的)なのは何故だろう(^^;;)と胸に手を当てて考えるw

◆関連リンク
・アプリのデモ動画。不気味なおじさんの顔を見たくない人は、クリックしちゃ駄目ww。

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2011.01.12

■クリス・クゥクシ:KRIS KUKSIアートブック "Divination And Delusion"

Kriskuksibookdivinationanddelusion

KRIS KUKSI: Divination And Delusion

 骸骨彫刻他で刺激的な作品を作り続けているアメリカのアーティスト クリス・クゥクシの本。
 タイトルの"Divination And Delusion"は「予言と妄想」と訳せるのだけれど、まさに彼のアートにはピッタリだと思う。(残念ながらAmazonでの取り扱いはないため、購入は直接上のリンクで申し込む方法しかないようだ)

 以前、2007年に"Kris Kuksi : クリス・クゥクシ 骸骨による戦争アート"という記事で紹介したことがあるのだが、この作家のHPがアップデートされており、さらに2010年までの最新作品も掲載されているので、改めて、下記御紹介。

Kris Kuksi : Home Artworks Sculpture
 2010年、最新の傾向としては骸骨が減っているように見える。
 各作品をクリックして画面一杯に画像を開き" > " をクリックすると、作品のディテイルを観ることが出来る。細部がまた素晴らしいので、是非クリックを。

◆関連リンク
・ "iPhone4用スキンシール Deadly Sins/Kris Kuksi:クリス・クゥクシ コラボモデル"
 こんな物があって小驚愕(^^;) これを貼れば、骸骨彫刻アート仕様のiPhoneの出来上がり!
Kris Kuksi : クリス・クゥクシ 骸骨による戦争アート
 2007年の記事。

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2011.01.11

■謎のHP、ウルトラQ coming soon と www.ultraq-color.com

Q_coming_soon

ウルトラQ(http://m-78.jp/q/)
円谷プロ公式サイト
 (付録部 blog-buさん : 【特撮】謎のホームページ、ウルトラQ coming soon....経由)

 1966/1/2『ウルトラQ』放映開始で、先日45周年を迎えたとのこと。これに関係したイベントのようだが、何が起こるかワクワク!
 『ウルトラQ』は幼少期に観て完全に刷り込みがなされているので、郷愁やらなにやらで冷静な判断ができないのだけれど(^^;)、やはり僕ら60年代世代の奇想映像のオリジンであることは間違いないww。
 僕らの世代はシュルレアリスムを円谷作品で知った世代!(^^;)怪獣たちに込められた成田亨、高山良策ほかの美術家のシュルレアリスムの直撃を受けた世代にとって、このガラモンの写真だけでドキドキと鼓動が高まる。

ウルトラQカラーテスト映像?!Blog [特撮ヒーロー作戦!]さん

"ニコニコ特撮でなんとウルトラQのカラー映像がテストアップされていた!"

 09.4/1に一日だけ円谷プロ公式名で公開されたという。
 そしてここに書かれているカラー化プロジェクトの噂。これが「ウルトラQ coming soon」の正体ではないかというのがtwitterでの各所の予想。

Ultraqcolor_com_3

 で、調べてみたら、円谷プロによって、こんなサイトも用意されていた!
http://www.ultraq-color.com/(右写真)

CyberSyndrome : Whois

"Domain Name: ultraq-color.com
Created On: 2009-06-04 15:39:35.0
Last Updated On: 2009-06-09 11:20:35.0
Registrant Organization: TSUBURAYA PRODUCTIONS CO.,LTD."

 ドメイン名からサーバ運営者を調べるサイトによると、このサイト、円谷が09.6月に取得したサイトであるらしい。
 これはカラー化、間違いないかも?!

 カラー化によって怪獣シュールレアリスムがどんな跳躍を果たすか、恐いもの見たさw。どうせなら3D化も期待したい。ガラモン立体視、見たいw。

◆関連リンク
http://bit.ly/gsrUh0
 ウルトラマンシリーズ45周年記念サイト、こちらも楽しめます。
成田亨 - Wikipedia
ウルトラマン・アート!展 | ウルトラマンシリーズ45周年記念サイト.

# 北海道旭川美術館 (2010/09/18~11/28)※終了致しました
# 岩手県民会館 (2011/01/07~02/13)
# 鹿児島市立美術館 (2011/03/30~05/08)
# 福井市美術館 (2011/07/16~08/21)
# 茨城県近代美術館 (2011/11/03~2012/01/15)[予定]
# 長崎県美術館 (2012/01/27~03/31)

Togetter - 「2011年1月1日「ぼくらのウルトラマン伝説」
 「ぼくらのウルトラマン伝説」成田亨氏の功績にかなり時間がとられていて絵も多く紹介された。
 なんとあのメトロン星人のちゃぶ台が展示会場に再現されている(写真)。凄い! そこに座りたい。一番近くても福井かぁー。
徹底検証『ぼくらのウルトラマン伝説』再放送決定!
  (Blog アンヌ隊員のひとりごと経由)
 2/12(土)13時~15時、BS日テレで再放送。お見逃しなく!!
「ウルトラマン幻想譜」INDEX:4 (Twitter / @Uotuki-tsukuyoさん経由)

"「(略) 私は、さしあたって乙女座 のM87星雲−反宇宙が存在するというそのあたりへ旅立って、おずおずとこの本を差し出すほかない。これは、いわば反地球での反人間のための物語である」
 この文章で語られた、現実の背後の「想像を絶した奇怪な非現実的世界」、これはウルトラQシリーズのテーマそのままではないか。(略)
 これは実は、中井英夫『虚無への供物』(一九六四年、初版時ペンネームは塔晶夫)の 初版あとがきの一節である"

 ウルトラマンのM78星雲は、中井英夫『虚無への供物』からとられたのではないかという論考。ウルトラマン-怪獣による大量死の無意味の連鎖。『虚無への供物』を原案にした怪獣映画を夢想してしまう。

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2011.01.10

■TAKE IT EASY!×末満健一 舞台版『千年女優』(今 敏原作)東京・大阪で再演

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舞台版『千年女優』 公演概要(公式HP)
舞台版『千年女優』東京・大阪で再演 - KON'S TONE.

"TAKE IT EASY!×末満健一 2011
脚本・演出: 末満健一 原作:今 敏
脚本・演出:末満健一[ピースピット]
音楽:和田俊輔[デス電所]
出演:清水かおり 中村真利亜 前渕さなえ 山根千佳 立花明衣
[大阪公演] 会場:HEP HALL 公演日程:2011年1月20日(木)〜24日(月)
[東京公演] 会場:シアターグリーン BIG TREE THEATER 公演日程:2011年2月17日(木)〜21(月)
[福岡公演] 会場:ぽんプラザホール
2011年4月9日(土)〜10日(日)"

千代子讃江・その1 - KON'S TONE
(今 敏  舞台版『千年女優』感想)

"すべて可愛い。
この喜び方に近いものを世間に探すとすると、こういうことに似ているのではないか。
「孫が可愛い」
孫を持った経験などないが、きっと、そうだ。 これは初孫を見るような気持ちに違いない。 無論、娘であるアニメーション版『千年女優』だって可愛いが、映画における一番の責任者である者にとってはおのれの不明による出来の悪い面がクローズアップされてしまい、無条件に可愛いというわけにはいかない。 (略)

しかし「娘」から生まれた「孫」は可愛いのである"

 上は2009年の名古屋公演の今 敏氏の感想。
 2011年大阪、東京、福岡で再演されるとのこと。

Twitter / @水口美佳さん

"今さんにも「あんな法螺話をどうやって舞台に?」と驚かれました。映画と全く同じ展開でノーカット90分でお届けします"

 この舞台のプロデューサーの水口さんのつぶやきです。全く同じ展開、というのがとても興味深い。あの映画と同等の時間進行で再現される舞台。
 もともと演劇は、同一の舞台でも時空を超えることが容易なメディア。
 あの時空縦横無尽の今 敏監督の映画をどのように芝居にしているのか、とても観てみたい。

YouTube - TAKE IT EASY!×末満健一 2011 舞台版『千年女優』予告
 YouTube - 舞台版 千年女優ー劇中歌『数え歌 無限千年回廊』
 YouTube - 舞台版「千年女優」(2009年版) のみどころ紹介!

"2009年に舞台化された、今 敏原作の人気アニメ『千年女優』。「立体化不可能」の声を覆した伝説の作品が、圧倒的な支持を受け待望の再演決定!"

 ここで2011年版の予告篇、芝居の一部が見られます。
 また、2009年版を見ると、女優5人が千代子役、それによる入れ子構造の表現になっているとのことです。

◆関連リンク
今 敏監督への追悼文(ピースピット│末満健一氏のナイトメアビフォアまんとなく日記)
 演出家の末満健一さんのBlog記事。これによると『東京ゴッドファーザーズ』の舞台化も今 敏監督にお願いするつもりだった、と記されています。

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2011.01.07

■『ズジスワフ・ベクシンスキ作品集成II』 & 『戦場のピアニスト』

ズジスワフ・ベクシンスキ『ベクシンスキ作品集成II /絵画・彫刻・レリーフ』(Amazon)
editions treville | ベクシンスキ作品集成II /絵画・彫刻・レリーフ
editions treville | 『べクシンスキ作品集成II』まもなく刊行

"...初期作品にあたる60年代彫刻・レリーフをはじめ、既刊本未収録の70 年代「幻想の時代」の名作群。抽象表現主義に回帰しカラフルな色彩に特徴づけられる独自の生体廃墟像が登場した80年代・90年代作品群。そして最晩年、ベクシンスキ絵画は究極の審美と洗練に到達する。モノトナスな色彩の中で巨大構築物が荘厳な墓標のごとくそびえ立つ幻想的終末風景が中心となった2000年前後の傑作群である。また絵画と並行して取り組まれたCG作品やデジタルによるフォトモンタージュ作品の活動、ベクシンスキと音楽、ドモホフスキ画廊の果たした役割などポーランド人研究者による詳細な解説により死の直近2005年までの作品の変遷、エピソードをたどる。さらにドモホフスキ、谷川渥、藤田博史各氏による渾身のベクシンスキ論を収録"

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 昨年末に刊行された『ベクシンスキ作品集成II』、エディシオン・シレヴィルのHPに紹介されたこの引用画像の絵が素晴らしい。
 特に表紙にもなっているオーニソプターのような飛行機の絵。
 淡い沈んだ青の沈痛さと傷ついた翼竜のような姿態が深いドラマを感じさせる。
 特に上の泡のような青い岩の浮遊する閉鎖的な世界に飛来した傷ついた飛行物体のイメージは、大きな物語と寂寞とした感覚を飛来させる。頭の中に羽ばたきの音が聴こえるようだ(^^;)

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◆The Pianist ロマン・ポランスキー『戦場のピアニスト』
 戦場のピアニスト - Wikipedia

"1944年8月、ポーランド人の抵抗勢力はワルシャワ蜂起を起こした。その結果、ワルシャワは壊滅してほとんど住む者もいなくなり、シュピルマンは廃墟の中で完全に孤立無援となった。"

 年が明けて、HD録画してあったロマン・ポランスキー『戦場のピアニスト』観た。ナチスドイツによるポーランド侵攻、想像してた以上に苛烈な状況。
 終盤、ポーランドの地平線まで続く街の廃墟が画面に映し出される(上の引用写真)。
 ズジスワフ・ベクシンスキーは、当時16歳。
 彼がこのワルシャワの情景を観たかどうかは想像するしかないが、この終焉を目の当りにしていたとしたら、彼の原体験になっていることは間違いないだろう。
 このポランスキーが撮った世界の終わりと、『ベクシンスキ作品集成II』から引用した上の絵のイメージが恐ろしく似通っていると感じるのは僕だけであろうか。

◆関連リンク
ズジスワフ・ベクシンスキー - Wikipedia

"ポーランド南東サノク出身。少年時代にナチス・ドイツのポーランド侵攻を経験している。

幼少時のズジスワフ(右)。1941年に撮影。サノクにあったソ連軍の掩蔽壕の廃墟で友人と遊んでいる"

ヴィルム・ホーゼンフェルト - Wikipedia.

"証拠がなく、しかもホーゼンフェルトを弁護する多くの人々の証言にもかかわらず、ホーゼンフェルトの不起訴と刑の執行猶予はソ連軍当局によって拒絶され、軍 事法廷で諜報活動に従事した戦犯として25年の強制労働を宣告された。拷問や過酷な労働のため何度かの脳卒中を起こし、精神に異常を来たした末に、スター リングラードの戦犯捕虜収容所で1952年8月13日に死亡した"

 『戦場のピアニスト』で主人公ウワディスワフ・シュピルマンを助けたヴィルム・ホーゼンフェルト大尉は、弁護の声があったにも関わらず、結局ソ連で戦犯として25年の強制労働の刑を宣告されたんようだ。(映画で詳細を描かれていなかったので、wikipediaで調べた)

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2011.01.06

■デイヴィッド・リンチ "Good Day Today" "I Know" PVコンテストの受賞作品

Director: Arnold de Parscau"DAVID LYNCH - GOOD DAY TODAY"(Genero.tv)

Description:
A little boy is having dinner with his family.
Director: Arnold de Parscau
   22 years old. French student.
  The Ace of Diamonds is my latest short film
Cinematography: Jonathan Bertin, Antoine Bon
Actors: Elia Blanc, Jean-Christophe Bouvet, Brigitte Aubry, Sarah Barzyk.



Tamar Drachli "DAVID LYNCH - I KNOW"(Genero.tv)

Description:
A man obsessed by the woman that left him tries to bring her back through the remote control. Filmed with a Canon D7 using only natural lighting at the scene.
Director: Tamar Drachli
   Country: Israel
   URL: www.shortsbusters.com
   Bio: temek hasn't updated their bio yet
Actors: Adam Horowitz & Vaan Nguyen

 先日記事にしたデイヴィッド・リンチ "Good Day Today" "I Know" PVコンテストの受賞者が決定されていた。
 上の二本が、リンチとGenero.tvにより選ばれたWinner。どちらも僕は未見だった!(^^;) Arnold de Parscau監督がフランス、Tamar Drachli監督がイスラエルと多国籍。現在、Genero.tvのサイトで見られる最終候補に日本人の作品はなかった模様。

 受賞作二作は、両方リンチの映像とは似て非なるものになっている。だけれどなかなか味のある仕上がり。僕は"GOOD DAY TODAY"の方が好みかな。
 "I Know"は、もうすこし音楽に合わせた展開でも良かったんじゃないだろうか。

 この作品に関するデビッド・リンチのコメントは掲載されていないようだ。

◆関連リンク
デヴィッド・リンチ『GOOD DAY TODAY / I KNOW [解説・ボーナストラック付き国内盤] 』

1. Good Day Today [Original]
2. I Know [Original]
3. Good Day Today [Underworld Classic Remix]
4. I Know [Sasha Remix]
5. Good Day Today [Boys Noize Remix]
6. I Know [Ratcliffe 'Hedz in Dark' Remix] (Basement Jaxx)
7. Good Day Today [Diskjokke Remix]
8. I Know [Skream's Not So Ravey Remix]
9. I Know [Jon Hopkins Remix]
10. Good Day Today [Boys Noize Instrumental] (Bonus Track for Japan)

 ということで日本版が1/27に発売されるようです。
 Remixと日本だけのボーナストラック。どうしようかなー、ほしいけど...。

★twitterで既にいろいろとつぶやいたので、いまさらですが、皆様、今年も究極映像研をよろしくお願いします。このBlogでたくさんの奇想に出会っていただければ幸いです。面白いネタはいつでも募集しています!御教示下さい(^^;)。

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