■トラン・アン・ユン監督ライブトーク 劇的3時間SHOW
劇的3時間SHOW 5人の国際映画監督が語る
2010.12/13にトラン・アン・ユン監督が、青山のスパイラルホールで3時間語られたトークイベントから、約7分間がYoutubeに公開されている。
映画言語について語るユン監督の言葉が、昨日の記事に書いた内容と関係していて、とても興味深い。どこかに文章が起こされていないかと思ったのだけれど、なかったので、とても貴重な発言と思うので、以下字幕から書き起こし。(問題があれば削除します。)
"映画という芸術とはどういうものなのか、僕なりに考えていることを...皆さんにお話しできればいいと思っています。"
"ピカソが自分の個展で、ある女性に会います。その女性はピカソの絵画の前に立って、私はあなたの絵をまったく理解することができない、と言います。ピカソは、その女性に視線を投げて、優しそうな微笑みを浮かべながら、マダム、絵画というのはひとつのランゲージです。ですからそれは語るものなのです、と言います。ここで重要なのはランゲージつまり言語とは何かということです。"
"映画言語、ランゲージという部分においては、今まであまり語られることはなかったと思います。このようなことをテーマにする映画監督も、あまりいなかったと思っています。"
"(黒澤明監督『生きる』のカメラワークについて)この方法というのは、まさしく黒澤監督のヒューマンな部分、そしてモラルな部分を見ることができます。つまりカメラがアグレッシブに、その男の顔を捉えているわけではないのです。男の顔は病気を感づかれて絶望に打ちひしがれてはいるのだけれども、カメラがそれを捉えるのではなく、男の方がカメラに向かって、そんな表情を表していくわけです。"
"映画というのは、理解しやすいアートだと言われていると思います...映画というのは、より複雑であって言葉では表現できない、いろんな感情を感じ取ることができる。"
"『ノルウェイの森』ですが…機会があればストーリーを追うということを置いといて…色の変化、音の変化、そういったことだけに集中してこの作品を見たら、別の感情が感じられると思います"
"そういう感情が持てるというのが、映画が持っている、特性だと思います。ですから、映画を見る時に映画言語というようなものを少し意識しながら見ると、 また別の見方ができるんじゃないでしょうか"
ここまでがPart1、続きも面白いがこの延長上で、さらにユン監督の映画の考え方について述べられている。あとはYoutubeの動画をご覧あれ(^^)。大変刺激的です。
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