■新刊メモ 『ダリはダリだ ダリ著作集』『千年紀の民』『ミステリウム』
サルヴァドール・ダリ 著『ダリはダリだ ダリ著作集』
未知谷 公式HP
"「絵画とは私の思考の氷山のうちの目に見える側面なのだ」 偏執的にトートロジックに、パラノイア的=批判的方法のマジックに取り込まれつつも見えてくる、ダリ的思考。 1927〜78年の雑誌寄稿文、詩、講演、宣言文、未刊行テキストに現れる、挑発的なダリ、美術史に真摯なダリ、郷土愛のダリ。ダリ、ダリ、ダリ、全てがダリ84篇。 「見る」ダリから「読む」ダリへ、意欲的試み。 「ダリは、つぎつぎと湧き出て膨張し続ける妄想的インスピレーションを投げ出さず、それらをさらに二元論的に拡大するべく文章にした。そして初めて、インスピレーションのダリ化という独自の方法を見つけたことが判明する。画家以上に作家・批評家の資質をもって頭角を現し、次第に作家として成長し巨大化していくさまが手に取るように分かる」"
ダリによる芸術論他の著作集。
センセーショナルな行動とその絵画に対して、どのような文章を書いているのか、興味深い。
特に「批評家の資質をもって頭角を現し、次第に作家として成長し巨大化していくさま」という部分。批評家としてのクールな視点が、あの作家としての超現実な表現を実現したということなのか。もしかしたら熱い批評を書いていたような気もするが、どちらかというと二面性を感じさせる内容に思えてくる。
J・G・バラード, 増田 まもる訳『千年紀の民 (海外文学セレクション)』 東京創元社
"ヒースロー空港で発生した爆破テロ。精神分析医デーヴィッド・マーカムはテレビ越しに、事件に巻き込まれて負傷した先妻ローラの姿を目撃する。急ぎ病院に駆けつけたが、すでに彼女の命は失われていた。その「無意味な死」に衝撃を受けて以降、ローラ殺害犯を捜し出すためデーヴィッドは様々な革命運動に潜入を試みるが……"
"小さな炭坑町に水文学者を名乗る男がやってくる。だが、町の薬剤師の手記には、戦死者の記念碑や墓石がおぞましい形で破壊され、殺人事件が起こったと書か れていた。語り手である「私」は、行政官の命により、これらの事件を取材することを命ぜられるが、その頃、町は正体不明の奇病におかされ、全面的な報道管制が敷かれ、人々は次々に謎の死をとげていた…謎が謎を呼ぶ、不気味な奇想現代文学ミステリの傑作"
いずれも増田まもるさんによる海外幻想・奇想文学。
革命運動への潜入と、奇病による死のミステリ。
どちらもこの引用した紹介文だけでもイマジネーションを刺激する。
◆関連リンク
・お気らく活字生活『ミステリウム』 エリック・マコーマック 国書刊行会
"『ミステリウム』は物語としてはとてもストレートであって読み易いが…自分としては、本書を「とても分かりやすく面白いメタミステリ」と呼ぶことを提案したい"
"ブログを読ませていただきました。ぼくが作品からくみとって翻訳に反映させようと努めたものをすべて的確に読みとってくださって心から感謝します"
友人のokiraku_k horaya@舞狂小鬼くんの『ミステリウム』の感想とそれに対する翻訳家 増田まもる氏のやりとり。
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マコーマック, 増田 まもる訳『ミステリウム』
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