■神山健治監督『Xi AVANT(クロッシィ アバン)』公開 神山監督石井朋彦P舞台挨拶
いよいよ4/9から公開された神山健治監督『Xi AVANT』。
3D版は『攻殻機動隊 S.A.C. SSS 3D』と劇場で同時上映。
2D版はStudio Xi (スタジオクロッシィ)の公式サイトでWEB配信中!
第一話のみYoutubeにも掲載されているので、上に動画を埋め込んだ。他の第二話〜第四話はStudio Xiのリンク先にあるので見て下さい。
映像だけでなく、音が凄く良いのでPCをステレオにつなぐか、ヘッドフォンで是非聴いて下さい。ヘッドフォンで聴いて臨場感にドキドキしました。
twitterで石井朋彦プロデューサー(@icitomohiko)から2D版も「劇場クオリティでMIXしています」との情報をいただいてます。
次にうちのBlogがいつも御世話になっているshamonさんと青の零号さんの新宿バルト9での神山監督、石井プロデューサーの舞台挨拶の情報を一部引用させていただきます。
どちらも興味深いレポートなので、S.A.C.他神山ファンの方は是非、リンク先で全文を御読み下さい。
◆shamonさんレポート
『Xi AVANT(クロッシィ アバン)』神山健治監督&神山監督石井P舞台挨拶: ひねもすのたりの日々 (究極映像研 東京分室(^^;))
"・この作品はオリジナルです。
・東のエデンのセレソンNO.7と同姓同名ですが同一人物かは?
・Xi携帯はデザイナーの方と一緒に考えました。発売予定はなし。
・3/11の震災で翌日のアフレコに出ていただく予定のスペイン人キャストさんが遠方に避難してしまった。 東京中のスペイン料理屋に電話を掛け捲ったがネイティブの方は捕まらず。九州に避難していたキャストの方と大阪で落ち合いようやくアフレコ。
・『攻殻SSS3D』、震災のため東北では公開していないが順次その予定。
・『攻殻SSS3D』が「王様のブランチ」ミニシアターランキングで興行成績ダントツトップ、ありがとうございます。
・『攻殻SSS3D』のBDが夏に発売。
・BDには神山監督による『3D版タチコマナ日々』収録予定。現在製作中。
・『3D版タチコマナ日々』、もしかすると劇場上映?
・「大ヒットしたのは皆さんのおかげ。新しい作品で御礼をしたい。」
・「『東のエデン』や『攻殻SSS3D』と世界観が似ている作品の制作を勧めている。昨日も脚本書いていました。」"
◆青の零号さんレポート
『Xi AVANT(クロッシィ アバン)』3D版初公開&バルト9舞台挨拶 - Biting Angle(究極映像研 東京分室2(勝手に(^^;))
"2D版と異なるのは3D表現なので、ここではその点についての感想をまとめてみます。
・冒頭のCGロゴは、飛び出し感が非常に強い。
・攻殻3Dよりも、奥行きや広がりを強調する画面設計が施されているように感じた。
・特に見上げたり見下ろすシーンが多く、ここで3Dならではの奥行きが生かされている。
・サグラダ・ファミリアの“高さ”を感じさせる表現は、かなり秀逸。
・この世界では立体映像が実現しているという設定のためか、タスクの立体CG以外の端末映像にも、画面に立体感が感じられる。
設定やキャスティングに関する謎解きは、神山作品を知る人のためのお楽しみ要素ですが神山監督いわく「手塚作品におけるスター・システムみたいなものと考えてください。」ということで、他の作品と時代や世界観における完全な繋がりはないのかもしれません。
「完全新作」と謳われると、いかにもこれが次回作への序章というようにも思えますが、むしろこの「Xi AVANT」は、今までの熱心なファンに対する神山監督からのサービスであり、また「攻殻SAC」と「東のエデン」のテーマ的な結びつきを明確にするための総括であると
考えておいたほうが、今のところは無難だと思います。"
◆ウェブ配信の2D版感想
映画『攻殻機動隊(Ghost in the Shell) S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D』公式サイト
"第1話は「ある男を探せ」という指令を受けた外務官僚・篁カオルが、あらゆる情報にアクセスできるという「Xi 携帯」を手に、「ある男」を探す旅に出るまでが描かれます。 NTTドコモの次世代通信サービス「Xi (クロッシイ)」が普及した近未来世界を舞台に繰り広げられるオリジナルストーリー。 神山監督が仕掛けた様々な謎が隠されています。"
映像の完成度が高い。神山組作品のベスト作品と同レベルの力の入った作品。
そしてさらに加えて、特に3Dを意識した絵作りが素晴らしい。
この作品は、ジェームス・キャメロン『アバター』の3Dに、早々と「戦わずに敗北宣言した」師匠押井守監督とは異なる、神山監督の3D映画挑戦宣言の助走作品であると思う。
これは、神山組としていずれ制作されるだろう、本格的な日本アニメ延長上の3D大作映画の習作/技術の実験作の位置づけではないか。準備はしっかり整ってきている。まさに今後が楽しみ。キャメロンの度肝を抜いて下さい(^^;)。
神山健治監督『Xi AVANT』キーになるのは右のアイコン。"WINNERS NEVER QUIT. QUITTERS NEVER WIN"の文字は「勝者は決して諦めない。根性なしは勝ち得ない」という意味か。そして蜂の絵は何を意味するのか?これはまだ謎だ。
◆スタッフについて
Studio Xi (スタジオクロッシィ)公式サイトに掲載されている神山健治監督(@kixyuubann)『Xi AVANT』スタッフリスト。
作画監督中村悟氏(@satoruxnakamura)の作画と美術監督竹田悠介氏(@T_Bamboo)の背景が、今までの神山組作品と同様に(というか発展系で)素晴らしい。
特に第四話、篁カオルがバルセロナの市場を走るところとかの躍動感!
そして川井憲次氏の音楽、片山由美子さんの色彩設定と、田中美穂さん(@mhtnk)の色指定も最高です。
特に田中さんとはtwitterで何度か会話させていただき、毎晩遅くまで頑張ってみえる姿をツイートで拝見していたので、鮮やかなスペインの太陽光に照らされた色彩がとても画面に映えていて感激です。特に「モブとハムの色」が注目です(^^;)。
上記の@のリンク先は、本篇の主要スタッフの皆さんのツイッターアカウント。さすがスマートフォンが主要アイテムの作品だけに、皆さんのtwitter活動との密接な結びつきが印象的。
今まででは考えられないような、制作中の生の現場の空気と、そして作品に関するやりとりをさせていただき、まさに感激です(^^)。
最後に、さらに『Xi AVANT』スタッフリストを見ると、3DCG監督は塚本倫基氏(@tsukamotonoriki)、2D/3D変換はIMAGICAの江口宏氏、丹野豊一氏によるもの。
手描き部分はSSS 3Dと同じ手法なんでしょう。
◆小ネタ
既視感があると思ったら! @fuwaryozoさんによると、『Xi AVANT』冒頭のビルは『傷だらけの天使』のペントハウスがある代々木会館とのこと。
こういったところも、神山組の嬉しいところ。
神山監督の過去作へのリスペクトは特に長谷川和彦監督『太陽を盗んだ男』との強い関係はこちらの過去記事を参照下さい。
◆関連リンク
・当BLOG 神山健治作品記事
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コメント
青の零号さん、ありがとうございます!
>>川井憲次氏の音楽に包まれながら見る立体映像は、短いながらも
>>バルセロナの陽光と現地の空気を感じさせてくれますよ。
なかなか劇場は遠くて。BD買って、家電店の3Dテレビで観ようかな(^^;)。
>>ロシアン・ルーレットとくれば“ゲーム”。
>>ということは、『Xi AVANT』の最後は、いよいよ新しいゲームの幕開け・・・?
幕開けしなければいけないゲームが、いろいろとありますね。
楽しみに待ちましょう。
投稿: BP(青の零号さんへ) | 2011.04.17 22:18
どうも、記事をご紹介いただきありがとうございます。
3D映像面では私なんかよりBPさんの見解のほうがよっぽどおもしろそうなので
早く劇場で体験してきてください(笑)。
川井憲次氏の音楽に包まれながら見る立体映像は、短いながらも
バルセロナの陽光と現地の空気を感じさせてくれますよ。
あと、リスペクトネタでひとつ考察を。
今回のキーワード「PISTOL HEAD」とくれば、まず連想されるのが
ロシアン・ルーレット。
そしてロシアン・ルーレットを有名にした映画作品といえば
ロバート・デ・ニーロ主演の『ディア・ハンター』でしょう。
『東のエデン』に『タクシー・ドライバー』のオマージュがあったことを
思い出せば、これも神山監督なりのリスペクトではないでしょうか。
そしてロシアン・ルーレットとくれば“ゲーム”。
ということは、『Xi AVANT』の最後は、いよいよ新しいゲームの幕開け・・・?
なーんてことを想像するのも、楽しいものです(笑)。
投稿: 青の零号 | 2011.04.17 21:59
shamonさん、こんちは。
さっそくのコメント、ありがとうございます。
もう少し早く紹介したかったのですが、今週は古川日出男と留之助商店記事が開催期間との関係で優先したかったので、金曜になってしまいました。
>>大画面でみると鮮やかな色彩がより際立ちました。
>>スペインのあの陽光、行ってみたい!
田中美穂さんの色、いいですね。
大画面と3Dで僕も観たいものです。
>>「観客を怖がらなくなると
>>監督はダメになるんだよね。
>>巨匠の作品は大体巨匠になるまでのがいいんだよ。」
アチコチに耳の痛い方が(^^;)
投稿: BP(shamon@東京分室さんへ) | 2011.04.16 00:27
ども分室です(。・ω・)ノ゙ コンチャ♪。
ネットで観ても綺麗ですが、
大画面でみると鮮やかな色彩がより際立ちました。
スペインのあの陽光、行ってみたい!
て、バルセロナ市場の食べ物の美味そうなことといったらw。
ぷよぷよもどきwタスクも3Dで観ると
手に乗せられそうな感じで楽しい。
世界初公開ということで神山監督は舞台袖でドキドキだったとか。
「拍手が聴こえてほっとした。」
と仰ってました。
「いつも作品が完成すると
早く観ていただきたい気持ちと不安が半々。」
とも。
この言葉聞いて、以前映画通の元上司wが
「観客を怖がらなくなると
監督はダメになるんだよね。
巨匠の作品は大体巨匠になるまでのがいいんだよ。」
ってたの思い出しましたわ。
神山監督にはそんな心配なさそうで私もほっ、です(笑)
師匠は、、、以下略^^;。
投稿: shamon@東京分室 | 2011.04.15 21:08