■ヤノベケンジ個展「アトムスーツ・プロジェクト:大地のアンテナ」@山本現代
未曾有の現実の中、放射線を視覚化したアート|イズムコンシェルジュ
" 7月2日から東京・白金のギャラリー山本現代にて、ヤノベケンジ氏の個展「アトムスーツ・プロジェクト:大地のアンテナ」が開催される。30日まで。
ガイガー・アンテナを持つ数体のアトムスーツ人形が放射線をキャッチし、作品中央には空也上人像を模した等身大のヤノベケンジ人形がたたずんでいる。
「アトムスーツ」は、放射性物質による人体表面の汚染と体内被爆から人体を防護するための必要最低限の機能を備えた特殊な全身スーツです。表面は付 着物質をすぐに除染できるウォータープルーフ素材でできており、眼球、生殖器、臓器など重要器官部にガイガー・ミュラー・カウンターが装着されています。 90年代、「終末世界」を生き残るために制作された“サヴァイバルマシーン”の重量化から脱却するために作られた身軽なこのスーツは、ヤノベを「妄想」の 世界から旅立たせ、「現実」に立ち向かわせた重要な作品でもあります。(プレスリリースより)"
来月、あのアトムスーツが復活。
東京のビルの一室にあるギャラリー・山本現代で、放射線の検出がどの程度なされるのか、わからないが、緊迫のアートになるだろう。
空也上人立像とヤノベケンジ「大地のアンテナ」 時代生きる民衆の中へ(2000)
" 布教のために始めた踊り念仏など民衆の心とともに生きた空也の姿が今も生き生きと脈打つのが空也上人立像だ。空也が生きた時代から約 300年後の鎌倉時代につくられた像は、運慶の四男にあたる仏師、康勝の作。わが国の木造肖像彫刻の最高傑作の一つとして名高い。胸に金鼓を下げ、右手に は鉦(かね)を鳴らす撞木(しゅもく)、左手には鹿の角を載せた杖(つえ)。空也上人の生前の姿を生き写したような写実的な表現。
「小学校の教科書で初めて空也上人像を見たとき生身の生きた姿のように思いました。彫刻家として見ても、この像は素晴らしいし、常に 民衆の中に入って布教し、人々を救済した空也の生き方にもひかれます。踊り念仏を始めたり、ときにユーモアも取り入れたパフォーマンスで人々をひきつけた 姿勢は、森村泰昌さんとかボクとか関西の現代美術家とも共通したものも感じます」とヤノベは話す。"
そしてこの記事は、この空也上人像を模した等身大のアトムスーツを着込んだヤノベケンジ人形の登場時(2000年)のレポート。
ヤノベケンジ 「核時代のサヴァイバル/リヴァイバル」 « 戦争と芸術Ⅳ-美の恐怖と幻影-(2009)
"制作の動機である「未来の廃墟」からチェルノブイリを訪問した理由、そしてチェルノブイリでヤノベさんが見たもの、その後のアーティストしての葛藤など、普 段は聞くことの出来ない大変興味深い話を聞くことが出来ました。これまでの講演や同時期に大阪で行われていた水都大阪などで見せていた表情とは、また違っ た表情のヤノベさんを垣間みることができたのではないかと思います。"
続いて、2009年に京都造形芸術大の「戦争と芸術Ⅳ-美の恐怖と幻影-」において、展示された同作品の記事。
◆関連リンク
・空也上人 - Wikipedia
・Atom Suit Project - Antenna of the Ground - /// YANOBE KENJI ART WORKS(ヤノベケンジ公式HP)
・当Blog記事 ヤノベケンジ Google 検索
・ヤノベケンジ 震災後 の 胎動 − 1: ★究極映像研究所★
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