■感想 ブラザーズ・クエイ監督 『マスク』(スタニスワフ・レム原作) Brothers Quay "MASKA" Stanislaw Lem
M:アニメーション・セレクション 1 « ImageForumFestival2011
"アニメーション・セレクション1 秘密の機械 5作品65分(オーストリア、ドイツ、ポーランド)
クエイ兄弟の新作『マスク』では、生命を与えられた殺人人形の恐ろしい悲恋劇が語られる。
マスク:
ブラザーズ・クエイ/ポーランド/24分/35ミリ(ビデオ版)/2010
音楽:クシシュトフ・ペンデレツキ"
イメージフォーラムフェスティバル2011@名古屋にて、ブラザーズ・クエイ「MASKA:マスク」。
冒頭の幻惑的な映像が素晴らしい。あの暗く黄昏れた光はクエイ作品でも更に先鋭化されてるのではないか。そして宮廷の人形達の爛れた色と形態。何処にもない光に息を呑む。
原作のスタニスワフ・レムの短編と比べると、流石に24分では機械知性体の脳内を描いた深みのある描写はクエイと言えど表現できていない。
多分後半の蠍形態の造形の深みが足りなかったせいもあるかと思う。ナレーションをもっと増やして、押井守的に衒学目くらましでも良かったかも。
真面目に、この2倍の時間を確保して、レムの原作にあったアクションシーンも描いて、丁寧に映画化をして欲しかった。クシシュトフ・ペンデレツキの音楽で凄みのある昏い空間を創り上げていたので、そこまでやっていたら、クエイとして画期的だったかも。良くも悪くもクエイらしい秀作であった。
■原作短篇の迅速な出版希望
@31two さんからメールでいただいていた感想に、原作と映画を両方楽しむべき作品とあった。まさにそんな作品、早く国書刊行会からレムの短編集が出ることを望みたい。
もともとは、昨年秋に出る予定だったスタニスワフ・レムコレクション『短篇ベスト10』での短編集の早い刊行を嘆願。『ダルグレン』がいよいよ本当に出るようなので、次はレムを是非!国書刊行会公式twitter @KokushoKankokai さんにみんなで御願いしましょうw。
◆関連リンク
・News: The Brothers Quay Do Stanislaw Lem In MASKA
検索したら何とクライマックス1分間の動画。未見の方でこの映画をしっかり観たい方は絶対にクリックしない方がいいです。予告篇とは描かれているけれど、しっかりとクライマックスが映し出されるので。
当Blog記事
・新作情報 ブラザーズ・クエイ監督 『マスク』(スタニスワフ・レム原作) Brothers Quay "MASKA" Stanislaw Lem
・感想 スタニスワフ・レム「マスク」: Stanislaw Lem "MASKA" (ブラザーズ・クエイ映画化作品)
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