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2011.07.20

■感想 『加藤泉作品集 絵と彫刻』

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 上の画像 加藤泉「SOUL UNION」展 2010.4/23-5/22 ARATANIURANOプレスリリースより 本作品集収録作品

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『加藤泉作品集 絵と彫刻』
青幻舎 SEIGENSHA Art Publishing, Inc.

"初期から現在までの代表作を網羅、
油彩画と木彫作品をそれぞれ分冊にして収録した初の作品集です。
インタビュー:加藤泉×青野和子(原美術館主任学芸員)
◆判型・仕様:B5判 2分冊(油彩120頁、彫刻64頁)◆函入り"

 待望の『加藤泉作品集 絵と彫刻』を堪能。
 ネガポジ変換のような黒い透明感のある不思議な形象の絵画と、荒削りの木材のテクスチャーに大胆な色彩が載せられた土俗的な造形物。背中がぞわぞわとする原初的な奥深い所からのざわめきが沸き起こる作品群に奮える。

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 僕が好きな作品について簡単にコメントを書いてみる。まずは絵画から。

 P51「無題」赤い顔、黒い体の人と後ろに二人の青い人。赤と青ののコントラストと黒い体の透明感が素晴らしい作品。
 P52 「無題」これも三人の人、黒と深い緑の三人の人と赤い背景。うつろな眼が眺めているのは何なのか。
 P77 「無題」右上の画集写真の左側の白い顔の人の画。青い長い髪(?)と色とりどりの砕石のような眼と黒い玉蜀黍のような歯、不安をかき立てる背景の縦縞。
 P91 「無題」冒頭に引用したプレスリリース左の絵。レントゲン写真のような体と、蛸の吸盤のような背景に続く脚。SF脳の僕には、異界の生物としか見えない、強烈にイマジネーションを喚起する絵である。

 続いて彫刻作品。
 P8-9「無題」壁に向かって立つ不安の立像。僕が初めて加藤泉の作品を知った時、ネットで観てインパクトを受けた造形。
 P20-21「人へ」展示風景、6体の人形が正面を向いて狭い部屋に並んでいる、この圧倒的な土俗的圧力。
 P26-27「無題」「「アートスコープ2007/2008」ー存在を見つめて」展風景、茶系の3体と原美術館の窓の外の緑がまぶしく眼に染みる作品。
 P36 右上の画集写真の右側、赤い顔と石を埋め込んだ飛び出た眼。木の荒いテクスチャに大胆に塗った赤が鮮烈に訴えてくる。

 いずれも冒頭に書いたように、体の内奥にぞわぞわする感覚を呼び起こす。
 これが何によるものか、僕の中ではまだ整理が出来ていない。何にしても、まだ作品の実物を一度しか観ていないわけで(^^;)、きっちりと美術展を観てから、今後ちゃんと分析してみたいと思う。
 今日のところはこんな感想で幕を閉じますw。

◆関連リンクPhoto
・特装版 加藤泉作品集 絵と彫刻 限定120部 エディション付


当Blog記事
豊田市美術館 内なる子供
加藤泉「人へ」 : KATO Izumi - Dear Human(ARATANIURANO(アラタニウラノ)こけら落とし)

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