■感想 『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』3Dとウィングスーツ立体映像メイキング
Transformers: Dark of the Moon - Movie Trailers - iTunes
『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン3D』、巨大ロボットものの立体視映画ということで、期待して観た。
ドラマ部分は置いといて(モデルでもあるロージー・ハンティントン=ホワイトリーのプロポーションだけを観ていたような気がする(^^;))、月とチェルノブイリと、シカゴの街の大スペクタクル。3D映画では『アバター』以来の満腹で帰ってきた。
息つく暇のない、センス・オブ・ワンダー映像の乱れ打ち、強烈なアクションのシャワーにまさに満腹。(今回、REAL Dで観たが、タイミング悪く字幕版になった。字幕による3D効果の邪魔な度合いが大。やはり3Dは吹き替えでないと駄目ですね)
全体のまとめとして、人は映像でこのようなものをコントロールできる時代に突入したのか! ってちょっと大げさだけれども(^^;)、感慨。
冒頭のアポロ11号のシーン。
一部、実際のNASAの記録映像、JFKの打上とヒューストンの光景と月面映像の一部がなんと3D化されている。CGで新作した部分も多いが、2D変換でまさかあの映像が立体映画として観られると思っていなかったので感心。おまけに、オルドリン飛行士(たぶん実物)が登場するシーンもあり、アポロに感動した世代としては感涙ものである。
先日、NHKコズミックフロント「旧ソ連 幻の宇宙計画 ~天才科学者コロリョフの見た夢~」で観た、ロシアの月着陸船があのままのデザインで登場したり、なかなか宇宙好きのマインドをくすぐる(と言いつつ、ストーリーはアポロ陰謀論に近いトンでも系列なんですが…。ここにも映像と物語の大きな断絶がw)。
そしていくつもあるクライマックスのうち、シカゴの摩天楼での人間とディセプティコンの追撃戦。
ポール・グリモー『王と鳥』には摩天楼と巨大ロボットが出てくる。
それに影響を受けて宮崎駿他が描き上げた高低差を利用した素晴らしいアクション映画が『カリオストロの城』と『長靴をはいた猫』である。
『王と鳥』公開記念 大塚康生氏 特別インタビュー (聞き手/叶精二)
"高低差を描くという意味で、技術的演出的な影響を受けたと言えるんじゃないでしょうか"
個々のアイディアは宮崎駿ほどではないが、『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン3D』もこの高低差の演出は特筆すべきでアクションを作り上げている。そしてもちろん3D撮影を駆使することで、その迫力は比類ない。
倒壊しつつある摩天楼の中での主人公たちのアクションで、それが最大限活かされる。ここの闘いの組み立ては高低差、ビルの傾きを最大限活かしていてなかなかのものと思う。
惜しむらくは、「柱」が作動する摩天楼での攻防が丁寧に描かれていないこと。高低差を利用して、下から攻めていく段取りが丁寧に組まれていたら、もっと凄かったろうに。残念。
『アバター』のヘリと翼竜の空中戦、『ヒックとドラゴン』のクライマックスの空中戦、それらと並ぶ立体視映画の切り拓いた新しい地平。
『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン3D』では、特にヘリコプターと機械生命体が乱れ飛ぶCGシーンと合成されたウイングスーツのスタントは素晴らしい。
このメイキングで紹介されているが、撮影は3台の3Dカムで撮られている。特にこの写真のヘッドマウントタイプの3Dカメラに興奮。
実際に時速240kmで飛ぶウィングスーツのひとりの頭に付けられて撮影されたらしいが、スピード感と臨場感が素晴らしい。
今後これでどんな凄い映像が撮られるか!期待である。
あー、やっぱIMAXで観たかったなぁー。
◆関連リンク
・NHK #BSHi 「ハイビジョン特集 Free as a Bird 〜大空の冒険者たちへ〜」、ウィングスーツに搭載したカメラのハイビジョン映像のスピード感が凄い。
・ウィングスーツGoogle画像検索 Youtube動画。
1200mの絶壁から飛び降りて、高さ100mでパラシュート。
・Twitter / @higuchishinji 樋口真嗣さん
"なんの話かというと、トランスホマ3の3D効果、今まで複雑すぎてなにがなんだかわからないロボット描写、どこまでがロボットの部品で、瓦礫で、壊されたメカの破片か?複雑すぎて脳内整理ができない情報量が今までに比べると随分と判りやすくなったような印象が。"
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コメント
あんまりようさん、お久しぶりです、こんにちは。
>>ただ落ちて風に乗るだけの筈のウィングスーツ(ゆっくり落ちてるだけさby‥以下略)が何故か自由自在に空を飛んでいるシーン、あれ「王と鳥」であったよなあ、と思って観てましたがそーゆー事ですか(そうなの?)
そー言えば、そんなシーンが!(^^)
ウィングスーツ、確かに落ちてるだけですが、以前見た映像では、かなり自由に飛べるイメージです。
「ウィングスーツ」の動画他
>>アニメでは冷静冷徹だったサウンドウェーブ、映画でも同じキャラ期待したんですがそれはちょっと残念(泣)。
アニメ版、あの絵が駄目で実はまったく見てないのです(^^;)
投稿: BP(あんまりようさんへ) | 2011.08.04 18:52
ただ落ちて風に乗るだけの筈のウィングスーツ(ゆっくり落ちてるだけさby‥以下略)が何故か自由自在に空を飛んでいるシーン、あれ「王と鳥」であったよなあ、と思って観てましたがそーゆー事ですか(そうなの?)
アニメでは冷静冷徹だったサウンドウェーブ、映画でも同じキャラ期待したんですがそれはちょっと残念(泣)。
投稿: あんまりよう | 2011.08.04 00:57