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2011.08.04

■新刊メモ 『ヤン・シュヴァンクマイエル創作術』『馬たちよ、それでも光は無垢で』

『ヤン・シュヴァンクマイエル創作術 (東京カレンダーMOOKS)』

"『サヴァイヴィングライフ ー 夢は第二の人生 ー』公式読本。

もしかしたら、まったく新しいタイプの映画が、この方法でつくりうるかもしれません。実写とアニメーションのあいだにある何ものかが。
                  ヤン・シュヴァンクマイエル"

 撮影した写真をアニメーションで動かす手法を今回取っているということだけれど、それだけに収まらない創作の秘密が描かれているようだ。

 アニメーション評論をされている土居伸彰氏(Nobuaki Doi (NddN))が「明日発売の『ヤン・シュヴァンクマイエル 創作術』 on Twitpic」にて以下のように語られている。

"明日発売の『ヤン・シュヴァンクマイエル 創作術』という本の見本が届きました。『サヴァイヴィング・ライフ』のメイキング部分の編集を担当しましたので是非…大変だった…"

 土居氏によるメイキング、とても楽しみである。

Horz

古川日出男『馬たちよ、それでも光は無垢で』 新潮社

"私は福島県に生まれ た。声がする。そこへ行け――。

あの日以来、私は時間を喪失した。世界はテレビの向うにあり、自分こそが彼岸にいた。涙がこぼれる、自問する、どうして私は死なないのか。どうしたら苦をともにできるのか――。震災から一月、作家は福島県浜通りをめざす。被災、被曝、馬たちよ! 目にした現実とかつて描いた東北が共鳴する、小説家が全てを賭けた祈りと再生の物語。"

古川日出男『馬たちよ、それでも光は無垢で』刊行記念インタビュー|新潮社

"作品の最後に、想像力でエンディングの情景を作れるのか。想像力で作れればそれはイコール小説で、小説の善きことができる。善き想像力を使うことで善き小説 が生まれて、それはこの世界に対して有効だっていうことを試そうとしたんです。それで実際書いて、文学は有効だって分かったから、これからは「その先のど こか」に向かおうとしています。"

 雑誌『新潮』2011.7で読んだのは原稿用紙200枚。単行本は160ページ。雑誌に対して、書き足しか別の一篇が収録されるのか?
 まだ実物を見ていないので、確認していないが、この本は期待である。

◆『新潮』古川日出男「馬たちよ、それでも光は無垢で」感想メモ

 古川日出男の言葉に打ちのめされるように読み進めた。凄いビートある言葉たちが誌面から飛び出してくる。

 被災地ルポルタージュに『聖家族』の狗塚牛一郎がAR(拡張現実)で上書きされ、イヌとウシの彷徨う、時間が止まったような土地で語られる馬の歴史。
 最終2頁の詩的な描写に胸が詰まる。

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