■メモ ヨハン・ゲオルグ・ピンゼルJohann Georg PinzelとYoshinori Kanada 金田伊功の立体・激情芸術(^^)
以前、記事にしたNHK「極上美の饗宴 激情ほとばしる像の秘密 ウクライナ・祈りの彫刻は語る」で紹介されたヨハン・ピンゼルの彫刻と、アニメーター金田伊功の原画の近似について、考えている。
記事に補足して、まだメモ程度だけれど書いておく。
ということで、二人の代表作ピンゼル「イサクの犠牲」と金田伊功「銀河旋風ブライガーOP」を比較してみました(上の写真)。
人物の構図と、顔と体と手の置き方による奥行きの表現。とても似ていると思うけれど、いかがだろう。
1世紀の時間と、西欧と東洋という距離をおいて、二人の作家がその作品で見事に共鳴していると感じるのは僕だけだろうか。
まず三次元的な物体の捉え方と、感情表現による人体の描き方が、とても似ている気がする。
遠近感を強調するための2人の対象人物のレイアウト。
激情に歪む/颯爽としたアクションで伸びやに跳躍する顔と体。
一瞬の中に、物理的な奥行きと感情の奥行きを封じ込めているその表現手法は、どちらもとても鮮烈である。
極上 美の饗宴|NHK
【極上 美の饗宴】NHK BSプレミアム
"10月10日(月) 午後9時00分~9時58分 激情ほとばしる像の秘密「ウクライナ・祈りの彫刻は語る」 あまりにも生々しい表情。信じがたいほど誇張された衣装。無名だった彫刻家の作品が、いま注目を集めている。ウクライナで18世紀に活躍したヨハン・ゲオルグ・ピンゼル。過剰なまでの感情表現が見る者を圧倒する"
ヨハン・ピンゼム「イサクの犠牲」について、東京芸大 田辺幹之助氏がNHKで語った、下半身と、腰から上、顔の向きと表情が解剖学を逸脱しているという分析。
この表現はそのまま、ピンゼルの作品から金田原画に置き換えても、金田ファンとっては違和感がない。
先日の記事に書いたようにNHKの番組カメラマンの、ピンゼルの作品を撮るカメラワークが、金田伊功を意識したとしか思えない構図をとっていて、今後も金田アニメートとの近似を見つけたら、記事にしてみたい。
最終的には、今まで書いてきた金田伊功論のようなものと組み合せて、ひとつの文章(論文(^^;))にまとめたいと思うw。乞うご期待!
◆関連リンク
・Publisher Michitani 未知谷のホームページ
・NHKオンデマンド | 極上美の饗宴 激情ほとばしる像の秘密 「ウクライナ・祈りの彫刻は語る」 こちらで有料だけれど、アーカイブを観ることができます。
・本邦初のピンゼル作品集!(片山ふえさんのBlog ムーザの小部屋)
・ 片山 ふえ『オリガと巨匠たち―私のウクライナ紀行』
こちらの本でウクライナでピンゼルに出会われた衝撃が語られている、とのことです。
・ ヨハン・ゲオルク・ピンゼル画集『ピンゼル 』(Amazon)
・Publisher Michitani 未知谷のホームページ
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