■感想 園子温監督『愛のむきだし:Love Exposure』
愛のむきだし - Wikipedia
映画「愛のむきだし」公式サイト
今頃…なのですがw、園子温監督『愛のむきだし』DVD初見。
まいりました(^^;)。
特に前半、ゆらゆら帝国「空洞です」がBGMに薄く流れるあたりまでが素晴らしい。まさに映画の神が舞い降りたような奇蹟の瞬間(^^;)。
既に見終えて10日間ほど経つのだけれど、あれから「空洞です」を聴き続け、またあの瞬間を観たいという欲求に駆られる毎日を送っていますw。
この魅力は一体なんなのだろう。
本来、有り得ないものの融合がその源泉なように感じる。真摯なキリスト教徒と牧師と懺悔のための盗撮の変態。主人公が女装した瞬間に訪れる運命の女性との出会いと女囚さそりの因縁。
まさしく愛のワイドスクリーンバロック!
印象深いシーンを挙げると、例えば、満島ひかりの周りに銃弾がスローモーションで飛んでいくシーン…ここも物語と映像の奇蹟(^^;)。
そして、満島ひかりも凄く良かったけれど、なんと言っても新興宗教ゼロ教会のプロンプター:コイケ役の安藤サクラの怪演は強烈。
あの爬虫類のような眼に睨まれる
と、ただの映像なのに思わず身じろぎ(^^;)。怖すぎます。ただひたすら、彼女ができるだけ画面に現れないことを祈りつつ観た237分間w。
とはいえ、奇蹟の瞬間は短く、後半はイマイチな出来(コイケが随分出てくるので怖かったからなのか…w。ラストは好きだけれど)。
もっと前半の凄いテンションを引っ張るディテールの積み重ねがあってもよかったのかな、と。例えば、凄絶なヨーコのコリント書十三章の言葉に対して、やはりユウは聖書の言葉で切り返さないと…。
例えば、カオリ(渡辺真起子)の奔放さからいけば、教団内で平穏に順応する事はありえないはずで、もっと暴れないと…w。
もともとの6時間版には、そうしたシーンがあるのではないかなぁ〜。
とにかく、まさしく神聖でシリアスで無茶苦茶通俗で出鱈目w、それでいてこんな愛の形を鮮烈に描けちゃうんですから、物凄いバランス感覚の傑作。
俳優陣もギリギリの所を見事に綱を渡り切っている!
最後に、主題歌ゆらゆら帝国「空洞です」は本当に良い。
むきだしの「愛」の物語で「空洞」って強烈ですw。
◆関連リンク
・TBS RADIO ザ・シネマ・ハスラー「愛のむきだし」 (ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル)
・ 『愛のむきだし』[Blu-ray]
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