■感想 ゴア・ヴァービンスキー監督『ランゴ:RANGO』ILMによるシュルレアリスム西部喜劇・アート・アニメーションw
Rango - Movie Trailers - iTunes 映画『ランゴ』オフィシャルサイト
"第84回アカデミー賞®長編アニメーション映画賞受賞 ★2枚組(Blu-ray1枚+DVD1枚)ディスクセット ★「劇場版 全編」に加え、異なるエンディングによる「完全版 全編」も収録!"
ゴア・ヴァービンスキー監督『ランゴ』Blu-rayで初見。
全篇アートアニメーションでシュール、そして渋い西部劇で愉快な喜劇というハイブリッドな映画(^^;)。
特に開幕から砂漠を彷徨うシーン、西部の強い紫外線の光のもとに繰り広げられる圧倒的なイメージにトリップしそうwww。特に車に轢かれ胴がペチャンコの哲学的なアルマジロがぁ物凄くツボにはまります。
そして『ランゴ』Blu-rayに収録されたメイキングがとても興味深い。
30分以上のメイキングが収録され、監督の作り出した楽しい現場でアーティストと技術者と声優(俳優としての演技をCGIに利用)が創意をこらして創り上げた感覚が素晴らしく活写されている。
特筆すべきは、アーティストの合作によるキャラクターの多彩さ。カメレオンの造形はもちろんのこと、砂漠の様々な生態系が自然の作り出した奇想をデフォルメする形でデザインされ、それがフォトリアルなCGIに。
デザインの中核を担ったのがマーク・“クラッシュ”・マクリーリー。
The Ballad Of Rango • Animated Views
『ランゴ』マーク・“クラッシュ”・マクリーリーのデザイン画がいくつか掲載されている。
Blu-rayには鮮明な映像でデザインがたくさん収録されていたが、ネットには残念ながらほとんどない。奇想とユーモアが絶妙にミックスして素晴らしいキャラクタたち。
少しスチームパンク入ってるいて、特にシュールにどこを見ているか分からない、生物たちの眼が最高。
そしてCGIはILM。
アニメ作品はこれが初とのこと(『ランゴ』wiki)。
クラッシュ他によるデザインがベースだけれど、ここまで動きとディテイルでフォトリアルかつシュルレアリスムに観せてくれると唸るしかない。
この映画を観るとよくわかるが、どんなアート作品も動画にできる時代なんだ!という感慨にしばし呆然w。おそらくILMによるCGIがあれば、現存する絵画 or 彫像作品の動画化は、おそらくどんな物でも可能なのではないか(^^)。
商業作品でやれるのは『ランゴ』止まりかもしれない。しかし美術館の短篇作品としてなら、どこまでも可能性が広がっているのではなかろうか。
勿論、『ランゴ』は残念ながら実現してくれていないが、3D映像作品も可能w。
本来、このような作品こそ、3Dで観たかった(^^;)。あの生物たちのテクスチャ〜が奥行きまでリアルに表現されていたら、、、。
ILMのアーカイブに3Dのデータがあるわけでいつか立体映画版も出してほしいものですw。
◆関連リンク
・[NAB2011:基調講演]Rango: The Next Step in CG Animation - PRONEWS
"会場では当作品の様々なシーンを投影しながら話題を変え、Rangoの眼のデザインから主要キャラクター達、西部劇風のテイストの背景まで続いた。米アニメーション作品では通常、俳優達が一人一人別に狭いスタジオで台本をみながらアテレコを先にする。Rangoでは、アテレコをするのではなく、ライブアク ションと同じように俳優達に演技をしてもらいながら収録を行った。 そのため俳優達の演技から出てくる声のトーンが「自然でファジー」にキャラクターに馴染み、作業もスムーズに進んだという。モーションキャプチャーは一切 行わず、この俳優達の演技を収録した「プロトタイプ」がアニメーション化された。"
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