■感想 監督・脚本・撮影・編集・音楽・主演:原將人×マオリ『MI・TA・RI!』
原 將人監督の作品 通販 (公式サイト)
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3週間続けている私的原將人映画祭、その3。原監督の自主映画長篇3作目、2002年の『MI・TA・RI!』を鑑賞。
本当は間に、作品の順番通り『20世紀ノスタルジア』を再見したのだけれど、これは別の機会に改めて書くとして、この作品についてまず記す。
引用した奈良美智氏のポスターは、氏が『20世紀ノスタルジア』の熱心なファンであることから、実現したものとのことである。
ライブ・ムービー『MI・TA・RI!』2003年1月17日(金)会場:愛知県芸術劇場小ホール .
"ライブ・ムービー『MI・TA・RI!』 監督・脚本・撮影・編集・音楽・主演:原將人×マオリ 8mm(シングル8)
ビデオ/三面複合スクリーン/シネマスコープサイズ/上演時間81分/2002年
著作・製作:RABBIT COMPANY PRODUCTION イメージ・ペインティング:奈良美智 第1回フランクフルト国際映画祭観客賞受賞作品"
MAORI(アーティスト)
1973年1月1日生まれ。大分県出身。O型。洋画モデル、フリーアナウンサーなどを経て原將人に見出される。2001年初監督作品『原発通信創刊号』はイタリア「ぺサロ映画祭」に正式出品され幅広いファン層を獲得。2002年原將人との共同監督作品『MI・TA・RI!』で「第1回フランクフルト国際映画祭」に正式招待され、同映画祭において「最も美しく叙情的でポエスティックな作品」と絶大な支持を得て、観客賞を受賞した。"
原監督の奥さんで本作品の共同監督であるMAORI(マオリ)さんの歌と雰囲気/佇まいが素晴らしい。
冒頭で登場する夢幻に誘うような茫洋とした歌声にまずは感嘆。8mm映像の質感と彼女のヴォーカルが醸し出す独特の世界が素晴らしい。
マルチスクリーン、左右の8mmの映像と中央のビデオプロジェクタの映像とフランクフルト映画祭会場での原監督とMAORI(マオリ)さんの歌とナレーション。そしてそれを記録したDVD。
おそらくその映像は、マルチスクリーンを8mmフィルムとビデオカメラで撮影したものなのだろう。
特に会場の8mm映写機のカタカタいう音と、フィルムの解像度の低い映像が独特の雰囲気を醸し出している。
学生時代に自主映画を学園祭やその他上映会で観た時の、新鮮な瑞々しい感覚を想起させる。
映し出されるのは、京都と広島と大分と沖縄。日本の歴史を辿る旅。
そしてそこにかぶさる原監督とマオリさんと息子の鼓卯(こぼう)くんのロードムービーの映像。歴史は背景となり、僕にはこの家族三人の茫洋とした幸せの光景がとても心地いい映画になっていた。
広島や沖縄といった歴史的な土地が示す問題定義は、ここでは映像のトーンの背景でしかない。それは沖縄で監督自身が語る「何故、われわれは沖縄へきてしまったのだろう」という言葉に現れている。
それよりもやはり前面に出て来ているのは、原監督の映像や音楽への想いに、本作で強く影響して来ている沖縄独特の土地柄と音楽である。
僕はいまだこの南国を訪れたことがないのだけれど、この映画ほど、沖縄に行ってみたいという気持にさせる映像には出会ったことがなかった。
願わくば、この映画の家族のように、彷徨うように一度、自分の家族と沖縄へ行ってみたいものである。
この映画は他の二作と同様に、私的なロードムービーなのだけれど、あきらかに『初国知所之天皇(はつくにしらすめらみこと)』と『百代の過客』とは大きく何かが違う。
それが『20世紀ノスタルジア』で、映画を撮ることについての原の物語がある意味、(20世紀版として)完結したからなのか、それとも新しい家族の誕生によるものなのか、それは作品からだけではわかるものではない。
ひょっとしたら最新作にして劇場用劇映画第二作である『Soar あなたにゐてほしい』を観たら、何かわかるのかもしれない。
公開が待ち遠しくてならない。
◆関連リンク
・MI・TA・RI!(サイト映画の誘惑より)
"なぜ奈良美智なのかとも思ったが、奈良はアメリカに住んでるとき広末涼子主演の『20世紀ノスタルジア』を100回ぐらい見てシナリオをぜんぶ覚えているぐらいの原将人ファンなのだそうだ。"
・映画「MI・TA・RI!」 ポスター - ヒヤシンス ハウス.
"「Missing in Action」が映画のポスターに。 2002年7月7日。 新宿の映画館で上映前に、監督で主演の原さんと奈良さんの対談があった。
このポスターの原画が、今年アメリカのオークションで1億円で落札された。"
もともとはこの映画のための絵ではない、ということのようです。
・マルチ・スクリーンによる映画のライヴ演奏=上映 加藤幹郎
"原のキャメラは、自分自身や自分の家族をとらえ(自分の視点で世界を見つめ)ながら、徹底してナルシシズムを拒絶する。彼は自分(や自分の観念)や家族を鏡 に映すためにキャメラを向けているのではない。そこが凡百のアマチュア映画作家と日本を代表する個人映画作家原將人との違いである。家族をもつ以前の『初 国知所之天皇』(一九七三)から、高校生の息子と「奥の細道」をたどる『百代の過客』(一九九四)をへて、新しい家族とともに思い出の地を旅する最新作 『MI・TA・RI!』(二〇〇二)まで、原はつねに人生という旅を生きながら、家族や友人とともに何者かを探し求めている。"
"この映画 はわれわれを内省へと導くための映画というよりもむしろ、われわれが純粋な感受性でもって体験するための映画なのである。幹線道路を走る車窓からの風景 と、それに折り重なる8ミリのフィルムの映像、そして歌と音楽のハーモ ニーは、母体の中にいるかのような安堵と陶酔とをもたらす。"
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コメント
リンク先の『MITARI』監督の原将人さんのHP、通販ページに在庫9枚で売ってるようです。ご確認ください。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/hara-mov/first1.html
投稿: BP(大久保さんへ) | 2018.10.21 06:24
奈良美智のMI・TA・RI限定ポスターを購入したいのですが在庫ありますか?
上記メールアドレスにご連絡いただきたいのでよろしくお願いいたします。
投稿: 大久保 | 2018.10.17 13:51