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2012年8月

2012.08.31

■情報 ヤン・シュヴァンクマイエル 映画『サヴァイヴィングライフ』制作時コラージュ販売 Collage - Activities of Jan Švankmajer

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Collage - Activities of Jan Švankmajer In Japan Website(公式サイト)

"シュヴァンクマイエルが映画『サヴァイヴィングライフ』制作時に手掛けたオリジナルコラージュをこの度特別に販売させていただくことになりました。

全て1点のみの販売です。※各1点/10点のみ販売
価格 ¥105,000.-(税込) "

 昨年のヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展にて展示されたコラージュが、現在、日本のシュヴァンクマイエル公式サイトで販売されている。
 いずれも、10万円を超える値段という事だが、ファンにはお値打ちかもしれない(僕は残念ながら資金不足で買えませんが…(^^;))。

 これがもしあの魅惑的なオヴジェ作品だったら…僕は借金生活に落ちていたかもしれないw。

◆関連リンク 当Blog過去記事
■感想 ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 『the works for Japan』@京都文化博物館
■感想 図録『ヤン&エヴァ・シュヴァンクマイエル展 映画とその周辺』
■感想 『ヤン・シュヴァンクマイエル&エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー展〜映画とその周辺〜』

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2012.08.29

■ネタバレ感想 伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』: The Empire of Corpses

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伊藤 計劃×円城 塔『屍者の帝国 』(Amazon)
河出書房新社

"フランケンシュタインの技術が全世界に拡散した19世紀末、英国政府機関の密命を受け、秘密諜報員ワトソンの冒険がいま始まる。日本SF大賞作家×芥川賞作家が贈る超大作。
2009年、34歳の若さで世を去った伊藤計劃。 絶筆は、未完の長編『屍者の帝国』。 遺された原稿は、冒頭の30枚。
それを引き継ぐは、盟友・円城塔—— 日本SF大賞作家×芥川賞作家—— 最強のコンビが贈る、大冒険長編小説。 全く新しいエンタテインメント文学の誕生! フランケンシュタインの技術が全世界に拡散した19世紀末、 英国政府機関の密命を受け、秘密諜報員ワトソンの冒険が、いま始まる"

伊藤計劃の遺稿を円城塔が書き継ぐ - 大森望|WEB本の雑誌

" 伊藤計劃『屍者の帝国』は、河出書房新社編集部の求めに応じて伊藤計劃が病床で執筆していた書き下ろし作品。完成すれば第四長編となるはずだったが、冒頭部分(400字詰原稿用紙にして約30枚分)だけを残して、著者は2009年3月20日に死去した。
 残された原稿はSFマガジン2009年7月号の伊藤計劃追悼特集に掲載され、その後、同じ河出書房新社のオリジナル・アンソロジー『NOVA1』(河出 文庫)に収録。さらに『伊藤計劃記録』にも再録されている。

『屍者の帝国』の背景は、ヴィクター・フランケンシュタインが開発した死体操作技術が広く欧州に普及し、死者が労働力として活用されている、もうひとつの 19世紀。遺稿では《ホームズ》シリーズでおなじみのワトソン博士が語り手を勤め、『吸血鬼ドラキュラ』のヴァン・ヘルシング教授も登場する。ジャンル 的には改変歴史SFに属し、最近流行の"スチームパンク"にも分類できるだろう"

◆予習 伊藤計劃「From the Nothing, With Love.」
 伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』に備え『The Indifference Engine』予習中。
 「From the Nothing, With Love.」"虚無より愛を込めて" ってタイトルも物語も最高ですね。これが伊藤計劃の凄み。
 ベンジャミン・リベットの、行動を駆動する脳の非意識活動と意識の順番の実験を引用し描かれる意識の葬送がラディカル。

 「例えるなら私は書物だ。いまここに生起しつつあるテクストだ」…こう語る一人称が曲者。この私が葬送の司祭を務めている。あったはずの意識とこのテクストの私が別に存在するような描写。
 だが本作は、よく考えると、その私こそが意識そのものであり、自らの死を見送っている。これが伊藤計劃が突きつけた凄みなんだと思う。

 …というような作品のその先を、新刊で出る伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』に期待しつつ、電車の中で、ゆらゆら帝国「空洞です」をBGMに、私の意識が記述する…(ツイッターからの転載(^^;))。

◆感想(まずはネタバレなし) 伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』

 まず冒頭1/4が素晴らしい。
 計劃のコンセプトに、円城の奇想とエンターテインメント文体が混入してくる。計劃文体を模していた冒頭から徐々に円城文体でのエンタメに変容しつつある。そして語られる人間と屍と物語の歴史。王国のイメージ構築とアフガンの生気のない戦闘シーンは白眉。

 特に第一部の3章、4章は本書中でも最高にスリリング。
 ここのところ、僕は一番好きだった。イマジネーションを刺激してやまない奇想のディテールの絨毯爆撃。このあたりは特にメロメロですw。

 総論としては、#projectitoh の遺志は受け継がれ、伊藤計劃の作品群へ敬意を込めた円城氏による追悼はかなり完璧になされたように思う。
 特に『The Indifference Engine』全篇、とりわけ「From the Nothing, With Love.」へと直結している。

 「From the Nothing, With Love.」では最後まで語られず、『ハーモニー』から直結して考えれば、伊藤計劃氏により将来描かれるはずだったと思った言葉が、まさにクライマックスの某人物により語られていた。計劃氏が拘った意識の物語を円城塔が見事に纏め上げたと思う。

 物語の形態としては英国ゴシックロマンに始まり世界の文学をトレースしつつ地獄を黙示w。途中インディージョーンズもかくやのエンターテインメントを経由して、ビートニクに触れつつ人類SFへと…。円城氏初長篇にて大エンタメの手腕が見事な重厚にして軽快な大作!

 そして歴史改変ものとしての面白さ。歴史には強くないのだけれどw、屍者が自由主義経済を支えている世界、という改変世界がとても面白い。

 ただ、少し違和感があるのは、ロボット開発も二足歩行は宗教的に進んでいない欧州で、屍者の活用が活発化するって、宗教的にはあり得ないような気も(^^)。
 できれば、その宗教的な意味についても、10ページほど描いてほしかったかな…と思う。円城氏の奇想アプローチなら、それを突破する説得力が齎されたのではないかと思えるだけに少々残念ではある。

◆感想 ネタバレします、未読の方はご注意を!!



 できれば伊藤計劃氏が書き遺されたプロットを読んでみたい(結論までは書かれていないとのことだが…)。
 円城氏「あとがきに代えて」で触れられている "戦争" "イスラエル" そして映画からの引用としてのフランケンゾンビ関連部分がどう考えられていたか…。

 そしてさらにプロットで強く知りたいのは本格SFのテーマ部分。「意識」と「言葉」についての伊藤氏の構想である。
 円城版で「From the Nothing, With Love.」+「言葉」については触れられて総論としては見事に纏められているが…、僕の個人的な関心領域のこの部分は、残念ながら「From the Nothing, With Love.」の凄みのさらにその先としては、今ひとつと言わざるを得ない部分もある。

 「From the Nothing, With Love.」は語り手が「意識」であり、その彼が意識の葬送をしているところに凄みがあると上記予習の所で書いた。
 そして将来的に書かれる物語としては、意識とテキストの関係、成り立ちに肉薄する予告がそこにあったと思う。

 ヴァン・ヘルシングのクライマックスでのXの認識は、「言葉」と語られているが、読者にはいささか唐突に感じられる。もしこの「意識」と「言葉」の繋がるメカニズムが深堀りされていたら、古今東西の物語を転倒させて「文学」をひっくり返すイメージが現出する凄みが出たのではないか、と個人的に夢想するのだ。

◆関連リンク

Teoc屍者の帝国 伊藤計劃×円城塔 | 河出書房新社 特設サイト 円城塔 あとがきの代えて

"『虐殺器官』で言葉による人間社会の崩壊を、『ハーモニー』で人間の意識自体の喪失を描いた伊藤計劃が、「死んでしまった人間を労働力とする」物語を構想した以上、その先へと進もうとする意図を読み取らずにいることはとても難しいのです。また、その脈絡を受け入れない限り、わたしが『屍者の帝国』の続きを書くという仕事を受ける意味はないとも考えました。なぜなら、『屍者の帝国』の続きを書くということはそのまま、「死者を働かせ続ける」作業となるに決まっているからです。偶然にも与えられたこの図式を最大限に活かすことが、わたしの作業目標になりました。

 急いでつけ加える必要があります。伊藤計劃が闘病生活を送った故に、『虐殺器官』や『ハーモニー』を書くことができたという見解にわたしは与していませ ん。当然、経験は小説の内容を変化させたはずですが、それが決定的で本質的なものであったとは、わたしにはどうしても信じることができません。彼が闘病生 活を送っていなかったなら、作品はより素晴らしいものになったはずだと信じています。わかりやすい神を拒絶し、証拠のない即断を避け、理性的な言葉を用 い、新たな知識を吸収し続け、合理的な判断をよくした伊藤計劃は、死を客観視する形で自分の意見を表明し続けました。その意味で、『屍者の帝国』は、諧謔 にも似た、悪い冗談のような装いを持つわけですが、その本質には強い意思があります。諦めることなく、悲観にも楽観にも陥ることなく、できることを可能な 限り続けること。『屍者の帝国』は書き手のそうした日々の仕事としての作品です。伊藤計劃は『屍者の帝国』を自分の全てを語り切る畢生の作、最後の作品と して構想したわけではなく、次へと続く切り替えの場として、むしろ軽い読み物として考えていたはずです。軽さは無論、内容の無意味さや軽薄を意味していません。"

 素晴らしい一文ですね。お二人の友情の深さに胸をうたれます…。

屍者の帝国 伊藤計劃×円城塔 | 河出書房新社

" 『屍者の帝国』は当初からエンターテ イメント作品として構想されていました。狭義のSFでさえないというのも、伊藤計劃が強調していたところです。なんといってもこの小説の世界では死人が立 ち上がり、労働力とされているわけですから、荒唐無稽な物語であることはあらかじめ示されているのです。発想の系譜としては、「The League of Extraordinary Gentlemen」、「ドラキュラ紀元」、「ディファレンス・エンジン」、「Cthulhu by Gaslight」などに連なるものと見ることができるでしょう。いずれも世界観によって語る種類の作品です。"

・屍者の帝国 用語集I - 妄想科學倶楽部
(20) Twitter / 検索 - ♯projectitoh
Akira OKAWADA(@orionaveugle)/2012年08月22日 - Twilog.
 気鋭のSF批評家 岡和田晃氏の『屍者の帝国』評

"そろそろ解禁だと思うので書きますが、『屍者の帝国』の話です。書店には、明日出まわるらしい。世界文学の文脈で読まれるべき傑作ですが、いまの世界文学に(私が知る範囲で)、最も欠けているものが、見事に補われている。

そして、『屍者の帝国』は、『ディファレンス・エンジン』の「解説」や、「From the Nothing, With Love.」の先に進むという、不可能事を成し遂げている。 昔ながらの言い方をすれば、ヒューゴー・ネビュラ、ダブル・クラウン、クラスと言えばわかりやすいか。"

・当Blog関連記事
■感想 円城 塔『道化師の蝶』そして「松ノ枝の記」
■感想 円城 塔『Self-Reference ENGINE』
神林長平「いま集合的無意識を」関連つぶやき - Twilog
■解読 神林長平『アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風』
■感想 村上春樹『1Q84 BOOK1 BOOK2』
「意識」と「言葉」に関連する記事(僕のこだわりw)

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2012.08.27

■情報 『月世界旅行』&『メリエスの素晴らしき映画魔術』

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月世界旅行&メリエスの素晴らしき映画魔術オフィシャルHP
予告編 - YouTube
メリエスの素晴らしき映画魔術

"監督: セルジュ・ブルンバーグ/エリック・ランジ

出演: トム・ハンクス/コスタ=ガブラス/ジャン=ピエール・ジュネ/ミシェル・ゴンドリー/ミシェル・アザナビシウス/ジョルジュ・メリエス

製作年: 2011年、製作国: フランス、配給: エスパース・サロウ、上映時間: 63分

2012年8月 25日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて公開される『メリエスの素晴らしき映画魔術』は、映画創世記に誰よりも映画を愛し、その可能性を追求し た­ジョルジュ・メリエスの成功と挫折の人生を、彼が生きた時代背景と共に追っていくドキュメンタリー。偶然見つかった『月世界旅行』幻のカラーフィルムのリストア作業全工程­と、トム・ハンクス、ミシェル・ゴンドリー、ジャンピエール・ジュネ等へのインタビューを通して、今もなお多くの映画人を魅了しているメリエスの映画魔術に迫る。また、劇­中のリストア作業によって完全復刻した『月世界旅行』カラーバージョンの同時上映も決定!"

 特撮映画の元祖、あのジョルジュ・メリエスのドキュメンタリーと名作『月世界旅行』のカラーバージョンが劇場公開。順次全国へ巡回という事です。

 予告篇で描かれた修復の様子、なぜか涙腺が緩みます。
 やはりフィルムの持つ魅力というのは、抗いがたく我々映画ファンの中に根付いているのを実感。メリエスの魂は脈々と現代に息づいている。

 ◆関連リンク
George Melies『A Trip to the Moon Restored (Limited Edition, Steelbook) [Blu-ray]』
 Facebookで氷川竜介さんに教えて頂いた修復版ブルーレイ(日本のAmazonでも購入できるようです)。
 今年の春に発売されていました。これも今年劇場公開された某作品の影響でしょうか。
・修復に20年 映画「月世界旅行」110年を経てメリエス監督自身の彩色で復活!! | DDN JAPAN

"いまは亡きメリエス監督自身による手塗りのフィルムが1993年にカタルーニャ州で発見され、そこから20年という歳月を修復にかけ完成。音楽はダフト・パ ンクと共にフランスのエレクトロシーンを代表する エール(Air)が手がけた。カンヌ映画祭でも話題になったこの作品が、来る2月にDVDとして発売されます"

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2012.08.23

■情報 テリー・ギリアム監督 新作SF『Zero Theorem:ゼロの定理』Terry Gilliam

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テリー・ギリアム監督、クリストフ・ワルツ主演で新作SF映画製作へ : 映画ニュース - 映画.com

" ギリアム監督本人がオフィシャル facebookページで発表した。同監督は「人生の意味を教えてくれるはずの1本の電話を待っている男が主人公の、非常に独創的な脚本だ。もちろん、ほ かにもいろいろなことが起こる。深遠かつファニーな映画になるだろう。楽しくなりそうだ」とメッセージを残している。
 米Deadlineによれば、パット・ルーシンが脚本を手がけた「Zero Theorem」でワルツが演じるのは、エキセントリックなコンピューターの天才レス。「マネージメント」と呼ばれる影の存在の目となる監視カメラが設置 された、ジョージ・オーウェル風の企業社会が舞台となり、ギリアム監督の傑作「未来世紀ブラジル」を思わせる内容だ。"

Terry Gilliam Resurrects THE ZERO THEOREM With Christoph Waltz
Google 翻訳
 テリー・ギリアム監督の新作『Zero Theorem:ゼロの定理』こちらにあらすじが掲載されている。
 「仮想隠遁修道士」「タントラ生物遠隔インターフェース(バーチャルセックス)」とか「バーチャルリアリティ"インナースペース"スーツ」とか、、、VR : 仮想現実SF感バリバリで凄く期待できそう!

 写真はこちらのリンク先のものを引用させて頂きました。
 でも、何故にギリアムと魚?(^^;)。

◆関連リンク
Terry Gilliam Zero Theorem - Google 画像検索
 今のところ、映画のイメージは出ていませんね。

 

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2012.08.21

■情報 CALF 『変態(メタモルフォーゼ)アニメーションナイト』

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CALF | 変態(メタモルフォーゼ)アニメーションナイト 特設ページ

"あなたの心に突き刺さり、身体の奥底も震わせる、一生忘れられないくらいのインパクトを残す変態的な短編作品を集めた、一夜限りの饗宴。 水江未来と土居伸彰によるディープでライトなトーク付き。 昼間の広島国際アニメーションフェスティバルとあわせてお楽しみください。

日時:2012/8/24(金) 22:00-24:00
場所:サロンシネマ1
広島市中区大手町5-8-20 フェスティバル会場からの地図
料金:予約1300円/当日1500円
予約方法:件名に「変態アニメーションナイト予約」と明記の上、お名前、連絡先(TEL)、メールアドレス、人数をticket[at]calf.jp 宛にメールにてご連絡ください。8月22日(水)締切り。
※定員に達し次第、受付を締め切らせていただきます。"

"上映作品
『草上の朝食』2011 / 4分 ※追加上映決定!
 監督 : エリック・アルヌルム、ミケル・レーハ、マリ=リース・レバン、マリ・パッカース
『群れ』2011 / 7分
 監督 : ヨニ・マンニスト
『ボビー・イエー』2011 / 23分
 監督 : ロバート・モーガン
『ゲット・リアル』2010 / 12分
 監督 : エバート・デゥ・ベイヤー
『ラスト・バス』2011 / 16分
 監督 : マルティン・スノペク&イヴァーナ・ラウチコヴァ
ピーター・ミラード レトロスペクティブ 2009-2012 / 7作品上映 計13分
 監督:ピーター・ミラード
『CAS'L'』2010 / 45分 ※ジャパンプレミア上映
 監督 : ブルース・ビックフォード"

 間近のご案内となりましたが、素晴らしく変態な(^^;)企画のご紹介。
 とにかくポスターが凄い出来です。これを見て、本Blogの読者の皆さんが見たくなるのは確実w、ということで紹介させて頂きました。

 このポスターは、大山慶さんと橋本新さんの作品とのこと(大山さんのツイートからの情報)。特に正面中央の兎の造形が素晴らしいです。

◆関連リンク
CALF - Japan

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2012.08.20

■感想 リドリー・スコット監督『プロメテウス:Prometheus』

Prometheus

映画『プロメテウス』オフィシャルサイト
 ダン・オバノン成分の含有成分の低い(らしい)エイリアンがどうなってるか、しかと確認するため、観てきた。(本来、3D好きとしては、あの造形が立体視出来るだけでワクワクなんですがw)

 REAL D 前から3列目の真ん中。僕が観に行く田舎の小さいシネコンでは、でもこれくらいの席が最適だった。

 Twitter等で先行で観られた方々の感想から予想はできたのだけれど、たしかに物語としては突っ込みどころ満載。耳にしていた噂がよくなかったので、若干、頭の中でダン・オバノンならこうするだろう… な〜んて妄想で補強しながら観たためw、ほどほどに楽しめた。

 本当なら、ブラックなトーンで始まったわけだから、あの種族たちと人類の暗黒を、オバノン的なブラック趣味で、もっともっと深くえぐっていたら良かったのにと(^^;)。

 映像演出では『エイリアン』のコズミックホラーな雰囲気を、リドリーが『ブラックホークダウン』で描き出したような、リアルで神経がキリキリするようなアクションで漆黒の闇を見せて欲しかったと思うのは僕だけでないはずw。冒頭のドキュメントタッチの空撮とかは良かったのだけれどなぁ〜あとは…。

 こういう映画は、むしろ説明の少ないドキュメンタリーとして撮ってくれた方が…。全体の俯瞰なしにあの世界の闇に観客をたたき落としたら…w。

 3Dはかなり控えめに立体感を抑えていた。驚かす描写に使うのではなく、その世界のリアルを生々しく描く方に多少振っていたのかな〜と好意的に観れば言えないこともない。ただアップのシーンも俳優の肉体のリアルが浮き出てくるわけでもなく、監督の立体視への興味はきっと低いだろうと推測されるw。

 もちろん『ブラックホークダウン』のような手持ちカメラのリアル戦場描写で、しかもキツめの立体視が入っていたら劇場で気持悪くなる人、続出だろう。一番惜しかったのはあの操縦席シーンで周囲にホログラフィ的なものが展開するところ。あそこはもっとカメラが中へ入ってグリグリしてほしかったw。そうしていたら、全天周CG 3D映像「ユニバース2」のような夢幻の奥行き感が出せたシーンなのに、全くもったいない。これを観て、リドリーは3Dには大きな興味はないのだろうと思った次第。

 とは言え、これだけの宇宙シーンと異星描写。そしてギーガーのデザインを立体視できる3D映像はとても貴重。僕はこの映像を劇場で観れたことに凄く感謝。なんたってあのギーガーデザインのあんなんやこんなんが眼の前の空間に展開されるのだから…w。

 最後に3D映像ファンには悩ましい欠点をw。立体映像を楽しむには字幕が邪魔することのない吹替がお薦めなのだけれど、主演のノオミ・ラパス(なんでこん な色気のない女優を…これは置いといて…)声を当てているのが剛力彩芽とかいうへたくそ女優。声優には拘りがない方なのだけれどこれは最悪でした。日本の軽薄な女の子っぽい調子の喋りが耐えきれないほどに…。いくら話題作りとは言え配給会社の思慮がなさすぎ。

◆『エイリアン』再見
 そしてこの映画を観た後、『エイリアン』を観直したw。
 闇と光で緊迫感を演出。画面にみなぎる高レベルの緊張感。そして新しい映画を想像しようとする隅々の配慮、気迫の違いがはっきりしている。

 『エイリアン』の洗練は多くを観せないで観客の想像力へ委ねる演出だろう。
 特にギーガーのイマジネーションを最大限活かして、芳醇な恐怖映像空間を創出したこと。異星の骨で構成されたような巨大建造物とその中に化石化して佇むスペースジョッキー。これにより観客の脳内に展開される幻想の異空間…。
 ここで観客の想像力に委ねたことがひとつの大きな世界を感じさせる要因になっているだけに、そこをネタ割れするような設定の『プロメテウス』が、イメージの矮小化を招くのは必然だったのだろう。

 あと、ノストロモ号船内の生活感描写も緊迫感に大きく貢献している。
 SWにおける汚れた宇宙船内をさらに一歩進めた肉体労働の現場感w。ブラウン管モニタと機械系スイッチに埋まるコクピット。ここから醸し出されるリアリティと俳優達の緊張感ある台詞,身体の動きが恐怖感を高めている。

 『エイリアン』にあって『プロメテウス』にはない芳醇さの源泉、セクシャリティについても触れないわけにはいかない。特に顕著なのはエイリアンの粘液を滴らせる黒い造形とリプリーの下着姿の戦闘。造形が先か、これを描きたかったからギーガーに造形を依頼したのか…脱出シャトルの白い噴射も象徴的。
(あのラストの映像の存在感と美しさは、キューブリック『2001年』に迫っていたw。)

 こうして再見してみると、『プロメテウス』は少なくとも僕らのSFX第一世代(^^;)の好きなw『エイリアン』のプリクエルではない。
 新しい映画を創出する、という気迫が1/100くらいw。
 それがオバノンの鬼気迫る映像魂が欠けたことによるのか、リドリー・スコットの胆力の低下なのか…よくはわからないが…。

 とにかく『エイリアン』のように映画史を切り開いてきた作品は映像に気迫がある。
 アナログとデジタルにその原因を帰結させる論調もあるが、僕はそうは思わない。
 CGは単なる手段なので、もっとこうした『エイリアン』のようなアナログ映像が持っていた感覚をどんどん取込んでいくべき。
 そして必要なのは新しい映像を創造するという気迫(←なんだ最後、根性論か(^^;))。でも映像は正直にそうしたものを確実に写し撮る。

◆蛇足
 先日ヴィレヴァンで深海生物の写真集を立読みw、凄まじい造形力に感動したが、ネット画像検索では今一歩(^^;)。にしても地球46億年の進化が作り出したクリーチャーはやはり凄い。ギーガーのエイリアンの造形に迫る物もある。

◆関連リンク
プロメテウス (映画) - Wikipedia

"3D映画ではセットで高い照明レベルを必要とするため、3D機器を『アバター』後の技術に基づいて使う一方、『エイリアン』の特徴的な闇と影のある雰囲気はグレーディング・プロセスを通じてポストプロダクションで追加されている。"

 案外と、こんなところが、闇と光の演出を妨げた理由なのかも知れません。
「エイリアン」のデザイナーが設計した不気味なバー - GIGAZINE
 そうか、H.R.ギーガーのデザインした「ギーガー・バー」は既に東京には無いのか。スイスのグリュイエールには、まだ存在してるみたいだけど…。今年は『プロメテウス』なリニューアルしてるのかな?(^^)。誰か行かれてませんか。

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2012.08.13

■動画 浅辺宏一監督『半村良の空想力』


『半村良の空想力』を公開しました
(トピックス | 半文居 | 半村良オフィシャルサイト)
 Twitter / hanmura_ryoさん(半文居/半村良オフィシャル)経由

"半村良にゆかりの方々へのインタビューと半村作品の朗読、作品にちなむ場所をめぐる 映像『半村良の空想力』を公開しました。"

 Twitterで半村良作品の引用をツイートされている半文居さん。
 いつもTLに流れてくる半村良作品の一文に、あ〜僕のSF価値観の何分の一かは、半村さんの言葉で作られたんだな…(^^;)と感慨深いわけなのですが、上記のようなツイート情報がつぶやかれましたので、御紹介。

 冒頭から、東京の街の映像が流される。少しドラマのナレーションのように語られる半村作品の言葉。そして編集者他、半村良ゆかりの方々へのインタビューをまとめた作品。
 東京の夜をよく描いていた半村作品のイメージと映像の雰囲気がとても合っていて、良いです。

 そして半文居さんから仕掛けられたこの映像の監督に関する仕掛け。
 →Twitter / hanmura_ryoさん 浅辺宏一は...
 まさに半村作品らしい虚構に、懐かしくなり、目頭が熱くw。

◆関連リンク
半村良 - 当Blog過去記事 検索
 検索して気づいたのですが、ほとんど半村良さんについて書いてませんでした。
 過去の小説作品の感想ももう少し触れるようにしたいと反省。

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2012.08.10

■感想「奇っ怪紳士!怪獣博士!大伴昌司の大図解 展 …一枚の絵は一万字にまさる…」

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奇っ怪紳士!怪獣博士! 大伴昌司の大図解 展
 ……一枚の絵は一万字にまさる……

(弥生美術館・竹久夢二美術館)

"会期: 2012年7月6日(金)~9月30日(日)
開館時間: 午前10時~午後5時(入館は4時30分までにお願いします)
休館日: 月曜日(ただし8/13(月)は臨時開館、7/16(月・海の日)開館、 翌7/17(火)休館、9/17(月・敬老の日)開館、翌9/18(火)休館)
料金: 一般900円/大・高生800円/中・小生400円
お知らせ ★9月8日(土)午後6時より、映画監督・河崎 実氏によるトークショーを開催いたします"

 先日の記事で詳細を御紹介した本展示会に、特撮博物館で東京に赴いた際に、我が研究所 東京支部wのshamonさんと青の零号さんともども行ってきた。遅まきながら、簡単なレポートを記す。

 弥生美術館は初めて訪れたのだけれど、様々な奇怪な研究が行われる(^^;)東大近くの閑静な住宅街にひっそりと佇む。個人の住宅を美術館に仕立てたというこで、3階建ての少し古びた建物の中に、まさに昭和の香りを残した大伴昌司氏の数々の記録が展示されていた。

 詳しくは、一般書籍として購入できる河出書房新社刊 堀江 あき子著(弥生美術館学芸員さん)『怪獣博士! 大伴昌司 「大図解」画報』を見ていただくとわかるが、今回の展示の中心は、まさに「大図解」である。大伴氏の多くの作品の中でも、特に少年マガジン等の図解の大伴によるアイディアスケッチと、それを画家たちが清書して描き、雑誌の巻頭を飾った図解の原画が数多く展示されている。

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 上の引用図で示した大伴の代表的な仕事のひとつである、怪獣図解のスケッチが特に素晴らしい。僕たち60年代生まれが少年誌や単行本でワクワクした怪獣の図解の元となった大伴の描き込まれたスケッチが眼の前に存在するという感激(^^;)。

 ノートや原稿用紙の枠からはみ出んばかりに荒々しいタッチで奔放な想像力で描かれたスケッチたちが圧巻である。もちろん、イラストレーターたちによって描かれたカラーの綺麗な図解原画も素晴らしいのだけれども、僕はどちらかというと、鉛筆のタッチも生々しく大伴の軌跡が表現されているこれら原図の迫力に圧倒された。

 決して美しい絵ではない。それらは、怪獣博士 大伴昌司が自由奔放に自ら創造した怪獣の生体である。

 バルタン星人の「白色破壊光線エネルギぶくろ」「悪臭ぶくろ」。ギャンゴの「とかし岩臓」「テレパシー岩臓」曰く「ギャンゴの内部は全て岩だが、それぞれの岩が役割を持っている」(^^;)。
 「国際SFシンポジウム事務局長」をされた大伴氏。日本SFの中枢を司っていた大伴氏なのであるが、はっきり言って科学考証の凄まじさには息を飲む(^^;)。

 でもこのダイナミックさ。科学をはじめとして何ものにも縛られない想像力の無制限の解放感が素晴らしい。子供たちを驚かしてやろうという悪戯心と、そして原図からほとばしっていたのは、描いていてきっと御本人がまず楽しくて仕方がなかったのではないか…ドローイングハイになっていたのは確実と思える筆致に現れているのめり込み具合(^^)。

 主に図解部分は、僕と同じく「特撮とアニメとSFの子」いっしょに行った青の零号さんと図解に突っ込みを入れながら見ていたのだけれどw、彼が放った言葉が以下。

 「大伴さんの絵は、まるでアウトサイドアートのようだ!」

 怪獣という素晴らしい素材を眼の前にして、嬉々として子供のように想像力を無制限に解放して描かれた大伴氏のスケッチは、その純粋な稚気からまさにアウトサイダーアートを想いださせる。けだし名言である。

 そして僕ら大伴昌司大図解の子供たちは、首までその無限/夢幻の想像力で描かれた世界に今も囚われて、日々、こうして完全映画(トータルスコープ)ならぬ究極映像を追い求めているのである(^^;)。

◆関連リンク
堀江 あき子著『怪獣博士! 大伴昌司 「大図解」画報』
 会場では図録代わりの本書と、怪獣図解絵はがき等が購入できます。

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2012.08.08

■予告篇 Ang Lee:アン・リー監督『Life of Pi』 Sam Raimi:サム・ライミ監督『Oz the Great and Powerful : オズ:ザ・グレート・アンド・パワフル』

 いつもCGやSFX関連の情報をいただく、Twitter / pacchiiさん経由の新作映画予告篇情報をまとめました。Life_of_pi

Life of Pi - Movie Trailers - iTunes
Life Of Pi(公式) 12.11.21米公開。
Yann Martel『Life of PI』

"1977年7月2日。インドのマドラスからカナダのモントリオールへと出航した日本の貨物船ツシマ丸は太平洋上で嵐に巻き込まれ、あえなく沈没した。たった一艘し かない救命ボートに乗り助かったのは、動物たちをつれカナダへ移住する途中だったインドの動物園経営者の息子パイ・パテル16歳。ほかには後足を骨折した シマウマ、オラウータン、ハイエナ、そしてこの世で最も美しく危険な獣ベンガルトラのリチャード・パーカーが一緒だった。広大な海洋にぽつりと浮かぶ 命の舟。残されたのはわずかな非常食と水。こうして1人と4頭の凄絶なサバイバル漂流が始まった…。生き残るのは誰か?そして待つ衝撃のラストシーン!! 文学史上類を見ない出色の冒険小説。2002年度ブッカー賞受賞作。"

 

アン・リー監督、実は不勉強で一本も見たことがないのですが、この予告、素晴らしいです。ブッカー賞受賞という原作の幻想性を映像に定着させているように見えます(って原作、読んでないのにw!)
 予告篇クライマックスの某巨大海洋生物の光の描写に痺れます。
 これも3D公開とのことなので、大海の海面の立体描写とか、とても期待です。

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Oz the Great and Powerful - Movie Trailers - iTunes
Gallery | Oz The Great and Powerful | Official Movie Site | Disney(公式)
2013.3/8米公開
オズ: ザ・グレート・アンド・パワフル - Wikipedia.

"2013年に公開を予定しているサム・ライミ監督のファンタジー映画である。1939年の映画『オズの魔法使』の前日譚として、若き日のオズを描いた作品となる予定"

 サム・ライミ監督のファンタジー。
 ブラックになる予感もありますが、予告篇を観る限り、そんなことはなさそう…(^^;)。カラフルな映像が3D展開されるかと思うと、ワクワクしますね。

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2012.08.06

■情報 ヤノベケンジ《サン・チャイルド》Tシャツ, ドローイング, イスラエルハイファ美術館

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YANOBE KENJI ART WORKS /// ヤノベケンジ アートワークス

"■Vol.2 ヤノベケンジ《サン・チャイルド》Tシャツdeサーポータープロジェクト ※現在受付中 Vol.1でのサポーター特典としてご提供するヤノベケンジ手描きドローイングの中から、評判のあったものをTシャツにして新たなプロジェクトを立ち上げました。ヤノベケンジ&KYAPブランドグッズの記念すべき第一弾です"

ヤノベケンジ《サン・チャイルド》Tシャツdeサーポータープロジェクト

"■価格: 5,000円(税込み、配送費込み)
■募集期間: ~9/30
(第一次締切:7/1/第ニ次締切:7/31/第三次締切:8/31/第四次締切:9/30)
■サイズ: レディースM、L / メンズS、M、L、XL"

 いよいよ8/11にオープンする福島現代美術ビエンナーレ。
 サン・チャイルドの登場も秒読みに入ってきている中、最近の動きを幾つかまとめる。

 まずこの福島でのサン・チャイルド建造のためのサポータープロジェクトとしてはじまっている《サン・チャイルド》Tシャツ。
 サポータープロジェクト第一弾の特典用にヤノベ氏によって描かれているドローイングの絵を使用して作られたTシャツ。

 原発再稼働に反対して、国会議事堂を焼き払うサンチャイルド・ゴジラを描いた黒いTシャツが何しろ衝撃的。過激な表現ではあるが、僕も現在の政府のあまりに考えのないこの再稼働には反対なので、そんな気持を最も代弁してくれている絵だと思う。通称「ンガー」サンチャイルド。

 本来、子供たちの希望の象徴であるサン・チャイルドをこのように凶暴な風貌に描かざるを得ない今の状況に対するヤノベ氏の怒りに共感する。

ヤノベケンジ サン・チャイルド ドローイング - YouTube
 そして次は、そのサポーター特典ドローイングの制作動画が公開された!
 ヤノベ氏の手を真上からとらえた映像。どのように氏のドローイング作品が出来上がるかをしっかりと記録しているファンにとっては貴重な動画。
 僕にも一枚送られてくる予定のサポーター特典の絵は、「ンガー」サンチャイルドか、この記録されたドローイングだといいなぁ〜(^^)。

Photo

Haifa Museums (Facebook)‬

"Haifa Museums DOUBLE VISION 2012.7/22 -"

 最後は、ロシアでも開催されていた日本人アーティスト作品を展示する日本コンテンポラリーアートの回顧展『DOUBLE VISION』の中東への遠征、イスラエルのハイファ美術館での展示について。
 上のサイトに幾つか建造中の写真が掲載されているが、太陽の国の灼熱の光の中に立つサン・チャイルドの勇姿はひときり鮮烈に眼に焼き付いて離れない。

◆関連リンク
Ultra Student Today!! - Sun Child 聖なる土地に立つ(リサーチ編) | 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY ウルトラファクトリーの学生さんによるイスラエルでの建造リポートが書かれています。

当Blog記事
■情報 Double Vision: Contemporary Art from Japan ヤノベケンジ『サン・チャイルド』、加藤泉作品 他@ロシア

■情報 ヤノベケンジ『サン・チャイルド』ドローイング作品 光臨プロジェクト in 福島現代美術ビエンナーレ2012 サポーター募集

■情報 ヤノベケンジ『サン・チャイルド』光臨プロジェクト in 福島ビエンナーレ2012 サポーター募集

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2012.08.03

■情報 幻想画家 Fulvio Di Piazza : フルビオ・ディ・ピアッツァ

Fulviodipiazza_uomoneroblackmanhorz

Fulvio Di Piazza - Google 検索
フルビオ・ディ・ピアッツァ(イタリア)
BonelliArte - Gallery
 tumblrで"Uomo Nero (Black Man)"と名付けられた引用画像の左の絵を観た時は、その荒々しくも繊細なタッチに驚きました。
 細かな雲や煙の集積でダイナミックな造形を描き出しているところに痺れます。

Fulvio di Piazza Ashes to Ashes at JONATHAN LEVINE GALLERY

"Fulvio di Piazza Ashes to Ashes Gallery II Solo Exhibition June 30, 2012 through July 28, 2012"

 ニューヨークのJONATHAN LEVINE GALLERYで7/28まで個展を開催していたとのこと。在住の方で観られた方がもしいらっしゃったら、乞う御感想(^^)!

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2012.08.01

■予告篇 イジー・バルタ監督 新作『雪女』Jiri Barta "Yuki Onna"


Yuki Onna trailer eng - YouTube(予告篇) メイキングはここ

 イジー・バルタ監督 新作アニメーション映画『雪女』(小泉八雲原作)の予告篇とメイキング!
 今回は実写とアニメの融合。シュヴァンクマイエル的切り取り写真コマ撮りもあるようです。艶かしい映像の質感!

 メイキングの監督の語りを観ると日本と西洋の融合を目指したとのこと。
 グリーンバックでの人物撮影とディジタル合成の多用はハリウッドというか現在の映画手法の王道。そこに息づくイジー・バルタの技、ロウ(Wax)を使った背景とか仕上がりが興味深い。早く観てみたいものです。
 日本での(というか世界初公開!)上映の情報は以下。

島根県立美術館 夏休み!チェコアニメ・パーク

"チェコのイジー・バルタ監督による新作アニメーション映画『雪女』(小泉八雲原作)を世界に先駆け上映。
※『雪女』の表現はお子様には刺激が強すぎる場合があります。ご注意下さい。
【日 時】 8月8日(水)~8月27日(月)※休館日〔8月21日(火)〕を除く
①13:00~14:15 屋根裏のポムネンカ ②14:25~14:35 雪女
③14:45~16:00 屋根裏のポムネンカ ④16:10~16:20 雪女
(開場/各日12:30)
※いずれも俳優の佐野史郎さん(松江市出身)、女優の貫地谷しほりさんが吹き替えをしています。
【会 場】 美術館ホール (190席/当日先着順) © @ARMZ
【問合せ先】 (株)アットアームズ チェコアニメ事業部 電話:03-6278-8924"

 原作から、ラフカディオ・ハーンゆかりの島根県立美術館でワールドプレミアとなったのでしょう。しかもなんと無料! 島根、行きたい!

◆関連リンク
yuki onna press kit eng - Animation.cz
 イジー・バルタ監督 新作『雪女』チェコサイトのプレスキット。スタッフリスト、メイキング写真等多数。
・当Blog記事 ■ イジー・バルタ監督『屋根裏のポムネンカ』予告篇 Jiří BARTA "NA PŮDĚ ANEB KDO MÁ DNESKA NAROZENINY?"

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