twitterで高畑勲・宮崎駿作品研究所の叶精二さんと御話しさせていただいている中で、アニメの原画等の保存についての話題になった際に調べて、遅まきながら詳細を知った日本アニメーション文化財団のミュージアム構想について、まとめてみました。ほとんどリンク集です。御興味のある方は、是非、リンク先で詳細をご覧下さい。
設立趣旨 « 日本アニメーション文化財団 – Japan Cultural Foundation for Animation
"アニメーション創造のキーパーソンであるアニメーターの育成、生活環境の改善、貴重な制作資料の保存など次代を作る基本要素をないがしろにしたままでは、この芸術に未来はありません。
急速にデジタル化が進む変革の時期である今、私たちは広範囲な活動を通じて、アニメーション文化を学び、保存し、交流し、新しい世代に提供していく運動を進めることを決意しました。"
2012年5月に設立された日本アニメーション文化財団、設立時の理事・評議員は小田部羊一、古川 タク、森 淳(森やすじ氏の御子息)、野村辰寿、金子由郎、なみきたかしの各氏。
これは元々アニドウで進められていた構想を、新しく財団という形で、再スタートされたという事のようです。
ミュージアム設立運動 « ANIDO official website
"本計画は2012年5月に設立された「一般財団法人日本アニメーション文化財団」の事業に統合されます。このページの情報も順次、財団のホームページに移管されます。したがって記述の内容は、新しいページのものに改訂されます。"
完成構想図 « ANIDO official website.
"構想に基づいて企画書、完成予想図
(パース)を2点制作しました。ちょっとスケールが大きすぎてしまい、後ほど作り直します。そして企画パンフレット制作し、各自治体などに働きかけ、製作
準備委員会(完成後は<仮称>日本漫画映画文化財団)を設立いたします。完成目標を2020年に設定しています。"
地上5F、地下2Fの壮大な構想が素晴らしいです。
原画や絵コンテという、アニメーションのコアに当たる、アニメータの芸術性の神髄が示されている貴重な資料のアーカイブと展示が構想されている。
資金が集まって、本当にこうした企画が実現してほしいものです。
アーカイブ « 日本アニメーション文化財団 – Japan Cultural Foundation for Animation.
"雑誌のバックナンバー、セル、背景、アフレコ台本、原画、動画、ポスター、ビデオ、おもちゃ、などなんでも収蔵いたします。
ただし、既に収蔵のものと重複する場合はご遠慮願う場合があります。
お手持ちの資料が場所ふさぎだなあ、と思われましたら、ぜひ当財団にご寄贈ください。"
ということで、散逸してしまう前に、このアーカイブで収蔵される事を望みます。個人的には、宮崎駿のアニメータとしての原点である初期の原画、東映長篇漫画映画やTVなどの作品。金田伊功の原画等を是非とも収蔵いただきたいと思います。
◆関連リンク
・ギャラリー « 日本アニメーション文化財団 – Japan Cultural Foundation for Animation
"収蔵された資料などは公開されなければなりません。出版、複製や展示、上映会などで多くの人の眼に触れることで資料は初めて生きてきます。海外の映画祭への資料提供や財団自体の
出版を積極的に行います。また、事務所に展示スペース「ギャラリィ・ゴーシュ」を併設し、連続した展示企画で収蔵物を公開します"
・海外の展示 « ANIDO official website
"1937年のパリ万国博覧会のために作られたシャイヨー宮にある映画博物館(Musse du Cinema)は、伝説的なコレクター、アンリ・ラングロアが設立したシネマテーク・フランセーズと映像機器のコレクションが基になっています。
中でも感心したものがフランスのアンリ・ラングロア記念映画博物館とイギリスの映像博物館MOMIです。
一方、リサーチと建設に30億円をかけて1988年にオープンしたロンドンのMOMI映像博物館(Museum Of Moving
Image)は映画だけでなくテレビをも範疇に入れ、映像の歴史を網羅したミュージアムです。マジック・ランタンやリュミエールやメリエスなどの古典もありますが、ハリウッドの誕生やスターの衣装、SF映画などの展示も多く、近代的な部分も強調しています。ミュージアム・グッズも充実していて立派なストアになっていますし、ガイドブックも日本語を含め各国語が揃っていました。
ここのアニメーション・コーナーは充実しています。クェイ兄弟の「ストリート・オブ・クロコダイル」とトルンカの「悪魔の水車小屋」のセットが並んでいた
り、チャック・ジョーンズの原画、カナダのキャロライン・リーフ監督の砂アニメーションの原物とか、興味深い現代の物があります。"
海外のフィルム関連アーカイブの情報。
さすがに映像文化発祥の欧米では、既にこうした素晴らしい構想が実現してきているようです。
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