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2013年1月

2013.01.30

■情報 パラボリカ・ビス『諸星大二郎 トリビュート展』

Morohoshi_omote

『諸星大二郎 トリビュート展』
(パラボリカ・ビス公式サイト)

"2013年2月8日[金]
 〜2013年3月4日[月]

■月~金/13:00~20:00
 土日祝/12:00~19:00
■入場料:500円
■展覧会 会場:parabolica-bis
[パラボリカ・ビス]
■東京都台東区柳橋2-18-11
■TEL: 03-5835-1180 map

諸星大二郎(原画)
参加作家/オマージュ作品(予定):
衣倆/「諸怪志異」「巨人譚」
林美登利/「妖怪ハンター」「栞と紙魚子」
黒田武志/「生物都市」「暗黒神話」「孔子暗黒伝」
木村龍/「男たちの風景」
櫻井紅子/「ラプンツェル:グリムのような物語」
土谷寛枇/「夢みる機械」
マンタム/「アダムの肋骨」
斧原由季/「私家版魚類図譜 」
妖/「栞と紙魚子」
中川ユウヰチ/「夢みる機械」
湊敦子/「私家版鳥類図譜」「栞と紙魚子」「アダムの肋骨」「グリムのような物語」
中川多理/「スノウホワイト:グリムのような物語」
横田沙夜/「私家版鳥類図譜」

美術:マンタム今野裕一"

 これは興味深い展覧会。
 諸星大二郎の作品にインスパイアされた各オブジェ、人形作家作品の美術展。
 上記パラボリカ・ビス公式サイトに各作家の紹介と代表的作品が掲載されている。あなたの諸星作品のイメージに各作家はマッチしているでしょうか。
 諸星作品を頭に思い浮かべて、そのオブジェを鑑賞する、稀有な体験が出来そうで期待の展示です。そしてマンタムさんと今野裕一さんの作る展覧会場の美術も多いに楽しみ。赴きたいとずっと想い続けている、いまだ観ぬパラボリカ・ビス。これは行ってみたいものです。

◆関連リンク
Twitter / mantamu(マンタムさん)

"誕生日自慢1 諸星先生に私はアダムの肋骨のハーピーを作るのです。と言ったら持参していったアダムの肋骨にハーピーの絵を描いて下さりましたw 意地でもこの絵を元にハーピーを作ってみせますw"

その、マンタムさんに贈られた諸星大二郎のハーピーの絵とサイン
 このトリビュート展のために諸星氏と会われたマンタムさんの誕生日のつぶやき。リンク先でマンタムさんに向けて描かれたハーピーの絵と、そこから2枚のサイン画が観られます。

脳ト眼球ノ時代(マンタム氏公式HP)
『諸星大二郎・画集 Morohoshi Daijiro ARTWORK 1970~2012 不熟』
マンタムさん 当Blog関連記事 Google 検索

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2013.01.28

■情報 大平貴之プロデュース 世界初移動式大型宇宙体感シアター「SPACE BALL : スペースボール」

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「SPACE BALL」12/15~1/27 東京国際フォーラム

"東京国際フォーラムで、大平貴之が開発プロデュースする世界初移動式大型宇宙体感シアター「SPACE BALL」を開催致します。直径約10m、床は透明な強化ガラスでできており、360度足の下まで星と映像と立体音響に包まれる、世界唯一の移動式球体シアターです。

開催日時:2012年12月15日(土)~2013年1月27日(日)
会場:東京国際フォーラム ガラス棟地下一階ロビーギャラリー"

 特殊映像研究家の大口孝之さんにメールで教えて頂いた「SPACE BALL : スペースボール」。映像系研究ブログとしては、たいへんに恥ずかしいのですが、実はまるで知らなかったw。
 ということで、今更感が強く、しかも会期は昨日で終わってしまったのだけど、概要の記事だけ記録として簡単にまとめておく。

 メガスターとプロジェクタを組み合わせ、球面スクリーンで宇宙をまるで宇宙船から眺めている様に投影する装置。球状のスクリーンの中に、透明強化ガラスの床。手すり越しにまるで宇宙船の船窓からパノラマで外の光景を眺める様になっている。実物を観ていないので、その体感効果は自分の言葉として書けないのだけれど、これは一見の価値があったのではないかと、今更ながら残念に思っている。
(というか僕の場合、まだメガスターですら、まともに観ていないので、、、w)

 趣向として面白いのは、外側にもプロジェクタから投影した地球や惑星が表示できるところ。待っている間も宇宙映像に浸れるという嬉しいアイディア。

大平貴之の開発日記 : アットホーム presents SPACE BALL — The Real Experience Trip to Space : テレビ東京

 そしてこの開発日記動画の第五回に示されている様に、このシアターは移動遊園地ならぬ、移動ジャイアントスクリーンとして、他所へ移設が簡単にできる。
 その秘密は、動画にあるが、球体が風船状になっているところにある。
 膨らませる事で直径約10mの球体ジャイアントスクリーンが立ち所にその場に現出するようだ。

 これは、東京での会期終了後、全国を移動し、是非とも名古屋に来てもらいたいものです。

◆関連リンク
『スター・クルーズ・プラネタリウム』今冬開催決定 | ニュースリリース|プレスルーム|森ビル株式会社 - MORI Building

"森アーツセンターギャラリーでは、この冬、期間限定で『スター・クルーズ・プラネタリウム』を2012年11月23日(金・祝)~2013年2月11日(月・祝)まで開催し、皆さまを仮想の宇宙船で宇宙旅行にお連れします。
本イベントは『スカイプラネタリウム』※1をパワーアップさせたもので、星空を歩ける三次元プラネタリウムの楽しさはそのままに、新たに、時空を超える不思議な宇宙旅行を味わえる、体験型プラネタリウムです。"

 プラネタリウムクリエータ大平貴之氏によるもう一つの体感型ジャイアントスクリーン。こちらはあと2週間ほどの会期。

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2013.01.25

■感想 バイロン・ハワード,ネイサン・グレノ監督『塔の上のラプンツェル:Tangled』

Tangled

作品紹介・プロダクションノート | 作品紹介|塔の上のラプンツェル

"製作総指揮のジョン・ラセターはこう語る。「私たちが目指したのは、ディズニーの伝統である上質でドラマティックな感覚をよみがえらせながら、同時に新鮮で ユーモアに富んだユニークな世界観を作り上げること。そうすれば、CGアニメーションではいまだかつて観たことのないような作品を提供することができる。 この映画の作り手たちは、ディズニーの伝統を土台にして、まったく新しい世界を築き上げたのです」"

 評判の3D映画を、今頃Blu-Ray 2D観た(^^;)。
 まさに今更なんですが、これは傑作ですね。引用したラセターの言葉通り、良質なディズニーアニメ伝統の絵柄を3D-CG映像で完全に再生し、しかもリアルなCGとして違和感のない見事なアニメートに仕上げて素晴らしい仕事になっている。
 ラセター他スタッフによる世界のアニメーションの革新は、依然アメリカで着々と進行中。
 映像で特筆すべきは、塔と長い髪とランタン。これは3Dの立体視で観たかった。今更ながら後悔。家の3D鑑賞環境整備が必要ですね。今は、Youtubeでの裸眼立体視だけが頼りw。


  『塔の上のラプンツェル』の高度なアニメーションメイキング | RGSW.net - 3DCGコミュニティサイト

"シニアアニメーターでありアニメーションの講師としても活躍しているJamaal Bradley(現在ドリームワークス・アニメーション所属)が担当したディズニー映画『塔の上のラプンツェル』のアニメーションメイキングをご紹介。 3DCGソフトMayaを使用してアニメーションカーブの調整を繰り返し行いフィニッシュに持っていく様子が収められている。"

 この動画に、驚異の髪の毛のCGを含め、ラプンツェルの動きのアニメーションメイキングがある。
 モーションキャプチャーではないが、アニメータ自らが自身の動きを動画に撮って、それを参考にして動きを組み立てている様子がリアル。
 動画で人間の複雑な動きを参照し、それにデフォルメを加えて、演技をアニメートする。これがメイキングには映ってないけれど、たぶん同じデスクトップ上で簡単にできる様になった事が進化を促しているのだろう。
 人の体の動きを記憶に叩き込んでいた頃のアニメータと、いつでもリアルに参照できる環境の中にいるアニメータでは、随分と力量に差が出るのではないか。
 参照して動きを作り、そこに自分の快感原則に則った誇張や省略をしていく。
 さらに同じデスクトップ上に、過去の天才アニメータの映像も置く事で、簡易にそれも参照していく事で、新たなクリエイティブな映像が、作成できる。
 それを後で述べるような豊富な制作資金でバックアップして作り上げたラセター他のプロダクションワーク。
 いつまでも手描きのアニメにこだわり、しかもデジタルを悪の様に思っているらしいラセターの師匠筋の日本の某大アニメ監督は、この『ラプンツェル』を果たしてちゃんと鑑賞しているのだろうか。彼我の差はますます広がるばかりではないのか、、、と今頃この傑作を観ている遅れた僕が言える事ではないですね(^^;;)。

◆関連リンク
ラプンツェル - Wikipedia(グリム童話)

"あるところに夫婦がいた。長年子供がなかった2人だが、ある時やっと子供を授かる。妊娠した妻は隣に住むゴーテルという魔女の庭のラプンツェルを食べたくてたまらなくなる。食が細ってやつれた妻に「ラプンツェルが食べられなければ死んでしまう」と懇願された夫は、妻と生まれる子のために魔女の敷地に忍び込むとラプンツェルを摘み取りにかかるが、魔女に見つかってしまう。しかし夫から事情を聞いた魔女は、好きなだけラプンツェルを摘んでもいいが、子供が生まれたら自分に渡せと言う。"

 ベースとなったグリム童話からは、ずいぶん物語が改変されているんですね。
・塔の上のラプンツェル - Wikipedia

"『ニューヨーク・タイムズ』のA・O・スコットは「ディズニーの50番目のアニメであり、その外観と精神は現代的にアップデートされているにもかかわらず、古きディズニーの誠実で紛れもない品質である」と評した。 クエンティン・タランティーノは本作を2010年のベストで5位にした"

・『塔の上のラプンツェル』続編映像 - YouTube
・『塔の上のラプンツェル』続編、ついに映像が公開! 結婚式をめぐるドタバタ劇! - シネマトゥデイ

"続編となる短編『ラプンツェルのウェディング』より、本 編クリップ映像が公開された。アメリカで同作はすでに今年1月に劇場公開されているが、日本語版映像は今回がウェブ初公開となる。"

・『塔の上のラプンツェル』続編、12年1月に全米劇場公開決定!ラプンツェルの結婚式直前のドタバタを描く! - シネマトゥデイ

"今年3月に日本公開されたディズニー映画『塔の上のラプンツェル』の続編『タングルド・エバー・アフター(原題)/ Tangled Ever After』が来年1月に全米で劇場公開されることが明らかになった。長編ではなく短編作品になるものの、ラプンツェルの結婚式が描かれるということで、ファンにとっては早期の日本公開を期待したいところだ。"

・Pictures & Photos from Tangled Ever After - IMDb
 予告篇2編。
3D3D3D -ステレオ3D情報ブログ- : 「塔の上のラプンツェル」 3D画像レビュー
Making of Tangled – Untangling the Look of Tangled | All CG Tutorials
 クリエータがパネルディスカッションで語るメイキング。
製作費が高いハリウッド映画ランキング ベスト10 (スマステーション発表)

製作費が高いハリウッド映画ランキング ベスト10
2011年8月27日(日)に放送
1. パイレーツ・オブ・カリビアン / ワールドエンド     【 総製作費 】 推定240億円     【 高額理由 】 製作費の1/4が出演陣の出演料    
2. スーパーマン リターンズ【 総製作費 】 推定216億円     【 高額理由 】 相次いだ監督交代    
3. 塔の上のラプンツェル     【 総製作費 】 推定208億円     【 高額理由 】 髪の毛のリアルな表現    
4. スパイダーマン3     【 総製作費 】 推定206億円     【 高額理由 】 完成後、さらに8ヶ月の追加撮影    
5. ハリー・ポッターと謎のプリンス     【 総製作費 】 推定200億円     【 高額理由 】 出演料(ギャラ)の高騰    
6. アバター     【 総製作費 】 推定189億円     【 高額理由 】 奥行き感を出すための新技術開発

 市場最も制作費のでかいアニメだったとは!
 ちなみにスカイツリーの総事業費650億円ってハリウッド映画制作費トップ3本分を足したくらい。いかに凄い額かがわかりますね。
 そして、『ラプンツェル』の興収は、$590,721,936とこれまた凄い数字。だいたいこの興収全額でスカイツリーが建ってしまう訳です。
『塔の上のラプンツェル』3Dスーパー・セット [Blu-ray]

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2013.01.23

■情報 2013年、宇宙ヒューマノイドロボット: KIBO ROBOT PROJECT

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KIBO ROBOT PROJECT(公式HP)

2013年、宇宙で活躍するヒューマノイドロボットの名付け親になる!? « WIRED.jp

" 電通、東京大学先端科学技術研究センター(東大先端研)、ロボ・ガレージが共同研究を進めてきた“KIBO ROBOT PROJECT”は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による公募「『きぼう』を利用した社会課題解決テーマのフィジビリティスタディ提案」に採択され、2011年から1年以上にわたり検討されたことから生まれたプロジェクト。

 同プロジェクトでは現在、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟内で、宇宙飛行士と自律動作および遠隔操作によるコミュニケーションを行ったり、地上に向けて情報発信したりするヒト型コミュニケーションロボットを2体開発中だ。

 完成は13年2月を予定しており、1体は同年夏にISSに向けて打ち上げを行う。そして同年冬、日本人初のISS船長となる若田光一宇宙飛行士とロボットが対面し、世界初の“宇宙における人とロボットとの対話実験”を実施するという。

 ロボットの仕様は身長約34cm、全幅約18cm、奥行き約15cm、重量約1,000g。日本語を話し、主要な装備は音声認識、自然言語処理、音声(発話)合成、情報通信機能、コミュニケーション動作、顔認識カメラ、記録用カメラなど。"

ROBO GARAGE | ロボ・ガレージ(公式HP)
 ロボット製作者 高橋智隆氏の公式サイト。

 国際宇宙ステーション : ISSに日本の二足歩行ロボットが登場するんですね。
 これは宇宙とロボットいう技術の夢のイメージが広がる、とてもワクワクする企画です。
 ロボットデザインがロボ・ガレージの高橋智隆氏で、まるで鉄腕アトムが宇宙で活躍するような、昭和の夢が21世紀に実現するみたいな(^^)。

 ということで新情報が特になく、旧聞に属するニュースですが、70年代の少年だった自分のゴーストがザワザワと奥底からささやくので、記事にしてみましたw。

◆関連リンク
きぼうロボット準備室 (kibo_robo)さん Twitter

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2013.01.21

■情報 ビートたけし×ヤノベケンジ×ULTRA FACTORY「ANGER from the Bottom : 地底からの怒り」公開!

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MOT STAFFブログ: ビートたけし×ヤノベケンジ コラボレーション作品公開
 (東京都現代美術館 公式HP)

"北野武氏とヤノベケンジ氏のコラボレーションによる作品《ANGER from the Bottom》をエントランスホールで公開いたします。

会  場: 東京都現代美術館 エントランスホール
会  期: 2013年1月16日(水)~2月3日(日) 月曜休館
公開時間: 10:00~18:00
観 覧 料: 無料
主  催: 京都造形芸術大学
協  力: 東京都現代美術館
制 作 者: ビートたけし(タレント)/ヤノベケンジ(現代美術家)
      / 京都造形芸術大学学生 12名
制作場所: 京都造形芸術大学ウルトラファクトリー
制作期間: 2012年11月~2013年1月"

 ヤノベケンジとその工房 ULTRA FACTORYの新作が公開された。
 以下、twitterでつぶやいた僕の感想と、皆さんのつぶやきをまとめたtogetterにて、このヤノベケンジ史上最大(ジャイアントトらやんは7.2m)の巨大な"イドの怪物"は、現在の日本の状況に対するビートたけしとヤノベケンジの怒りの表象のようだ。

ビートたけし×ヤノベケンジ×ULTRA FACTORY「ANGER from the Bottom : 地底からの怒り」 - Togetterでまとめました。

"東京都現代美術館で2013.1/16〜公開される巨大機械オブジェ作品の新作。
頭に斧が突き刺さった怪物が、古井戸からせり上がってくるという高さ約8mの巨大彫刻"

 twitterでのいろんな方々のつぶやきを集めさせていただきました。
 都現美の設営風景を撮られた個人の方による、貴重な写真等、ヤノベファンには嬉しいつぶやきもあります。

 次に、報道機関の取材記事のリンクと、それをトリガーにした僕の感想です。

「Anger from the Bottom」写真7枚
 この怒りの表情は今までのヤノベ作品とは異質なものがある。北野武の「怒り」の注入で禍々しく変貌した巨大機械オブジェ。8mの巨大な怒りの表象をこの眼で体感したい(^^)。
写真11枚
 前から後方へ回り込んだ連続写真。8mの巨体の迫力が伝わってくる。
 特にリンク先、怒りに眼が赤熱した頭部を側面からとらえた大きな写真が素晴らしい。
「ANGER from the Bottom : 地底からの怒り」作品動画
 作品の動く姿と、ヤノベ氏の作品についての説明の言葉を公開。
 地響きと口からこぼれる水の轟音が不気味。顔のデザインや水を轟音とともに落とすのは過去のヤノベ作品の延長上ですね。
 顔の造形は"ジャイアントトらやん"、轟音の水は"MYTHOS 大洪水"といったヤノベ作品を想起させる。
 しかしヤノベの過去作品と異なり、明らかに怒りが観るものの心に鋭く伝わってくる。赤熱した怒りの眼、深い暗黒の躯体、そして地の底から沸き上がる様な恐ろしげな音響。ここまで黒いヤノベ作品は初めてではないだろうか。
 前作 "ザ・スターアンガー : The Star Anger"もその名が示す様に、怒りを表象した作品である。ただしこの作品は、背に載った咆哮するドラゴンと黒い棘は禍々しい雰囲気を醸しているが、全体はミラーボールであり、その銀の光は希望を表している様にも観えた。
 それに比べると今回の作品は、暗黒のパワーに満ちている様に観える。
 これがビートたけしとのコラボ故の力なのか、それともヤノベの奥底からの怒りが強くなっているのか、、、今後の作品も興味深く観ていきたい。(次の新作は愛知トリエンナーレだろうか、、、肉眼で観られる距離のところで展示されると良いのだけれど。)

◆関連リンク
Twitter / yanobekenji: たけしさんとの今年最後の打ち合わせ完了後の新幹線なう ....(ヤノベケンジ氏の作品に関するつぶやき)

"たけしさんとの今年最後の打ち合わせ完了後の新幹線なう。生放送本番直前の忙しい中でしたが怒りのコラボ新作にふたりで呪いの言葉を吹き込みました。"

たけし×ヤノベ×ULTRA《ANGER from the Bottom》ついにお披露目!
 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY公式HP

"たけしさんとヤノベさんの構想が、プロジェクト参加学生の頑張りがあり、ここウルトラファクトリーで、なんと約1ヶ月半という短期間のうちに8メートルの巨大彫刻として結実したのです!"

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お笑いナタリー - たけしがアートの授業を体験、来年1月に特番決定

" ビートたけしが出演する「たけしアート☆ビート~楽しくなければやっぱりアートじゃないSP~」(BSプレミアム)が、来年2013年1月31日(木)に2時間SPで放送される。
 現代美術家のヤノベケンジや学生の手を借りてたけしが制作する「自分史上最大」という巨大な作品も必見だ。
 BSプレミアム 2013年1月31日(木) 21:00 ~ 23:00"

お笑いナタリー - たけしの8メートル巨大アート完成、古井戸から怪物

"たけしとヤノベが報道陣の前に 姿を見せた後、「古井戸」をテーマにしたこの作品では轟音とともに得体の知れないモンスターが、口から水を吐きながらゆっくりと出現。たけしは「下町は井戸が身近にあった。でもしばらく時間が経つと井戸がゴミの捨てる場所になったりする。井戸のファントム(亡霊)が地球の環境汚染に怒って顔を出してきた」 と制作の動機を語った。"

ビートたけし「井戸のファントム」を具現化!自分史上最大作品が完成!!『たけしアート☆ビートSP』 | テレビ関連ニュース [テレビドガッチ]

"ヤノベはこのコラボレーションについて「これはたけしさんのユーモア、ギャグで、このファントムの頭には斧が刺さっているんですが、イソップ童話の「金の斧」の物語を発展させて、欲にかられた木こりが鉄の斧を投げ込んだら、神様が出てこず、さらに池を覗くと斧が刺さって神様が死んでいたという、たけしさん のギャグからきてるんです。やっぱり科学の文明が発達して、人類が神様も殺してしまったんじゃないか。そういうテーマに繋がるたけしさんの独特なギャグを 形にしたものでもあるんですね。今回のような、ある種暴力的であるけれど、そこに深い意味がある、人類に対する愛情みたいな物もあるというような形になれ たのではないかと思っています」と語った。"

“世界のキタノ”参加、巨大造形展示へ/瀬戸芸 | 香川のニュース | 四国新聞社

"香川県小豆島町の坂手港に、たけしさんとヤノベさんのアイデアを組み合わせた高さ約8メートルの作品を設置。島の古井戸に眠る霊をイメージしたたけしさんの デザインを、ヤノベさんが立体造形として具体化した作品になるという。来年1月16日~2月3日に東京都現代美術館で披露した後、芸術祭の全期間(3月 20日~11月4日)を通じ、坂手港で公開する"

ヤノベケンジ - 当Blog関連記事 Google 検索

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2013.01.18

■感想 スタジオ・ザルツウェルツ編「「永遠に輝け」番外編 「金田伊功氏作画集・1」」

Photo

COMIC ZIN 通信販売/商品詳細 永遠に輝け番外編「金田伊功氏作画集・1」

"【作家】金田伊功 【発行日】2012/12/29
【サイズ】B5判 1050円 13.1/18現在 購入可

 ブライガーOPや劇場999、劇場ヤマト等の原画など、今はなき天才アニメーター・金田伊功氏の原画資料を満載した作画本です。"

 shamonさんに、コミケで購入頂き、送ってもらった同人誌の紹介。
 通販で上記サイトに取扱いがあり、一時在庫切れだったのが、現在、購入可能となっています。

 全46ページ。原画107枚。内容は以下の通り。
(1)『銀河旋風ブライガー』5ページ O.P.原画 30枚。
 あのオープニングの原画。主人公たちがジャンプして奥へ並ぶところの原画は、その筆致もダイナミックで、鉛筆のタッチに宿る金田氏の動きの息吹が伝わってきます(^^)。この作画集で最高の原画と言えます。上に引用した裏表紙、左上と中程右の絵のタッチを見て下さい。
(2)『銀河鉄道999 劇場版』1ページ 原画 3枚。
(3)『さよなら銀河鉄道999 劇場版』5ページ 原画 24枚。
 メーテル、黒騎士、ハーロック、鳥さんのシーン。いずれも体の向きを左右に斜に構え、手前と奥行き側で手を独特の位置に見せて、立体感と次への動きを連想させる絵。これも真骨頂ですね。
(4)『劇場版サイボーグ009超銀河伝説 』3ページ 原画 8枚。レイアウト2枚。
 これはあまり映像の記憶がないのですがw、ジョーの上半身を描いた絵。テレビ版のあのO.P.の009を思い出させる金田氏らしい細身の体つきが特徴ですね。
(5)『さらば宇宙戦艦ヤマト』6ページ 原画 27枚。
(6)『ヤマトよ永遠に』1ページ 原画 9枚。
(7)『ヤマトⅢ』1ページ 原画 6枚。
 ズォーダー大帝、古代、コスモタイガー、雷撃機と太めのヤマト。裏表紙右下のコスモタイガーのパースがいいです。パースについては以前書いた記事(金田伊功 の 作画解析-3 3D空間をいかに原画に取込むか)の左右の眼の視差を取り込んだ様な絵に僕には観えてしまいますが…。
(8)『魔女の宅急便』4ページ 原画 21枚。修正原画 2枚。
 地図を見ながら帚で飛んでいるキキの上半身。溌剌とした表情が良いですが、顔が似てなくてかなり修正が入っているのが、比較図でよくわかります。
(9)『プラレス三四郎』14ページ 原画 49枚。修正原画 14枚。
 ここは一番ヴォリュームがある。躍動的なキャラの絵が多数。女性キャラの眼はまさに金田タッチの透明感のある絵。修正でまつ毛の長い少女漫画タッチに修正がなされていますw。

 ほとんどが続きの原画を何枚か、連続して並べているので、どのような動きが設計されているか、鉛筆のタッチを含めて、描かれた時の金田伊功氏の筆致を想像しながら、稀有なアニメーターの仕事を伺い知る事が出来る貴重な作品集になっている。今後もこうした取り組みが続けられる事を祈って止みません。

◆idly(アイドリー)1982.10月発行 『THE ANIMATOR 1 金田伊功特集号』

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 こちらは1982年に同じく同人誌として出された金田伊功研究本。
 全142ページに評論、資料(作品リスト)、映像キャプチャされた写真と原画が収録されている。原画は約80ページと多数収録されているため、金田原画を知る上では貴重な一冊。
 いずれこの本の原画と、今回、上で取り上げた作品集の原画から、金田原画の3D的なキャラクタやメカのレイアウトについて述べてみたいが、今日のところは、紹介記事とさせて頂く。

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2013.01.16

■感想 石井岳龍監督『ネオ・ウルトラQ』第一話「クオ・ヴァディス」

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円谷プロ×WOWOW共同プロジェクト「ネオ・ウルトラQ」

"第1話 「クオ・ヴァディス」
監督:石井岳龍 脚本:いながききよたか
出演:田辺誠一(南風原仁) 高梨臨(渡良瀬絵美子) 尾上寛之(白山正平)  / 島田雅彦(屋島教授)"

 冒頭、不思議な老人と森の木々、太陽黒点とプロミネンスの映像。無駄のないワクワクする見事な異界の開幕である。

 心理カウンセラーの主人公 南風原仁が劇中で語る言葉。

"「怪獣は宇宙の謎の力そのものです。ただ、人間の心の怪獣は…。人間の心がわからないのに、怪獣の研究をするなんて、おこがましい」"

 この言葉に象徴される様に、物語はただ街中をある目的で歩き続ける怪獣を巡り、人間の凶暴化した姿を描いていく。怪獣の当たり前に存在する世界での、暴れない怪獣と、カルト/怨恨によるヒトの狂気の描写。怪獣の志向は不明のまま、物語は閉じていく。
 怪獣を異質なものとして描いた静かな怪獣映画のスタートである。

 石井岳龍監督は怪獣 爾流王仁恵(ニルワニエ)の眼を着ぐるみをくり貫いた穴から、ほぼヒトの眼の様に見せていた。これは明らかに『ウルトラQ』と異なるアプローチ。体は異形なのに脳に直結した眼はヒト。
 そして上で引用した南風原の言葉が余韻を残す。
 全13話のシナリオにいながききよたか氏がクレジットされている。各話単発のストーリーのようだけれど、全体としても骨格になる物語がある様に感じられ、今後の展開が楽しみである。

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 Facebookで感想を書いたら、石井監督ご自身から以下のコメントをいただいた。

"私の担当は四話や八話の方がより楽しめると思います。引き続きどうぞ宜しくお願い致します。"

第四話「パンドラの穴」 第八話「思い出は惑星(ほし)を越えて」

"南風原のかつての研究者仲間、黒木が落ちた穴の中で見つけた蓋。どうやら人の心の中に潜む悪意や欲望を閉じ込めているらしい。黒木はマーラーと名乗る異形の怪物に蓋を開けるように迫られ……。"

 まだ第四話のストーリーしか公式HPに紹介されていないが、テーマは第一話からストレートに繋がる予感。

◆関連リンク
Twitter / ishii_gakuryu: 石井岳龍監督

"ワシは円谷英二師を深く尊敬している。匠の技術はもちろんだが、師の映像には霊感と魔力があった。ジミ・ヘンドリクスのフィードバックやセロニアス・モンクのリズムにも似て?「失われた永遠」へ入れる陶酔があった。ワシは特撮は素人だが優秀なプロに補ってもらい今回は総力戦に懸けた。恥じぬように"

cogitoworks.blog 201209(制作プロダクションの)

"今年のキーワード、「子供にトラウマを」は着々とカタチになっております。さあ、今日も始まります‼"

!!!!!!! ISHII SOGO-GAKURYU.COM !!!!!!!(石井岳龍監督公式)
「ネオ・ウルトラQ」の情報解禁 : 「金城哲夫研究会」公式ブログ 
映画『生きてるものはいないのか』公式サイト|石井岳龍監督約10年ぶりの待望の劇場用長編新作
 12年に公開された石井監督の作品。公式サイトの予告篇が物凄く興味深い!
石井岳龍監督『生きてるものはいないのか [DVD]』

"病院に併設された大学キャンパスを舞台に、いつもと変わらない日常を送っていた三角関係に悩む学生と喫茶店員、 再会を果たした兄妹、アイドル大学生ら18人の登場人物が、ある女子大生が倒れたことをきっかけに次々と原因不明の“最期"に伝染していく様子を描く不条理劇。"

生きてるものはいないのか - Wikipedia.

"『生きてるものはいないのか』は、前田司郎の戯曲。2007年、京都芸術センターにて前田自身の演出で初演。翌年第52回岸田國 士戯曲賞を受賞している。2012年に石井岳龍監督で映画化された。 (略)
 岸田賞の選評では「『死』ではなく『死に方』に関する見事な不条理演劇」(鴻上尚史)「ベケットの言語からも、別役実の言語からも逃れえた不条理劇」(宮 沢章夫)と評された。"

・そして最新作『シャニダールの花』(公式Blog)

" 極めて少数の女性の皮膚に、謎の植物の芽が現れ、見たこともない美しい花が咲く。物語の舞台は、その花の成分をもとに新薬開発を進める製薬会社の研究室 で、主人公は研究員・大瀧(綾野)と、新人スタッフの響子(黒木)。研究を続けるうちに見えた真実、そして花の提供者が次々に身体に異常をきたすも、ひた隠しにする所長の真意が描かれる。"

 ここにも異界が…。

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2013.01.14

■情報 園子温監督 初期作品上映「ソノフェス」@名古屋シネマテーク

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Nagoya Cinematheque Monthly

"『希望の国』
2013.1/19(土) ~1/24(木)
12:40 18:10
1/25(金) 12:40
1/26(土) ~2/1(金)10:30

「ソノフェス」
1/19(土) 20:35 「ラブソング」(9分)&「俺は園子温だ」(30分)(PFF入選)&「愛」(31分)
1/20(日) 20:35 『男の花道』(101分) PFFスカラシップ獲得
1/21(月) 20:35 『自転車吐息』(93分)
1/22(火) 20:35 『決戦!女子寮対男子寮』(90分)
1/23(水) 20:35 『部屋』(92分)
1/24(木) 20:35 「風」(27分)&『桂子ですけど』(61分)"

 『希望の国』の名古屋での再映と、園監督の処女作「ラブソング」からの初期作品上映。そしてtwitterで「ソノフェス」について呟いたら、シネマテークの永谷直之さんから下記のコメントを頂いた。それによると、なんと今回オリジナルの8mmフィルムでの上映も予定されているという!

Twitter / naga_nao:永吉直之さん(名古屋シネマテーク)

"極端に状態悪い場合はデジタル上映になります。 RT @butfilp: 凄い!8mmでの上映なんですね! RT @naga_nao オリジナルの貴重な8ミリフイルムでの上映もあり、スタッフも緊張してます。"

 未だ観ぬ自主映画を含む初期作品群、特にフィルム上映というのにひかれる。
 中でも噂のみ昔から聞きつつも観る機会のなかった『自転車吐息』が是非とも観てみたいのであるが、残念ながら平日(^^;)。残念でならない…。
※注.引用した写真は、昨年の「園フェス」のものです。

◆関連リンク
園子温監督『園子温 監督初期作品集 DVD-BOX(SION SONO EARLY WORKS: BEFORE SUICIDE)』
 これ、本当に欲しくなってきた(^^;)。

"【収録作品】
■日本語字幕付き ●音声再編集&アフレコ処理作品
『LOVE SONG』★ (1984年、9分)
『俺は園子温だ!!』■ (1985年、36分) ※ぴあフィルムフェスティバル入選
『愛』★■●(1986年、31分)
『男の花道』★■● (1986年、101分) ※ぴあフィルムフェスティバルグランプリ受賞
第一部「丸ごと一匹野郎」
第二部「斜線」
『決戦!女子寮対男子寮』★■● (1988年、102分)
『自転車吐息』(1990年、94分)
『部屋』(1993年、91分) ※サンダンス映画祭審査員特別賞受賞
『BAD FILM』★■ (1995年、161分)

[特典映像]
東京ガガガ記録映像(約33分)
『BAD FILM』フォトギャラリー(静止画)
『桂子ですけど』(1997年、61分)
『風』★ (1998年、27分)
『0cm4』★ (1999年、21分)

[特典映像]
『桂子ですけど』予告編(約2分)
『うつしみ』(1999年、108分)
『父の日』★(2001年、13分)

[特典映像]
「グレイトリッチーズMV 遠い夜空を~ディープ・イントゥ・ザ・デイ・ドリーム/余裕がない~ジャスト・シング・ブルース!」★(ミュージックビデオ、約5分)
「ヴァギナ&ヴァージン」★(約8分)"

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2013.01.11

■3D動画 海洋堂フィギュアミュージアム黒壁 エヴァンゲリオン他

海洋堂フィギュアミュージアム 3D動画 キャラクター篇 - YouTube

海洋堂フィギュアミュージアム 3D動画 恐竜篇 - YouTube

 海洋堂フィギュアミュージアム黒壁 龍遊館 @ 滋賀県長浜市に行ってきました。
 まずは、3D動画でのレポートです。立体映像は、造形物の鑑賞として優れた手段なので、ここで紹介します。

 今回は、展示され撮影可能とされている海洋堂フィギュア(リボルテック等)を利用したジオラマを、3DハンディカムHDR-TD10にて立体動画として撮影。そこから全体が長くなるので、キャラクタと恐竜に大きく分けて、2本に纏めてみた。(それでも各6分は長いので、適当に飛ばして観てやって頂ければ幸い。

 音楽は、今回もYoutubeが用意してくれている数十万の音楽から、適当なキーワード(Dinosaurとか(^^;))で検索して、それらしいのを選んでみた。
 かなり大げさな音楽になってしまった様な気もするけれど、好みに合わなければ、音を消して御覧下さいw。

海洋堂 エヴァンゲリオンフィギュアワールド

"日本初のフィギュアのミュージアム「海洋堂フィギュアミュージアム」にて開催される特別展。海洋堂の人気可動フィギュアシリーズ「リボルテック」を使ったジオラマ(情景模型)によってエヴァンゲリオンの映像世界を立体化します。

名称 海洋堂 エヴァンゲリオンフィギュアワールド
開催期間 2012年10月27日(土)~2013年1月27日(日)※会期中は無休
開催時間 10:00~17:00(10月中は18:00まで)
開催場所 海洋堂フィギュアミュージアム黒壁 龍遊館 〒526-0059 滋賀県長浜市元浜町13-31"

 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破を中心にしたジオラマが30点ほどありましたが、それらは撮影禁止。撮ったのは、撮影禁止と書かれていなかった大型のジオラマのみ。それが上の一番目の動画です。
 ガラスをうまく使った、映画の映像をリアルに再現し、しかもそれを360度周辺から眺められるという迫力の展示でした。3D動画からその雰囲気がわかってもらえると幸い(^^;)。

 あとグーグル+で写真を公開してます。
 一部、動画にないジオラマ等の写真もあるので、興味があれば、観て下さい。

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2013.01.09

■情報 「フランシス・ベーコン展」@東京国立近代美術館, 豊田市美術館

Photo

フランシス・ベーコン展 Francis Bacon|東京国立近代美術館

"会期 2013年3月8日(金) ~ 5月26日(日)
 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー

巡回 2013年6月8日(土) ~ 9月1日(日)
   豊田市美術館

 アイルランドのダブリンに生まれたフランシス・ベーコン(1909‒1992)は、ロンドンを拠点にして世界的に活躍した画家です。その人生が20世紀と ほぼ重なるベーコンは、ピカソと並んで、20世紀を代表する画家と評されており、生誕100年となる2008年から2009年には、テート・ブリテン(英国)、プラド美術館(スペイン)、メトロポリタン美術館(アメリカ)という世界でも主要な美術館を回顧展が巡回しました。(略)
 ベーコンの「世界」を、代表作、大作を多く含むベーコン作品30数点により紹介するものです。"

「フランシス・ベーコン展」 記者発表会 - はろるど

"フランシス・ベーコン(1909-1992)欧米ではピカソと並び、20世紀を代表する画家と称されるものの、日本では決して知名度が高いとは言えません。

それもそのはず、国内にあるベーコンの絵画は全部で5点のみ。しかも大規模な回顧展はベーコンの生前、1983年に開催されて以来、一度も行われたことがありません"

 ということで、デイヴィッド・リンチファン待望wのフランシス・ベーコン展の詳細が公開されたので、うちのBlogでも紹介します。
 そして嬉しいことに、展覧会は東京だけでなく、本研究所wから車で一時間の豊田市でも開かれる!! ということで、開催される6月が今から待ち遠しい。

 開催の詳細については、公式東京国立近代美術館公式HPと、記者会見でのスライドを紹介されている上記はろるどさんのHPを参照下さい。

 我がBlogでの紹介は、やはりデヴィッド・リンチとの関わりになる訳で、以下、簡単だけれど、リンチとベーコンの絵画作品について。

 リンチは自らフランシス・ベーコンの芸術に関しての強い関心を述べ、そしてその絵画から映像作品とアート作品に影響を受けていることはよく知られている。

Photo_3

 例えば、右の引用画を観て頂きたい。
 上がベーコンの作品。そして下はリンチの『マルホランド・ドライブ』でキーとなるシーンの映像である。
 『マルホランド・ドライブ』のシーンは動画でないとわかりにくいが、映像の中にこうしたベーコン絵画の一部の様な、合成された人体の変容の画がインサートされていることで、異様な雰囲気を映画に導入している。映画の登場人物が、異空間へ滑り込んでいく様なあの感覚は、ベーコンの絵画をそのヒントに設計されていると考えられる。

 下の動画は、YouTubeにアップされているベーコン作品とリンチ作品を交互に示し、その影響を検証している映像である。 

Francis Bacon & David Lynch: La anomalía orgánica - YouTube

 日本で30点の作品が直接鑑賞できるこの回顧展で、ベーコンが直接描いた生の絵画に触れることで、かの作家が覗き観た異界を、しかと我が眼に焼き付けたいものです。昨年のリンチ展の絵画のイメージとも重ね合わせて、リンチとの関係も探索してみたいと考えます。

◆関連リンク
感想 町山智浩著『ブレードランナーの未来世紀』(当Blog過去記事)

" 面白かったのが、リンチが好きな画家フランシス・ベーコンの絵と『ブルー・ベルベット』のシーンの対比についての町山氏の指摘。この本ではモノクロの写真だったのだけれど、どうしてもカラーで観たくて、下記ネットで探して引用。ベーコンのTwo Figuresとの対比です。映像のボケ方に注目。 "
FrancisBacon_bluevelvet

Francis Bacon | Tate(テート・ブリテン公式HP)
 こちらで数十点のベーコン作品が鑑賞できる。
Museo Nacional del Prado: Francis Bacon(プラド美術館公式HP)
 ベーコン展のPVが観られる。
The Metropolitan Museum of Art - Francis Bacon(メトロポリタン美術館公式HP)
 130作品が展示されたとか。

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2013.01.07

■作品集『デヴィッド・リンチ展 ~暴力と静寂に棲むカオス』

『デヴィッド・リンチ展 ~暴力と静寂に棲むカオス』 (赤々舎)

"アートディレクション:原田祐馬(UMA/design farm)
執筆:飯田髙誉(青森県立美術館美術統括監)

2,940円 (税込)|A4変形判 | 136頁 | 並製本

2012年11月10日から12月2日までラフォーレミュージアム原宿にて開催されている同名の展覧会の公式カタログとして刊行された、巨匠デヴィッド・ リンチの最新作品集。絵画、ドローイング、写真、ショートフィルムなど、日本初公開作品を含む幅広い作品群を通してその表現の深層に迫っています。寓話的なモチーフを描いた絵画作品や、日常に不穏な影の片鱗を見出すような写真作品など、 世界的映画監督という枠を超えた現代美術作家としての彼の魅力を余すところなく伝える一冊です。創作の源泉である「ハリウッドの光と闇」を伝える写真ページも必見。

I believe there are rules to follow which apply to painting and cinema.
These rules are very friendly and very abstract.
These rules make us feel there are infinite possibilities.
They make us feel that even there are no rules! Yet the rules are there.
They are not in a bool but exist inside us in the mind and heart.
They reveal themselves through intuition just before and just after each action or decision.
These rules apply to all mediums.
Following them brings happiness.


David Lynch"

 昨年秋に開催された「デヴィッド・リンチ展〜暴力と静寂に棲むカオス」@ラフォーレ原宿の図録として発刊された作品集。
 作品集を発行した赤々舎の公式HPに、この図録の20枚の見本が掲載されている。

基本情報・デイヴィッド・リンチ展~暴力と静寂に棲むカオス|株式会社ラップネット

"絵画29点、ドローイング9点、写真33点、計71点のアート作品(このうち68点が日本初公開)と実験的な短編映像11本(本展のためにデヴィッド・リンチがエディットした日本初公開映像)を展示・上映。"

 作品集には、展示作品のうち、絵画29点、ドローイング9点、写真12点が掲載され、それとともに会場で上映されていた短篇映像から83点の写真が収録されている。(何故、写真が全点でなく、1/3ほどになっているかは不明である。)

 また作品集には、その他 "「ハリウッドの光と闇」を伝える写真"(Mori Koda氏の作品)25点が掲載、このうちの4枚は「ハリウッドの闇」を代表するデイヴィッド・リンチをとらえた写真である。
 巻末にはリンチのプロフィールとバイオグラフィ、そして作品リストが4ページにわたって掲載されている(何故か作品リストには会場で上映されていた短篇作品は欠落している)。

 作品集冒頭は、2ページ見開きを使って、会場でも異彩を放っていた巨大な絵画作品が掲載されている。巻末の作品リストによると、最大のものでも1.8m×3m。

 展覧会感想で書いたように、会場の一角で観客を取り巻く様におかれたそれらの巨大絵画は、4〜5m程度はあるのでないかと感じた(関連記事 ■感想1 個展『デヴィッド・リンチ展 ~暴力と静寂に棲むカオス』(DAVID LYNCH "CHAOS THEORY OF VIOLENCE AND SILENCE"))。
 しかし実際の大きさはそれほどでもなかったわけだ。
 会場の雰囲気と周りで上映されるリンチ映像の醸し出す異様な迫力で、われわれ観客の体は異次元に連れ去られ、あたかもリンチの描く赤い部屋の小人になったように、絵画作品を巨大なものに感じたのかもしれない(^^;)。

 リンチのアート作品を日本語の作品集で見られる、現時点、奇跡的な書籍。
 また本の装丁も素晴らしいものとなっていて、特に大胆に最新短篇映画 "Memory Film" (2012) の一コマ(リンチ自身がその眼を手で覆った映像)を引き延ばした表紙はインパクトがある。
 出版された赤々舎の方々と回顧展関係者の皆さんには大きな感謝を捧げたいと思う。
 これによってリンチの映画作家としてだけでない、多彩な活動に日本でも日が当たっていくことをファンとして、強く望むものである。

◆関連リンク
デイヴィッド・リンチ当Blog関連記事 - Google 検索

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2013.01.01

■情報 究極映像研 2012年のまとめ

 皆さま、あけましておめでとうございます。
 年末滞ったBlog更新ですが、ぼちぼち始動しますので、本年もよろしくお願いします(^^)

 さてまず今年2013年の冒頭は、昨年のうちのBlogのまとめを簡単にしてみます。
 書いた記事は166件。
 本業に忙殺されて平日の記事作成は不可能で、週末に次の週の記事をまとめて3つづつ書くペースで進めてきましたが、12月はそのペースを維持出来ず、かなり間が開いてしまいました。

◆アクセス数ベスト(ただし12.10月〜12月)
 cocologのアクセス解析の仕様で、年間集計はできないため、この3ヶ月でアクセスの多かった記事をベスト30で示します。
 トップページが一番見られているのは、いつものことで、これは除外してみて下さい。
 で、上位は神山健治監督作品が占めます。『009 RE:CYBORG』の公開で勢いが付いた感じですね。
 以外なところで、4位が『夢の国のリトル・ニモ』日本語訳@モンキービジネス
 基本的にこの辺りの記事は、Google等の検索エンジンでヒットして、見に来て頂いているものと考えられます。

Photo

 このアクセス解析は今年の記事だけでなく、今までの全ての記事が対象なので、次は今年の記事について。

◆2012年の記事
 これは、個人的な好みで、僕自身が印象に残っている記事をいくつかピックアップしてみます。これを見て、こんな記事があるんだ、と見て頂ければ幸いです(^^)。

■感想『Monsters and Misfits II : モンスターズ・アンド・ミスフィッツ2 怪物と不適応者たち II 展』Japan Exhibition
■3D動画 『Monsters and Misfits II : モンスターズ・アンド・ミスフィッツ2 怪物と不適応者たち II 展』 Japan Exhibition 3D movie
 イベントとしては2011年に続き、中子真治さんの『Monsters and Misfits展』は、今年前半のトピックでした。今回は文字レポートと3D動画でオブジェモチャの奇想(^^)を御伝えしました。

■感想 「館長庵野秀明 特撮博物館」 樋口真嗣監督「巨神兵東京に現わる」
■感想(2) 「館長庵野秀明 特撮博物館」 ミニチュア特撮の未来
■動画 館長 庵野秀明 特撮博物館 〜ミニチュアで見る昭和平成の技〜 3D:立体動画
■感想「奇っ怪紳士!怪獣博士!大伴昌司の大図解 展 …一枚の絵は一万字にまさる…」
 夏のイベントでは、もちろん東京遠征をした『特撮博物館』と『奇っ怪紳士!怪獣博士!大伴昌司の大図解 展』。特撮と大伴昌司氏への郷愁を120%満喫できました。これも3DハンディカムHDR-TD10にて動画レポートしました。

■感想 第三舞台 大千秋楽『深呼吸する惑星』 板垣恭一監督 ライブビューイング
 イベントでは第三舞台の最後の芝居も忘れられません。
 20代で初めて観て以来、ずっと興味を持ってきた劇団の最終公演、生で参加は出来なかったけれども、とても感慨深いものがありました。

■疑似レポート 中子真治氏トークショー「ナカコ・ナイト」第一回
■情報 ヤノベケンジ「ザ・スターアンガー : The Star Anger」@NAMURA ART MEETING『臨界の創造論』
■情報 "ヤノベケンジ『サン・チャイルド』光臨プロジェクトin福島現代美術ビエンナーレ"のサポーター特典ドローイングと杉瀬陽子「太陽の子」
■情報 ヤノベケンジ氏作品集電子出版(PDFファイル) 『Sun Child Project in Fukushima-208 Drawings-』、作品集『ヤノベケンジ1969‐2005』
■情報 ヤノベケンジ『サン・チャイルド』ドローイング作品 光臨プロジェクト in 福島現代美術ビエンナーレ2012 サポーター特典
 こちらの一連のレポートは、参加できなかったけれども、togetterで皆さんのツィッターのつぶやきを纏めつつ、疑似体験させて頂いたもの。
 皆さんのおかげで、かなり臨場感を味わいつつ、興味深いイベントを疑似体験できました。改めて、つぶやかれた皆さんに感謝です(^^)。

■感想 原將人監督『初国知所之天皇(はつくにしらすめらみこと)』DVD
■感想 原將人監督『百代の過客』DVD
■感想 監督・脚本・撮影・編集・音楽・主演:原將人×マオリ『MI・TA・RI!』
 こちらは長年観たくてたまらなかった原將人監督のドキュメント作品を、ついにDVDで観ることが出来た感激のレポート。幻の作品が自分の家のスクリーンに映し出された時の感慨は忘れられません。『20世紀ノスタルジア』ファンの方なら、きっとわかって頂けると思ったのですが、これら記事にはレスポンスが全くなく、ちょっと寂しい思いもしましたw。

■感想 岩井俊二監督の小説『番犬は庭を守る』
■感想 ラース・フォン・トリアー監督『メランコリア』 678の謎 本格破滅SFとしての読解
■感想 黒沢清監督『贖罪』
■感想 マーティン・スコセッシ監督 『Hugo : ヒューゴの不思議な発明』
■感想 円城塔『道化師の蝶』そして「松ノ枝の記」
■ネタバレ感想 伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』: The Empire of Corpses
■必読(^^) 「誰でもなれる、シュヴァンクガール入門」
■情報 大口 孝之,谷島 正之,灰原 光晴,古賀 太朗『3D世紀 -驚異! 立体映画の100年と映像新世紀-』
■情報2 大口 孝之、谷島 正之、灰原 光晴『3D世紀 -驚異! 立体映画の100年と映像新世紀-』
■感想1 個展『デヴィッド・リンチ展 ~暴力と静寂に棲むカオス』(DAVID LYNCH "CHAOS THEORY OF VIOLENCE AND SILENCE")
 そして個別作品で興味深く拝見したものの記録がこちら。
 いずれも刺激的な作品群で、今年はこれらに深くアクセスできたことが、大変印象的でした。
 特に『3D世紀 -驚異! 立体映画の100年と映像新世紀-』の出版は衝撃的で、とても素晴らしい本でした。この記事にコメント頂けたことをきっかけに、長年、映像制作と研究で尊敬してきた大口孝之さんとコメント、メール等でやりとりさせていただいたのが、大変嬉しい出来事でした。

■感想 園子温監督『愛のむきだし:Love Exposure』
 そして最後に今年はやはり園子温監督作品を初めて観たことは特筆。
 特にこの『愛のむきだし:Love Exposure』は最高で、この後、近所のレンタルで借りられるだけ園子温作品を観て、強いインパクトを受けました。
 『愛のむきだし:Love Exposure』みたいな混沌の映画をもっと観たい(^^;)!!

◆Amazonで購入頂いた作品リスト(上位10位)
 本Blogのアフェリエイトで購入頂いた作品のベスト10です。
 あまり数は多くないので、購入数は伏せて、順位のみとします。
1. Brothers Quay, Ron Magliozzi, Edwin Carels『Quay Brothers: On Deciphering the Pharmacist's Prescription for Lip-Reading Puppets』
MoMA発行の回顧展の図録
2. 堀江 あき子著『怪獣博士! 大伴昌司 「大図解」画報』
3. ヤノベケンジ『SUN CHILD』
4. Zdzilsaw Beksinski 『The Fantastic Art of Beksinski』
5. 柴 勤 著『深井克美―未完のランナー』 (ミュージアム新書)
6. 「ももへの手紙」製作委員会, ニュータイプ『ももへの手紙 Art & Animation 』
7. David Lynch『Crazy Clown Time』輸入版
8. 菅野よう子 サントラCD『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX O.S.T.2』
9. 円城 塔『Self-Reference ENGINE』
10. 天沢 退二郎『光車よ、まわれ!』
次点. 伊藤 計劃×円城 塔『屍者の帝国 』

 ということで、圧倒的に他を引き離して、クエイ兄弟回顧展図録と大伴昌司展 図録が1,2位となりました。なかなかうちのBlogらしい順位になったかな、と(^^;)。
 あまり興味が沸かないかもしれないけれど、Blogに来て頂ける方にも、このBlogへ来訪頂ける方々の志向を知る上で、参考情報になるかと纏めてみました。

 今年もこうした作品を、記事として紹介して行きたいと思いますので、改めて、よろしくお願いします(^^;)!!

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