■感想 バイロン・ハワード,ネイサン・グレノ監督『塔の上のラプンツェル:Tangled』
作品紹介・プロダクションノート | 作品紹介|塔の上のラプンツェル
"製作総指揮のジョン・ラセターはこう語る。「私たちが目指したのは、ディズニーの伝統である上質でドラマティックな感覚をよみがえらせながら、同時に新鮮で ユーモアに富んだユニークな世界観を作り上げること。そうすれば、CGアニメーションではいまだかつて観たことのないような作品を提供することができる。 この映画の作り手たちは、ディズニーの伝統を土台にして、まったく新しい世界を築き上げたのです」"
評判の3D映画を、今頃Blu-Ray 2D観た(^^;)。
まさに今更なんですが、これは傑作ですね。引用したラセターの言葉通り、良質なディズニーアニメ伝統の絵柄を3D-CG映像で完全に再生し、しかもリアルなCGとして違和感のない見事なアニメートに仕上げて素晴らしい仕事になっている。
ラセター他スタッフによる世界のアニメーションの革新は、依然アメリカで着々と進行中。
映像で特筆すべきは、塔と長い髪とランタン。これは3Dの立体視で観たかった。今更ながら後悔。家の3D鑑賞環境整備が必要ですね。今は、Youtubeでの裸眼立体視だけが頼りw。
『塔の上のラプンツェル』の高度なアニメーションメイキング | RGSW.net - 3DCGコミュニティサイト
"シニアアニメーターでありアニメーションの講師としても活躍しているJamaal Bradley(現在ドリームワークス・アニメーション所属)が担当したディズニー映画『塔の上のラプンツェル』のアニメーションメイキングをご紹介。 3DCGソフトMayaを使用してアニメーションカーブの調整を繰り返し行いフィニッシュに持っていく様子が収められている。"
この動画に、驚異の髪の毛のCGを含め、ラプンツェルの動きのアニメーションメイキングがある。
モーションキャプチャーではないが、アニメータ自らが自身の動きを動画に撮って、それを参考にして動きを組み立てている様子がリアル。
動画で人間の複雑な動きを参照し、それにデフォルメを加えて、演技をアニメートする。これがメイキングには映ってないけれど、たぶん同じデスクトップ上で簡単にできる様になった事が進化を促しているのだろう。
人の体の動きを記憶に叩き込んでいた頃のアニメータと、いつでもリアルに参照できる環境の中にいるアニメータでは、随分と力量に差が出るのではないか。
参照して動きを作り、そこに自分の快感原則に則った誇張や省略をしていく。
さらに同じデスクトップ上に、過去の天才アニメータの映像も置く事で、簡易にそれも参照していく事で、新たなクリエイティブな映像が、作成できる。
それを後で述べるような豊富な制作資金でバックアップして作り上げたラセター他のプロダクションワーク。
いつまでも手描きのアニメにこだわり、しかもデジタルを悪の様に思っているらしいラセターの師匠筋の日本の某大アニメ監督は、この『ラプンツェル』を果たしてちゃんと鑑賞しているのだろうか。彼我の差はますます広がるばかりではないのか、、、と今頃この傑作を観ている遅れた僕が言える事ではないですね(^^;;)。
◆関連リンク
・ラプンツェル - Wikipedia(グリム童話)
"あるところに夫婦がいた。長年子供がなかった2人だが、ある時やっと子供を授かる。妊娠した妻は隣に住むゴーテルという魔女の庭のラプンツェルを食べたくてたまらなくなる。食が細ってやつれた妻に「ラプンツェルが食べられなければ死んでしまう」と懇願された夫は、妻と生まれる子のために魔女の敷地に忍び込むとラプンツェルを摘み取りにかかるが、魔女に見つかってしまう。しかし夫から事情を聞いた魔女は、好きなだけラプンツェルを摘んでもいいが、子供が生まれたら自分に渡せと言う。"
ベースとなったグリム童話からは、ずいぶん物語が改変されているんですね。
・塔の上のラプンツェル - Wikipedia
"『ニューヨーク・タイムズ』のA・O・スコットは「ディズニーの50番目のアニメであり、その外観と精神は現代的にアップデートされているにもかかわらず、古きディズニーの誠実で紛れもない品質である」と評した。 クエンティン・タランティーノは本作を2010年のベストで5位にした"
・『塔の上のラプンツェル』続編映像 - YouTube
・『塔の上のラプンツェル』続編、ついに映像が公開! 結婚式をめぐるドタバタ劇! - シネマトゥデイ
"続編となる短編『ラプンツェルのウェディング』より、本 編クリップ映像が公開された。アメリカで同作はすでに今年1月に劇場公開されているが、日本語版映像は今回がウェブ初公開となる。"
・『塔の上のラプンツェル』続編、12年1月に全米劇場公開決定!ラプンツェルの結婚式直前のドタバタを描く! - シネマトゥデイ
"今年3月に日本公開されたディズニー映画『塔の上のラプンツェル』の続編『タングルド・エバー・アフター(原題)/ Tangled Ever After』が来年1月に全米で劇場公開されることが明らかになった。長編ではなく短編作品になるものの、ラプンツェルの結婚式が描かれるということで、ファンにとっては早期の日本公開を期待したいところだ。"
・Pictures & Photos from Tangled Ever After - IMDb
予告篇2編。
・3D3D3D -ステレオ3D情報ブログ- : 「塔の上のラプンツェル」 3D画像レビュー
・Making of Tangled – Untangling the Look of Tangled | All CG Tutorials
クリエータがパネルディスカッションで語るメイキング。
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製作費が高いハリウッド映画ランキング ベスト10 (スマステーション発表)
製作費が高いハリウッド映画ランキング ベスト10
2011年8月27日(日)に放送
1. パイレーツ・オブ・カリビアン / ワールドエンド 【 総製作費 】 推定240億円 【 高額理由 】 製作費の1/4が出演陣の出演料
2. スーパーマン リターンズ【 総製作費 】 推定216億円 【 高額理由 】 相次いだ監督交代
3. 塔の上のラプンツェル 【 総製作費 】 推定208億円 【 高額理由 】 髪の毛のリアルな表現
4. スパイダーマン3 【 総製作費 】 推定206億円 【 高額理由 】 完成後、さらに8ヶ月の追加撮影
5. ハリー・ポッターと謎のプリンス 【 総製作費 】 推定200億円 【 高額理由 】 出演料(ギャラ)の高騰
6. アバター 【 総製作費 】 推定189億円 【 高額理由 】 奥行き感を出すための新技術開発
市場最も制作費のでかいアニメだったとは!
ちなみにスカイツリーの総事業費650億円ってハリウッド映画制作費トップ3本分を足したくらい。いかに凄い額かがわかりますね。
そして、『ラプンツェル』の興収は、$590,721,936とこれまた凄い数字。だいたいこの興収全額でスカイツリーが建ってしまう訳です。
・『塔の上のラプンツェル』3Dスーパー・セット [Blu-ray]
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コメント
bparena arenaさん、はじめまして。
素晴らしいメイキングの紹介、ありがとうございました。とても勉強になりました。
投稿: BP(bparena arenaさんへ) | 2015.03.29 19:34
さて私たちにフィルムでトリックのいくつかを示すVFX破壊を行って。ありがとう
投稿: bparena arena | 2015.03.27 07:39
子供として、私はいつもおとぎ話を読むのが好きだった。今日では、それらがフィルムに転写される。優れた3Dモデルとアニメーションは、このおとぎ話、さらに美しいました。このいただきありがとうございます。
投稿: bparena arena | 2015.03.27 07:33
同スタジオの新作短編『紙ひこうき』がYouTubeのディズニー公式チャンネルで全編無料公開されてました。
こちらはより手描きに近いタッチで作られてます。
監督はピクサー出身のジョン・カースで、アカデミー賞短編アニメ部門にもノミネートされたようです。
http://www.youtube.com/watch?v=aTLySbGoMX0
http://www.youtube.com/watch?v=TZJLtujW6FY
投稿: pacchii | 2013.01.31 22:46