■感想 ドキュメンタリー立体映画 松江哲明監督『フラッシュバックメモリーズ3D』Flash back memories 3D
音楽ライブドキュメンタリー立体映画『フラッシュバックメモリーズ3D』を名古屋シネマスコーレで観た。
アップテンポのディジュリドゥの音響の中に紛れ込んで、まるでステージの中を歩き回っているような感覚。そして3Dで、後方のレイヤーに過去のホームビデオの映像、前方に日記のテキストの複合的体感。
松江哲明監督の映像は、ライブを主眼に構成。
ディジュリドゥの繰り返しの低音が終止劇場を支配し、GOMAの家族映像と交通事故で高次脳機能障害を受ける以前のライブは、もっとウェットなドキュメントを想像してたが、観客にも客観的な背景映像として提示するのみ。
印象的だったシーンは、事故の少し前のハイビジョンで撮られたライブのコマ落としの映像と11.10月の3Dライブが 融合された画面。ラスト手前でGOMAが長いパイプのディジュリドゥを観客(と未来の自分)に突きつけ眼を開いて此方を凝視するシーンの臨場感。
これら二つのシーンには、新しい3D映像の可能性が何か潜んでいるような気がした。それが何だか、まだ言語化できないんだけれど、グッと来たのは間違いない(^^)。
音楽ライブや演劇といったステージの生の感覚をスクリーンに届け得る3D映像の可能性。
僕は残念ながらGOMAのディジュリドゥの音楽には実は今ひとつ乗り切れなかったのだけれど、いろんなステージ立体映像を観てみたいと思った。舞台に紛れ込む様な臨場感は生のライブを超える感覚を生起するやも…。
観終わってから考えていたのだけれど、この映画は自分がGOMAの立場になったとして、その際にこの映像が自分にどう観えるのか、というのを問いながら観ることを促しているのかもしれない。
再見する時は、その感覚で観直してみたいと思う。
名古屋シネマスコーレの劇場前の看板も3Dでディジュリドゥが飛び出てた(^^)!
そして同日公開されていた『デッド寿司』は、普通の寿司が殺人寿司に変身するパフォーマンスw。
「へい、名古屋おまち!」の横のポップの普通の寿司をめくると中から殺人寿司が現れます。爆笑。
◆関連リンク
・『フラッシュバックメモリーズ3D』対談 松江哲明(監督)×高根順次(プロデューサー) - CINRA.STORE -
・BP@究極映像研(@butfilp)/2012年11月04日 - Twilog
「フラッシュバックメモリーズ3Dができるまで」の生配信をツィートしたもの。
講師は監督松江哲明氏、音響山本タカアキ氏、編集今井大介氏、プロデューサー高根順次氏!
松江監督 "GOMAさんの過去と現在を3Dを使って描く。2D-3D変換、当時1万円/分と言われていたが、とてもそれで実現できるとは思えなかった"
高根順次P "最低でも数千万円かかる。渡辺さんという編集マンのHPで安く出来ることを知り訪問した"
渡辺知憲氏HP
松江監督 "3D編集も5.1chもスタッフが自宅でやった。(略)3Dは映画界で嫌われている。黒沢清監督とか。ハリウッドの撮り方は3D的な工夫が足りない"
"映像そのもので疑似体験をしてほしいと3Dにした"
GOMA氏の撮影した映像『ジャングル大陸』等について。"興味のあるものにズームする" "映画二本をいっぺんでやるようなものだった。実態感が得られる3D。
"3Dなので2Dよりカット割は長い。観客が集中する様に"
iPhoneで撮った縦長の奥さんが撮られた映像について"これだ、という素材"
アニメーションのシーンについて、飛び入りでイワイサワケンジ氏登場。
"GOMA氏の点描絵をアニメに。交通事故の映像化も"
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・■情報 ドキュメンタリー立体映画 松江哲明監督『フラッシュバックメモリーズ3D』Flash back memories 3D
・■情報2 大口 孝之、谷島 正之、灰原 光晴『3D世紀 -驚異! 立体映画の100年と映像新世紀-』
そこで大口氏が今年一番のS3D映画の収穫として挙げられていた一本が下記のドキュメンタリーです。
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