■感想 アン・リー監督『ライフ・オブ・パイ: Life of Pi's』3D
EXCLUSIVE: Life of Pi's Stunning Effects - YouTube
アン・リー監督『ライフ・オブ・パイ』3Dを吹替で観てきた。残念ながら名古屋地方のIMAXは3D吹替がなく、今回はREAL D方式。
冒頭『ガープの世界』を想起させる語り口で始まる素晴らしい海外文学(の趣を持った)3D映画!
立体視に適した素材とカメラアングルによる凝りまくった3D描写に溜息の連続。海の描写、水面と海中の透明感のある立体視映像が最高!
まさに『アバター』以来の3Dのエポックメーキングのひとつと言えよう。
冒頭の動物達と海洋ドキュメンタリ風の秀逸な立体映像、インド少年パイ君の幼少期からの数奇な物語、そして広大な海の謎の幻想。
予告篇とかCFを観て、単調な映画ではないかという懸念を持って観始めたが、海の多彩な異世界性が際立ち、まるで何処か宇宙映画の様。2時間、異世界に立体視没入できたw。
『ライフ・オブ・パイ』、パリでは、なんとプールにボートを浮かべた体感型の劇場が登場。上の動画にあるように、3Dと水の上の客席で臨場感抜群。これは観てみたい(^^)。リチャード・パーカーのようにボートの上で船酔いした状態も再現できているかもしれないw。
『ライフ・オブ・パイ』ネタバレ有メイキング映像
このメイキングは、3D映像で楽しむために、映画を観終わってからにして下さいw。まるで海にいる様な素晴らしい3Dシーンはこうして作られた。まさに立体映画のエポックメイキング、しかも海面と海底の映像、これは海洋マニアであるジェームス・キャメロンは心中穏やかでないだろう(^^)。
『ライフ・オブ・パイ』、中国語では『少年派的奇幻漂流』とか『少年Pi的奇幻漂流』というんですね。こちらの方が映画の雰囲気が出ているw。
まさにクライマックスの奇想は是非幻想小説ファンにも観て欲しい(^^)。
物語としては、縦糸に神についての物語が横たわり、動物と人の少し哲学的な関係が描かれる。特に前者とそれに貢献する俯瞰描写、水
と光の透明感…奇想な3D映像。これら立体映像による万物の神々しい自然/異世界描写が映画の縦糸のイメージを補強し言葉を超えたレベルで訴える。
僕はREAL Dで観ましたが激しいカメラワークの嵐のシーンは最高に刺激的3D映像(^^;)。アクション3Dとしても、かなりのハイレベル。
◆関連リンク
・『ライフ・オブ・パイ』公式サイト"ベンガルトラの名前をめぐる驚愕のシンクロニシティとは?"
ネタバレ注意! 観てない方はリンク先へ飛ばないで! 観終わったら是非読んでみて下さい。このシンクロニシティは凄く興味深い。ポーが絡んでいたとは!
・ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 - Wikipedia
2003年にM・ナイト・シャマラン監督、アルフォンソ・キュアロン監督、そして2005年にジャン=ピエール・ジュネ、そして2009年にアン・リーが雇われたという記述がある。各監督のファンとしては、それぞれどんな映画になっていたかと想像するのも楽しい。シャマランならもっとラストを劇的にしただろうし、キュアロンはドキュメンタリーのリアリティを増していたかもしれない。ジュネだったら、さらに練っとりと奇想シーンを作り込んでいたのではないだろうか。
・CGSociety - Life of Pi
・ヤン・マーテル, 唐沢 則幸訳『パイの物語(上)』
Amazon.co.jp: パイの物語(上) (竹書房文庫): ヤン・マーテル, 唐沢 則幸
・『Cinefex No.28 日本版 -ホビット 思いがけない冒険-』
"『ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日』Life of Pi
パイと動物たちの交流を如実に見せるために、リー監督とビジュア ル・エフェクト・スーパーバイザーはLegacy EffectsのアニマトロニクスのノウハウとRhythm & Huesの専門技術を必要とした。その他、国際的なデジタル・プロダクションのLook FX、Christov Effects、MPC、Crazy Horse Effects、Buf、Halon Entertainmentも作品に華を添えている"
シネフェックスの特集が楽しみです。
・3D3D3D -ステレオ3D情報ブログ- : 「ライフ・オブ・パイ」3D 初見レビュー【追記】
3d3d3dさんは、3Dに低評価とのこと。
僕はインドシーンで窓の外の空間感覚に少し違和感を持ったくらいで、ズレは全然気づいてませんでしたw。
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