■感想 いとうせいこう『想像ラジオ』
"耳を澄ませば、彼らの声が聞こえるはず----
ヒロシマ、ナガサキ、トウキョウ、コウベ、トウホク……
生者と死者の新たな関係を描いた世界文学の誕生"
いとうせいこう、16年ぶり長編小説は震災時のTwitterをもとにした『想像ラジオ』
"東日本大震災時に自身が始めたTwitterアカウント「@seikoitoDJ」をもとにした作品。「想像」という電波を使って「あなたの想像力の中」だけで聞こえるラジオ放送「想像ラジオ」…"
13.3/2発売のいとうせいこうの久々の長篇新作。
僕は、いとうを特集した『文藝 2013年 02月号』で読んだので、単行本での改稿がどの程度なされているかは未確認。
物語は静かなトーンで語られている。かつてのいとうの『ノーライフキング』や『ワールドエンドガーデン』『解体屋外伝』を熱中して読んだファンには、当時のエッジの立った文体とは違い、落ち着いた小説の趣き。
そしてそのトーンが胸にしみてくる読後感。
まさに「想像ラジオ」を聴くように、耳を澄ましていとうせいこうが描く新しい小説を体感しよう。
『文藝 2013年 02月号』には、小説が書けなくなっていた理由と、今回の作品への想いが語られている。本書を手に取った後、インタビューを読むととても興味深い。
◆関連リンク
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『文藝 2013年 02月号』
・DJせいこう(@seikoitoDJ) - Twilog
"いとうせいこうです。 仙台のフォロワーから、またいつか見たいなあと言ってもらった途端、この文字DJを思いつき、とにかく始めました。 本体の@seikoitoもよろしくw。"
・TBS RADIO 954 kHz │ 菊地成孔の粋な夜電波 - 第24回(2011年10月2日)
"反響の大きかった、ラストのブロック。番組スタート時の思い出話〜アントニオ・カルロス・ジョビン『三月の水』曲紹介の流れです"
いとうせいこう『想像ラジオ』印象的な曲はアントニオ・カルロス・ジョビン『三月の水』。これと復興を重ねた菊地成孔の粋な夜電波との共鳴。
・菊地成孔の粋な夜電波が面白い
リンク先の11.10.02分 放送の38分目〜に、そのラジオプログラムが掲載されている。曲と『三月の水』の詩の日本語訳。
菊地がジョビンの復興時点の生涯を語る言葉が響く。震災直後の11.4/17にスタートした「粋な夜電波」で語られるAntonio Carlos Jobim"Two Kites : 凧"
"絶望と混乱と疲労の淵にあって今まさに復興に着手したばかりという瞬間"。
AMラジオな冒頭の幽界からの声のような番組名のコールから始まる音は誰かの「想像」なのかもしれない。
・3月の水〜菊地成孔の粋な夜電波10月2日分ラスト書き起こし
"アントニオ=カルロス=ジョビンは、まずこの曲の歌詞をインディオ文化に従ったラテンルーツのポルトガル語と、ネイティブ・アメリカン文化に従ったアングロサクソンルーツの英語と、ふたつの言葉で書きました。
有名な大衆音楽の評論家であり、史学の研究者でもあったレナード=フェザーは、この英語詞の方をむしろ優れていると、英語圏以外の国の人間が書いた英語の歌詞の中で歴史上最も優れた10曲に入ると言いました。
ワタシ、ジャズ屋ですからレナード=フェザーを尊敬してますが、これはフェザーの間違いです。
【10曲の中に入る】のではなく【1曲の中に入る】と思います。"
・三月の水
"Elis Regina & Tom Jobim- Waters of March - English subtitles"
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Tom Jobim『Matita Pere』
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