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2013.03.22

■情報 電脳メガネ テレパシー社「テレパシー・ワン」 Telepathy Org."Telepathy One"

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Google Glassのライバル? メガネ型デバイス「テレパシー・ワン」、セカイカメラの井口氏が発表 - ねとらぼ

" テレパシー・ワンは頭に着用するタイプのウェアラブル機器。カメラや小さな投写型ディスプレイを搭載し、網膜に映像を投映しているとみられ、ユーザーの目 の前には5インチ相当のバーチャルディスプレイが表示されて見える。Bluetoothでスマホなどの端末と通信し、メールやSNS情報の受信をしたり、 内蔵カメラを使って自分が見ている景色をテレパシーのようにほかの人と共有することができる。イベントでは既にプロトタイプが稼動しており、実際に体験した来場者からは次々と驚きの声があがっていたという。"

 話題の電脳メガネ、テレパシー社の"テレパシー・ワン"。
 内蔵カメラを使って自分が見ている景色をテレパシーのようにほかの人と共有するというAR:オーグメンテッド・リアリティ(拡張現実)のコンセプトと、メガネのクールデザインが素晴らしい。

Telepathy org."Telepathy One"の公式情報はtumblrで展開。
telepathy

"Dear Bruce Sterling,
 The publication of your masterpiece, “Schismatrix” was 1985. It was coincidentally one year after release of “Macintosh”. During the pre-digital year, the time a personal computer had been a leading-edge device, you already created fictive cyber space and showed graphically an imaginal realm to world."

"拝啓 ブルース・スターリング 貴方のマスターピース『スキズマトリックス』が出版された1985年。それは、同時発生的に、「Macintosh」発売から1年後のことであった…"

 この公式ページの乗りを見ていると、まるでヴィジョナリーであるスティーブ・ジョブスが未来を見通してコンセプトを描いている様な、そんな新しい息吹を感じる(^^)。「セカイカメラ」を生み出した井口尊仁氏のコンセプトが素晴らしい。

 ウィリアム・ギブスンと並び、サイバーパンクを牽引したブルース・スターリングを製品コンセプトの紹介の最初に出てくるところに、Telepathy社の未来へ向けた強い志向を感じる(^^)。しかも通常ならギブスン『ニューロマンサー』が順当な所を、スターリング『スキズマトリックス』!
 『ニューロマンサー』より『スキズマトリックス』の猥雑がしっくりきた僕は、ここでまず共鳴します(^^;)。

 テレパシーワンは、セカイカメラの欠点だったスマホを縦にして構えないとARが機能しないのをヘッドマウントディスプレイとして解消している。
 セカイカメラをしばらく使ったこともあったけれど、一番使用したい街の中でiPhoneのカメラを街に向けて持たないと、ARとして使えないので、なかなか見ることがためらわれ、次第に使わなくなってしまった。
 例えば電車の中で、カメラを乗客へ向けて構える様な格好になり、これは不信に見られますからねw。

 もちろん今回の電脳メガネタイプなら、この問題はない。

 今回のコンセプトは、明らかにそうした問題をクリアし、かつお互いの映像で感覚を共有するとか、コミュニケーションツールになることが前面に押し出されている。
 現在、IT関連で、爆発的に伸びているのは、コミュニケーションの感覚を拡張するデバイス/アプリケーションである。FacebookしかりLINEしかり。
 まさに今回、そこを最大限に拡張できるデバイスを狙っているように見え、本当にもしかすると、未来の標準的なデバイスになる可能性を秘めていると思う。

 最近、街の中でもどこでも、スマホを俯いて見ている人を(自分含め)やたらと見るのだけれど、あの閉じた雰囲気は、なんとも街のイメージを破壊している(大げさな物言いだけれど、社会というのは、人と人の関係から成り立っているものなので、大げさでない気もするw)。

 ここに風穴をあけ、そして拡張現実という言葉通りに、現実の人間関係を確保した上で、遠くの人ともつながれる拡張デバイスとして、未来の当たり前のデバイスになる日が来るのかもしれない。

Telepathy One Wear your love - YouTube.

"Directed by: Cinematography: Masayuki Kondo
Music by: Piano with Headphone
Animation: Sasaki Takato, Honda Erika
Sound: Sakurai Miki,Takahashi Ikumi
AD: Tzaki Ayao, Santo Ryota, Nana Simomura, Ohya Tomoyuki, Fuzimoto Aya, Murakami Noriyuki, Yamaguchi Naoya"

◆「テレパシーワン」の技術について
 まだ詳細の公式リリースもなく、発表されたアメリカのイベント「South by Southwest Interactive」にも参加していないので、もちろんここからは僕が推測した内容です。

 眼球への直接投影は危ないように感じるが、考えてみたら、我々の視覚世界は太陽からの光の反射光として、直接目に光を"投影"して成立しているわけで、光量さえ絞れば何ら問題はないはずだ(^^)。

 それはあたかもヘッドホーンが耳に直接音を投下しているのと、同じ。
 「テレパシーワン」は正にそのヘッドホーンと網膜投映型ヘッドマウントディスプレイが一体になったデザインを、その機能を絞り、究極的にシンプルにしているところに感心した。シンプルイズベスト、これもAppleのコンセプトにつながる。

 ヒトの五感のうち、聴覚と視覚のふたつを、ワイヤレス通信でつなぐコンセプトは正にテレパシーかも(^^)。そしてそれを最小限の部品でクールに表象したウェアラブルなデバイスとしてまとめている所に普遍性への萌芽を感じる。

 たぶん「テレパシーワン」の技術的な正体は、ヘッドホーンと網膜投映型ヘッドマウントディスプレイとカメラを一体化したBluetoothデバイス+スマホアプリなのだろう。通信他の処理はスマホが機能し、メガネはその表示とセンシングを受け持つ。機器としてはそんな単純なものだけれど、それとアプリの工夫でどんどん拡張し、まさにARデバイスとして、人に密着し、ヒトの機能を拡張してくれる期待感がある。

 「テレパシーワン」の操作はスマホが入力デバイスになり、ヘッドマウントディスプレイに示された仮想キーボードを見ながら、スマホにタッチして入力という形かも。そんな擬似ブラインドタッチ(^^)もありえるかも。前を見たまま、キー入力できるというのは、スマート。iPhone使っていて、こういうの欲しかったと思わせる、ここだけとっても魅力のあるデバイスである。

 いずれにしても、早く実際に手に取って(顔にはめてw)、未来のデバイスを試してみたいものである(^^)。

◆関連リンク
ユカイ工学 | YUKAI Engineering – A ROBOT COMPANY
 技術的にはこの会社とコラボしているとのこと。Necomimi作ってる所なんですね。
the design labo inc.

"オースティンで開催中のアートとテクノロジーが融合し た一大イベント「SXSW」(http://sxsw.com/)にて、ウエアラブルコンピュータ「Telepathy One」をTelepathy株式会社(http://tele-pathy.org/)が発表致しました。 Telepathy Oneはスマートフォンの「次」を見据えた情報端末であり、情報端末業界に一石を投じる画期的なデバイスです。今回はそのデザインを担当させて頂きまし た。 Telepathy Oneの機能を文章で説明するのは難しいのですが、簡単に言うと頭部に装着し、現実世界に仮想モニタを表示させ、様々なナビゲーション情報を視線を変えた り、妨げたりすることなく表示するデバイスです。 Telepathy Oneの操作は音声やジェスチャで行います。手元にあるスマートフォンをうつむき気味に覗き込む時代は終焉を迎えるかもしれません。まるでSF映画に登場 するような未来を感じる端末です。"

 デザインスタジオのHP。
 ここに書かれている内容からすると、"操作は音声やジェスチャで行う"とのこと!
 上に書いた予想が既に外れたのか!??(^^;)
Lets Get Physical: Shiny New Things at SXSW | Flip the Media
 「テレパシーワン」の登場を紹介したアメリカのウェブページ。

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コメント

とても楽しみにしています。
実に素晴らしい!
日本に、こんな方がいらっしゃるとは!

投稿: 狐 | 2013.07.17 12:43

 midori takasoさん、はじめまして。

 Telepathy社の関係者の方でしょうか。
 記事読んで頂けて、お恥ずかしいです。

 凄くワクワクするデバイスですので、期待しております。世に登場した時のインパクトが楽しみです!

 もしモニター公募等実施される可能性がありましたら、私も応募したいと思いますので、宜しく御願い致します(^^)。

投稿: BP(midori takasoさんへ) | 2013.05.21 22:24

素晴らしい記事です。Telepathy team一同感心しておりました。

投稿: midori takaso | 2013.05.21 13:09

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