■新刊メモ 栗本慎一郎『栗本慎一郎の全世界史 ~経済人類学が導いた生命論としての歴史~』
『栗本慎一郎の全世界史 ~経済人類学が導いた生命論としての歴史~』
" 「パンツをはいたサル」以来、幅広く活躍してきた栗本慎一郎氏がライフワークにしてきた世界史の再構築。栗本氏は本書を事実上の遺作として、本気で世に問う最後の作品として位置づけ、出版する。
西欧と中国の偏った史観に依拠してきた従来の日本の歴史学を一掃させることで浮かび上がってくる真実の歴史像を、 全ユーラシアの生きた歴史、新しい歴史の教科書として世に問う一冊になる。
前著「ゆがめられた地球文明の歴史」で展開した歴史論をさらに拡大発展させ、読者の要望の多かった日本史についても幅広く著述している。栗本氏が「意味と生命」以来展開させてきた、独自の生命論についても披瀝。文字通り、集大成となる一冊。"
栗本慎一郎が集中して研究している歴史の本が、2013年4/13(土)、新たに出版される。
ずっと読んできた栗本経済人類学の最終の本、ということでとても感慨深い。今回の出版は楽しみであり、ついにこれで終わってしまうのか、という残念な気持ちで一杯である。
もっとも初期の傑作『ブタペスト物語』で、「これは遺書である。海外出張の直前の「いしょ」がしい時に書いているので「遺書」である」(^^; 苦笑)と書いていた氏なので、今回も実は…と言って、また根源的な探求の旅の記録を引き続き出版してくれることも、どこかで期待し続けたい。
そんな栗本氏の直接の言葉が以下にあったので、さら長文になるが、引用する。
"「あとがき」にある栗本先生の読者の皆さんへのメッセージをお届けしましょう。
"そういうわけで皆さん、現時点での私の歴史についての遺書をお届けしておく。
遺書というのはオーバーで、残し書きという程度であるべきかもしれないが、いずれにしても本という形ではもう終わりだ。
研究と思索は続けるが、多分、このあとはもう猫について以外は本にはしないだろう。
私ももう71歳である。研究とインテンシブな思索をさらに10年続けられるとは思いにくい。 だから、歴史の総体についてはこれが最終作である。その意味で読者の皆さんさようなら。
キメクについても聖方位についても、出来れば後進が具体的研究を深めてくれることをちらりとは夢見ているが、これまでもいくつかの夢が夢に終わったことを思えば、ただの夢に終わることを受け入れるのにもやぶさかではない。
夢の先は墓場で見続けることにしよう。本書について語りたくば、半村良さんやフランシーヌさん、そして坂口安吾さんと語ろう。
歴史は先人の生命と夢の痕跡をたどることでもある。それを理解すればいつでもどこでも歴史の謎を解くことが非常にたやすくなる。
本書では何も書かなかったが、たとえアトランティスについてでも同じなのである。(「あとがき」より)"
果たしてどのようなパンツをはいた猿である人類の新しい過去の姿が開陳されるのか、期待して待ちたいと思う。
ここで記されていることで、一点気になったことがある。
半村良、坂口安吾と並び記された"フランシーヌ"って誰だか調べたら、パリの女性でフランシーヌ・ルコントのことだった。
♪フランシーヌの場合♪の歌のモデル。
先日読んだ、佐々木中氏の本を思い出す…。
栗本慎一郎先生が言った、「君は『フランシーヌの場合』という曲を知っているかい?」。。。 - 生命科学情報室
♪フランシーヌの場合♪
僕がこの歌を知ったのは赤塚不二夫の『天才バカボン』のある一話だった。ので、ギャグっぽいイメージでいたのだけれど、1969年のパリで起きた切ない小さな事件の歌だったんですね。
今日知って天国のフランシーヌさんにすまない気持ちで一杯です…。赤塚不二夫にやられた!
真面目な話、現在の日本にフランシーヌが居たら、どういう行動をとっていたのか、とても気になる。
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