■感想 ティム・バートン監督『フランケンウィニー 3D』"Frankenweenie"
Frankenweenie "Unleashed" Album Sampler | Official HD - YouTube
"The Frankenweenie Unleashed! track list follows:
01 "Strange Love" -- Karen O
14 "Praise Be New Holland" -- Winona Ryder"
『フランケンウィニー 3D』をブルーレイで初見。
以前の短篇も観ていたけれど、これはティム・バートンがリメイクするくらいに格別思い入れのある作品のようで、隅々までバートンらしく愛おしい映像に満ちた、とても心地いい映画でした。
そして以前の短篇を観たうん十年前とは違い、当方、ペットを飼い初めて10年近く犬ものに弱くなっている(^^;)。
特にスパンキーの仕草の数々、犬好きにとっては全てがツボ…(^^;)。バートンが子供時代に犬を飼っていたのは間違いないだろう。そしてその喪失にも遭遇していたはず。そんな気持ちが映像に籠っているのがとてもよくわかるエンパシーの映画w。
特に裏庭のスパンキーとペルセポネとの恋のシーン。
犬らしいボールを使った二匹の交流には、自分ちの犬の様々な仕草を想い出させてグッとくるw。
そしてバートンが愛情をそそぐのは、もちろん犬だけではなく、主人公のビクター・フランケンシュタインはもとより、彼の同級生達のストレンジな様相もバートンの子供時代の想いの数々がこもっている様に観えて仕方がない。
さらにまるでグレムリンのようなシーモンキーや、悪役面が抜群のネズミの化け物、そして犬とコウモリのキメラといった異形の生物達も悪役ではあるが、どこか愛しさが込められているので憎めないw。
加えて! なんとバートン初の怪獣映画。
この異形の生物達のオンパレードが立体映画で観られるだけで満足な感じがしてしまう(^^;)。物語の奇想自体は極一般的な流れでそれほどワクワクしないのだけれど、上に述べたバートンの近しい奇想な者達をデフォルメしたと思しきキャラクタ達への愛着のビジュアルが、パペットのストップモーションによるモノクロ3Dに見事にマッチして素晴らしい映像体験を与えてくれている。
まさに幸福な映像世界(^^;)。
これはプライムフォーカスによる2D-3D変換とのことだけれど(3D3D3D -ステレオ3D情報ブログ-さんより)、3Dの質感が素晴らしい。スパンキーの眼の周りの鉛筆の落書きのような模様とか立体で質感が愛おしく伝わってきます(^^;)。
僕は実写のティム・バートンのギークなキャラ達は、あまりいつも好きではないのだけれど、これはとても良かった。映像の形態が抜群に合っているからかな〜。
最後に、特にあのオランダ祭りの唄のシーンは最高だった。上の引用した動画の14番のウィノナ・ライダーの唄が良い。スリリングな展開と並行した悲哀な子供達のシーン、ああした世界の表出はバートンの真骨頂ですね。
◆関連リンク
・ティム・バートン監督『フランケンウィニー 3Dスーパー・セット[Blu-ray]』
"<ボーナス・コンテンツ>
●新作短編:キャプテン・スパーキー対 空飛ぶ円盤
●ロンドンの制作現場を訪問
●ようこそ 『フランケンウィニー アート展』へ
●実写オリジナル版:フランケンウィニー
●ミュージックビデオ -♪ペット・セメタリー by プレイン・ホワイト・ティーズ"
・Frankenweenie Short - Captain Sparky and the Flying Saucers - YouTube
新作短篇の予告篇。
・フランケンウィニー (2012年の映画) - Wikipedia.
"バートンはリメイクするにあたり、スパーキーのデザインを『Family Dog』の犬を参考にしている。"
・Family Dog (TV series) - Wikipedia, the free encyclopedia
ブラッド・バード監督のアニメ(1993)。ティム・バートンがプロデューサー。
・フランケンウィニー (1984 短篇) Wikipedia
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