■感想 特別展 陶芸の魅力×アートのドキドキ@岐阜県現代陶芸美術館
"■会 場 : 岐阜県現代陶芸美術館 ギャラリー
■会 期 : 2013年5月25日(土)~2013年8月25日(日)"
既に終了した展覧会で申し訳ないのですが、最終週の週末に行ってきたのでレポートです。
展示会のポスター等のメインビジュアルとして紹介されている、奈良美智《White Riot》(2010年)を観たくて行ってみたのだけれど、これが素晴らしい作品だった。
冒頭引用した公式HPのトップ画像ではとても表現し切れていない、この作品の質感は素晴らしいものであった。
展示会場のちょうど中心付近に位置する《White Riot》は、会場を歩く途中の通路から突き当たりに観えてくるのだけれど、遠くからでもその質量感が伝わってくる、まずその大きさに圧倒される。
初出の奈良美智 セラミック・ワークス展の情報によるとその身長は2.8m。実物は4mくらいあるのではないかと体感されたが、きっと陶器の土の重量感故の迫力が伴っているからではないだろうか。
もともと奈良氏の造形作品は発泡スチロールやFRPで作られていたとのことだけれど、最近の陶器での作品制作の素晴らしい成果は、この重量感であると思う。
白い色のため、写真でその質感が伝わりにくいのが残念だけれど(ネット写真を検索してもなかなかこの質感を的確に捉えた写真はない)、何回か個展でも展示されている作品の様なので、どこかで機会があれば、是非御覧下さい。
《White Riot》について調べてみると、下記の様なパンクの名曲が。
奈良氏作品は、これにそのタイトルを由来するのかもしれないですね。圧倒的な白の質量感は、まさに暴動の勢い(^^;)。
蛇足だけれど、この像の存在感に圧倒されたヤノベファンの僕はw、個人的にはヤノベケンジ氏の巨大作品で一度、陶器の質感による重量感のあるものも観てみたい願望にかられる。既にあいちトリエンナーレで、トらやんの「Cupid:クピド」とか「チャペル」に置かれた陶器の「サン・チャイルド」(右写真)とかの作品があるヤノベ氏なので、陶器巨大作品の可能性もないわけではない、と思うのだがいかがだろうか。"白い暴動 (しろいぼうどう、White Riot)は、イギリスのパンク・ロックバンド、ザ・クラッシュのファーストシングル。アルバム『白い暴動』からの曲である。
この曲は短く激しく、ラモーンズの影響を受けて2つのコードを非常に速く繰り返す。ジョーンズが「ワン、ツー、スリー、フォー」とカウントして曲が始まるが、再録音版ではパトカーのサイレンで始まる。
詞の内容は、階級経済学と人種、立証された論争:多くの人はこれが「人種戦争 (race war)」への弁護と考えた。むしろ作詞のストラマーは若者に暴動に見合う原因(彼がイギリスの黒人が持っていると感じたような)を見つけるようアピールした。そして前向きなメッセージも含ませている。"
6.2mの「サン・チャイルド」陶芸版、観たいのは僕だけではないはずw。
奈良氏の作品では、もうひとつ《おたふく1号》という頭部のみの作品も、巨大な存在感を醸し出し、《White Riot》と並べられた展示空間が圧巻だった。
その他の作品では、冒頭の写真にある小出ナオキ《cloud (theater)》。これは雲の内部に奇怪なデフォルメされた人物が住んでいる像で、こちらもとても興味深い作品だった。
ギリアン・ローンデス《フックのかたち》のシュールレアリスティックな造形、キム・シーモンソン:Kim Simonsson《エイリアンのタトゥー》の日本アニメ風のキャラクターも興味深かった。いずれもネットに写真がないので、残念である。
陶芸作品はその存在感を示すのに、立体映像が最適だとかねがね思っているので、こういうのは3Dハンディカムで是非撮影させて頂きたいw。このBlogぐらいの閲覧数ではプレスとして認めて頂いて撮影許可はもらえないのだろうな〜、、、と誰にともなくつぶやくw。
他には、岡本太郎の《犬の植木鉢》《座ることを拒否する椅子》6点も観ることができたのでなかなか満足の展示会だった(^^)。
◆関連リンク
・陶芸の魅力×アートのドキドキ(兵庫陶芸美術館)
2013年9月7日(土)~11月24日(日)。次は兵庫へ巡回とのことです。
・奈良美智 セラミック・ワークス展@小山登美夫ギャラリー|奈良美智カタログレゾネ・プロジェクト.
"「White Riot」は、なんと、高さ280センチ近くもある、とても大きな作品。 神殿にたたずむご本尊のように、圧倒的な存在感をはなっています。 中は空洞ですが、陶器でできているので、相当な重量感です。 首の部分で、胴体と頭の2パーツがつなげられています。 奈良さん曰く、「チェ・ホンマンさんに来てもらいたい!」 土曜ドラマ「怪物くん」にフランケン役として出演しているホンマンさんは、 身長2メートル以上。 並んだら、きっと目のあたりまで届きますね。 すいこまれそうな、強い眼差し。"
・asahi.com(朝日新聞社):奈良美智、陶芸に挑む - 文化トピックス - 文化.
"70センチを超える立体が計5点、最も大きな立像「White Riot」は高さ約2.8メートル。どれも奈良が自らの手で粘土を積み上げ、制作したやきものだ。 2007年から、滋賀県立陶芸の森(滋賀県甲賀市信楽町)に繰り返し滞在し、やきものを学んだ。陶芸作品をメーンに発表するのは今回が初めてとなる。 奈良はこれまで、発泡スチロールを削って立体作品の原型を作り、繊維強化プラスチック(FRP)の作品として発表してきた。だが、陶芸は発泡スチロールと比べると格段に制約が多い。 作品は、ひも状の粘土を積み重ねる「ひも作り」。下の段が乾く前に積み重ね過ぎると重みで形がひしゃげ、乾かしすぎると今度はくっつかなくなる。しかも、焼成すると体積が6%ほど縮む。 だが作品からは、奈良がむしろ制約を楽しんでいるように見える。例えば、金彩の「おたふく1号」は、その名の通り顔が下膨れに。頭の部分が縮みすぎたためで、バンダナを巻いて味とした。プラチナ彩の「おたふく2号」では均整がとれ、技術の習熟を感じさせる。"
"同じものは2度と作れるものではなく、なにかしら大地からの・・・ いや、宇宙からの贈り物みたいな気がしてくる。 どんな生き物でも死んでしまうような高温で焼かれたものなのに、 焼く以前には感じられなかった命をそこに感じることができるのだ。"
・小出ナオキ | Tomio Koyama Gallery
・ギリアン・ローンデス フックのかたち
こちらは検索しても画像が出てこない。
・Kim Simonsson:キム・シーモンソン- sculptor ビデオもあります。
・Kim Simonsson - Google 画像検索
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