■感想 森山威男ジャズナイト2013 : Jazznight 2013
"公演日時:2013年9月21日(土曜日)
飛び散る汗、激しい駆け引き、これはまるでBOXING♪
毎年9月の恒例となっているジャズナイト。
今年も国内トップレベルのプレイヤー達を招き、ド迫力の一夜をお届けします。【出演者】森山威男(ds) 岡崎好朗(tp) 中路英明(tb) 渡辺ファイアー(as) 川嶋哲郎(ts) 田中邦和(bs) 佐藤芳明(acc) 田中信正(p) 加藤真一(b)"
毎年恒例(^^)、森山威男ジャズナイト2013に行ってきた。
今回、特に凄かったのが、何度か聴いているオリジナル曲"FOREST MODE"。
舞台の両翼、森山威男、田中信正のドラムとピアノが超エキサイティング!
腕と指の過激な動きに、視覚と聴覚がひっくり返って喜んでいた(^^)。どのような身体の活動があんな超絶な動作を創り出すのだろう。まさに人体の宇宙の不思議w ! 音響のとても良い、このホールでの音と映像に浸る時間は、今回、まさにこの曲とクライマックスに何かが降り立った様な感覚が感じられた(^^;)。
演奏楽曲は、以下(Twitter / SHIN1090takさんのツィートより)。
"Bolero
Forest Mode
東雲 (しののめ村の消防団イメージw)
It don't mean a thing スイングしなけりゃ意味ないし
Danny Boy
Lamentation
Gratitude
Sunrise
Hash A Bye
Good Bye"
激しくアヴァンギャルドな曲と静かなバラード(ただしいずれも途中で楽器が暴れ回るw)が交差して演奏される場は、田舎町のコンサートとして地元住民観客の満足を得ながら、最大限の実験を試みているスリリングな場だと言えよう(^^;)。
クライマックスの畳み掛ける様な、アヴァンギャルドとバラードのハイブリッド感覚な破壊力は相当のものと思います。素晴らしい。
"第6章では,世界最速ドラム奏者の片手最速リズム運動パフォーマンスと前腕筋表面筋電図活動について検討し,世界最速ドラム奏者のタップ速度が左右手とも10Hzであり,その速い動作においても安定した時間間隔でタップしていることを明らかにした.さらに,世界最速ドラム奏者は,39ミリ秒というヒトの神経信号処理速度として極めて短い時間間隔で主働筋・拮抗筋を相互収縮させており,また主働筋・拮抗筋の共収縮水準が低いことを明らかにした.この研究成果は,ヒトの身体運動制御能力の限界について新たな知見を加えた点でオリジナリティが高く,その成果はNeuroscience Letters(2009)に掲載されている"
森山威男のドラムと田中信正のピアノの手の動きが頭から離れなくなったw。
あれだけ高速で繊細な人体運動ってオリンピックの競技にもないのではないか…とか思って研究がどんな状況か調べてみた。
まだ少なくとも日本では、こうした研究は始まったところみたい。引用の文献は京都大学 藤井進也氏の博士論文のようです。
森山威男のドラムは感覚的に10Hzくらいはあったように見えた。
どのようなメカニズムであの超絶な技巧が駆動されているのか、ものすごく興味が沸いてきてる。
マーク・チャンギージー『<脳と文明>の暗号 言語・音楽・サルからヒトへ』
"言語と音楽の起源とは? 何がヒトとサルを分けるのか? 自然界に隠された驚くべき暗号を最新認知科学が読み解く! 定説をうちくだき、まったく新しい視点から「人間とは何か?」に迫る、かつてない知的興奮の書。
最新認知科学が明かす言語と音楽の起源。そして見えてくるわたしたち人間の正体とは?かつてない知的興奮の書。『New Scientist』誌が選ぶ「2011年の科学書ベスト10」!"
脳にとっての音楽の起源を解き明かしているらしい。
ドラムとピアノにおける超絶技巧奏者の運動制御の知見もあるかな? そこから進化して10Hzの運動速度を獲得した人類の脳と体のメカニズムについて、激しく知りたいw。
◆関連リンク
・森山威男と田中信正の手の動きがよく見える動画が見つからないがいくつか。
http://www.youtube.com/watch?v=sMfzbHMwHM…
例えば3:30辺りの田中の指の動きと4:30辺りの森山のスティック。
http://www.youtube.com/watch?v=_kCGAR0o_k…
5:18辺りとか。昨日の動きの方が凄かった記憶だけど…
・HORI AKIRA:マッドサイエンティストの手帳
" いずれも森山追っかけ歴40年を超える顔ぶれである。
おなじみの曲だが、メンバーが最高の充実期にあって、たまらんなあ。
「スイングしなけりゃ……」は初めて演奏されたが、川嶋哲郎さんの編曲、これはオーケストレーションの面白さと個性的なソロ回しを並立させた見事なアレンジと思う。"
今年も堀晃さんはいらっしゃっていたそうです。ドラムの運動工学の観点で、ハードSF的に何か語って頂きたいものです。
・Neurophysiological
and Dynamical Control Principles Underlying Variable and Stereotyped
Movement Patterns During Motor Skill Acquisition
・Shinya Fujii - Publications
藤井進也氏のNeuroscience誌に発表された研究リスト。
・J-GLOBAL | 「ドラム奏者」についての研究論文 検索結果
・J-GLOBAL | 「ピアノ奏者」についての研究論文 検索結果
・マーク・チャンギージー『<脳と文明>の暗号 言語・音楽・サルからヒトへ』
・マーク・チャンギージー『ひとの目、驚異の進化: 4つの凄い視覚能力があるわけ』
同じ著者の視覚研究。究極映像研究には、欠かせない書籍かもw。読んでみます。
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