■情報 上田早夕里『深紅の碑文』THE OCEAN CHRONICLES II
" ベストSF2010第一位にして日本SF大賞を受賞した、海洋黙示録巨篇『華竜の宮』の続篇。
この星に迫る滅亡を前に、なおも己の信念を貫いた人々の行方を描ききる、現代SF前人未踏の到達点 陸地の大部分が水没した25世紀。人類は残された土地や海上都市で情報社会を維持する陸上民と、生物船〈魚舟〉と共に海洋域で暮らす海上民に分かれて文化 を形成していた。だが地球規模の危機〈大異変〉が迫る中、資源争奪によって双方の対立は深刻化。海上民の一部は反社会的勢力〈ラブカ〉となって陸側の船舶を襲撃、国際的な非難を浴びていた。
外務省を退職して支援団体の理事長となった青澄誠司、元医師にしてラブカのカリスマ的指導者ザフィール、困難な時代になお宇宙開発を志す少女・星川ユイ──絶望的な環境変化を前に全力で生きる者たちの人生を描ききり、日本SF大賞受賞の姉妹篇『華竜の宮』のさらなる先へ到達した日本SFの金字塔。"
ついに『華竜の宮』の姉妹篇が刊行された。
ワクワクして読みはじめたが、たぶん読了は冬休み中になってしまいそうなので、まずは関係情報リンク集、刊行記念小特集ということで纏めてみました。
Cover Direction & Design : Tomoyuki Arima, Digital Mat Peinting : Shinichiro Miyazakiとクレジットされた表紙イラスト(というよりマットペインティングと呼んだ方がよいのだろうか)がなかなか素晴らしい。深海の廃墟と宇宙からダウンリンクされたらしい地球(?)のデジタルイメージ画が、物語を想像させる。
著者インタビュー:上田早夕里先生
(SFとファンタジーのウェブマガジン Anima Solaris(アニマ・ソラリス)12.5月インタビュー)
" 大きな一冊としては、2013年末発刊予定の『深紅の碑文』。『華竜の宮』の第八章以降の40年間を描く物語で、主要登場人物は入れ替わり(一部の人物は共通)ページ数は『華竜の宮』よりも増えます。このシリーズの長篇パートはこれで最後になりますので、地道に作業を続けているところです。これが済んだ後も、早川書房さんからは、また新しいSF作品を出させて頂く予定になっています。
スケジュール上では、六年先ぐらいまで書き下ろし単行本の予定が入っていて、その中にはSFじゃない仕事もありますが、積極的に「SFが欲しい」と仰って下さる出版社もあって、ありがたいことだなと感じています。"
『華竜の宮』の世界観で、もう一本長篇が刊行されます: Nomadic Note 3.
" 今回の物語では、終局の〈大異変〉が発生するまでの激動の時代――〈最後の40年間〉が描かれます。主要登場人物が入れ替わるため、あとがきに書きました通り〈この世界観を使った別の物語〉となります。(※一部の人物は、再登場いたします)
物語の〈語り手〉が変われば、同じ世界観であっても見える世界(光景)は一変します。〈別の物語である〉とはそういう意味です。
タイトルは『深紅の碑文』。〈血で書かれた碑文〉という意味です。"
【修正版】新作『深紅の碑文』について、補足。: Nomadic Note 3.
"上記リンク先にもあるように、「最後の40年間」というのは、〈大異変〉が起きる直前までの40年間です。人類が滅亡していく様子を、40年かけて描くわけではあ りません。『華竜の宮』で言うと、第八章とエピローグの間の空白期間にあたります。一部のエピソードは、少し、時代を遡って描かれます。 Ocean Chronicle シリーズを、時系列に沿って並べてみると……。"
"上田早夕里先生著『深紅の碑文』が12月19日に早川書房Jコレクションシリーズから発売される。2011年の日本SF大賞を取った『華竜の宮』の続編となる作品だ。 この小説の中に登場する宇宙船『アキーリ号』のコンセプトデザインを私が行った。なんと、『アキーリ号』は恒星間宇宙船だ。"
JAXAの宇宙機エンジニアである野田篤司の日誌に、本作に登場する宇宙船のことについて記してある。ネタバレを恐れて私はまだ読んでいませんw。
◆関連リンク
・上田早夕里『深紅の碑文』(Amazon)
・S―Fマガジン2014年2月号:ハヤカワ・オンライン
"上田早夕里『深紅の碑文』ついに刊行
○評論「空間秩序と『深紅の碑文』――悪夢を想像する力」 岡和田晃
○評論「『深紅の碑文』――朱雀の物語」 大野万紀"
・TATSDESIGN
Cover Direction & Design Tomoyuki Arima氏のHP。
・Reg
Digital Mat Peinting Shinichiro Miyazaki氏のHP
・lostmeans
Shinichiro Miyazaki氏のその他作品。
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