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2014年7月

2014.07.30

■感想 ギャレス・エドワーズ監督『ゴジラ』GODZILLA 2014


▶ GODZILLA 2014 ゴジラ予告編 最長版 - YouTube

 ギャレス・エドワーズ監督『ゴジラ』Real D 吹替版、観てきた。

 迫力の特技撮影映像wとスピーディーな物語を堪能。まさに日本の怪獣映画魂を見事に受け継ぎ、しかも映像的にパワーアップさせた作品で、素晴らしい大怪獣映画となっている。

 高層ビルの破壊、怪獣の出現により廃墟となった市街地等々、デザスタームービーとしても堂々たるもので、もちろん911, 311後の映像でもあるのだけれど、それ以上に巨大なものによる破壊が、自然の畏怖感を的確に表現していて、エドワーズ監督の映像表現が素晴らしい。


★★★ここからネタバレしますので、ご注意を!!! ★★★
★★★リンク先の予告篇も観ないで劇場へ向かうのを御薦めします★★★



 先日観た『ゴジラ』第一作と比べると、初代に込められていた科学技術への驚異といった側面が薄い。その部分を埋め合わせているのが、予告篇にある、「原始生態系の頂点に君臨する ー 言わば神」としての設定と、ゴジラのヒーロー性。

 ヒーロー性の獲得は、子供や被災者を、結果的に守る様な行動をとるシーンが貢献しているのだろう(特に金門橋のシーン)。全体のどこか爽快感がある、観終わった後の高揚は、まさにそこに由来するのだろう。
 畏怖すべき存在で人智を超えた存在であるが、どこか結果的にもたらされたヒーロー性は、もうひとつの日本怪獣映画作品を思い出させる。子供時代にどちらかというと、そちらが好きだった僕は、今回のゴジラのヒーロー性に快哉を上げていましたw。

 ゴジラの活躍の後のシーンで、薄く尺八の様な邦楽的な音が付いているシーンが複数あった。ここらから、ゴジラに侍の武士道的な匂いも追加されていて、ヒーロー性の一つの要因になっていたと思う。

 フランク・ダラボンが脚本に加わっているということだけれど、まさにダラボンが撮った怪獣映画の存在も思い出す。あのタッチが好きな人にもこの映画、お薦めです。

 映像的には細部まで巨大感の表現にこだわり、前半で溜めて、その巨大なものの痕跡を描く描写で観客の心の中の映像を作り上げる監督の手腕に拍手。他にも決定的なシーンをいくつか描かないで観客の想像にゆだねる様なシーンがあり、こうしたところもとてもうまい。

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 あと印象的だったのが、冒頭のビキニ環礁らしきシーンの背びれの描写。
 水爆の映像とゴジラの背びれが連関して、映像のデジャビュ感を醸し出している様に見えたのは僕だけであろうか。南太平洋の澄んだ海の青、そこに沸き上がる水爆の禍々しい爆煙とゴジラの背びれの描写。

 背びれの効果的な使い方は、空母の下を通り過ぎていくシーンとかも含め、巨大生物のセンスオブワンダーを見事に表現して、観客に直撃してくる様な、魅せる映像になっている。

 先日のコミコンの記事で紹介した様に、次は東宝怪獣中、最も雄大な「宇宙の神」キングギドラが登場するという。次は是非、ギドラと超兵器の対決が観たい。

 本作の様にリアリティで東宝怪獣映画を現代に蘇らせた手腕によって、リアル金星人が操る迫真のキングギドラ怪光線が観たくて堪りません(^^)。

◆関連リンク
[鍋潤太郎のハリウッドVFX最前線]Vol.48 青木洋一郎氏に聞く、映画「GODZILLA ゴジラ」における2D-3D変換と、ハリウッドにおける最新動向 - PRONEWS

"――2D- 3D変換のマーケットは、ハリウッドではかなり大きいようですが、年間何本くらいの映画が2D-3D変換で処理されていますか?
 また、2D-3D変換を行 う専門のスタジオは何社くらいありますか?
 一般的に、ハリウッドのメジャー映画スタジオが、2D-3D変換に費やしている予算はどの位でしょうか?

青木氏:ステレオD以外で有名な2D-3D変換専門のスタジオは、Prime Focus、Legend3D、Gener8が大手になります。過去2年間で80本ほど3D映画が上映され、うち30本程が3Dコンバージョンでの公開に なっています。 ステレオDの担当作品は2013年では10作品ほど。2014年は6作品ほどでした。2D-3D変換市場の、全体の5割を担当した事になります。ショット 数など映画の規模にもよりますが、2時間の作品に対して$6million~$8million(6億円~8億円相当)ぐらいです。

――「GODZILLA ゴジラ」の2D-3D変換作業で、こだわった部分は?

青木氏:ゴジラの様な大きな対象物を3D化する場合、適切な立体演出をしないと、ゴジラがミニチュアの様に小さく感じてしまう事があります。そこをどうう まく仕上げるかが、この作品の大きな目標でした。ギャレス・エドワーズ監督のカメラアングルは主観的なものが多く、窓や建物など対象物をうまく配置してく れていたのでとても3D的にはいい空間表現が出来たと思います。 3Dというと“何かが飛び出す”という印象が強いですが、「GODZILLA ゴジラ」は奥行き、巨大感を3Dで楽しんで頂ける作品になったと思います。"

ステレオD社、日本人の青木洋一郎氏がステレオスーパーバイザーとして活躍されています。興味深いインタビューです。今回のヒットで、初代『ゴジラ』の3D化とかもし実現したら良いですね。観たい。

『GODZILLA ゴジラ』復活の立役者が語る製作の裏側! - ニュース - Yahoo!映画.

"ゴジラをよみがえらせた立役者は、ハリウッドで今、最も注目を浴びている製作会社レジェンダリー・ピクチャーズの創始者でCEO(最高経営責任者)のトーマ ス・タル。ファイナンス業界からプロデューサーに転身し、『ダークナイト』トリロジーや『インセプション』『マン・オブ・スティール』『パシフィック・リ ム』といった超大作から、『ハングオーバー!』や『300 <スリーハンドレッド>』シリーズ、伝記映画『42 ~世界を変えた男~』など、幅広いヒット作を連発する手腕は見事と言うしかない。子供のころから大のゴジラ好きだったタルにとって、今回の 『GODZILLA ゴジラ』には特別な思いがあったという。"

「GODZILLA」VFX徹底解明! ギャレス監督“着ぐるみ愛”を激白!! : 清水節のメディア・シンクタンク - 映画.com.

"「不思議なことに、最終的な判断はゴジラ自身が行ったんです。方向性としては、より人間らしく、何を感じているのかを想像できるようなゴジラに変わっていきました。動物的なゴジラから、人間的なゴジラに変わっていったわけです。通常のモンスター映画では、クリーチャーが野生的で動物的。でもゴジラの場合は、魂のこもった人間的な部分がある。感情さえ抱いているのではないかと思わせる存在を描くことが、ゴジラ映画です」"

「GODZILLA」VFX徹底解明! ギャレス監督“着ぐるみ愛”を激白!! : 清水節のメディア・シンクタンク - 映画.com.

"実を言うと、今回の『GODZILLA』も着ぐるみとミニチュアでやりたかったんです。でもそれでは、ワンテイクしか撮れないですよね。壊しちゃったらそれまでですから(笑)。それにキャメラアングルは固定され、演技も制限されてしまうのでCGにしました」"

池田憲章『ゴジラ99の真実: 怪獣博士の白熱講座』

"日本一の怪獣博士・池田憲章が、長年の取材テープとノートをもとに、裏の裏までナビゲートするゴジラについての白熱講座!! 本書は35年を越えるライター生活において、初めての書き下ろしの単著となる。

《目次の一部》 ●円谷英二が撮りたかった怪獣の姿とは?/●『ゴジラ』の企画はこうして始まる●鳴き声の陰に作曲・伊福部昭氏あり●『ゴジラ』俳優・宝田明の役割●『ゴジラ』と『ウルトラマン』の接点●『ゴジラ』と宮崎駿監督●『ゴジラ』のドラマのクライマックス●原作求めてプロデューサーは三千里●キングギドラの地走り光線の秘密とは!?●「ゴジラにシェーッをさせるぞ!!」●最後の怪獣映画をめざした『怪獣総進撃』●夢から重荷になっていくTVの仕事●『日本沈没』の大ヒットとメカゴジラ登場! 怪獣王国の真の住人は誰なのか!?"

 ゴジラと言えば、池田憲章の熱い文章でどれだけのセンスオブワンダーを体験させてもらっただろう。その池田氏の何と「初めての書き下ろしの単著」。今回のゴジラ出版フィーバーの中でも、これは一番の期待作です!

『別冊映画秘宝初代ゴジラ研究読本』
『Cinefex No.34 日本版 -GODZILLA ゴジラ-』

"SFXスーパーバイザーのジョエル・ウィストとアマルガメイティッド・ダイナミクス社のクルーがカナダとハワイのロケで実写エフェクトを演出。ゴジラや巨大な怪獣たち、さらに大規模破壊を作り上げるための視覚効果は、VFXスーパーバイザーのジム・ライジェルの指揮の下、MPCとダブル・ネガティブ社のアーティストたちのチームを中心に制作された。他にもザ・サード・フロアー社、スキャンラインVFX社、ハマーヘッド・プロダクションズ社、ピクセル・プレイグラウンド社な どが制作に参加している"

 STEREO D社の3Dメイキングも是非読みたいですね。発行は2014/9/27ということで暫く待ちですね。

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2014.07.27

■情報 『ゴジラ2 : Godzilla 2』にキングギドラ、モスラ、ラドンが登場!!

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 7/26のコミコンでレジェンダリーのCEOが『ゴジラ2』について、シルエット映像で、キングギドラ、モスラ、ラドンの登場を示唆!

 ギャレス・エドワードが東宝映画のあのキッチュを、どう今回のリアルシリアス路線の映画の中に取り込むか!期待ですね。シリアスな金星人の姿が楽しみでしょうがないw。

 コミコン2014.7/26のギャレス・エドワードとトーマス・タルCEOの二人の以下の発言がその情報の出どころです。

 ギャレス・エドワードが『ゴジラ』の続篇を監督するのを楽しみにしている、と発言。そして、レジェンダリーのトーマス・タルCEOが続篇のコンセプトとして、それら3体の怪獣のシルエットを会場で映したとか。

 引用画像は2013年コミコンで公開されたポスター。コミコン情報からは眼が離せません。

Holy Mothra: Gareth Edwards Reveals 'Godzilla 2' Monsters At Comic-Con - MTV

"Of the sequel, he said, “I’m very much looking forward to directing that film.”

But that’s not all — Legendary Pictures CEO Thomas Tull introduced concept footage for the second movie, which teased three new monsters that will appear in the sequel: Ronan, Mothra and Ghidorah.

We see the monsters’ silhouettes, along with retro government footage of serious-looking meetings, accompanied by a voiceover calling for emergency meetings and disaster control. There’s also a nice tease to Directive 27.

“Conflict: Inevitable. Let them fight,” the closing title card read.

Let them! Let them!

“Now we have more monsters to play with and we’re excited about it,” Tull said.

No release date has been announced for “Godzilla 2.”"

Godzilla (2014 film) - Wikipedia, the free encyclopedia

"On July 26, 2014, Legendary and Edwards confirmed at the 2014 Comic-Con that they have acquired other Toho properties and Mothra, Rodan, and King Ghidorah are to be featured in the sequel.[195]"

 この発言に基づき、既に英語版wikiにはその旨の記載が掲載されています。

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2014.07.23

■情報 『成田亨 美術/特撮/怪獣 ウルトラマン創造の原点』展 と 『成田亨作品集』

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成田亨 美術/特撮/怪獣 ウルトラマン創造の原点 | 企画展 | 富山県立近代美術館.

"富山県立近代美術館 7月19日(土)-8月31日(日)
福岡市美術館 2015年1月6日(火)-2月11日(水)
青森県立美術館 2015年(日程未定)

開会記念トーク 成田流里氏(成田亨夫人)×成田カイリ氏(俳優)
成田亨の芸術と怪獣デザインについて、家族ならではのエピソードを交えながらお話いただきます。    
日時:7月19日(土)午後2時から

講演会     日時:7月26日(土)午後2時から    
講師:椹木野衣氏(美術批評家、多摩美術大学教授)    
会場:1階ホール(定員80名)     その他:申込不要、聴講無料"

 三つの美術館の合同企画展として、成田亨の作品数百点を集めた大規模展覧会が富山でスタートした(以下の福岡市美術館の山口学芸員さんの情報では600点を超える規模を集めたとのこと。長文ですが成田展にかける熱い想いが嬉しいので一部引用させて頂きます)。

 冒頭に引用したチラシ、幻想画、シュルレアリスムと怪獣の関係がまさに表現されていて、素晴らしいです!
 うちからは富山が一番近いので、何とか会期中の8月末までに行ってみたいものです。この時期、また青春18切符のお世話になろうかと…(^^;)。

 椹木野衣氏による講演も聴きたいが、もう今週末の開催です!

成田亨 美術/特撮/怪獣──ウルトラマン創造の原点:学芸員レポート|美術館・アート情報 artscape  山口洋三(福岡市美術館)

" 成田亨展の準備が佳境である……(略)
 富山県立近代美術館の三木敬介学芸員、青森県立美術館工藤健志学芸員とともに、ときどき東京の成田流里氏の元に集まっては、展覧会の内容、作品の調査などを行なってきており、今年7月には富山県美で立ち上がることになっている。先だって4月中旬には、成田が1990年に手がけた《鬼のモニュメント》 (京都府福知山市大江山)と関連の作品を調査し、連休前には、図録掲載候補となる300点以上の作品の撮影をカメラマンさんの手際の良さも手伝って、なんと2日間で行なった。出品総数は(私が企画に関わったこれまでの展覧会と同様、泣笑)600点を超えそうで、過去最大にして、決定版の成田亨展になることは間違いない。(略)
 特撮マニアのあいだではすでに神的な存在であったが、これにとどまらず近年しばしば美術の文脈で彼の名前が俎上にあがるようになってきた。それは、美術評論家の椹木野衣氏が企画した「日本ゼロ年展」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、1999)に、成田のウルトラ怪獣デザイン原画を選んだこと、そして青森県が、2006年に開館予定の県立美術館の所蔵作品の目玉のひとつとして、その原画189点を収集したことなどがその大きな要因としてあげられる。デザインでもなく、サブカルでもなく、「美術作品」として成田作品を収集展示する同館の功績は大きい。

 もうひとつの大きな要因は、成田がそもそも「彫刻家」であり、「美術家」としての意識を明確に抱いていたことである。特撮作品の制作主体の要請に応じてデザインをおこすというデザイナーとしては当たり前の仕事を、成田は「美術家」としての矜持を失うことなくこなしていた(この矜持は、しかしやがて到来するさまざまな局面での商業主義的な風潮とぶつかることになる)(略)"

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成田亨作品集(羽島書店 公式HP)

"椹木野衣(美術批評家)
 「成田亨という特異点──彫刻と閃光のはざまで」
三木敬介(富山県立近代美術館学芸員)
 「〈彫刻〉と〈怪獣〉の越境者・成田亨」
山口洋三(福岡市美術館学芸員)
 「四次元空間の中の仮想の彫刻(=未来の美術?)」
工藤健志(青森県立美術館学芸員)
 「成田亨が残したもの」「試論 成田亨と鬼、あるいは〈芸能〉を継ぐ者」
田中聡(映像作家) 「他界の扉」

●目次
成田亨プロフィール 成田亨のこと
成田流里 感謝の言葉
成田カイリ 序にかえて──「成田亨  美術/特撮/怪獣」展の開催に至る、およそ15年の経緯

1 |初期作品 1950-60年代

2 |ウルトラ 1965-67年

   2-1|ウルトラQ

    特撮美術の作業  成田 亨

   2-2|ウルトラマン

    ウルトラマンの頃  成田 亨

    メカニズム・デザインについて  成田 亨

   2-3|ウルトラセブン

3 |マイティジャック 1968年

4 |ヒューマン 1972年

    ヒューマン怪獣──風船獣の闘い  成田 亨

5 |バンキッド 1976年

6 |マヤラー/ Uジン  実現しなかった企画案1  1970-80年代

7 |未発表怪獣 1984-87年頃

    天空獣のデザインの発想  成田 亨

8 |モンスター大図鑑 1985-86年

9 |日本・東洋のモンスター 1980-90年代

10| MU /ネクスト  実現しなかった企画案2  1989年+1990年代

11|1970-90年代の絵画・彫刻

    阿部合成先生の思い出  成田 亨

12|特撮美術

    原爆を撮る  成田 亨"

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 展示会の図録として出版される「B5判変型 並製 400頁(カラー312頁)」という大部の作品集。
 これは、保存用と閲覧用、二冊、欲しい(^^)。
 上の見本を見てもわかるが、まさに前衛彫刻と怪獣の親和性が高い。我々世代は成田さん他の、怪獣作品のこの感覚に直撃受けて、その後の美術観が決定されていると考えられるので、正にたまらない美術書!!

 我々世代のアートは、この画集の表紙にあるガラモンの不思議な視線を、これはいったい何なのだろう、と幼少期に感じたところから全てが始まったと言っても過言ではない(^^;)。

◆関連リンク
成田 亨, 富山県立近代美術館, 福岡市美術館, 青森県立美術館『成田亨作品集』
 開催3館のショップで購入すれば、ヒューマンサインの復刻版が付いてくるとのことです。

◆当Blog関連記事
■感想 成田亨『特撮と怪獣 わが造形美術』『特撮美術論』

" シュルレアリスムかどうかはともかく(^^;)、成田亨氏が影響を受けたという「半抽象」の彫刻家リン・チャドウィックの作品を見るとウルトラ怪獣かエヴァの使徒かという大胆な形態である。とくに"Inner Eye"という作品などは、まさにヱヴァの使徒(^^;)。  あきらかに西洋の抽象的な造形美術の影響が、ウルトラ怪獣に影響を与えていたことが確認できたのは、大きな収穫であった。"

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2014.07.21

■感想 ダグ・リーマン監督『オール・ユー・ニード・イズ・キル : All You Need Is Kill』


▶ Edge of Tomorrow (2014) Making of & Behind the Scenes - YouTube

 ミッドランドシネマ名古屋空港 XpanD方式 3D 吹替版で鑑賞。
 タイムリープの
スピーディな緊迫感とトリッキィな展開に満足。ゲームはほとんどやらないのだけれど、まさに主人公の経験値の上がり方はゲームそのもの、これが独特のユーモアと爽快感を形作っていて、とにかくグイグイと見せられる。

 僕が特にこの映画に惹かれたのは、
中盤位からのリタ・ヴラタスキ軍曹の諦めず前進する「意志」の映画の部分。まさにゲーム的という受け止め方も出来るけれど、リープし続けるウィリアム・ケイジ二等兵とは違って、既に死から逃れられなくなっている、リタの人類の勝利への希望の希求が、まさに映画の光になっている。
 それに引きずられる様にして戦闘力を上げていくケイジの描写も無駄がなく壮快。

 このネヴァーギブアップの兵士の意志は、ジェームス・キャメロン『ターミネーター』の再来的な輝きをこのSF映画にもたらしている。

 なので、前半に比べて批判も多い後半、ケイジとリタがタイムリープから解き放たれて自らの生命を真剣に掛けて敵を殲滅する部分も、僕は意志の完遂のシーンとして心地よく観た(^^)。

 さて映像として3D部分、冒頭の対異星人ノルマンディー作戦の緊迫感と後半の一人称でのルーブル攻略、このあたりでまさに3Dの臨場感が最大に発揮されて、なかなか素晴らしい映像だった。
 異星人ギタイ(これは音から"擬態"だと思い込んで観てたw)の3D描写もなかなかのもの。特にアルファの青白く光る顔の造形は秀逸。オールドファンは『禁断の惑星』イドの怪物を思い出した人もいるのではw、あの造形をリアルにして、しかも立体視できるわけで、SF異星人映像ファンにも一級品としてお薦めします(^^)。

Kev Jenkins: Edge of Tomorrow
 リンク先は、初期に作品に関わったらしい、コンセプトアーティスト ケヴィン・ジェンキンスのイメージスケッチ。これが立体視でスピーディに動く映像となっており、出色の出来(^^)。画像を引用したいけれど、ネタバレになるので止します。
 映画を既に観られた方は、素晴らしいコンセプト画を是非御覧あれ。

◆関連リンク
日本のSF小説がハリウッド映画に!評論家達から熱いレビューを集める『オール・ユー・ニード・イズ・キル』 - Togetterまとめ
 著名人のコメント(こちらは宣伝文句)と、一般ファンのつぶやき。
▶ 宇多丸が映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』を語る - YouTube
 TBSラジオ 『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』「週刊映画時評 ムービーウォッチメン」。自身の独特のヒーロー像をうまくとらえて魅せるトム・クルーズの演技に5億点wが出ています。
桜坂 洋, 安倍 吉俊『All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)』

"「出撃なんて、実力試験みたいなもんじゃない?」敵弾が体を貫いた瞬間、キリヤ・ケイジは出撃前日に戻っていた。トーキョーのはるか南方、コトイウシと呼ばれる島の激戦区。寄せ集め部隊は敗北必至の激戦を繰り返す。出撃。戦死。出撃。戦死―死すら日常になる毎日。ループが百五十八回を数えたとき、煙たなびく戦場でケイジはひとりの女性と再会する…。期待の新鋭が放つ、切なく不思議なSFアクション。はたして、絶望的な戦況を覆し、まだ見ぬ明日へ脱出することはできるのか。"

オール・ユー・ニード・イズ・キル - Wikipedia
Hiroshi Sakurazaka『All You Need Is Kill』洋書
 この映画、傑作なのに、残念ながらアメリカではヒットしていないらしい。
 これを機に日本SFが大量に映画化されることをファンは夢見ていたのだけれど、、、w。

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2014.07.16

■感想(その2) 宮崎駿監督『風立ちぬ』 夢の絶望の骨格

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 劇場で一度観ただけの宮崎駿『風立ちぬ』、ブルーレイで再見。
 この映画のラスト、こんなに暗黒でしたっけ。今回のこの映画の印象はとにかく暗黒。
 ラストの菜穂子のセリフが現在のバージョンと異なり、元々は「い」を抜いたものだったということを知って、今回はそのように聴いてしまったからかもしれない。

 ストーリーテリング的には、散漫に見えていた夢のシーンと現実の設計屋の物語と恋愛、そして軽井沢でヒットラー政権について「ならず者の集団」と語るドイツ人カストルプのシーケンス等が、見事に暗黒のラストへの一本の強固な骨格を持っていたことがわかった。

 その骨格で考えると、少年の二郎の夢から始まる冒頭についても、何だかとても絶望的に見えてくる。純粋な少年の夢は、いつしかカストルプが予見した「破裂」をその郷土にもたらす。技術の美しいものを求める夢が日本をどんな絶望に引き込む一端を担ったか。

 映画に張りを与えている、この時代の登場人物達に付与された人の矜持というようなものも、所詮はこの暗黒への道を修正することはできなかったというある意味、人の世の絶望感を表現している。

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 そして恋愛のシーケンス。
 男の身勝手な夢の世界、という批評が多くあったが、衰弱した菜穂子の横でタバコを吸う二郎をあえて描いていることから、まさに宮崎駿がそういうことを、この映画で露骨に描こうとしていたことがよくわかる。

 男の夢の様な女性との恋愛生活は、その身勝手ゆえに、そこに絶望を引き込む。  恋愛シーケンスは、美しい短い時を終え、おそらくは病床で生の終着する場として醜い姿で苦しんで死んでいっただろう菜穂子の、去っていく後ろ姿で終わっている。菜穂子のそんな姿を観客に幻視させて、すぐ場面は九試単戦の試験飛行。
 その成功の時に二郎の心はそこになく、、、。
 場面は続いて日本の破裂と、あのカプローニとの夢の王国の変わり果てた姿であるゼロの墓場を映し出す。このクライマックスの演出のノワールな切れ味は凄い。

 徹頭徹尾、夢の結果としての破裂と絶望を描こうとしたのが、この宮崎駿最後の長編漫画映画だったのかもしれない、と二度目を見終わってその宮崎の暗黒を覗き込んで戦慄した。ラストのセリフの改変は、おそらくそんな絶望を漫画映画で振りまいてはいけない、という宮崎の最後の漫画映画魂だったのではないだろうか。

 でも今、時代は宮崎がこの映画でたぶん訴えたかっただろう破裂への警告を何事もなかったかの様に受け流し、矜持すらない我々現代人は、もしかしたらその破裂へと突入していこうとしているのかもしれない、、、。

 311後、反原発を積極的に訴えていた宮崎が、集団的自衛権について何のメッセージも発していないのも気になる。もう既に絶望を描いてしまった宮崎は、現在への警鐘を無意味なものと考えているのだろうか。

 今回、僕にこの映画が、暗黒の側面を見せたのは、2014年の政治の動きが大きく影響していることはたぶん間違いない。

◆関連当Blog記事
■感想 宮崎駿『風立ちぬ』 大漫画映画!!
 初見の感想。上の感想と比較すると、全く宮崎が描こうとした骨格を理解していないことがわかりますw。

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2014.07.14

■情報 押井守監督『ガルムウォーズ 最後のドルイド』予告篇上映される@トロント "GARM WARS: THE LAST DRUID" Trailer


TECHNO/HUMAN: The Films of Mamoru Oshii Teaser | TIFF Bell Lightbox 2014 - YouTube.

"TIFF presents: Techno/Human: The Films of Mamoru Oshii
July 12 - 25, 2014

Don't miss In Conversation with... Mamoru Oshii on July 12 at 6:30pm.

The visionary director of the fantastically influential anime hit Ghost in the Shell joins us for this rare onstage interview to discuss his long and multi-faceted career in animation, live action, television, film, radio, and manga."

TIFF.net | Techno/Human: The Films Of Mamoru Oshii

"7/12 『攻殻機動隊』
7/13 『スカイクロラ』
7/18 『機動警察パトレイバー』
7/13 『機動警察パトレイバー2』
7/13 『イノセンス』"

 トロントで開催されている押井守の回顧上映イベントのPR動画。
 『GARM WARS』Khara役のMélanie St-Pierreさん他の以下ツイートによると、なんとそのイベントで『GARM WARS』予告篇が7/12に上映されたそうです!
★引用した動画にその予告篇は残念ながら入っていません。今のところ、ネットにもアップされていないようです。

Twitter / MelanieStPierre

Just saw our Garm Wars trailer, I am barely containing myself!!!!!! So incredibly proud. #ICWOshii

Twitter / SKonMovies

The audience was shown a preview a Mamoru Oshii’s next film GARM WARS: THE LAST DRUID, which looks like a live action anime film.

Twitter / animeresearch

Oshii is previewing Garm Wars footage at his talk in Toronto. Wish I was there right now!

Twitter / 検索 - #ICWOshii
 こちらはカナダの押井ファンたちのtwitterのハッシュタグ。イベントでの押井監督の満面の笑みがスナップされています。それにしても頬っぺたに指は止めて下さい、監督(^^;)。

Anime grows up: TIFF retrospective celebrates work of Mamoru Oshii | Toronto Star

"Speaking through a translator in a phone interview last week from Montreal — where he’s finishing work on The Last Druid: Garm Wars, a Japanese/Canadian co-production that’s also his first film in English — Oshii explains that his often-futuristic films reflect the reality around him as the gap between humans and machines narrows.

Oshii continues to speculate about the results of the intensifying synthesis of human and high-tech. He says that his goal with The Last Druid: Garm Wars — which, like many of his recent features, is not strictly anime but a mix of live-action and digital animation — was “to portray how humans are intertwined or fusing with technology.”

Though the filmmaker is reluctant to divulge much about the new movie’s contents before he knows whether it’ll be in the lineup for the fall festivals (including TIFF), he does believe it represents a new frontier for his work. “It does not take place on the Earth,” he says. “This is the first time I’ve done a real fantasy film.”"

 トロント国際映画祭に関連した日本アニメの回顧上映にちなんで、現地マスコミがモントリオールで『ガルムウォーズ』の仕上げをしている押井守に先週電話インタビューした記事。

 『ガルムウォーズ』に関するコメントを抜粋しました。要約すると下記の様なことが述べられています。

"『ガルム·ウォーズ:最後のドルイド』は押井守が、人間とハイテクの融合に関する思索を描く彼のゴールと言っている。映像は、実写とデジタルアニメーションのミックスで、人間と技術の融合を描写する。

 今秋の映画祭にこの映画がラインナップされるかは語られなかった"

 一体我々はいつこの異世界に出会えるのだろう…。

 STAP細胞についてもコメントしてるが、監督、これは少し古い認識では(^^)??

Interview: Mamoru Oshii | Dork Shelf
 こちらにも別のインタビュー記事。『ガルム戦争』については触れられていません。

◆関連当Blog記事
■情報 押井守監督 新作『The Last Druid - GRM Wars ( ザ・ラスト・ドルイド : ガルム・ウォーズ )』(『ガルム戦争 最後のドルイド』(?)) 幻の『ガルム戦記』がついに実写英語映画として実現!
■八王子市夢美術館「押井守と映像の魔術師たち」 『ガルム戦記 G.R.M. THE RECORD OF GARM WAR』

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2014.07.09

■動画 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY:ウルトラファクトリー『アートバラエティー番組「アーホ!」オープニング』


「アーホ!」オープニングbyウルトラファクトリー - YouTube

"2014/07/05 に公開
フジテレビ・アートバラエティー番組「アーホ!」オープニング。
京都造形芸術大学ウルトラファクトリー制作。"

【本日放送!】ウルトラファクトリーがオープニング映像を制作『アーホ!』(フジテレビ系列) | 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY

" 千原ジュニア、中川翔子、岩渕貞哉美術手帳編集長がアートを新しい切り口で紹介する、世界がかわるバラエティー『アーホ!』。これまで関東地区でのオンエアでしたが、今回は全国ネットで放送されます。このスペシャル版に合わせ、ウルトラファクトリーは番組のオープニングを制作しました!工房での燃えあがる作業やダンス(!)、 縁のアーティストたちの映像など盛りだくさん詰め込んでいます!

 なお、番組にはディレクターのヤノベケンジもゲスト出演。放送は今夜。ぜひご覧ください!

『アーホ!』 放送日時:2014年7/5(土) 23:10-23:55"

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 『アーホ!』 のオープニングがYoutubeで正式公開されていたので御紹介。
 ウルトラファクトリーの美麗な女性の登場シーンから、美術工房の秘密基地的たたずまいと学生さんたちの創作活動。京造構内の「ジャイアント・トらやん」の勇姿に続きヤノベ作品と、明和電機の代表取締役社長 土佐信道氏および名和 晃平『MANIFOLD : マニフォルド』 他、ULTRA FACTORY縁りの作品が続々と登場する。ヤノベファン、美術工房ウルトラファンには必見のフィルムです。
 この番組、毎週放映になって、このオープニングが本物のテレビシリーズの冒頭で流れる様になったら、素晴らしいですね。

◆関連リンク
Twitter / yanobekenji(ヤノベケンジ氏)

"「アーホ!」映像 by ウルトラファクトリー。ファクトリーで行われている数々のウルトラプロジェクトの映像も詰め込まれています。果たして皆さん全部の作品、作家を確認できるでしょうか?踊っているのは全員現役ウルトラ学生です。"

新発見アートバラエティ『アーホ!』(Facebook)
アーホ - TANGO!
 tweetまとめ。
京都造形芸術大学 (kuad_official) Twitter

当Blog関連記事
情報 名和 晃平『MANIFOLD : マニフォルド』+大友克洋『AKIRA』

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2014.07.07

■予告篇 フィリップ・K・ディック原作、ジョン・アラン・サイモン監督『アルベマス : Radio Free Albemuth』iTune公開中


▶ Radio Free Albemuth trailer - YouTube(予告篇)
Radio Free Albemuth - Movie Trailers - iTunes(本篇。有料)

 P・K・ディックの『ヴァリス』シリーズの一冊『アルベマス』が映画化されていた!

 John Alan Simon監督(IMDb)というアメリカの監督による劇映画。
 このジョン・アラン・サイモン監督、何作かプロデュース作品はあるけれど、監督作品はまだこの一本だけのようです。

 

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 Radio Free Albemuth (film) - Wikipediaによれば、June 27, 2014から iTuneで$19.99で視聴可能。初公開されたのはFebruary 25, 2010、Sedona Film Festivalで上映されたとのこと。一般公開は、2014年の6月、iTuneによるものが初のようです。

 この作品『ヴァリス』の原型で、いにしえ読んだが殆ど忘れているw。
 読み直してから、映画を観てみようかな。

◆関連記事
Radio Free Albemuth (2010) - IMDb

"Radio Free Albemuth (2010) 111 min  -  Drama | Sci-Fi  -  27 June 2014 (USA)"

P. K. ディックの《ヴァリス》シリーズのあらすじ紹介 (Outline of VALIS)

"1. 『アルベマス』(Radio Free Albemuth) P. K. ディック著、大瀧啓裕訳、     創元 SF 文庫 1995 年(サンリオ SF 文庫 1987 年)

 『ヴァリス』の原型。 SF 作家の フィリップ・K・ディックとレコード店で働くニコラス・ブレディは友人である。 時代は正に獣数字 666 (= F. F. F.) を頭文字に持った男、 フェリス・F・フレマウントが大統領になろうとしていた。 共産主義者狩りの嵐の吹き荒れる中、ニコラス・ブレディは、 神からの啓示を受けることになる。 この世は自分が創造主であると誤解している狂った神性の支配 する世界であると。 そしてフレマウントは狂った神性の手先となり、真実に目覚め狂った神性の支配を抜けようとするものを抹殺しようとしているのだと。 レコード会社に就職し、自分で歌手をプロデュースすることができるようになったニコラス・ブレディは、フレマウントを失脚させるために、 サブリミナル・メッセージ入りのレコードを発売しようとする。 しかし、発売を前にニコラスらは逮捕されてしまう。 射殺されたニコラスに続いて、ディックも逮捕されてしまう。 体勢に迎合するようなSFを書くことを拒否したディックは刑務所の中で、サブリミナル・メッセージ入りの音楽を耳にする。 ニコラスらは、おとりの役をさせられていたのだ。 神の計画は別なところでも進行していたのである。"

フィリップ・K・ディック, 山形浩生訳『ヴァリス〔新訳版〕』(ハヤカワ文庫SF)

"友人グロリアの自殺をきっかけにして、作家ホースラヴァー・ファットの日常は狂い始める。麻薬におぼれ、孤独に落ち込むファットは、ピンク色の光線を脳内に 照射され、ある重要な情報を知った。それを神の啓示と捉えた彼は、日誌に記録し友人らと神学談義に耽るようになる。さらに自らの妄想と一致する謎めいた映 画『ヴァリス』に出会ったファットは…。ディック自身の神秘体験をもとに書かれた最大の問題作、新訳版!"

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2014.07.04

■情報 Session-22「沖縄戦とはどんな戦いだったのか?(探究モード)」


荻上チキ・SS22 沖縄戦とはどんな戦いだったのか? - YouTube
2014年06月24日(火)「沖縄戦とはどんな戦いだったのか?」(探究モード) - 荻上チキ・Session-22

 沖縄戦、不勉強にしてここまで凄絶な戦争だったことを知りませんでした。
 本土兵士の差別意識から日本軍に殺害された多くの住民、食糧の奪合いから殺しあう兵士、アメリカ軍の温情から住民に与えられた食糧を殺して奪う兵士…。

 そして最後に登場したNPO 沖縄国際平和研究所 大田昌秀理事長の実体験に基づく言葉が鮮烈だった。 これらの御話から、頭の中に広がったイメージは、台湾の抗日暴動・霧社事件を描いたウェイ・ダーション監督『セデック・バレ』を超える超絶なドラマである。

 今の日本ではあり得ないだろうが、これを日本で映画として記録し、この凄絶な現実を現代の人々に再生し体験させることがあるとしたら、ラストは人類に絶望した大田青年が、日本国憲法の条文を見て涙し回復のきっかけを得るシーンがふさわしいのかもしれない。

 68分のラジオPodcastで『セデック・バレ』に迫る疑似体験をした様な濃密な時間を過ごせたので、簡単ですが御紹介しました。

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2014.07.02

■情報 『攻殻機動隊』大原画展

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攻殻機動隊 大原画展

"世界を揺るがした士郎正宗の『攻殻』誕生から25周年。漫画だけに留まらず、TV、映画と、今なお世界を拡げ続けている『攻殻機動隊』。近未来の世界観を描いた色褪せることない漫画原稿からアニメーションの原画、セル画まで一挙展示!! ここでしか手に入らないオリジナルグッズも販売!!

■会場:西武池袋本店 別館2階=西武ギャラリー
■会期:2014年8月8日(金)~20日(水)

■会場:阪神梅田本店 8階催場
■会期:2014年8月27日(水)~9月8日(月)"

作画@wiki - 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊

"作画監督:黄瀬和哉、沖浦啓之
原画  井上俊之  川崎博嗣    岡村天斉  江村豊秋  竹内敦志  安藤真裕  新井浩一    江口寿志    村木靖  磯光雄  荒川真嗣    星和伸    丹沢学  大島康弘  石井明治  谷津美弥子  大川弘義  川名久美子  伊藤嘉之  吉原正行  田中雄一    斎藤哲人    小村方宏治  佐々木守  橋本敬史  浜洲英喜    黄瀬和哉    沖浦啓之"

 1995年11月に公開された『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』20年目の原画展。上のリストで、アニメータの名前を眺めると、蒼々たるメンバーであることがわかると思う。僕は井上俊之、磯光雄、橋本敬史、黄瀬和哉、沖浦啓之氏らの原画を観てみたいが、果たして今回の展示は、その原画家の名前はクレジットされているのだろうか。

『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 原画集』 (Amazon)

"20年の時を経て、今明かされる奇跡の原画群――。 超貴重な押井守監督演出指示入り原画を含む、全1082点収録。 ファン垂涎の完全保存版! 全288頁、1082点の原画を収録した大ボリューム! 現アニメ界を牽引する、一流アニメーター達の美麗原画を徹底収録。 時系列順に配置された原画で、ストーリーを追える仕様を実現。 押井守監督の演出指示入り未公開原画をテキスト付で収録。"

 同時に発売されるこの原画集と原画展の作品数の関係は不明だけれど、おそらくこの原画集が展覧会の図録の位置づけで、掲載作品は展示作品と合わせてあるのではないかと想定される。中味を確認したいものです。

◆関連リンク

・「GHOST IN THE SHELL」原画集発売 公開から19年、押井監督指示入り含む全1082点 | アニメ!アニメ!

"収録された原画は、288ページに全1082点にも及ぶ。原画は時系列順に配置され、ストーリーを追ながら国内のトップアニメーター達の原画を堪能出来る。なかには押井守監督の演出指示入り未公開原画をテキスト付で収録したものもある。制作時のライブ感も漂う資料価値も高い一冊である。 価格は3500円(税別)で、8月8日から東京・西武池袋本店で、8月27日から大阪・阪神梅田本店で開催される「攻殻機動隊大原画展」でも特別販売される。『攻殻機動隊』25周年に相応しい企画となっている。"

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