■感想 フアン・ソラナス監督『アップサイドダウン 重力の恋人』
▶ 映画『アップサイドダウン 重力の恋人』予告編 - YouTube
★★予告篇ネタバレ注意★★
白紙で観たい方は、予告篇禁止ですw。
" アルゼンチンのフアン・ソラナスによるSFロマンス。二つの惑星が重力で上下に引き合う世界を舞台に、上下別々の星で暮らしていた男女の運命的な恋の行方を映し出す。
主演を務めるのは、『ラスベガスをぶっつぶせ』などのジム・スタージェスと『メランコリア』などのキルステン・ダンスト。自然や都市が上下に広がる世界の不思議なビジュアルはもちろん、ロマンチックな物語も魅力的。"
フアン・ソラナス監督『アップサイドダウン 重力の恋人』録画観。
イアン・ワトスンの奇想SFと、ロバート・F・ヤングのロマンティックSFの合体(^^)。特に"アップサイドダウン"な奇想世界を描いた、超絶ビジュアルは素晴らしい。この映像を観るだけでもこの映画価値があると思う。
物語は、ちょっと砂糖菓子的で甘過ぎるのだけれど、この異世界設定のディテール アイデアが楽しくって(主人公のジム・スタージェスが良い)、みせる。映画的なヴィジュアルに溢れたこの異世界は、映像アイディアの宝庫と言ってよい様な魅力的なもので、公式HPのプロダクションノートにあるように監督とプロデューサーがこの設定に関して、1000のアイデアが出たと描いてあるけれど、いたく映画的な想像力を刺激する。
科学的な理由付けはあとで考えれば良い派の僕はw、この奇想イメージ喚起力にノックアウト(^^)。
ビジュアルにはテリー・ギリアムの影響も伺え、バロック的な風情が超絶奇想映像に趣きを加えている。特に山岳地帯の描写、飛行船の空の廃墟のイメージは素晴らしい。特に後者を使ったアクションはビジュアルとして出色。(最後、重力の関係が破綻している様に見える部分もあるけどw、そこはご愛嬌。)
設定は超科学的wで、御都合主義も多く気になるところ満載かもしれないが、それらの不備を補ってあまりある魅力がこの映画にはある。一部読んだネットの感想は概ねこの映画に否定的なのは、そうした説明不足や設定の一貫性のなさを指摘している。確かにその部分をもっとシナリオを練って観客に理解できるロジックを追加していたら、まさに傑作になっていたかもしれない。
加えてこの奇想ビジュアルが、なんでSFファンの間で評判になっていなかったのか、不思議。(SNSでも評判になっていなかった様な…というか僕が知らなかっただけかもしれないが、、、。というかこの科学無視した設定が受け入れられなかったのか…w)
この映画、製作費 $50,000,000に対して、興収 $8,106,475ということで大コケだったようだけれど、続篇もしくは枝篇を観たいのは僕だけだろうか。超絶ビジュアルの宝庫だけに今後の発掘を望みたい。
小物ネタで、上下世界の両方から花粉を運ぶ「ピンクミツバチ」とか、流体の混合による浮遊とか、詩的SF世界を広げるアイディアを発展させた映像をもっと観てみたい。
逆さまシーンがこけおどしだったクリストファー・ノーランの『インセプション』観てる暇があったら、この映画を応援しよう(^^;)!!
◆関連リンク
こちらはメイキング。あの重力靴のシーンはこんなセットで撮られていた!
・Upside Down - Rotten Tomatoes
・『アップサイドダウン_重力の恋人』wikipedia
・『アップサイドダウン_重力の恋人』公式HP
・ジム・スタージェス - Wikipedia
・『アップサイドダウン 重力の恋人』(Blu-ray)
"★映像特典
●メイキング
●イラスト・CGメイキング
●未公開映像
●絵コンテ比較映像"
これは観てみたいです。安くなったら、買おうっとw。
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