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2014年12月

2014.12.24

■予告篇 岩井俊二監督『花とアリス殺人事件』


映画『花とアリス殺人事件』予告編 - YouTube

 岩井俊二監督の新作は何と長篇アニメーション。
 制作は、岩井監督のロックウェルアイズと、プロダクションI.G.と関係の深い、スティーブンスティーブンとのことで期待です(スティーブンスティーブンは、神山健治監督がCEO、石井朋彦プロデューサーが取締役)。

 この作品、ロトスコープかと思ったら、STEVE N' STEVEN (スティーブンスティーブン)石井朋彦さんがFacebookで「メインキャラクターセルルック3DCG、サブ&モブキャラクターは2d作画のハイブリッド制作」と語られていましたのでロトスコープではないようです。

 ロトスコーピングタッチで描かれるアニメーション、前作の『花とアリス』のあの世界をどんな雰囲気につむぐのか、期待です。

映画『花とアリス 殺人事件』特報 - YouTube
 こちらの岩井監督の絵コンテを使った予告篇もいいですね。

岩井×庵野×樋口で名画をひもとく 朝日新聞デジタル

"  NHK・Eテレで新番組『岩井俊二のMOVIIE ラボ』(毎週木曜 後11:00~45)が来年1月8日にスタートすることが17日、明らかになった。映画監督の岩井俊二氏が主宰し、新旧の名作を題材に 映画の新たな魅力を紹介する。各回テーマをもうけ、内容にふさわしいゲストとともに、あの名シーンは実はこうして撮影された、など名作が名作たるゆえんを 映画人ならではの視点でひもといていく。

 第1回「SF」、第2回「特撮」のゲストには、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』などで知られる庵野秀明氏と、実写版『進撃の巨人』(来年8月・9月に公開)を手がける樋口真嗣氏が出演。"

 そして岩井ファン、映像ファンにたまらないこうした番組の企画があるそう。
 来年年初めに「SF」と「特撮」ということで、これは見逃せません。

◆関連リンク
▶ タウンワーカーズ 第一話「初めての潮の香り」 - YouTube
 こちらは岩井監督によるロト・スコープアニメ。3本の短篇が公開されています。
初のアニメ監督に挑んだ岩井俊二が語る、トライ&エラーの楽しさ - 映画インタビュー : CINRA.NET.

「20年前からやりたかった」というアニメーション技法・ロトスコープへのこだわりとその制作過程、さらに彼のクリエイションに対する姿勢について話を聞いた。

―その次が2009年に横浜開港150周年記念作品として脚本とプロデュースを担当された『BATON』でしょうか。 岩井:『BATON』は役者をキャスティングした上で、ロトスコープをやろうというアイデアが最初からあり、監督をお願いした北村龍平さんもアニメに結構詳しくて、アメリカの制作チームを連れてきて作りました。そこで手応えを掴むと同時にいろんな問題も見えてきて。

 この『BATON』は僕も観ましたが、少し残念な出来でした。

岩井俊二関連当Blog記事 Google 検索
・■岩井俊二監督 『花とアリス』
 10年前の記事。もう前作『花とアリス』から10年以上経つのですね。

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2014.12.22

■動画 ラナ・デル・レイ主題歌『ビッグ・アイズ』(ティム・バートン監督) Lana Del Rey "Big Eyes"


▶ Lana Del Rey - Big Eyes (Official Audio) - YouTube
▶ Lana Del Rey - I Can Fly (Official Audio) - YouTube

 ティム・バートンの新作映画の主題曲を、ラナ・デル・レイが担当しているという!
 この映画のテーマ(白紙で観たい方にとってネタバレになるのでここでは書かないが、興味のある方は以下のリンクでストーリー確認を)と、ハリウッド・サッド・コアと称されるラナ・デル・レイの競演、素晴らしい取り合わせだと思う。
 映画の日本公開は1月23日だということだけれど、劇場に鳴り響くラナ・デル・レイのサウンドと、ティム・バートンの映像とのコラボレーション、とても楽しみである。

◆関連リンク
・映画『ビッグ・アイズ』公式サイト - ティム・バートン監督作品 2015.1 ROADSHOW
 そして映画の公式サイトがこちら。
 予告篇がとても良い出来で期待感は高まる!
・Big Eyes Official Trailer #1 (2014) - Tim Burton, Amy Adams Movie HD - YouTube
Big Eyes - Rotten Tomatoesでは76%と高評価。
・ティム・バートン監督、『ビッグ・アイズ』NYプレミア | シネマカフェ

"第72回ゴールデン・グローブ賞で、ミュージカル・コメディ部門「主演女優賞」、同「主演男優賞」、さらにラナ・デル・レイの「Big eyes」が「主題歌賞」と3部門にノミネートされた"

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2014.12.17

■感想  クリストファー・ノーラン監督『インターステラー : interstellar』

20141111_endurance_saturn

映画『インターステラー』オフィシャルサイト
 本格的なSF映画だった。
 土星を航行する宇宙船。無音の宇宙に、飛行士の聴く虫の音が背景音として鳴っているシーン、そんなところにこの作品のスタッフのSFマインドを感じた。

 『インセプション』では予告編の、まるでクリストファー・プリーストのような奇想イメージに痺れたが、魅力的なテーマ設定にもかかわらず、本篇はあまり感銘を受けなかった。しかし今回は、全篇に満ち溢れるSFイメージを堪能しました。

 ストーリーはあちこちで言われているように、マスターピース『2001年宇宙の旅』、『コンタクト』等、そうした星間旅行ものの影響を、あきらかに強く受けている。しかし落ち着いた映像シーンを積み上げていくノーラン監督の手腕は、それらインスパイア作品をある部分、全体の物語との融合で超えるようなイメージも提示して観客を興奮させる。

 特に『2001年宇宙の旅』への挑戦。今までのどんな他の映画より、映像が2001年ルックになっていると思ったのは僕だけだろうか(『2010年』とかよりもw)。
 ただ報道カメラマンが撮ったかのような、キューブリックのクールな客観性とは少しちがう。ドキュメント色は薄い気がした。
 それはこの映画が徹底して一人称的映像優先で撮られていたかもしれない。
 打ち上げシーンですら、本来一番絵になるロケットの全体を客観的に捉えた画面が出てこない。主人公たちが乗る宇宙機もなかなかその全身像は出ない。
 これはノーラン組の演出意図が強く働いているのだと思う。
 クールな絵作りは『2001年』に似ているが、客観視点でないため、別の映像担っているのだと思う。

 映像的には、ダストボールと津波とか、雲が凍る惑星とか見所が多い。5次元の奇想映像も、ちょっとカチッとデザイン的になりすぎているのは今ひとつだけれど、なかなか奇想なイメージである。


INTERSTELLAR Featurettes - Behind The Scenes (2014) Matthew McConaughey Sci-Fi Movie HD - YouTube
 今作もノーランの今までの作品に続き、IMAXカメラで撮られていたらしい。
 そして今回の新兵器と言われている手持ちIMAXカメラ。3'20"あたりから手持ちの様子が観られます。それにしてもでかいのでカメラマンは大変でしょうね。
 


★★★★★★★★★以下、ネタバレ注意★★★★★★★★★★

 氷の星で待つマン博士(マット・デイモン)。生存本能と人類救済の意志から、主人公と肉弾で殺し合う極限的描写。これは凄みがあった。
 荒涼とした厳寒の大地で、ひとり、マン博士が過ごした極限を想像する。人類の生き残りという高邁な種の行動と、それを阻害する個人の限界。
 アクションを狙ったシーンだったのかもしれないが、ここの極限が種と個人というSF的なテーマを想起させて、先に述べた土星のシーンと合わせて、僕が今回この映画で最もSFを感じたシーンだった。

 あと、小ネタだけれど、冒頭のアポロは月に行かなかった、という教育が行われている未来社会。インド空軍の太陽光発電で飛び続けるドローンとか、静かなイメージで終末を描くシーンがいい。
 
 5次元のシーンは、ぜひ3Dで観たかったが、ノーランは6-70年代の映画のテイストを画面に刻み込むため、フイルムで撮るという人なので、やはり3Dを期待するのは無理でしょうね。

◆関連リンク
インターステラー - Wikipedia
Discovery Channel The Science of Interstellar - YouTube
・「ガルガンチュア」のメイキング2本。
Rebuilding the INTERSTELLAR black hole | Shanks FX | PBS Digital Studios - YouTube
 こちらは超アナログな特撮によるメイキング(^^)。Shanks FXというSFXスタジオの作品。魅力的ですね。
Interstellar – Building A Black Hole – IN CINEMAS NOW - Official Warner Bros. - YouTube
 理論物理学者キップ・ソーンの指揮によるシミュレーションメイキング。もちろん本物はこちらw。

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2014.12.15

■予告篇 ロバート・ゼメキス監督『ザ・ウォーク : The Walk』


The Walk - Official Trailer - YouTube

 ゼメキスの新作は、高所恐怖症の方には地獄w。
 しかも3D。ゼメキスは3D映画の先駆けとして立体視を先導して進めてきた監督なので、まさに3Dにうってつけなこのテーマに期待せずにはおれません。

 まだ情報が多くないので、予告篇と以下プラスαですが、今後も続報したいと思います。
 
綱渡り師フィリップ・プティを描く『The Walk』の予告編解禁!予告へ足がすくむスリルがたまらない!〜ロバート・ゼメキス監督×ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演〜 - A LA CARTE

◆関連リンク
The Walk (2015 film) - Wikipedia, the free encyclopedia

・【映画】マン・オン・ワイヤー|MAN ON WIRE|2008年度アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞受賞作品

"1974年8月7日、フランスの若き大道芸人フィリップ・プティが、当時世界一高いビルであったニューヨークのワールド・トレード・センターのツインタワーに鋼鉄のワイヤー(綱)を渡して、 その上を綱渡りで歩いた。

高さ411m、地上110階という巨大な2つの建物の間にワイヤーを渡して、その上を歩いたのだ。 命綱はない。これに気づいた警官が止めさせようと駆けつけたが、プティはそのまま45分もの間、ワイヤーの上で優雅に踊ったり、寝そべったりしてみせた。 その後、自ら逮捕され刑務所に入れられたが、最終的に釈放された。

許可なく綱渡りをするという違法な行為でありながら、プティのまるで夢を見たかのような綱渡りを見た当時の人々は、この事件を「今世紀最大の犯罪芸術」と呼んだのだった。"

 こちらは映画の元になった綱渡りの達人のドキュメンタリー。

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2014.12.10

■情報 シュヴァンクマイエル映画祭2015 ラテルナ・マギカ「魔法のサーカス」上映

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シュヴァンクマイエル映画祭2015が東京・渋谷で開催 -『アリス』を含む22作品を一挙上映 | ニュース - ファッションプレス

"期間:2015年2月下旬
場所:シアター・イメージフォーラム
住所:東京都渋谷区渋谷2-10-2

※その他の劇場について
神戸:神戸アートビレッジセンター、京都:京都みなみ会館、大阪:シネ・ヌーヴォ、名古屋:名古屋シネマテーク、札幌:シアターキノなど各地で2015年4~6月、順次上映予定。

【プログラム】
・Aプログラム 『アリス』(1988/84分)
・Bプログラム 『オテサーネク』(2000/132分)
・Cプログラム 『サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生-』(2010/108分)
・Dプログラム 短篇7作(計97分)
 『魔法のサーカス』(1977/9分)、『棺の家』(1966/10分)、『エトセトラ』(1966/7分)、『ドン・ファン』(1970/33分)、『コストニツェ』(1970/10分)、『レオナルドの日記』(1972/12分)、『アッシャー家の崩壊』(1980/16分)
・Eプログラム 短篇6作(計91分)
 『シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』(1964/12分)、『J.S.バッハ-G線上の幻想』(1965/10分)、『庭園』(1968/17分)、『家での静かな一週間』(1969/20分)、『オトラントの城』(1973-79/18分)、『ジャバウォッキー』(1971/14分)
・Fプログラム 短篇7作(計86分)
 『自然の歴史(組曲)』(1967/9分)、『部屋』(1968/13分)、『対話の可能性』(1982/12分)、『地下室の怪』(1982/15分)、『陥し穴と振り子』(1983/15分)、『男のゲーム』(1988/15分)、『闇・光・闇』(1989/7分)

配給:チェスキー・ケー、ザジフィルムズ、ディーライツ、レン コーポレーション
協力:CZECH CENTRE TOKYO、チェコ蔵(CHEKOGURA)、パラボリカ・ビス(parabolica-bis)"

 ひさしぶりのヤン・シュヴァンクマイエルの映画公開情報です。
 今回もシュヴァンクマイエル映画祭、ということで過去の作品を回顧的に上映するイベントになっているようですが、日本初公開(たぶん)となるのは、シュヴァンクマイエルが人形演出をした、ラテルナ・マギカ(プラハの、映像とパントマイムを組み合わせた演劇を上演する劇場)の舞台を収めた短篇「魔法のサーカス」(詳細は下記)。

 シュヴァンクマイエル監督の新作『昆虫:Hmyz(Insects)』は2015年公開との予定でしたが、来年この映画祭に引き続き、公開されるとしたらとても楽しみです。

◆シュヴァンクマイエル 短篇「魔法のサーカス」
 ラテルナ・マギカの「魔法のサーカス」、シュヴァンクマイエル演出分の9分が今回上映される短篇ということのようです。
 このラテルナ・マギカの「魔法のサーカス」の舞台を、僕がチェコで観た時の感想は、以下リンクになります。
チェコプラハ① ヤン・シュヴァンクマイエル他監督  『Kouzelny Cirkus (Wonderful Circus)』
 映像とパペットと人間の役者のパントマイムを融合した独特の舞台。
 シュヴァンクマイエルが担当した部分が素晴らしい雰囲気を持っていたので、今回、この短篇映像でそれが日本にお目見えするのはとても嬉しいことである。

 以下がその「魔法のサーカス」のシュヴァンクマイエル演出シーンも含まれる予告篇。


KOUZELNÝ CIRKUS - LATERNA MAGIKA - YouTube
 チェコシュルレアリスムの魔術的蠱惑の舞台の雰囲気、少しでも感じていただけるでしょうか。

 この芝居は、ラテルナ・マギカの定番プログラムとして、現在もプラハで上演されているようです。
Kouzelný cirkus - Národní divadlo

"Námět: Evald Schorm Scénář: Evald Schorm, Emil Sirotek, Jiří Srnec, Josef Svoboda, Jan Švankmajer, Karel Vrtiška Režie: Evald Schorm, Jiří Srnec, Jan Švankmajer"

Novascena2

Plánek hlediště a ceník - Národní divadlo (劇場公式 たぶん...)
 この素晴らしくゴシックな劇場での魔術的舞台、劇場ごと日本にも持ってきてほしいものです(^^)

◆関連リンク
シュヴァンクマイエル 当Blog関連記事 Google 検索
ヤン・シュヴァンクマイエル『ワンダフル・サーカス』予告編@ラテルナマギカ  Kouzelny Cirkus (Wonderful Circus) @ Laterna "

続きを読む "■情報 シュヴァンクマイエル映画祭2015 ラテルナ・マギカ「魔法のサーカス」上映"

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2014.12.08

■予告篇 押井守監督 実写劇場版『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』

映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』特報 - YouTube
都庁爆撃!実写版「パトレイバー」劇場版タイトルは『首都決戦』! - シネマトゥデイ

"長編劇場版は、この一大プロジェクトを締めくくる一本として、監督・脚本の押井守によって現在も制作が進められている。
2015年5月1日より新宿ピカデリーほか全国公開"

 実写劇場版『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』の新予告篇が出た。アニメ劇場版『機動警察パトレイバー 2 the Movie』にテーマ的に直結する話らしい。今回も、時代に深く牙をたてた犬の姿を見せて欲しいものです。

★★★以下、公式リリースに基づくニュースのようですが、ネタバレ有。白紙で観たい方、ご注意を★★★★★★★★★★

実写版『パトレイバー』最終話、予告編&柘植行人の後ろ姿を公開 | ORICON STYLE

"人気アニメ『機 動警察パトレイバー』の完全オリジナル実写化作品『THE NEXT GENERATION パトレイバー』(シリーズ全7章、12話)の『第7章』(エピソード12「大いなる遺産」)の予告編映像が28日、解禁された。さらに劇場アニメ『パトレ イバー 2 the movie』(1993年)のキーパーソン・柘植行人が登場することも決定的となり、その後ろ姿を捉えた場面写真も公開された。"


『THE NEXT GENERATION パトレイバー』エピソード12『大いなる遺産』予告編 - YouTube

"第7章は押井守監督本人により描かれる『パト2』の後日譚!"

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実写版『パトレイバー』特車二課解体、柘植行人…第7章のポスター公開 | マイナビニュース.

"不穏な雰囲気に 包まれた背景には、「特車二課解体」「ベイブリッジ爆撃」といったワードに加え、「柘植行人」(アニメ映画『機動警察パトレイバー2 the Movie』で鍵となった人物名)や「Ultima Ratio.」(同作で出現した飛行船に書かれていた文字)、「正義の戦争」と「偽りの平和」(ともに同作で竹中直人演じる荒川茂樹の台詞)、さらに過去 となったはずの「幻のクーデター」という言葉が書かれている。"

 柘植行人の登場というのは、まさに『機動警察パトレイバー2 the Movie』ファンには我が意を得たり。あの路線でのハードな実写版を期待するファンは多いでしょう。
 ただ押井実写映画であるので、本当にそのようなストーリーになるかどうかは怪しい、と思うのも押井マニアの多数の見方(^^)。

 いずれにしても、このポスターで表現された、シリアスな刺激的な一本を期待したいと思います。

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2014.12.03

■情報 『不思議の国のあぐ 作品展VII ー彫刻 マリオネット エッチングー : AGU V KRAJINE ZAZRAKOV VII』@名古屋 ギャラリー アートグラフ

Fusigi_no_kuni_nk_agu_vii_smallArtNews.

ふしぎの国のあぐ 作品展Ⅶ
ギャラリーアートグラフ
名古屋市千種区末盛通4-13 第2富士ビル2F

休廊日 毎週火・水曜日

2014年12月06日〜2015年02月16日 12月30日(火)・31日(水)開廊 休廊:2015年1月1日(木・祝) 冬期休廊:1月6日(火)〜14日(水)

 『不思議の国のあぐ 作品展VII ー彫刻 マリオネット エッチングー』@名古屋 ギャラリー アートグラフ、14.12/6-15.2/16。
 タイトルにある"AGU V KRAJINE ZAZRAKOV"は展覧会名のスロバキア語(グーグル翻訳で確認w)。
 是非、観てみたい展示会です。アートグラフさんから案内ハガキを頂いたので掲載します。

 あぐさんは下の画像に引用した案内ハガキで紹介されているように、スロヴァキアで美術を学び、帰国されて東海地区で制作活動をされている女流作家さん。
 前回のアートグラフでの展示会の様子をレポートした当Blogの記事をリンクしましたが、濃密な魔術的な空間が広がる惹き込まれる作品を作られています。
 前回はアニメーションの上映もありましたが、今回はどのようなパペットと映像が観られるか、凄く楽しみです。

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■関連リンク
不思議の国のあぐ 作品展 | sipka official weblog
 前回の展示会を紹介した名古屋大須のsipkaさんBlog
当Blog関連記事
感想 『不思議の国のあぐ作品展VI 』@ 名古屋 ギャラリー「アートグラフ」

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2014.12.01

■感想 ミッシェル・ゴンドリー監督『ムード・インディゴ~うたかたの日々~』Mood Indigo


映画『ムード・インディゴ~うたかたの日々~』(公式HP)

 ボリス・ヴィアン原作の、ミッシェル・ゴンドリー監督の新作、やっと観ました。WOWOWでゴンドリー特集を放映していて録画観。4作品がエントリーされていたけれど、近作なのに『グリーン・ホーネット』が入っていないのは何故。というのは禁句かなw。

 かなり原作に忠実に映像化しているように思う。しかしそれが紛れもなくゴンドリー作品になっているところ、まさにぴったりの原作選定なのだろう。

 前半のレトロでポップな映像が素晴らしい。
 最初のパーティのダンス。足が伸びる(たぶんワイヤで体を釣った)奇妙なダンス。螺旋階段を水平に駆け上る主人公。このポップと軽率の境界をギリギリ踏みとどまるゴンドリーの映像タッチがまず素晴らしい。

 そしてパリの町を飛ぶ雲型ゴンドラ飛行体の透明な半球ドームと虹の極彩色。サイケな色彩に彩られた60年代のSF的テイストを持った、シュヴァンクマイエル手法によるボリス・ヴィアン映画。

 今までの作品で抑えられていたシュヴァンクマイエルレスペクトが、このポップでシュールで陰鬱な複雑な原作を得て、解放されたかのような印象がある。
 それくらい前半は、シュヴァンクマイエル作品の影響がある。

 実写とコマ撮りの境界のない融合。
 冒頭の主人公の邸宅(ペントハウス?)の愉快な動く料理、スケート場のDJをするカラス(? 黒いニワトリ?)、透明な自動車の中、裸の女達とそれを撫でる黒いブラシ。
 特にシュヴァンクマイエル『悦楽共犯者』へのオマージュに溢れた映像になっていると思ったのは僕だけであろうか。

 反転して陰鬱に描かれる、肺の中に咲く睡蓮による悲劇。
 主人公が妻の基へ走るシーン、後ろにつきまとう黒い影人間の映像が白眉。
 しかしこの後半ではシュヴァンクマイエル的な映像レスペクトは抑えられている(あー、でも原作にもある土に埋めた金属を裸の男たちが温めて銃を培養するシーンはヤン先生仕立てかw)。これを後半の息切れと観るべきか、この陰鬱な物語構成にそぐう映像にチェコ流シュルレアリスムは似合わないと考えたゴンドリーのプラン通りなのか、、、ここは監督ご本人に訊いてみないと真相はわからないんでしょうね。

◆関連リンク ミッシェル・ゴンドリー監督 ビョークPV
映画『ムード・インディゴ~うたかたの日々~』コメント.

文学側も映画側も音楽側も納得の映画化。ビョークのデビューPVが永続する懐かしさと斬新さ。 昨今のフランス映画界の充実を代表する永遠に新しい古典。 菊地成孔(音楽家/文筆家/音楽講師)

 というわけで、ここでゴンドリー監督のビョークPVを復習ですw。

▶ Human Behaviour - YouTube(1993)
▶ Björk - Army Of Me - YouTube
▶ björk - isobel - YouTube
▶ Björk - Hyperballad (Official HD Music Video) - YouTube
▶ Björk - Jóga - YouTube
▶ bjork - bachelorette - YouTube
Björk - Declare Independence (Official Music Video) - YouTube
利重剛監督『クロエ』Wikipedia
 日本でも映画化されていたのですね。観てみたい。

◆当Blog関連記事
感想 ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』: L'ECUME DES JOURS
予告篇 ミシェル・ゴンドリー監督『日々の泡 : L'ECUME DES JOURS』

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