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2015年2月

2015.02.25

■情報 ノンフィクションW さらば愛する日本よ~密着・押井守の世界挑戦800日~(『GARM WARS The Last Druid : ガルム・ウォーズ ザ・ラスト・ドルイド』メイキング)

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ノンフィクションW さらば愛する日本よ~密着・押井守の世界挑戦800日~|ドキュメンタリー/教養|WOWOWオンライン 公式HP

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"『GARM WARS The Last Druid』が2014年の東京国際映画祭で特別招待作品として上映された。ある星の部族間で繰り広げられる戦いを描いたもので、実写とCGを融合させた大スペクタクルSF作品だ。 この作品が完成するまでの道のりは決して平たんではなかった。1997年に一度企画が凍結され、再始動できたのは2012年。ハリウッド映画製作等で活用されているカナダ政府による補助金制度を利用した映画製作に取り組むが、想像を超えた制約が大きく、プロジェクトは数々のトラブルに直面する。番組では2012年10月から押井をはじめ、今回初めて海外での実写の映画に挑戦することになり、さまざまな障害に直面するプロダクション・アイジー社長・石川光久らが参加する製作委員会の奮闘にも特別に密着取材。 なぜ押井があえて海外への進出を図るのか?海外での映画製作に取り組み、日本と異なる製作スタイルとの調整を行ないながら、自分の求める映画を追求する彼の挑戦を追う。"

 WOWOWで放映される、押井守監督ドキュメンタリー「ノンフィクションW さらば愛する日本よ~密着・押井守の世界挑戦800日~」(2月28日(土)午後1:00)の予告編映像がリンク先にあります。

 これはまさに『GARM WARS The Last Druid : ガルム・ウォーズ ザ・ラスト・ドルイド』のメイキング番組で、まだどうやら公開は決まっていないようですが、先にメイキングがテレビで観られます。うちはこの日のために(嘘)、昨秋からWOWOWに入っているので、放映が楽しみでなりません。
 それにしても番組タイトル「さらば愛する日本よ」って、押井ファンからすると異常に違和感がありますw。

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 予告篇では上の引用画像に出ている戦車映像も少しだけ見られます。

 この画像にある戦車は、デザインから『天使のたまご』の戦車に酷似しています。動く姿を早く見たいものです。

(『イノセンス』について)"一番手が掛かったところが祭礼の場面です。舞い散っている花びらは、立体感を出すために手前と奥で大きさを変え、形も1枚1枚変えています。4Kだと、背景の3次元の感じ、出てますね。あー、群集も一人ひとり、判別できます。うん、楽しい(笑)。"

 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』『イノセンス』から最新作『GARM WARS The Last Druid』まで4K変換した映像について、押井守が語っています。上の戦車の画像は実はこのページからの引用です。

◆関連リンク
プラスW|WOWOWオンライン

"放送を記念して、押井守監督サイン色紙を5名様にプレゼント! たくさんのご応募お待ちしております。
【賞品】 押井守監督サイン色紙   5名様"

・当Blog関連記事 ガルム Google 検索

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2015.02.23

■予告篇 ギレルモ・デル・トロ監督 新作ゴシックホラー『クリムゾン・ピーク(深紅の絶頂?) : Crimson Peak』


Crimson Peak - Movie Trailers - iTunes.
 ギレルモ・デル・トロの新作ゴシックホラー。2015.10月16日米国公開予定。
 『パンズ・ラビリンス』でスタイリッシュな映像の幻想譚を見せてくれたデル・トロ監督が挑む幽霊ストーリー。予告編映像からは、こだわりの濃密映像空間が漏れ出してきています。日本公開は未定のようだけれど、期待ですね。

Crimson Peak Movie 公式FB
 こちらにスチール等、いろいろ紹介されています。

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▶ Crimson Peak Gothic Gallery Tour with Guillermo del Toro (SDCC 2014) [HD] - YouTube
 コミックコンで設営された本作のギャラリーの一部を、監督自ら紹介している動画。右のセットの一部の禍々しい紋章(?)も会場の入り口に置かれたようです。
 たぶん館の入り口のガジェットなのでしょう。

▶ Crimson Peak "Behind the Scenes" in Kingston, Ontario - YouTube
 ロケの様子をとらえた動画。でも公式ではないので、ロケの外側からの映像だけです。

◆関連リンク
Crimson Peak (2015) - IMDb
コワ美しい謎の美女が意味深!『パシリム』デル・トロ監督の新作、圧巻のゴシックビューティー - シネマトゥデイ

"デル・トロ監督は現在、2017年4月7日公開予定の『パシフィック・リム2(原題) / Pacific Rim 2』の製作準備中とのことである。"

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2015.02.18

■情報 アミルカー・フォン デザイン『エイリアン』スペースジョッキー マケット H.R Giger Alien Space Jockey Maquette

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New transmission – Sideshow’s H.R Giger Alien Space Jockey Maquette unveiled | Sideshow Collectibles.

"Artist Credits
Amilcar Fong of Viggiano Studio (Design)
Jeronimo Argerich of Viggiano Studio (Sculpt)
Michael Norman (Sculpt)     Simon Garcia (Mold & Cast)
Chadwick Andersen (Mold & Cast)     Tim Gore (Paint)
Anthony Mestas (Paint)
Sideshow Design & Development Team

Pre-orders begin this Thursday, February 5th."

 これは素晴らしい完成度。迫力の彫像品です。
 リンク先の製作元 Sideshow Collectibles では $599.99。下のリンク先に示したAmazon.jpでは、¥86000、発売予定日は来年2016年2/29である。
 約1年先なので、今から、しっかり予算を貯めるしかありませんね(^^;)。

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 大きさは上の画像で示されているが、映画に使われたものは右の写真の大きさということなので、セットの1/15くらいということであろうか。
 だいたい上と右の写真では、人間とスペースジョッキーのエイリアンの大きさが反転しているくらいである。

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 左の画像、今度はほぼ同じ角度のモケットのアップ画像。右の写真と比べるとかなりリアルに再現されていることがわかる。
 どちらかというと、モケットの方がくっきりとデテイルが作られている様に見える。
 それにしても是非、家に一台、魔除けとして置いておきたいものである。貴方にギーガーの御加護あれw。

◆関連リンク
『『エイリアン』【マケット】スペースジョッキー 』(Amazon)

"「キング・オブ・ハイエンド」の老舗メーカー、サイドショウの「マケット」シリーズに、SF映画の傑作『エイリアン』より、スペースジョッキーがラインナップ。 1979年に公開され、SFホラー映画の起源となった映画『エイリアン』。冒頭に登場し、観る者の想像力を掻き立てた「スペースジョッキー」を、大迫力の全高約53センチ、最大幅約59センチのマケットとして立体化。画家であるH・R・ギーガーがデザインした、不気味ながらも美しく感じられる謎の異星人と、鎮座している土台部分を見事に再現している。チェストバスターによって内部より食い破られた異星人の胸部、砲台のような形状のベースなど、サイドショウの確かな技術により、細部に至るまで精巧に造りこまれているぞ。 圧倒的なクオリティーと迫力を誇る、サイドショウの「マケット」シリーズ。今後のラインナップも目が離せないぞ!"

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2015.02.16

■情報 叶精二さんによる『崖の上のポニョ』原画担当アニメーター解説

Ponyo2009 叶精二さんによる『崖の上のポニョ』原画担当者の解説ツイートまとめ - Togetterまとめ

 高畑勲・宮崎駿作品研究所の叶精二さんがご自身の取材メモに基づき、宮崎駿監督『崖の上のポニョ』放映中につぶやかれた、各シーンごと原画担当者についての解説ツイートをまとめました。

企画展示『崖の上のポニョ展』 - 三鷹の森ジブリ美術館.

"【展示期間】2009年5月23日(土)~2010年5月9日(土)

  鉛筆をにぎり、シンプルな絵で、画面に出てくるあらゆるものをとことん動かしたい――。宮崎駿監督は、アニメーションの原点に立ち返って、映画「崖の上の ポニョ」を制作しました。それは、画面の精度を上げるために、背景画は緻密で写実的になり、キャラクターは細く均一で神経質な線になり、一方でデジタル技 術で複製と増殖が簡単に行われ、描くことの意味が曖昧になってきているアニメーション制作に対する挑戦でした。"

 (この企画展は既に随分前に終了したものですが) まさに鉛筆での手書きアニメーションにこだわった『崖の上のポニョ』の原画アニメータの担当シーンが、かなりの部分、明らかにされた叶精二さんの情報は貴重なため、ここにも掲載させて頂きました。

 右上のポニョの絵、海中からワルキューレの音楽とともに、嵐の中、宗介に会いに来たポニョが宗介の家で彼に駆け寄るシーンと思われます。(この原画がこのシーンの絵だとすれば)上記ツイート情報によると、大塚伸治さんによるもののようですが、この半魚人ポニョの作画の素朴な線と動きは、手描きアニメーションの真髄といった感覚なので、ここに引用させていただきました。

 叶さんが『崖の上のポニョ』制作中、制作後にスタジオジブリで取材された貴重な情報。叶さんによれば、数カット分は今も不明とのことですが、原画26名の方々の貴重な仕事がこのように記録されることは、日本の映像文化にとってとても重要なことと思います。

 いまだに公式には、絵コンテ集等でも、原画家が明示されることはほとんどないのが日本のアニメ界の(世界の)実情ですが、まさにアニメ映像にとって原画家の存在は、その核心と言えるだけに残念でならないのですが、今回の叶さんの貴重な記録に感謝するばかりです。

 こうした地道な努力ある活動によって、今後、少しでも各アニメスタジオで公式にこうした情報が記録として残されていくのが進むことを望んで止みません。

◆関連リンク
叶精二さんによる『ルパン三世 カリオストロの城』の解説ツイートまとめ - Togetterまとめ
 こちらも貴重なカリ城情報。
【もののけ姫】スタジオジブリの原画集【崖の上のポニョ】 - NAVER まとめ

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2015.02.11

■情報 ギジェルモ・クイッカ 企画展『住人』「デイヴィッド・リンチの《リビングルーム》」Lynch & Guillermo Kuitca

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Fondation Cartier pour l'art contemporain(公式HP)
カルティエ現代美術財団30周年(日本語公式HP)

"会期 2014年10月25日(土)~2015年2月22日(日)

  カルティエ現代美術財団の地下展示室で行われているのがアルゼンチン出身の画家ギジェルモ・クイッカ(Guillermo Kuitca/1961-)が手掛けた「住人」と題された企画展です。デヴィッド・リンチ(David Lynch/1946-)、ヴィヤ・セルミンス(Vija Celmins/1938-)、パティ・スミス(Patti Smith/1946-)といった財団の歩みに深く関わってきたアーティストの作品が、ギジェルモ・クイッカ独自の感性によってセレクトされ、新たにインスタレーション作品として再構築されました。

 2007年に開催された映画監督デヴィッド・リンチの個展「The Air is on Fire」を訪れたギジェルモ・クイッカは、その稀に見る感性に強い衝撃を受けたといいます。とりわけクイッカの心に強く刻まれた作品が、《リビングルーム》と題されたインスタレーション作品です。
20150207_132047 デヴィッド・リンチの同作品をクイッカが再解釈するという試みが本展の出発点となりました。アメリカのミュージシャン、パティ・スミスによる詩の朗読と、「生きた細胞」と形容されるクイッカによる赤と黒の幾何学模様の背景、そしてリンチの描いた絵画とソファー……。異分野のクリエイターの感性が絶妙に絡み合って響き合い、幻想的な空間が創り出されています。

(左上)「デヴィッド・リンチの《リビングルーム》」のもととなったデッサン作品《無題》(インテリアのためのスケッチ) "



Les Habitants - Une idée de Guillermo Kuitca - 2014 - YouTube

 アーティスト Guillermo Kuitcaによるデイヴィッド・リンチ他の絵画が佇むファウンデーション・カルティエの魔的空間。音響も素晴らしいので、動画を是非再生してみてくださいw。
 動画にはフランシス・ベーコンの絵も映し出されている。
 ベーコンとリンチの競演だけでも見てみたい。

 リンチの絵を基にした魔術的リビングルーム。赤い部屋に妖しく蛍光する椅子の禍々しさが冷徹に輝く。この空間で観る、リンチとベーコンの絵はどんなイメージを喚起しているのだろう。

Lynch land Facebook こちらに会場の写真が掲載されています。

"During this unique performance of music and poetry that brought the two artists together on stage for the first time, Patti Smith adapted a text written by David Lynch that told the story of an antelope who wanders through a city and observes its people. The phrase “I saw an antelope” returns again and again, like a litany. It provides an echo to Artavazd Pelechian’s film "Inhabitants", an ode to nature that depicts images of animals frantically trying to escape from an invisible threat."

 パティ・スミスはリンチの書いた、街を彷徨い人々を観察するカモシカについてのテキストを基に音楽と詩のパフォーマンスを演じているらしい。
 何だ、このカモシカってw。これも見てみたい。

◆関連リンク
・当Blog記事 デヴィット・リンチの美術展『The air is on fire, David Lynch』

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2015.02.09

■動画 荒牧伸志 監督・絵コンテ、松本勝 CGディレクター「evangelion:Another Impact(Confidential)」


予告篇
本篇 vangelion:Another Impact(Confidential) - 「日本アニメ(ーター)見本市」第12弾

"監督 荒牧 伸志、Another Eva デザイン 竹内 敦志
CGディレクター 松本 勝
制作 SOLA DIGITAL ARTS スティーブンスティーブン

別の場所、別の時、
決戦兵器 の起動実験が行われていた。
秘密裏に開発と実験が進められていた「Another No.=無号機」は、
ヒトの制御を受け付けず、突如暴走を始める──。"

 廃墟のビル街のリアリティーと竹内敦志氏デザイン「Another No.=無号機」の巨大感、素晴らしい迫力。CG空間で巨大感を表現する手法、細部の破片まで細かく作り込まれた世界。フォトリアルな世界は、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』のアニメならではの抽象的で誇張した迫力とは異なるけれど、実在感が圧巻です。このデテイルが作り込まれた表現は、アニメやミニチュア特撮ではできないCG独自のものでしょう。

 これ、劇場にて3Dで観たいな〜。長篇版制作も是非お願いしたい。

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 SOLA DIGITAL ARTSは荒牧監督の『アップルシード アルファ』の制作スタジオとのこと。『キャプテン・ハーロック』もCGのレベルが高く、白組,ポリゴンピクチュアズと並ぶ、日本のCG SFX映像を支えているスタジオなのだろう。

 ハリウッド作品と同等の予算をかければ、肩を並べるSFX大作は実現できるのでないだろうか。そこに特撮とアニメで磨いた伝統の技が加われば、大きく溝をあけられているCG SFX奇想映像で、超えることも夢でないかもしれない。

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 絵コンテも一部公開されているが、CGモデルがすでに先行して作られている部分は、そのショットが使用されているようだ。CGならではというか、視覚的にPCの中でアングルを試せるため、かなり有効な手法なのだろう。言わばCGワールド内のロケハン(当たり前ですねw)。

【出演:荒牧伸志・松本勝・石井朋彦】日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-「evangelion:Another Impact(Confidential)」 - 2015/02/09 22:00開始 - ニコニコ生放送

"<出演者> 氷川竜介(明治大学大学院 客員教授 アニメ特撮・研究家) 山田幸美(MC)
<ゲスト> 荒牧 伸志さん(監督) 松本 勝さん(CGディレクター) 石井 朋彦さん(プロデューサー)"

 もう今日の放映だけれど、石井朋彦Pも加わり、日本のCGの到達点の興味深い話が聞けそうで、見逃せません。

◆関連リンク
映画『アップルシード アルファ』(2014年公開予定)に詰め込まれた最新CG技術と、その中で活躍するeX.computer | マイナビニュース

"SOLAが 取り入れた技術に「リニアワークフロー」がある。現実世界の光はリニア(直線)に降り注ぐが、これを人間が見た場合生理的な反応もあって視覚的には自動調整された形で感じている。それをCGの世界に応用する技術がリニアワークフローで、簡単にいえば、より「自然な光」を見た人に感じさせることができるの だ。「フォトリアルにするのであれば、光の減衰の仕方や見せ方も大切になります。それを実現するには最適だと判断して選択しました」と松本氏。"

・Autodesk :: AREA JAPAN | ユーザ事例 | SOLA DIGITAL ARTS Interview『 Entertainment Creation Suite、 Maya、3ds Max、Softimage、MotionBuilderを駆使! フルCGで創るハリウッド映画人気シリーズの最新作』
 SOLA DIGITAL ARTSは、荒牧伸志監督『スターシップ・トゥルーパーズ:インベイジョン』制作の際に創設されたスタジオとのことです。CGプロデューサー河田成人氏とCGディレクター松本 勝氏ほかの談話が掲載されています。
 この機に『スターシップ・トゥルーパーズ:インベイジョン』を観ましたが、CG SFXはなかなか。宇宙戦艦シーンはハリウッドと差がないですね。人物はまだこなれていなく、これが完成度を上げていけば、、、と思わずにいられません。

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2015.02.04

■情報 樋口真嗣監督 尾上克郎特技監督『進撃の巨人』公式サイト

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映画『進撃の巨人』公式サイト

" 今回の実写版では、“超大型巨人”の大きさが超ド級の120mと設定されていることも明らかになった。この大きさは、今年公開され、歴代最大のゴジラと言われた『GODZILLA ゴジラ』の108mさえも超える大きさとなっている。
 本作の公開月が2015年「8月」・「9月」での2部作連続公開という事が発表され、来夏の超大本命作として、日本中に強烈なインパクトを与えることは間違いない"

 なんとギャレス・エドワーズ版ゴジラを超える120m。
 8頭身として顔の大きさが15mとすると、エレンの身長の約8倍。このポスターくらいの迫力の巨体ということなのでしょう。

 樋口真嗣監督と尾上克郎特技監督による、超絶ビジュアルが期待されます。
 そんな中、最近、特技監督 尾上克郎さんの特撮,SFXに関するスタンスを、以下の本で拝見した。

『別冊映画秘宝 新世紀特撮映画読本』
 切通理作さんの "けれども「ゴジラ」はそこに居た! レジェンドゴジ批判派に応えます"という論考に紹介された尾上特技監督の言葉(P32)。

"昔は空をホリゾントに描いて、ミニチュア飾って、ゴジラが歩いてくるのを撮るのが<特撮>だったんだけど、今はそれで一般のお客様が納得する映像を撮るのは難しい"

 そして、切通理作さんのTwitterでの発言。

"特撮博物館特別イベント『ミニチュア特撮課外講座』。参加者がその場で巨神兵を動かし中央線を走らせビルを倒す実演と、一転して「ミニチュア=箱庭」的思い 込みを払拭する最先端の映像表現を目の当たりにしながら特撮の未来が語られる。「どの手段を使うかは俺が決める」という尾上克郎氏が頼もしい。"

オタクな一口馬主: ミニチュア特撮課外講座 第2部

後編はの特技監督の尾上克郎さんをゲストに、マーブリング岩崎夫妻さんとの間でパネルトーク。 「シャッターアイランド」や「私は貝になりたい」でのミニチュアの使われ方を映像で解説する部分では、現在のCGとの棲み分けを興味深く見る事が出来ました。 シャッターアイランドはミニチュア合成が多かったんだなぁ… 尾上さんの話はどれもこれも面白かったのですが、 「新しい事に挑戦し続ける。というのが特撮だったはずがいつの間にか伝統芸になってしまった」 「伝統工芸に胡坐をかいて、世の中が違うところに行っていた」

 尾上特技監督が監督補を務められ樋口真嗣監督と組まれた前作「巨神兵東京に現わる」について、以前書いた記事 (感想(2) 「館長庵野秀明 特撮博物館」 ミニチュア特撮の未来)と重複するけれど、まさに同感。ミニチュア特撮はワンダーを描く一つの手段であり、伝統工芸になった「手段」が先行して、逆にワンダーが減退したら本末転倒。
 極限映像を描く手段として、ミニチュア特撮の偶然性と、CGによる細密デテイル描写の融合等、尾上特技映像を本作で是非見せていただきたいと思う。

 人間の動きをモーションキャプチャし、ゴジラのCGの動きに、特撮のメリット(円谷英二のワンダーのコアの一つ)を取り入れたギャレス監督のレジェンドゴジラ映像を超える巨人映像を日本のスクリーン(そして世界のスクリーン)に描き出してほしいものです。期待!!

■関連リンク
『Cinefex No.34 日本版 −GODZILLA ゴジラ−:』
 日本のゴジラ特撮の魂をどうレジェンドゴジラ映像に取り込んだかについても記述されていたら読んでみたい本です(すみません、まだ買っていないw)。

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2015.02.02

■感想 松岡錠司監督『深夜食堂』


▶ 映画『深夜食堂』予告編 - YouTube
映画『深夜食堂』公式サイト

 正月休みにTV3シリーズをイッキ見w、これ、まさに半村良の人情物(特に同じ新宿を舞台にした『雨やどり』)にダイレクトにつながるドラマですね。そして西岸良平の懐かしい昭和の漫画世界(僕の好きなのは、西岸SF短篇『地球最後の日』『魔術師』 『ヒッパルコスの海』等)。

 半村良&西岸良平ファンの僕は、必見ではないか、と観に行きました。
 いつもの奇想映像の紹介とは毛色が違いますが、今回はご容赦ください(^^;)。通常、クールなというか冷徹な映画に惹かれるのだけれど、何故かそれとバランスするかの様に時々こんな昭和人情物なドラマを愛してしまうのです。昭和生まれの体質は変えられませんw。

 観た映画館は各務原イオンシネマ。
 松岡錠司監督の出身地、愛知県一宮市ではこの映画の公開劇場がなく、愛知県で公開されているのは、一宮から一番近いのが名古屋市。実はそれよりも岐阜県の各務原が一宮に近いので、もしかしたら監督の故郷に一番近い映画館で見たのかもしれないw。

 映画は、もっとウェットかと思ったら、意外とドライな感覚。
 映画版なので、常連の登場人物 忠さんとかのエピソードを腰を落ち着けてやるのかと思っていたけれど、今回の3話構成のオムニバスタイプ。
 新しい登場人物を各話配して、いつものテレビシリーズの各話演出と近い感じで、肩の力が入りすぎていないところが深夜食堂。
 3話とも、テレビ同様、いい味を出している。そしていつもより凝ったセットと演出、カメラワーク。まさに本篇感覚でグレードアップされた「めしや」がそこに存在した。

 特に田中裕子のエピソードは笑いました。「カッチワリィ〜イカガッスッカ〜〜」ってw。

 やはり半村良人情物ファンには必見の映画でした(^^)。ちなみにSF、ミステリー、奇想成分はゼロですので、ご注意ください。

◆関連リンク
深夜食堂 - Wikipedia

 福原希己江 - できること [Live] - YouTube
 『深夜食堂2』第一話「再び赤いウィンナー」挿入歌。
 TVシリーズの中でも屈指の出来であったこの回、松重豊演じる「竜ちゃん」の過去と現在の交差とこの挿入歌が描き出した世界は、深夜食堂の世界をまさに結晶化したような素晴らしい出来でした。
▶ 主題歌「思ひで」鈴木常吉 - YouTube
 福原希己江の挿入歌に並んで、この主題歌のペーソス、最高ですね。
 この二人の音楽で、西岸良平の以下の作品を映像化してほしいのは、僕だけでしょうか。
西岸 良平『名作合本2 地球最後の日&魔術師』

"西岸良平の名作集『ロマン劇場 地球最後の日』と『新生活読本 魔術師』の超豪華合本登場!!
平凡なサラリーマンの本田健に銀河連盟より下された、とんでもない指令!!"

西岸 良平『ヒッパルコスの海』

"両親を亡くし、小さなアパートで肩寄せ合い暮らす兄妹と、歳の離れた幼い弟。そう言えばむかし、お父さんが月の土地を買ってくれたっけ。
そこは“ヒッパルコスの海"を臨む100坪の土地。「ほら」と指差し、兄弟は儚い夢を見る…"

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