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2015.04.06

■感想 ウォシャウスキー姉弟監督『ジュピター』

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 ウォシャウスキー姉弟監督『ジュピター』観ました。
 期待して行っただけに落胆は半端ではないw。『クラウド・アトラス』は悪くはなかったのに、これは相当な駄作。こんなにバジェットを投入して、この馬鹿っぽさは何なのだろう(あ、金があり過ぎて強引に映像で作り込むばかりに、物語と人物が馬鹿になってしまった典型例かもしれない)。

 いちいち物語の展開と登場人物の会話が類型的すぎて、映像が頑張っている部分をスポイルしてしまっている感が半端ない。

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 その映像にしても冒頭から前半1/3は、木星の映像とか3Dでなかなかワクワクしたのだけれど、中盤から失速。どこかで観たことのあるような映像の乱れ打ちオンパレード。

 そして右図の「THE ZERO」と名付けられたロボット型戦闘機(?)に代表されるように、少しユニークなデザインなのに、充分物語の中で、活躍しないのが残念でしょうがない。スピーディな戦闘シーンで描かれているため、せっかくの周囲に翼を持った独特の工夫の構造が活きてこない。
 3D映像としても面白くなる可能性大なのに、残念である。

 もうひとつ辛口で書くと、3D上映が字幕しかない、というのは興行的に致命的。しかたなく3Dで初めて字幕版を観たのだけれど、やはり危惧した通り、3D空間の臨場感が字幕で台無し。せっかくの木星映像を返してくださいw。

 冒頭の木星画像のシーンとか、どこかジーン・ウルフ「アイランド博士の死」とか想い出させるのだけれど、このセンスオブワンダーが活かされていない。
 特に後半の木星は駄目駄目で、単なる煙に包まれた秘密基地程度の軽い映像。木星って、とんでもない重力と熱の惑星というイメージが全く活きていない。

公式ページ
 67枚のイメージ画へのリンクされている。

------------------未見の方、以下、注意-------------------------


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 あと少しネタバレですが、メインプロットの「収穫」「DNAで過去の人物と同じ配列の人間が地球に生まれる」というところ、半村良のSFを思い出します。そして主人公が清掃員なのだけれど、実は女王で数々の冒険に巻き込まれる、っていうのも半村良の主人公の妄想チック(^^;)。
 この映画、全く半村SFと雰囲気は違うのだけれど、ネタ的にファンとしては思い出さざるを得ない。

 半村作品で『虚空王の秘宝』は確か木星ならぬ木製w宇宙船が出てきてヴィジュアル的に類型がなくオリジナリティに溢れているので、ここまで半村作品にネタがかぶるならw、ウォシャウスキー、『虚空王の秘宝』を映画化すれば良かったのに(あ、収穫とDNAは『虚空王の秘宝』でなく別作品ネタです、、、)。

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