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2015.04.08

■感想 矢口史靖 監督『WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なぁなぁ日常』

Img_wood_job

 

矢口史靖監督作は自主映画「雨女」から観てますが、本作、一番好きかもしれない(^^)。三重県の奥深い森の魅力。むんむんと匂い立つ自然。何かが映画に宿っている。

 森と人間の関係から、中上健次による熊野を舞台にした小説群、今村昌平の『神々の深き欲望』といったところを想い出すが、こちらの映画も性と生がテーマであった。もちろん中上、今村と比べると、矢口監督のタッチは軽やかである(^^)。
 が、映画に山が宿っているところは、映像の力、映画の演出の真骨頂である。

 特に何かが宿っているような、気が画面から漂ってきたのは、神隠しのシーン。
 結界が張られた山に子供が消え、そこに主人公たちが入っていくシーン。ここが描かれたことにより、最後の祭りのシーンがとても生きてくる。

 矢口作品は、うちの近所、田舎のレンタル屋でも、いつも10本近くのDVDが並ぶのだけれど、今回は異例の2本だけ。こんなに面白い映画なのに、『スウィングガール』や『ハッピーフライト』のように多くの方に見られていないのは残念です。

◆関連リンク
揺れ動くほんものの景色のなかで。 - ほぼ日刊イトイ新聞.

2村の生命力とか、開けっぴろげなエロチズムとか ぼく個人からは出てこない題材も小説のなかにはあって、 それをとても魅力的に感じたし、 撮ってみたいと思いました。 つまり、あの小説のなかには、 ぼくが映像化するときに得意技としている部分と、 手をつけたことがない部分があったんです。"

揺れ動くほんものの景色のなかで。 - ほぼ日刊イトイ新聞.

"矢口 ぼくは『WOOD JOB!』を観た人に 「林業っていいよ、やろうよ」ではなく、 もしかしたら今の生活の延長上に なにか別の世界の扉があって、 その扉を少しでも開くと、 「あ、世界って、こんなに広かったんだ」 ということを感じてもらいたい。 ただ、それだけ。"

 矢口史靖監督と糸井重里の、本作品を巡る長文の対談。とても面白く読めます。
宇多丸が映画「WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なぁなぁ日常」を絶賛 - YouTube
▶ 荻上チキ・SS22 矢口史靖監督 現在公開中の『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』
『WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~』(Blu-ray)

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