■感想 園子温監督『映画 みんな! エスパーだよ!』
園子温監督 映画『みんな! エスパーだよ!』観てきた。
心配は的中し、TVシリーズ番外編『みんな! エスパーだよ!〜エスパー、都へ行く〜』に続く、悪ノリ大作wだった。たぶん園子温史上最大の悪フザケ暴走エロ大作。
園監督の出身地である東三河(監督は豊川出身)、豊橋の街は催淫の雰囲気に包まれ、街じゅうの人々が往来で下着姿になり、しなだれるw。
物語はTVシリーズの冒頭を描きなおし、そしてそこから暴走が始まり、TVドラマの際にあった主人公 鴨川嘉郎の青春の哀愁とSFとして結構秀逸だった爆笑のセコイ超能力描写は、背景に押しやられて、ただただ画面は若い女性のパンチラと下着/水着姿で埋め尽くされていく。
一応、物語の縦糸として、胎児だった時に出会った嘉郎の「運命の人」との邂逅をテーマとして見せているが、それは映画を観客に申し訳程度に繋げ止める、最低限の物語要素だけだったりする。
この映画、園監督が高校生時代まで過ごした地元豊橋を舞台に、青春の性的妄想が爆発して街に現出している。おそらく監督の当時満たされなかったリピドーが東三河に復讐し、それを映像として定着されたものなのではないかw。三河弁ベタベタで埋め尽くされた性的妄想。妄想だけに本当に計り知れない、観客を置いてけぼりにするシーケンスも幾つか。あれは何だったのだろう...って。
これはまさに、園子温青春私小説の暴発作である。
一点、光っていたシーンは、後半でエスパー教師ポルナレフ愛子が英語詩を口づさみながら、嘉郎の前から去っていくシーン。ここに結晶化された物語の縦糸の描き方はゾクっとした。あの詩はどこかに掲載されていないのだろうか。園監督作?
◆関連リンク
・『みんな!エスパーだよ!〜欲望だらけのラヴウォーズ〜』|dTV
dTVでオリジナルドラマもあったんですね。「」、こっちは園子温は総監督。
・【WOWOWぷらすと】映画 みんな!エスパーだよ!公開だよ! |WOWOW動画 【旧:W流】.
"中井圭、早織、ゲスト:深水元基、マキタスポーツ
9/4(金)~公開の映画「みんな!エスパーだよ!」で共演の深水元基さんもお迎えし、撮影秘話をたっぷりお届け!"
もともとプリクエルにする企画もあったようで、胎児の時代を描いているのは、その名残のようです。
雨
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