■予告篇 庵野秀明 総監督, 樋口真嗣 監督/特技監督, 尾上克郎 准監督/特技総括『シン・ゴジラ』
『シン・ゴジラ』予告 - YouTube
映画『シン・ゴジラ』公式サイト
ついに姿を現した庵野/樋口/尾上ゴジラ。これは庵野総監督自らが制作した予告篇第一弾。
CGと言われているゴジラの映像、内部に核反応を邪悪をたたえた様な皮膚とどす黒い怨念の湧き出たような凶暴な容姿が素晴らしい造形。他にも書きたいことはありますが、観てない方のために多くは語りません。とにかくこの映像を観てください。
そして、総勢328名と言われている俳優たちの芝居。未曾有な厄災に直面した人々のリアルな表情が画面に漲っていて期待を高めます。
7/29の公開が待ち遠しいですが、「IMAX」「4DX」「MX4D」での興行も決定とのことなのでどれで観るか楽しい悩みも。僕は間違いなく、IMAXのつもりですが、、、。
「現実対虚構」に「ニッポン対ゴジラ」とルビを振ったコピーも期待させます。
このコピーからはいろいろな想像を掻き立てられますが、おそらく「ゴジラという虚構」から照射する現在の我々の「ニッポンの現実」という意味なのではないかと。
ここで言う「ニッポンの現実」は、311後の核汚染された現実の風景であり、それによりある底流を否が応でも埋めつけられた我々日本人の心的な世界のことであろう。
映画の日本が、その世界での原発事故後の設定なのかはわからないが、おそらく原爆もしくは原発汚染後に、再度ゴジラによって核の洗礼を受けるというような描写が登場するのではないかと思う。
そしてそこに登場する人々は、心的に現実のニッポンと同等の何かを背負っているはずだ。その人々に襲いかかるゴジラは、表面的には放射能汚染を既に忘れてしまった様な、現実の我々を直撃するかもしれない。直撃によって潜在意識下に押しとどめられた核汚染後という重い現実がどのように画面にオーバーラップして、ゴジラの脅威がリビルドされるのか。それを確認するのにはあと3ヶ月、待つ必要がある。
大杉漣が首相役ということだけれど、予告篇の中でまるで免震重要棟のようなゴジラ対策本部(勝手に命名)の映像、黄色い安全ベストを身につけた姿が、つい先日のNHKスペシャルで吉田昌郎所長を演じた姿がダブる。日本の役者の中で吉田昌郎氏とどことなくイメージがダブるのは大杉漣を置いて他にいないように思うので、キャスティングの際に庵野総監督以下、おそらくそれを意図したものだろう。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』に色濃く影を落とした福島東電原発事故。もちろん放射能怪獣ゴジラを今、映像化するのに避けては通れないテーマであると思う。
◆関連リンク
・原発メルトダウン 危機の88時間 - YouTube
NHKスペシャル | 原発メルトダウン危機の88時間
"最新の解析結果から再現された原発を襲う津波の全貌。「まるでミサイルのような」と現場が証言した水素爆発の精細なCG。88時間を、時間軸に沿いながら、中央制御室や免震重要棟など現場が何を目撃しどう行動したのか、密室の緊迫したドラマを詳細に描いていく。"
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