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2016.07.04

■感想 ジェームズ・ボビン監督『アリス・イン・ワンダーランド〜時間の旅〜』Alice Through The Looking Glass


Alice Through The Looking Glass - In Theaters May 27! - YouTube

 ジェームズ・ボビン監督『アリス・イン・ワンダーランド〜時間の旅〜』を7/7にオープンした名古屋イオンシネマ大高のIMAXシアターにて、3D字幕版で観て来た。素晴らしい傑作、ワイドスクリーンバロックなアート映画であり、そして時間SFな幻想映画。

 実は、ティム・バートンが監督した前作にガッカリして続篇は全く観に行くつもりではなかったのだけれど、巨大スクリーン3D好きの血が騒いで、そのこけら落しの7/7、どうしてもIMAXを観たくなって、作品としては今イチと思いながらも、会社帰りに本作を観賞。

 そしたら何と前作の不調(物語も映像も)をはるか後方に抜きさる鮮烈な映像体験が待っていた! 予告篇をチラリとしか観てなかったのだけれど、前作に近いヴィジュアルに見え、全く期待してなかった。ところがあにはからんや、至るところに眼を見晴るヴィジュアルが横溢し、一大アート世界がIMAXの巨大スクリーンに乱舞したのだ!

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 アートの一端を示すとまずあのマニエリスムの代表的画家 ジュゼッペ・アルチンボルドへの素敵なオマージュ、そして「狂えるマーティン」の異名を持つという崩壊の画家ジョン・マーティンの様な破滅する世界の美(上の引用画参照)。
 そしてティム・バートン独特のキャラクタと衣装の、パンクでゴスな美の集大成的な赤の女王イラスベスの魔城。

 そこにクライマックスとして用意された映像、時間テーマSFが描いてきたパラドックスの先のあの崩壊シーンが、今までたぶん一度も映像化されたことのないレベルで眼前に展開する。大海原のイメージを使った時間旅行のシーンと相まって、それは見事な破滅が描かれる。

 前半、前作をなぞるくらいのヴィジュアルなのかと鷹をくくってた私が未熟でした。ティム・バートン監督、ごめんなさいと心の中で謝っていたのだ。これはティム・バートンアート映画のまさに到達点かと思っていた...のだが…。

 さらにエンドロールで驚いたのは、何と監督はティム・バートンではなかった! そうなのです、ほとんど興味のなかったこの映画、僕はバ―トンが監督だと思い込んでいたのです。恥の上塗り(^^)。それにしてもイギリスの新鋭監督のジェームズ・ボビン、今後にも大いに期待です。

 観終った直後の盛り上りの勢いでちょっと持ち上げ過ぎの感はありますが(^^)、全く期待してなかったための眼の狂いもありますので、話半分くらいで聞いて下さいww。

 というわけでIMAXの出来を観に行ったはずがそんなものはどうでもよくて、作品そのものに惚れて帰ってきたのでした。スクリーンは巾19m×高さ10m程で、109シネマズ名古屋より(感覚的には)縦方向が短い。加えて最前列とスクリーンの距離が、大高の方が3座席ほど離れているため、臨場感では109シネマズの勝ちかな、と思ったのでした。

PS.ヴィジュアルばかりの感想になりましたが、マッドハッターの衰弱した姿に見る初期ティム・バートン的キャラクタ造形、そしてサシャ・バロン・コーエンのブラックコメディアンな演技の素晴しさ、物語の骨格、どれも前作を遥かに凌駕してると思うのは僕だけか…。

◆関連リンク
IMAXシアターでの映画体験を自宅で楽しめる「IMAXプライベートシアター」 - GIGAZINE

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