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2016.10.12

■感想 イリヤ・ナイシュラー監督 『ハードコア・ヘンリー : Hard core henry』日本プレミアム爆音上映@カナザワ映画祭


First Look at 'HARDCORE' - The World's First Action P.O.V. Film - YouTube
完全にFPSな映画『Hardcore Henry』、4月8日米国公開 | EAA!! - FPS News.

"舞台はモスクワ、主人公のヘンリーは死から蘇ったサイボーグだ。ヘンリーは、彼の妻であり創造主でもあるエステールを、テレキネシスを操る暴君“アカン”と彼が雇った傭兵達の魔の手から救わなければいけない。唯一の頼みの綱となる相棒ジミーと共に壮絶な1日を乗り越え、ヘンリーは妻を救うことが出来るのだろうか。"

 FPS : First Person Shooting , POV : Point of View Shotと言われる一人称視点カメラで映画全篇を描いたロシア映画 イリヤ・ナイシュラー監督の 『ハードコア・ヘンリー』をカナザワ映画祭での日本プレミアム爆音上映で観てきた。

 会場に少し遅れて入ったので、一番前、しかも右スピーカの前という爆裂な環境。
 映画はとにかくシャープなアクションでガンガン進む。正にキレキレの映像とはこのこと。凄い勢いで、状況に巻き込まれて、アレヨアレヨと巻き込まれ、主人公同様に観客もヨレヨレになる。

 とにかく爆音も含めて、アドレナリン全開。
 映画としてはハードアクションであり、超能力サイバーパンクもの。
 主要キャラクタであるジミーの設定が素晴らしい。ネタバレになるので詳しくは書かないが、とにかくぶっ飛んだサイバーパンク設定に痺れる。
 最初の登場シーン、浮浪者の姿で現れたジミー。息つく間も突然現れるキラキラ光る鏡男とその火炎放射器の対決。その後も姿を変えて現れる遠隔操縦サイバー男ジミー。なんともパンクでPOV VRな存在を考えたものだ。

 単なるPOV大アクションと思いきや、さにあらず。このジミーと主人公の設定で優れたPOVサイバーパンクになっている。そして一人称映像で観客にも仕掛けられるサイキック暴君"アカン"の存在。

 一部『AKIRA』ばりのテレキネシス戦も見せながら、爆音の砲撃の音が観客に突き刺さり、クールな音楽の挿入もあいまって観客の没入感は沸点へ。

 アクション映画『アドレナリン』へのリスペクトや、様々なアクション映画パロディ、アイデアをこれぞとばかりに投入した殺戮シーン。とにかく飽きさせず楽しめる大エンターテインメントになっているので、血液沸騰映画を観たい向きには大いにお薦めです(^^)。

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 この映画を撮ったのがこのカメラとカメラリグ。
 搭載されているカメラは、GoProと思われる。このようなレイアウトなら、日本映画でも手作りでこうした撮影器具は作成可能かもしれない。
 この写真からはカメラが平行に2台搭載され、ステレオに成っているように見えるが今回の映画は2D。いずれこうしたカメラで、POV & 3Dのこの映画を超えるようなものが出てくるかもしれない。
 さらには、この360度カメラ版が作られ(すでにあるでしょう)、VRヘッドセットを使って、観客の任意の視点で全篇を描くような、完全没入型劇映画も出来てくるかもしれない。そんな近未来の斬新な映画に期待です。


映画『ハードコア・ヘンリー』日本版予告編 - YouTube

◆関連リンク
FPS視点で話題沸騰のアクション作「ハードコア」17年4月に日本上陸! : 映画ニュース - 映画.com.

"「ハードコア」は、17年4月1日から東京・新宿バルト9ほか全国で公開。"

 日本公開(邦題は何故か「ハードコア」)はまだ先の来年4/1のようです。
How Hardcore Henry’s POV shots were made | fxguide
Inside the World's First POV Action Movie: 'Everybody Has To Be Awake or Somebody Could Die'
 メイキングについては、これらページに詳しい。
FPS映画「ハードコア・ヘンリー」の内容を60秒にまとめたアニメ | EAA!! - FPS News

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