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2018年1月

2018.01.31

■感想 ギレルモ・デル・トロ監督『クリムゾン・ピーク:Crimson Peak』


映画『クリムゾン・ピーク』予告編 90秒 - YouTube.

クリムゾン・ピーク - Wikipedia.

"デル・トロは本作を「古典的である一方、現代的でもある」と説明し[3]、ロバート・ワイズの『たたり』、ジャック・クレイトンの『回転』を理想に、彼が鑑賞して育った『オーメン』『エクソシスト』『シャイニング』の伝統を取り入れた作品を目指した。"

 ギレルモ・デル・トロ監督『クリムゾン・ピーク』(深紅に染まる山頂)HD録画 初見。

 素晴らしいゴシック・ロマンの世界。同監督の他の作品同様、美術とそれによる画面造形の雰囲気がとてもいい。

 前半のニューヨーク州バッファローの20世紀初頭、そしてイギリスの赤い粘土の上で朽ち果てつつある城。ぞくぞくするゴーストストーリーの舞台である。

 そしてゴースト描写は、ロバート・ワイズ『たたり』ジャック・クレイトン『回転』を理想とした、とのことだけれど、現代の撮影技術と合わせて、新しいシャープでリアルフォトな幽霊像を生成。惜しいのはその後、日本で黒沢清他によって進化した、そこに存在する幽玄な感覚が、効果音等で継承できていないこと。彼我の感覚の違いと言えばそれまでだけれど、あのゴシックな空間で静かな諦観のある幽霊が存在していたら、もっと画面の雰囲気が上がっただろうと思うと残念だった。

 あと蛇足だけれど、クリムゾン・ピーク(深紅に染まる山頂)のアイデア、『スターウォーズ 最後のジェダイ』の雪のシーンで見事に継承されていますね。しかもギレルモ・デル・トロが中途半端であったところを鮮烈な映像でパワーアップしていると思う。

◆関連リンク
ギレルモ・デル・トロ作品 当ブログ記事 Google 検索

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2018.01.29

■感想 展覧会 「やきものの現在 牛田コレクションを中心に 2018年冬季」@多治見市文化工房 ギャラリーヴォイス:gallery VOICE

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gallery VOICE 最新イベント情報

"■展覧会 「やきものの現在 牛田コレクションを中心に 2018年冬季」
2018.1/21 - 3/11(休廊日:水曜日)
「牛田コレクション」は共栄電気炉製作所の文化事業とし て、地元作家を中心に買上げ保存を行っていく事業です。」
[出品作家] (リンク先は各作家作品のGoogle画像検索)
猪倉髙志  (Ikura Takashi)
大森健司  (Omori Kenji)
加藤委   (Kato Tsubusa)
黒川徹   (Kurokawa Toru)
田中知美  (Tanaka Tomomi)
長岡千陽  (Nagaoka Chiyo)
中島克子  (Nakashima Katsuko)
中島晴美  (Nakashima Harumi)
玄尚哲   (Hyun Sang Chul) "

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 やきものも現在を思考すると、奇想に接近しているようです。
 近いので何回か御邪魔している多治見市のギャラリーヴォイス、不思議な造形が心地よい展覧会です。
 特に冒頭の長岡千陽さんの作品、楕円の球を幾つか融合して、その上部を大きく曲線で開口させた造形が素晴らしかった。

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 球体の造形はこちらでも展示されている中島晴美さんの作品(上の右画像)は何度も見ているが、この長岡千陽さんの作品は同じ球体でもカラフルな色彩と開口部の造形でさらに形態を進めたようなものに見えて、じっくりと引き込まれる造形である。

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 他の方々の作品も、上記作家名リンク先をクリックするといろいろ見られるので、興味を持たれた方は是非どうぞ。

◆関連リンク
陶磁器関連記事 当ブログ記事 Google 検索

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2018.01.24

■感想 『磯光雄 ANIMATION WORKS vol.2』

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【正式告知】C93で「磯光雄 ANIMATION WORKS vol.2」が発売! 大ボリュームの384ページ!! | WEBアニメスタイル(公式HP)

" 磯はアニメーターとして『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』『おもひでぽろぽろ』『新世紀エヴァンゲリオン』『BLOOD THE LAST VAMPIRE』等に参加。その仕事は尖鋭的であり独創的。彼が生み出した表現は、クリエイター達に多大な影響を与えてきた。(略)

 『走れメロス』『新世紀エヴァンゲリオン[TV版]』『PERFECT BLUE』『BLOOD THE LAST VAMPIRE』『ラーゼフォン』『ひるね姫』の原画を収録。

 本書はB5サイズで、ページ数は「vol.1」より大幅にボリュームアップし、384ページ。 「vol.2」もカラーの素材があるカットは、カラーで掲載。また、各カットで描かれた原画は省略することなく、全てを収録することを編集の基本的な方針とした。彼の濃密な仕事を楽しんでいただきたい"

 年末にネット予約していた『磯光雄 ANIMATION WORKS vol.2』先行予約特典『Flip Book』付が届いた。 全384ページという大部の原画集。

 上記引用したように、各カットごとの原画が全部収録されている。そしてそのタイムシートも付いているため、まさにアニメーターの絵の細部とその動きのノウハウを確認することができる。

 原画を順に追いながら、タイムシートのコマ割りをみて、頭の中で動画として再生する。タイムシートによると原画が基本3コマごと続き、所々2コマだったり1コマだったりする。

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 やはり『エヴァンゲリオン 第19話「男の戰い」』の使徒喰いシーンの全原画が圧巻!『エヴァンゲリオン』の中でも屈指の名シーンである。
 あの霧中の山の中での幽玄なシーン。その異形の存在を縦横に描いたのが磯のアニメートであることは有名で、いくつかの原画は今までも雑誌等に紹介されていた。
 しかし今回、その原画の多数が掲載された。僕はこのシーンの原画を観たくて、この本を買ったようなものだ。

 エヴァの異形を4足歩行と使徒を喰う顔のアップで描き出したその原画。
 ポーズの奇想と動きによる異物感。異様な口の動きとその内部の興奮を表現した眼の動きの奇形。

 庵野のコンセプトを摩砂雪が絵コンテとして起こし、磯の脳内の映像が結実した原画。おそらく日本奇想映像の中でも屈指のこのシーンの原型が知れる貴重な書籍である。

◆インタビュー「収録作品について Author's Notes」
 磯光雄氏へのインタビューが巻末に4ページ掲載されている。
 興味深い内容が多数述べられているが、特に面白かった部分を以下一部抜粋させて頂く。

"自分の動きは身体と頭の中にあって、それを絵の形でダウンロードするというか。(略)
ロトスコープのアニメ作品をひたすらエンドレスで再生して観ていた時期がありました。同時にカートゥーンっぽい動きの作品もエンドレスで流して、カートゥーン的な誇張した動きと、リアルな重量感が脳内で交じり合っていましたね。そういったものが自分の動きの起源の一つになっています。

素振りと同じようなことだと思うんですけどね。(略)
絵を描くのもスポーツと同じ身体的な作業なのかなって。同じ動きを繰り返し観てると、実写とか現実に目撃した動きからも別な動きが見え始めるみたいな。(P380)

(エヴァの頃に触れて)
3コマでも全原画を精神を研ぎ澄まして描けば、フルアニメーションはできるはずだと。それは枚数が多ければいいんだという当時の常識に対する反抗で、パンクの精神でやっていたわけです。ただ、今観るともうちょっと中割りを入れたほうがよかったかな(笑)。(P381)"

 磯の脳内映像がどう形作られ、それが身体感覚として原画に結実するメカニズムの一端に触れたような貴重な記録である。このレベルでアニメーションの原画生成の秘密が語られることは滅多にないため、素晴らしく味わい深い記述。磯の演出家としての客観視点が、超絶アニメータの原画生成の秘密を分析しているのだろう。
 (タイプの違うアニメータであるが、金田伊功が生きていて磯光雄と対談して、金田のアニメートの秘密が探られていたら、、、という夢のような想像を僕は禁じ得ない。生前に磯が金田にそうした聞き込みをしていたら、是非公開してほしいものである)

 あと、最近進化しているデジタル技術について、後半『BLOOD』や『ラーゼフォン』『ひるね姫』での、デジタル作画/エフェクトについてのコメントも大変に興味深い。磯によって作られた手法もあるようで、未知の大陸に挑む姿勢がとても頼もしい。

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 先行予約特典のフリップブック(パラパラ漫画帳)は、全140ページで、片面づつで原画が連続して掲載されている。各70ページづつのパラパラ漫画になっている。
 爆発の煙の躍動感等、こちらも楽しめる素晴らしい出来である。

◆関連リンク
『磯光雄 ANIMATION WORKS vol.2』
  ※ Amazonの商品はFlip Book付いてないのでご注意を。

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2018.01.22

■予告篇 ヤン・シュヴァンクマイエル監督『蟲(Insect)』


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ロッテルダム国際映画祭でプレミア上映!ヤン・シュヴァンクマイエル監督最新作にして最後の長編となると言われている『蟲(Insect)』海外予告公開! - シネフィル - 映画好きによる映画好きのためのWebマガジン

"カレル・チャペックと兄のヨゼフ・チャペックによる戯曲『虫の生活』とフランツ・カフカの名作『変身』をモチーフ。 その厭世観を彼独特のシュールレアリスムのイメージで反映した海外予告が公開されました。 ロッテルダム国際映画祭でプレミア上映されます。"

 前作『サヴァイヴィング・ライフ ‐夢は第二の人生』から既に8年、シュヴァンクマイエル監督の新作が完成し、前回詳報したように18.1/24-2/4のロッテルダム映画祭でプレミアム公開されるが、ついに予告編が公開。

 リンク先を観てほしいが、なかなか刺激的な予告篇である。
 齢、83歳になるシュヴァンクマイエル、老いてなお過激(で素朴)な映像を今回も観せてくれそうである。
 日本公開は、まだまだ先だろうけれど、楽しみなことである。また、前回の『サヴァイヴィング・ライフ』の時のように、新作の公開を機に、日本でもまたシュヴァンクマイエル展等のイベントを開催してほしい(^^)。

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 新作のポスターをチェコ語「Švankmajerův Hmyz Plakát」で検索してみると、右のような画像が見つかった。これがチェコでのポスターのようである。以前のように夫人であるエヴァ・シュヴァンクマイエロバーさんの、あの色彩にあふれたポスターでないのが残念である。

◆関連リンク
The last film by Jan Švankmajer: Insects | Indiegogo
 クラウドファンディングのページ。

情報 ヤン・シュヴァンクマイエル監督の最新作『蟲』完成
Jan Švankmajer - Hmyz ヤン・シュヴァンクマイエル監督の最新作『蟲』 関連記事 当ブログ Google 検索

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2018.01.15

■情報 マジックリープ AR (拡張現実) ヘッドセット「マジックリープ 1 : Magic Leap One」

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Magic Leap、技術はかなり凄そう。でも正直デザインはまだ恥ずかしいよね | ギズモード・ジャパン

"Magic Leapによると我々が目で捉えている「ライトフィールド(明視野)」を操作することでARを実現しているということです。(略)

 (彼らの結論は)脳の視覚野はコンピューターの中のグラフィックス・プロセッサーのような機能を担っているということでした。目から与えられた情報を元に、その人間が知覚する世界をレンダリングしているのです。そしてそれをするために必要な情報量はとても少なくて良いということでした。(略)

 脳は必要に応じた時にだけ必要な情報を目から得て、視覚野でアバターを生み出すかのようにレンダリングをして”見ている”というわけです。

 であれば、彼らが開発するデバイスも常に全ての情報を使って映像を再現する必要は無いと考えたとのこと。必要に応じて正しいライトフィールドを脳へと届けることができるチップを作れば、そこに存在しないものを”見ている”と脳に信じ込ませることができると確信したわけですね。"

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Welcome | Magic Leap(公式HP)

 上記記事にあるように、謎のARスタートアップ、米マジックリープ社のヘッドセットが初公開された。
 かっこ良い/悪いは両論あるようだけれど、僕は初登場したものとしては、なかなかサイバーパンクで良いかな〜と思う。
 今までのVRヘッドセットやGoogleグラスと比較してみると、特に特徴的なのは前面と側面に設えられた複数のレンズとカメラのようなデバイス。
 これにより、外界の3次元空間を捉えて認識し、ARの仮想映像をどの位置に重畳して表示するかをCPUで演算しているのであろう。複数のカメラは、立体的に外界を捉えて、奥行きを含む位置情報を把握してCPU内部で3次元空間を再現していると考えられる。

 そしてその仮想映像の重畳に用いられているのがライトフィールドという技術のようです。人間の眼に入ってくる外界の光に対して、ヘッドセットのメガネの2眼レンズに、仮想の映像を重畳するのがこのライトフィールドという技術のようです。

 詳細は今回の発表では明らかにされていないですが、現在、わかっている情報から以下推定してみます。まずは公式ページ情報。

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Welcome | Magic Leap Features
 (上の公式ページ写真のDigital Lightfieldの文)

"Our lightfield photonics generate digital light at different depths and blend seamlessly with natural light to produce lifelike digital objects that coexist in the real world. This advanced technology allows our brain to naturally process digital objects the same way we do real-world objects, making it comfortable to use for long periods of time.

私たちのライトフィールドフォトニクスは、さまざまな深度でデジタル光を生成し、自然光とシームレスに調和して、現実の世界に共存する実物のデジタルオブジェクトを作り出します。この先進的な技術により、私たちの脳は、実世界のオブジェクトと同じようにデジタルオブジェクトを自然に処理することができ、長期間快適に使用できます。"

 ここからは「さまざまな深度でデジタル光を生成」する技術という位のことしかわかりません。

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Magic leap製品予想

" ライトフィールドを直訳すると「光線空間」 意訳すれば「光線の全て」 撮像素子に入ってくる 「光の量」だけでなく 「入射角」も記録する 撮影後に任意のフォーカスに合わ せた画像を作り出せる。

 ライトフィールドカメラのしくみ 撮像素子前面にマイクロレンズ マイクロレンズの屈折からメインレンズに入った光の位置を記録する。

 Magic Leapのライトフィールド Eric Seibel教授のチームはFiber Scanning によるライトフィールド映像の出力について 論文を出している ライトフィールドカメラと逆に光の眼への入射角を制御する!

 ライトフィールドプロジェクタ ▼ マイクロファイバーを束にして一体化 ▼ マイクロファイバーからに表示物の配置位置に合わせ て光を目に照射 ▼ 目の焦点運動によりCG映像がフォーカスが合ったり ボケたりすることによりリアリティーのある映像表現! 現実に溶け込んだCG表示が可能!!"

 こちらの解説は、ライトフィールドを推定したものである。
 こちらのページが書かれた時には、Magic Leapの特許を調べられているが、日本での公開特許は存在しなかったようである。
 現時点で特許を調べてみると、ライトフィールド他について、詳細の技術がある程度はわかる。以下、いくつかザクザクと見てみた結果である。

特許情報プラットフォーム|J-PlatPat 
 リンク先の特許検索ページで「マジックリープ」のキーワードで検索すると、2014年から2017年に出願された30件の特許を見ることができる。
 まずその中から「マジックリープ」と「ライトフィールド」の2つの検索ワードで絞り込むと一軒の特許が見つかる。

特許・実用新案テキスト検索 【公表番号】特表2017-518532)|J-PlatPat

20180114_214112 この図から頭の側面から何らかのデバイスにより投影された映像がレンズによって眼球の前に映し出されていることがわかる。この投影の際に、仮想映像を映し出す投影角度を制御することで、リアルな現実世界に対して、3次元的な位置を特定して脳が認識する幻影を重畳している仕組みであるのがわかる。

特許・実用新案テキスト検索【公開番号】特開2017-223970|J-PlatPat

20180114_201900 ヘッドセットの内部構造。メガネ側面のプロジェクタと複数の異形なレンズにより眼球にある投射角を持って映像が投影されていることがわかる。この構造が今回発表されたヘッドセットに仕込まれているのだろうか。

特許・実用新案テキスト検索【公表番号】特表2014-513367|J-PlatPat

"【請求項1】該仮想世界の少なくとも一部分は、該仮想世界データの変更に応答して変化し、 該仮想世界データの少なくとも一部分は、該ユーザデバイスによって感知される物理的オブジェクトに応答して変更される、システム。
【請求項2】 前記仮想世界データの変更は、前記物理的オブジェクトとの所定の関係を有する仮想オブジェクトを記述する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】 前記仮想世界データの変更は、前記所定の関係に従って第2のユーザに提示するために第2のユーザデバイスに提示される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】 前記仮想世界は、前記コンピュータサーバまたはユーザデバイスのうちの少なくとも1つによってレンダリングされるように動作可能である、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】 前記仮想世界は、2次元形式または3次元形式のうちの少なくとも1つで提示される、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】 前記ユーザデバイスは、増大現実モード、仮想現実モード、または増大現実モードと仮想現実モードとの組み合わせのうちの少なくとも1つにおいて、ユーザと前記仮想世界との間の相互作用を可能にするためのインターフェースを提供するように動作可能である、請求項1~5のうちのいずれか一項に記載のシステム。"

 こちらが日本で2012年にはじめて出願されたマジックリープの特許。
 彼らの技術の一番ベーシックな部分が書かれているようだ。

◆その他の特許
 いくつか興味深い特許があったので御紹介。

特許・実用新案テキスト検索(詳細表示)
【公表番号】特表2015-501101(P2015-501101A)【発明の名称】3次元仮想現実および拡張現実表示システム|J-PlatPat

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 なんとこのPatにはガンダムの写真(お台場に居た奴?)が使われている。
 重畳されているのはミツバチのようなキャラクタである。
 何だかガンダムが使われているところが未来技術とマッチして、そして微笑ましい(^^)。

特許・実用新案テキスト検索(詳細表示)【公表番号】特表2017-500605|J-PlatPat.

"【発明者】 【氏名】ブライアン・ショーウェンゲルト"

 なんと請求項が880という膨大なボリュウムの特許。本業の方で特許はかなり見ますが、こんな数のクレームは見たことがありません。これを詳細に読み込めばマジックリープの謎がいろいろと解けるかも。時間があれば真面目に読むのですが、、、w。

 この特許の発明視野である、ブライアン・ショーウェンゲルト Brian Schowengerdt Ph.D. 氏は、このリンク先によるとマジックリープのチーフサイエンス&エクスペリエンスオフィサーとのことです。

◆関連リンク

・Avegantのライトフィールド技術は、複合現実の未来に希望を与えます
(Google機械翻訳)

" Avegantのソリューションは、ライトフィールド技術を検討することでした。 この技術は、複数の焦点を同時に表示します。つまり、焦点に応じてオブジェクトがぼやけて鮮明に表示されます。 要するに、それはあなたが実際に現実世界で見る方法を模倣します。 ライトフィールドディスプレイ技術はすでに存在しています。マジック・リープが使用している技術と同じですが、Avegantは、これらの技術は現時点では実現可能ではないと述べています。 「彼らは狂ったコンピュータと多くの機械的な光学系を必要としている」とタン氏。 「このような製品を作ってから数年後に実際に出荷することには、いくつかの実用的な問題がある」 だからAvegantは何かを発明した。 同社が光の場を生み出すまったく新しい方法であると言われる、まったく新しい光学部品です。 Tang氏によると、Avegantの技術は既存の製造技術と既存のサプライチェーンを使用できるという点で、大きな違いがあります。 「これにより、規模を拡大することができます。

スペースを介して浮かんでいる小惑星は、ピン・シャープに見えました。これまでに見たHDディスプレイよりも確かにシャープです。 また、MicrosoftのHoloLensとは異なり、Avegantのプロトタイプの視野は巨大でした。 それは私の顔の前に100インチのテレビがあるように感じました。 この明確さの理由の1つは、Avegantの以前の網膜イメージングの経験です。 その太陽系のイメージは、小さなマイクロミラーの配列で私の目の中に直接投影されました。

私が歩き始めたとき、特定の角度で、私は実際に焦点を1つの惑星から別の惑星に移し、周囲の環境をぼかすことができることを発見しました。 たとえば、私が地球の隣に立っていたとき、月が私の目の前で右に回った。 私が月に直接焦点を合わせると、地球は背景にぼやけました。 私が視線を地球に戻すと、月が前景にぼやけました。 私はそれに少しショックを受けたように感じました。そして、私は大声で叫んでいます。「これはとても奇妙です! しかし、もちろん、それはまったく変わってはいけません。なぜなら、これは私たちが普通に見る方法なのですから。 私はこのように仮想オブジェクトを見るのに慣れていないということだけです。"

 こちらはライトフィールドで検索して見つけた技術。こちらも参考になります。
magic leap 当ブログ関連記事 Google 検索

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2018.01.10

■感想 湯浅政明監督『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』


『夜は短し歩けよ乙女』 90秒予告 - YouTube

 湯浅政明監督『夜は短し歩けよ乙女』DVD初見。
 傑作『四畳半神話大系』に直結する快作。
 なんなのでしようね、語りと絵の魅力なのか、京都の大学の雰囲気を見事に写し取った青春の香りに満ちた映画。『四畳半神話大系』でも見事だったのだけれど、このどこか甘酸っぱい現実と夢が混濁した映像空間はどこから生まれてきているのだろう。

 樋口師匠とかパンツ総番長とか古本市の神様とか李白とか、、、そうした謎のキャラクタの魅力と黒髪の乙女の小股の切れ上がった女っぷり、そして先輩の気恥ずかしさ、そんなものが混ぜこぜになってのこの感覚。

 森見登美彦の原作を読んだことはないのだけれど、原作の持つ京都の学生の雰囲気と、そして幻想味に満ちた湯浅監督の軽妙な絵柄と演出の成果なのでしょうね。こんな世界に紛れ込んで一生出てこれなくても良いと感じてしまう空間造形が素晴らしい。

 パンツ総番長とかゲリラ演劇「偏屈王」とか『クレヨンしんちゃん』の良い影響もあるのでしょうね。


『夜明け告げるルーのうた』PV① - YouTube

 続いて湯浅政明監督『夜明け告げるルーのうた』DVD初見。
 アニメーションだけが描ける素晴らしいイマジネーションの映画。自在なパースとハッピーな動き、特に前半の音楽シーン等、観ていて何故だかドキドキする映像がとてもここちいい。

 後半、物語を閉じるためのロジックが、映像のイマジネーションをある意味、型にはめている様な部分があって、少し残念なのだけれど、ルーのパパの描写(何故か日常に異様な人物が馴染んでいるところ)とか、クライマックスのスペクタクルと物語の登場人物の感情のシンクロとか、とにかくエキサイティングな映像が素晴らしい。

 すぐ前に観た『夜は短し恋せよ乙女』と比べると、オリジナル作品だけに、湯浅監督による映像の奇想成分の暴走がさらに気持ち良い。逆に前作が持っていた文学的な言葉による映画としての表現の奥行きは少し本作では弱い。ここが前作の原作 森見登美彦と脚本の上田誠両氏による映画の芳醇なのかもしれない。

 ということで、次作は永井豪の傑作『デビルマン』と湯浅映像のコラボレーションになるわけで、どんな融合の成果が観られるのか、楽しみでならない。
 1/5からもう配信スタートらしいけど、NETFLIX入ってないのでしばらくお預けです。

◆関連リンク
・Devilman Crybaby | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

 湯浅政明監督『Devilman Crybaby』、Netflixで全10本既に公開されているのですね。
 一気公開であの壮絶なラストまでが観られる。
 そそられますが、まだ加入していないですw。

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2018.01.08

■情報 『デヴィッド・リンチ版画展』@ 渋谷ヒカリエ 8/03/ART GALLERY/TOMIO KOYAMA GALLERY

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8/03/ART GALLERY/TOMIO KOYAMA GALLERY/デヴィッド・リンチ版画展

"会期/2018年1月18日(木)~2月12日(月)
時間/11:00~20:00
※オープニングレセプション1月18日(木)18:00~20:00(作家の来日はございません)
会場/8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery(東京都渋谷区渋谷2-21-1)
料金/入場無料

 この度、8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryでは、デヴィッド・リンチの版画展を開催いたします。 (中略)
 日本では1991年に東京の東高現代美術館、2012年にラフォーレミュージアム原宿にて個展を行っています。 本展では、 新作を含む版画作品を展示いたします。映画同様に、夢と幻が描かれたダークな作品制作をし続けるリンチの近作をご覧頂ける貴重な機会となります。是非ご高覧ください。"

 1/18から、リンチの版画展が東京で開催されるそうです。
 残念ながらデイヴィッド・リンチ御本人の来日はないようです。

 今回の展示作品の情報はほとんどネットにないですが、公式ページで唯一紹介されているのが冒頭の引用画像。

 この作品は "Squeaky Flies in the Mud 2015 lithograph on Japanese paper 60.0 x 60.0 cm" と銘打たれた版画で、訳してみると「泥の中のきらきらとしたハエ」という意味になりそう。そして注目すべきは和紙に刷られているというところ。

 2015年制作の様だけれど、日本での展示を意識した作品なのだろうか。

◆関連リンク
Csw900x6002820x510 ・Exhibition / David Lynch. Silence and Dynamism - Centre Of Contemporary Art in Torun 公式Facebook 

When: November, 12th, 2017 – February, 18th, 2018 Exhibition Opening: November, 12th, 2017 at 17:00

 ポーランドで開催中のリンチの個展「静粛とダイナミズム」。
 オープニングセレモニーの様子 動画
デヴィッド・リンチ展 – Tomio Koyama Gallery 小山登美夫ギャラリー

"デヴィッド・リンチ展 2014年6月25日 [水] - 7月14日 [月] 日月祝 8/ ART GALLERY/ TOMIO KOYAMA GALLERY"

 同じくヒカリエで過去に開催されたリンチ版画展。その際の作品の様子がリンク先で観られます。

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2018.01.01

■2018年 究極映像研 新年挨拶

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 あけましておめでとうございます! 本年も皆様よろしくお願いします。
 今年も究極映像犬として奇想映像を探索します(^^)。

 トップ画像は『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』の宇宙犬 COSMO です。

 コミックでは、以下に説明が記されていますが、なかなかごつい感じでコワモテのする犬です。

コスモ・ザ・スペースドッグ
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』!
 気まぐれ!アメコミ等紹介blog

" ライカ犬(50年代、ソ連のロケット打ち上げ実験の際、実験動物としてスプートニク2号に乗せられた犬。大気圏突入の際、ロケットと共に燃え尽きて死亡した。)をイメージして作られたキャラクターです。  ソ連の打ち上げ実験に搭乗させられた彼は、そのまま宇宙を旅することとなり、惑星ノーウェアに辿り付き、超能力が使える犬として、ノーウェアの警備員となりました。  後に、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーに加わります。"

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