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2018年3月

2018.03.28

■感想 押井守監督『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』ディレクターズカット


押井守が本当に描きたかった『パトレイバー』がここに。ディレクターズカット版予告映像解禁! - YouTube.

"監督・押井守の強い要望により、『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』の全カット責任編集を行い、27分の映像を追加したディレクターズカット版が10月10日に全国公開。"

押井守監督に「TNGパトレイバー 首都決戦」ディレクターズカット公開の経緯についてインタビュー - GIGAZINE.

"最初にこの「ディレクターズカット」があったんだけれど、「これでは長い」という話が出たんです。僕は「2時間の何が長いんだ?」と思ったけれど、90分にしたいという要望でした。そうすることで、1日の上映回数が増えるという話なんだけれど、結局、1日に来るお客さんの数は変わらないだろうし、変わらないなら回数を増やしても意味がないから、その話にはリアリティがないなと思い、詳しく聞いてみるとどうにも要領を得ない。「つまらないならつまらないと言ってよ」と言っても、そうではないという(笑)。それで、追求しないことにしました。いろんな事情があるんでしょうから。"

 押井守監督『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』ディレクターズカット版 WOWOW録画で初見。

 27分の映像を追加した、本来の押井監督の構想の映画。
 たしかに前半で、押井独特の饒舌な戦争に関する言語表現が続き、全体を見直した印象はあきらかにこちらが押井版であるというものであった。

 ただ、以前ブログに書いた以下の感想はそれほど変わらず、もっと"現在"が描かれる『パトレイバー2』であってくれたら良かったと思うのです。

◆関連リンク
当ブログ記事 ■感想 押井守監督『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』

 そうした意味でも「魂」は入っていない。いったい押井守はどうしてしまったんだろう、というのが第一印象である(それとも前作での伊藤和典の功績は随分と大きかったということなのだろうか?)。  押井守は、この空虚こそが現在をあぶり出すと考えているのだろうか、、、。作中でも後藤田に先代の伝統をなぞるしかない、と言わせているので、まさに描きたいのは2代目の空虚だったのかもしれない。

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2018.03.26

■レポート 瀬戸蔵ロボット博 2018

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瀬戸蔵ロボット博2018
 瀬戸市であった「瀬戸蔵ロボット博」、行ってきました。フィクションとリアルの混在が心地良いです(^^)。

 愛知工大の鉄人28号はいろいろと進化していく過程が見られました。
 もともとの2速歩行から、飛行用のジェット、そして遠隔操作VR操作と横山光輝の世界の再現からさらにその先を狙っている姿勢が素晴らしい。

 

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 映画のロボットも多数。
 一番目を引くのがこのR2D2とC3POですが、他にもハリウッドから日本アニメまで、ロボットの実物大とミニチュアフィギュア、おもちゃのオンパレード。

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 ダヴィンチの体感コーナーで、外科手術シミュレータを初めて体感。
 ワイヤで手と指の位置をはかり、シミュレーションのCGの内臓手術をハンドリング。点数は70点で、100点にならないと外科手術はやってはいけないそうで、外科医になるのはあきらめましたww。

 指の動きを1/5に縮小して、さらに手振れ補正があり、微細な手術を実現できるとのこと。わりかしシンプルで少し慣れれば使い良さそうな感じでした。
 ステレオHUDで見ながら操作するのですが、ちょっと残念だったのはステレオ立体視の奥行きが今ひとつだったこと。奥行きが捉えにくく、何回かトライしないと奥行き方向の位置を間違えやすい。今回の模擬は実際より簡易的なのだろうか。

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 あとはCART!VATORの空飛ぶ車"SKYDRIVE"、4つの駆動部に各2台づつのモータとプロペラ。空飛ぶデモはなかったけれど、8枚のプロペラのうち、1枚を動かして飛びそうな迫力はなかなかでした。なんとか東京オリンピックの聖火点灯に間に合って欲しいものです。

◆関連リンク
SKYDRIVE | CARTIVATOR / FLYING CAR PROJECT
手術支援ロボット「ダヴィンチ」徹底解剖|東京医科大学病院

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2018.03.21

■動画 AIが作成したサイケなPV Hardcore Anal Hydrogen "Jean-Pierre"


Hardcore Anal Hydrogen "Jean-Pierre" (2018, Apathia Records) - YouTube
AI(人工知能)でミュージックビデオを作ってみた。メタルにサイケ感マシマシでいい感じの香ばしさとなった。 : カラパイア

" 2009年に結成されたメタル&コンテンポラリーバンド「ハードコア・アナル・ハイドロジェン(Hardcore Anal Hydrogen)」が、Googleの生み出した人工知能ニューラルネットワーク「ディープ・ドリーム(Deep Dream)」をはじめとする様々なプログラムを使い、新曲「Jean-Pierre」のミュージックビデオを作り上げた。"

 気持ち悪いけど気持ちいい!不思議な感覚。
 こういうの観ると、AIって意識のない知性で、もしかしたら知的生命体が常にラリってる状態かも、と思う(^^)。

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Deep Dream Generator (Google公式)
 上のPVを構築したAIのひとつがこのGoogleのDeep Dreamである。
 どこかでみなさんも見たことがあると思うが、あの異様な犬の映像を創り出したクリエーターAIである。デジタル世界の創造主は、いったいどんな世界を生成したいのだろうか。

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2018.03.19

■情報 Google 高解像度 VR用有機ELパネル


Google Earth VR — Bringing the whole wide world to virtual reality - YouTube
Google VR(公式HP)
 最初のリンクは、Google Earth VRの動画であるが、今回ご紹介するのはGoogleが用意しているVRゴーグルのデバイスについて。

グーグルとLG、5月に高解像度のVR用有機ELパネルを発表か | Mogura VR - 国内外のVR/AR/MR最新情報

" この講演で発表されるディスプレイは、ピクセル数が18メガピクセル、サイズは4.3インチ、画素密度は1443ppi、リフレッシュレートは120Hzを実現するディスプレイであることが明らかになっています。最終的な解像度は不明ですが、有機ELの専門サイトであるOLED Infoによれば、解像度としては5500×3000程度を実現できる性能とされています。

 現行のVRヘッドセットを遥かに超えるVRヘッドセットの実現

 2018年現在、多くのVRヘッドセットの解像度は片目1K程度の解像度です。2017年末から2018年前半にかけて登場しているWindows MRヘッドセットのOdyssey(サムスン製、国内未発売)や、HTCのVive Proでも、片目の解像度は1440×1600ということを考えると、グーグルとLGのディスプレイはその数倍の解像度のVR体験を実現する可能性があります。"

Googleが1443ppiで120Hz駆動の4.3型VR用OLEDディスプレイを5月に発表見込み - Engadget 日本版.

"1443ppiという数字がすぐにイメージできませんが、GoogleのPixel 2が441ppi、Galaxy Note8で515ppi、iPhone Xが458ppiと考えれば、3倍近く高精細だとわかります。なお、VR用ではVIVE PROがディスプレイ1枚あたり3.5インチ 615ppiとなっています。"

 解像度が18Mピクセルということで、何とそれは他に比べて4〜9倍という高精細なものになっている(下のグラフ参照)。PS VRを試してみた時に、2.1Mピクセルということで画像がまだ荒いと感じたのであるが、それに対して約9倍というのは、相当にリアル感を補填できるのではないか。リフレッシュレートは、PS VRと同じ120Hz、VIVEの90Hzと比べると高いレートで、解像度とレスポンスが期待できそうである。

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 VRが3Dテレビのように一過性のものに終わらず、このまま、性能競争が続いて、VR酔いなどの起こらない、リアリティの再現とさらにはそれを超えるような超絶なリアルを体感させるようなものになるのを期待するものである。

◆関連リンク
Google and LGD developed a 1443 PPI 4.3" 120Hz VR AMOLED display | OLED-Info

"The new Google-designed display is a 4.3" 18Mp (1443 PPI, probably around 5500x3000 resolution) VR display featuring a refresh rate of 120 Hz. This will be the highest-density OLED display ever (not counting OLED-on-silicon microdisplays). Current VR AMOLEDs in production reach only about 600 PPI."

 こちらが元記事。
視力1.0のVR世界 70メガピクセルで実現する超高解像度のVR | Mogura VR - 国内外のVR/AR/MR最新情報.

"Varjo社はフィンランドのヘルシンキに拠点を置くスタートアップ企業です。同社はVRやMRといったいわゆるXR分野向けに画素数が70メガピクセルのディスプレイシステムを開発しています。これは現在市販されているOculus RiftやHTC Viveの約1.2メガピクセルと比べると圧倒的な高解像度ディスプレイです。チームメンバーの出身はマイクロソフト、インテル、NVIDIAやノキアといった会社から集まっており、8ヶ月前から独自の技術を開発し「20/20」と呼ばれるプロジェクトに取り組んでいます。(20/20は欧米で視力の程度を表わす表記、20/20は視力1.0と同じ。)"

◆当ブログ関連記事
■凄い! 3Dハンディカム HDR-TD10 裸眼3D対応 3.5型高解像度液晶モニター と iPhone 3D (^^)
■感想 プレイステーションによるヴァーチャル・リアリティ体験 PlayStation®VR

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2018.03.14

■感想 友井 健人編『1973『日本沈没』完全資料集成』

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1973『日本沈没』完全資料集成 - 株式会社洋泉社 雑誌、新書、ムックなどの出版物に関する案内。

"一億の民族を乗せ、ああ日本が沈む! 小松左京の大ベストセラー小説を、当時5億円の巨費を投じて、 豪華キャストで映画化した70年代パニック大作の金字塔 『日本沈没』(1973年)は、動員880万人以上の記録的ヒット作となった。 監督は『八甲田山』(77年)の森谷司郎。 特技監督はゴジラシリーズや『連合艦隊』(81年)の中野昭慶。 公開45年目を迎えた今も映画ファン、 特撮ファンを震撼させ続ける傑作の魅力を、 初公開含む写真と資料、600点以上の集成で明らかにする。

企画から公開までの流れ
藤岡弘、、小林桂樹、丹波哲郎、いしだあゆみ他カラースチール集
特撮カラースチール集
ドラマ写真ギャラリー
特撮写真ギャラリー
ポスター他宣材コレクション
登場人物紹介
巨大地震メイキング
潜水艇「わだつみ」デザインと図面
特撮美術資料
初公開・中野昭慶特技監督が描いたコンテ
製作スケジュール
原作と脚本と映画の比較
特撮セット図解"

 『日本沈没』完全資料集成、購入しました。
 当時チラシや雑誌の切り抜き、シナリオ等を集めていたファンとして、45年経ってこんな資料集が出るとは、感慨無量です!1ページづつ大切に読みたいものです(^^)。

 カラーとモノクロのスチール写真多数と、各種資料、そしてキャストとスタッフへのインタビュー等、全190ページの労作。

 ファンとしては見たことのないスチルと、さらに知らなかった制作エピソード等、たいへん嬉しい一冊になっている。

◆私のスクラップから
 いくつか本書に収められていない写真(雑誌記事)やチラシ、新聞の切り抜きがあるので、すでに45年前のSF文化資産ということで、掲載してみたいと思う。

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 似ているアングルの写真が本書のカラーページにも掲載されているが、残念ながらスチルの劣化で発色が良くないため、こちらの雑誌(たぶん当時さいとうたかおの漫画版『日本沈没』が連載されていた「少年チャンピオン」と思われる)の見開きページをご紹介。

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 こちらの二枚は特撮のレポート。たぶん上が「中一時代」、下が「テレビガイド」のもの。本書に衛星画像の日本列島の特撮シーンの海について、糊説とゼラチン説の両方が、スタッフの証言として掲載されているが、この雑誌記事ではどちらも糊と書かれている。「特撮で使ってきたカンテンの海では感じがでないと、研究をかさね、ついにのりの海を開発したのだ」「青い色をとかしこんだのりでできている」「海はのりに染料を混入」といった記述である。
 下画像の左上、わだつみがフロンガス噴射している様子がなかなか良く写っている。

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 映画館でもらえたチラシ。おもて面は本書に掲載されていたが、裏面がなかったので、ここに掲載。

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 こちらは割引券のおもてと裏。本書には横型の割引券は掲載されているが、こちらは未掲載。裏面に「みんなの科学」として地球物理を紹介している。これは学校の前で配られていたものだと思うので、勉強の視点が入っているのでしょうw。

 このスクラップの紹介が、45年前の特撮SF映画の記録として、少しでも役立てれば幸いです。

◆関連リンク
友井 健人編『1973「日本沈没」完全資料集成 (映画秘宝COLLECTION) 』

日本沈没 当ブログ関連記事 Google 検索

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2018.03.12

■感想 ライアン・クーグラー監督『ブラックパンサー』: Black Panther


BLACK PANTHER Final Trailer (2018) - YouTube

 3Dが近所で上映されていなかったため、2Dでまずは観てきた。素晴らしい傑作で、もう3D IMAX版も見に行かざるを得ない盛り上がり(^^)。

 『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズとしては、第18作品目の映画。今作は特に主人公の生まれ過ごす、第三世界の秘めたパワーの象徴としてのワカンダ国 (Wakanda)の設定がとても良い。そして『マーベル・シネマティック・ユニバース』の描き続けている世界平和のためのヒーローと政治の真面目なアプローチ。第三世界 アフリカの黒人の知恵と世界観を導入することで、次のアウフヘーベンを見られるのではという、続くルッソ兄弟『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』への期待。

 本作はそうしたアフリカの知恵の描写と合わせて、アフリカの原色を使った鮮やかな民族衣装等、ヴィジュアル的サウンド的にも第三世界的な視点にあふれていて、映画の映像と音楽の魅力に溢れた作品になっている。

 
 そうして大満足で見終わった後、気になったのは、この『マーベル・シネマティック・ユニバース』の大きな政治的なうねりのあるストーリーはいったい誰が構築しているのか。監督も脚本も別々のスタッフによるシリーズ。メインスタッフとしては、全作に関わるのは製作を務めるマーベルスタジオ社長のケヴィン・ファイギのみにみえる。

Kevin Feige - Wikipedia

・大ヒット作連発!マーベル・スタジオ社長ケヴィン・ファイギの仕事術 - シネマトゥデイ.

"「それぞれのプロジェクトにその作品に専念しているエグゼクティブプロデューサーがいて、彼らは毎日現場にいる。だから毎日『アントマン・アンド・ザ・ワスプ(原題)』のエグゼクティブプロデューサーだったり、『アベンジャーズ』のエグゼクティブプロデューサーだったりからメールがあるんだ」と携帯を取り出してみせたファイギ。「次のスパイダーマン映画もストーリーを練っているところだ。たくさんのことが同時に起きているがそれが全てうまくいっているのは、全ての場所に相応しい人がいるからだよ」と明かしていた。"

 今後、このケヴィン・ファイギの動静に注目していきたいものです。

◆関連リンク
◆TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」ブラックパンサー特集 3連発 
 以下3本のリンクは、通常文化,政治,社会ニュースを中心に放送しているラジオ番組での『ブラックパンサー』特集。とても面白いので、興味のある価値は是非!
『ブラックパンサー』で荻上チキ大興奮!▼2018年3月1日(木)放送分
「ブラックパンサー特集」▼▼中島かずき×荻上チキ 2018年3月2日(金)放送分」

中島かずき:今回の『ブラックパンサー』は次の『アベンジャーズ』につながる世界観の提示をしていると思います。『シビル・ウォー』までの世界は第二次大戦からずっと流れた南北問題の「北」、アングロ・サクソンを中心とする世界観。普遍主義。その中で、それが完全に行き詰った結果としてのアイアンマンとキャプテン・アメリカの対立があり、その体制が一度崩壊してしまった。で、さあどうなる? というところから今回の形が始まっている。そこに対して、次の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に向けて、「いや、こういう形があるよ」っていうのを『ブラックパンサー』で提示しているような気がします。だから僕は見終わった時にものすごく興奮して。「うわーっ、そうなんだ。映画でここまで描くんだ!」みたいな驚きがあったんですね。

【ネタバレ注意】「ブラックパンサー」が指し示した希望と可能性とは
 ▼中島かずき×荻上チキ 2018年3月2日(金)放送後

ブラックパンサー党 - Wikipedia.

"ブラックパンサー党(英: Black Panther Party, BPP)あるいは日本語で黒豹党(くろひょうとう)は、1960年代後半から1970年代にかけてアメリカで黒人民族主義運動・黒人解放闘争を展開していた急進的な政治組織。1966年、カリフォルニア州オークランドにおいてヒューイ・P・ニュートンとボビー・シールにより、都市部の貧しい黒人が居住するゲットーを警察官から自衛するために結成された。"

ブラックパンサー (マーベル・コミック) - Wikipedia.

"「ブラックパンサー」の名が考案されたのは、1966年10月のブラックパンサー党結成よりも先である。とはいえ、ブラックパンサー党に影響を与えたLCFO[† 1]はそれ以前から黒豹のロゴを用いていた。また、第二次世界大戦中に人種隔離政策によって作られた黒人の戦車大隊(第761戦車大隊(英語版))はブラックパンサーズと呼ばれていた[1][2]。 ブラックパンサー党を連想させることを避けるため、『ファンタスティック・フォー』第119号(1972年2月)へのゲスト出演からブラックレパードへの改名が行われたが[† 2]、同年の『アベンジャーズ』第105号(1972年11月)で取り消された[3][† 3]。 ブラックパンサーを創案した一人であるスタン・リーは、その名に政治的な意図は一切なく、LCFOのロゴを参考にしたこともないと述べている[4]。実際に着想の元になったのは、黒豹を連れていたパルプ冒険小説の主人公だという[5]。ジャック・カービーによるオリジナルのコンセプトアートではコール・タイガー (Coal Tiger) という仮の名が使われていた"

ブラックパンサー (映画) - Wikipedia 
ライアン・クーグラー
マーベル・シネマティック・ユニバース.

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2018.03.07

■情報 スタニスワフ・レム公式HP レムによるドローイング : Stanislaw Lem - Lem's drawings

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Stanislaw Lem - Lem's drawings
 スタニスワフ・レムの公式HPに、レム自身が描いた絵が掲載されています。不思議な、シュルレアリスティックなスケッチがいっぱい。知的なレムのイメージとは異なる子供っぽい、いい味の絵です(^^)。

 天才の頭の中を垣間見られた気分です。存外に小説と異なりお茶目な方ですね(^^)。

Stanislaw Lem - Photo album
 こちらは公式HPの写真アルバム。
 子供時代から晩年まで。たぶんお孫さんとの写真もあり、レムの人となりを感じさせます。

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2018.03.05

■感想 ギレルモ・デル・トロ監督『シェイプ・オブ・ウォーター』THE SHAPE OF WATER


THE SHAPE OF WATER | Official Trailer | FOX Searchlight - YouTube

 巷の評価がとても高い、ギレルモ・デル・トロ監督『シェイプ・オブ・ウォーター』を各務原イオンシネマで観た。デル・トロが幼少期に観た『大アマゾンの半魚人』が本作のベースになっているらしい。

 元になった『大アマゾンの半魚人』はアナグラム3Dで公開されていたのであるが、本作『シェイプ・オブ・ウォーター』は2Dのみ。残念ながら水中シーン等、3Dにとても向いたシーンが多いのだけれど、立体視映画にはなっていない。3D映画ファンとしては大変に残念なことである。

 という立体映画オタクな感想は置いといてw、本作は繊細で大胆なタッチのモンスター恋愛映画として素晴らしい完成度になっていると思う。
 冒頭から配置されたエロティックなシーンと残虐なシーンが、テーマに対して繊細に奉仕して見事にクライマックスを盛り上げている。

 にしても本作がアカデミー賞で最多のノミネートとなっているようであるが、僕はちょっとアカデミー作品賞の求める完成度とは違うレベルの映画でないかと思っている。全体は素晴らしいと感じたのだけれど、以下述べるところがさらに丁寧に積み上げられていたら、もっと傑作になっていたのではと思うので、以下簡単に述べてみる。

 最初に主人公がモンスターを認めるところ、背景にハンディキャップと異人という社会のアウトサイダー的な位置による共感とか分からないわけではないけれど、もっとボーイミーツガール的な組み立てが丁寧に描かれていても良かったのではないか。あれだけの怪獣なルックスに対して、ほぼ驚くことなくすぐに好意を持ってしまうのは少し不自然。

 面白かったのは、米ソの宇宙開発競争が背景にあるところ。水中と大気中の両方で呼吸可能なところが両国の注目を集めるといったところ、面白い設定だと思う。

 最後のクレジットで謝辞がジェームス・キャメロンにも捧げられていたが、『アビス』での水中生物の光り方とか参考にしたのであろうか。その内容を聴いてみたいものである(もしかしたらパンフにあるのかも。今回未購入なので読まれた方はご教示ください)。

◆関連リンク
シェイプ・オブ・ウォーター - Wikipedia

"2011年にギレルモ・デル・トロは本作の構想を練り、ダニエル・クラウス(英語版)と共同で脚本を執筆した[9]。脚本はデル・トロが幼少期に鑑賞した『大アマゾンの半魚人』の「ギルマンとジュリー・アダムスが結ばれていたら」という考えが基になっている[10]。"

大アマゾンの半魚人 - Wikipedia

"アナグリフ方式による3D映画として公開されたが、日本では普通版が上映された"


Creature from the Black Lagoon Gill man - YouTube
 その『アマゾンの半魚人』予告篇。


 The Shape Of Water "Making of" Featurettes (2017) - YouTube

 メイキング映像。
ジャック・アーノルド監督『大アマゾンの半魚人 (2D/3D) [Blu-ray] 』

 3D版もモノクロの立体映画としてソフトが発売されているのですね。

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