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2018.03.05

■感想 ギレルモ・デル・トロ監督『シェイプ・オブ・ウォーター』THE SHAPE OF WATER


THE SHAPE OF WATER | Official Trailer | FOX Searchlight - YouTube

 巷の評価がとても高い、ギレルモ・デル・トロ監督『シェイプ・オブ・ウォーター』を各務原イオンシネマで観た。デル・トロが幼少期に観た『大アマゾンの半魚人』が本作のベースになっているらしい。

 元になった『大アマゾンの半魚人』はアナグラム3Dで公開されていたのであるが、本作『シェイプ・オブ・ウォーター』は2Dのみ。残念ながら水中シーン等、3Dにとても向いたシーンが多いのだけれど、立体視映画にはなっていない。3D映画ファンとしては大変に残念なことである。

 という立体映画オタクな感想は置いといてw、本作は繊細で大胆なタッチのモンスター恋愛映画として素晴らしい完成度になっていると思う。
 冒頭から配置されたエロティックなシーンと残虐なシーンが、テーマに対して繊細に奉仕して見事にクライマックスを盛り上げている。

 にしても本作がアカデミー賞で最多のノミネートとなっているようであるが、僕はちょっとアカデミー作品賞の求める完成度とは違うレベルの映画でないかと思っている。全体は素晴らしいと感じたのだけれど、以下述べるところがさらに丁寧に積み上げられていたら、もっと傑作になっていたのではと思うので、以下簡単に述べてみる。

 最初に主人公がモンスターを認めるところ、背景にハンディキャップと異人という社会のアウトサイダー的な位置による共感とか分からないわけではないけれど、もっとボーイミーツガール的な組み立てが丁寧に描かれていても良かったのではないか。あれだけの怪獣なルックスに対して、ほぼ驚くことなくすぐに好意を持ってしまうのは少し不自然。

 面白かったのは、米ソの宇宙開発競争が背景にあるところ。水中と大気中の両方で呼吸可能なところが両国の注目を集めるといったところ、面白い設定だと思う。

 最後のクレジットで謝辞がジェームス・キャメロンにも捧げられていたが、『アビス』での水中生物の光り方とか参考にしたのであろうか。その内容を聴いてみたいものである(もしかしたらパンフにあるのかも。今回未購入なので読まれた方はご教示ください)。

◆関連リンク
シェイプ・オブ・ウォーター - Wikipedia

"2011年にギレルモ・デル・トロは本作の構想を練り、ダニエル・クラウス(英語版)と共同で脚本を執筆した[9]。脚本はデル・トロが幼少期に鑑賞した『大アマゾンの半魚人』の「ギルマンとジュリー・アダムスが結ばれていたら」という考えが基になっている[10]。"

大アマゾンの半魚人 - Wikipedia

"アナグリフ方式による3D映画として公開されたが、日本では普通版が上映された"


Creature from the Black Lagoon Gill man - YouTube
 その『アマゾンの半魚人』予告篇。


 The Shape Of Water "Making of" Featurettes (2017) - YouTube

 メイキング映像。
ジャック・アーノルド監督『大アマゾンの半魚人 (2D/3D) [Blu-ray] 』

 3D版もモノクロの立体映画としてソフトが発売されているのですね。

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