■感想 アンディ・ムスキエティ監督『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』
IT Trailer 2 (2017) - YouTube.
アンディ・ムスキエティ監督『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』ブルーレイ初見。
『スタンド・バイ・ミー』ミーツ ホラーというか、とてもキングらしいストーリーである。
実は原作を20年以上前に読んだのだけれど(翻訳が出たのが1991年とのことで既に27年前! 期しくも本書で重要なキーワードになる「27年」と同じ年月である)、すでにほとんど忘れてしまっている。ので、とてもワクワクして全体を見終えた。
まず青春映画としてよくできている。青春というか、子供から青年に移行する直前の年代の登場人物たちの心の動きを活写している。
『キャリー』にもつながる、スクールカースト(嫌な言葉だ)的に言えば下層の、いじめられている少年少女の物語。それぞれが抱えている課題をそれとなく見せ、その7人の仲間が集まって戦いの体制を整えていくところの描写がなかなか見事。
ホラーシーンも、ピエロのペニーワイズの持つ恐怖感。幻想性とリアリティのせめぎ合い。大人には見えていない描写等、ホラー映像の物語との拮抗も的確。
原作を想い出してみると、この27年後の主人公たちグループの姿が描かれていたはず。続篇で描かれるだろう、彼らの姿も期待したいものである。
◆関連リンク
・IT/イット "それ"が見えたら、終わり。 原作と映画の違い | MOJIの映画レビュー
丁寧にしかもchpter2のネタバレも避けつつ、映画と原作との違いを分析されている記事。
・IT (映画) - Wikipedia.
この作品の公開後、ピエロの存在を怖がる人々(道化恐怖症)が少なからず現れるようになったという。
・道化恐怖症 - Wikipedia
かならずしもこの作品だけが原因でないようですが、こういう病気が出てきているのはある意味凄い。映画によって精神的病が発症したというのは興味深い。
・Andy Muschietti監督 - IMDb
・Stephen King's IT (1990) - Georgie - YouTube.
1990年の映像化作品、ペニー・ワイズが側溝から現れる冒頭のシーン。2017年作品とほぼ同じ展開を描いているが、恐怖感が映像によってパワーアップしていることがよくわかる。
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