■感想 是枝裕和監督『3度目の殺人』
"第66回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作『そして父になる』の福山雅治と是枝裕和監督が再び組んだ法廷サスペンス。死刑が確実視されている殺人犯の弁護を引き受けた弁護士が、犯人と交流するうちに動機に疑念を抱くようになり、真実を知ろうとするさまを描く。弁護士や検事への取材に加え、作品の設定通りに実施した模擬裁判で出てきたリアルな反応や言動などを脚本に反映。福山ふんする主人公が弁護を担当する殺人犯を、役所広司が演じる。 公式サイト:http://gaga.ne.jp/sandome/ "
是枝裕和監督『3度目の殺人』WOWOW録画初見。
是枝監督タッチで撮られた黒沢清作品的な映画w。といったら「違う!」と言われそうだけれど、役所広司の役がそんなイメージをもたらしたのかもしれない。
その役所広司が素晴らしい。
特に接見室のシーン、この多重性。福山雅治演じる重盛が次第に役所に引き込まれていくシーンが凄い。その重盛に「俺たちは象のどこを触っているのだろう」というセリフがあるのだけれど、まさに我々観客(群盲)もなでているその巨大な象の姿が見えない。
ミステリが描き続けている「真相」を霧散させてしまうラスト。まさにアンチミステリの秀作と言える。そして日本の司法の阿吽の呼吸の描き方、アンチミステリはこの現代日本の法廷に横溢しているのだろうか。
このリアルは、裁判にかけられることは絶対に止めようと誓う位の抑止力を持った恐怖(^^)。
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