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2018年9月

2018.09.26

■感想 Oculus Go の VR世界(2) アプリ、コンテンツ

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 前回のOculus Goの全体的な感想に続き、今回はアプリケーションとそのコンテンツの紹介です。

Samsung VR

 VRプレイヤーアプリの"Samsung VR"のコンテンツで気に入ったものをいくつか御紹介します。

The Spacewalker VR(Russian VR Seasons)

"VR short film lets you experience the first human walking in space The film immerses audiences in the experience of Leonov and his fellow cosmonaut Pavel Belyaev during their flight on the Voshod-2 on March 18-19, 1965
Site: www.cgfww.com "

 まず、このロシアの宇宙ものVRが素晴らしい。冬のロシア、ヴォストークの打上げをドローンから撮ったシーンが最高。このようなアングルでのロケット打上げの映像は観たことがないけれどVRの臨場感が素晴らしい。実写と見間違える程の立体視CG。右の引用画では燻んだように見えるけれど、まさにロシアのロケット基地(バイコヌール?)上空から神の視点でロケット打ち上げを見られる感覚はとても貴重。
 Oculus以外でも観られるようなので、なんらかのVR視聴環境がある方、必見です。リンク先で通常の2D動画としても観られますが、3D VRを絶賛お薦めです(^^)。

Mission: Impossible - Fallout - Behind The Scenes 360°
 『ミッション・インボッシブル フォールアウト』のトム・クルーズのアクロバティックなヘリ他のメイキングVR。手に汗握ります。

Amaze VR
 VRのバラエティチャンネルということだけれど、ポールダンスやお笑い、お色気ものも沢山あるけれど、ここでは究極映像研っぽいものを紹介します。毎週アップデートされているようでコンテンツの幅の広さが魅力のサイト。

The Giant from New Media Ltd on Vimeo

"The Giant" is this week's Staff Pick Premiere! Read more about it here: vimeo.com/blog/post/staff-pick-premiere-the-giant

Directed by New Media Ltd
Newmedialtd.co
Original Score by Jake Aron and Ludwig Persik
With support from Paul Horton Visuals, Neighborhood Watch Films, and Pulse Films"

 リンク先で動画を360° 2Dで観られるけれど、これも360° 3D VRでは圧倒的な迫力があるので、そちらをお薦めします。身体が異様に変形した女性の(雌型の)巨人が居並ぶ異世界の光景が素晴らしい。恐ろしい光景なのだけれど、何故か惹かれるVR空間。この異様さは良質な異世界ものSF短篇のレベルに迫っていると思います。

Waking up in the Universe VR from Julius Horsthuis on Vimeo.

"in 1991, professor Richard Dawkins gave the Royal Institution Christmas Lectures. I have taken some parts of it and weaved them through a wondrous journey through fractal time and fractal space. A Mandelbulbian homage to science.
Music: Asura - Le Dernier Voyage ultimae.bandcamp.com/album/360-24bits
for more on my work: julius-horsthuis.com"

 こちらはAmaze vrでは、"fractal journey" というタイトルになっていたが、これもリンク先では360° 2Dだけれど、Amaze vrの360° 3Dで観てください。
 フラクタルで描かれた広大な空間、幾重にも折り重なったフラクタル模様の世界の地獄めぐり的な様相を呈している凄いアート空間が広がっています。
 この手法なら、酉島伝法氏の『皆勤の徒のあのSFの極北にあるような奇想世界も映像化できるのではないかと錯覚するような異様さがヘッドセットを通して脳内に展開されます。
 VRの奇想映像空間として、アート空間としての凄みの一端を感じられる映像をまずは二つ紹介しました。


Amaze 3D: The Pact VR Video 360 - Supernatural, Kidnapper, Scary VR Short Clip (Oculus, HTC Vive) - YouTube

 こちらはサイコパスもののホラー短篇。臨場感もなかなかですが、女優二人が魅力的だったので掲載w。VRとしては180° 3Dの短篇映画VRという感じ。
 ハリウッド女優のわりに小柄な二人の存在感。通常映画の2D画面より二人の女優のコンパクト感(??)がそこに存在するように身近な感覚で、サイコパスの恐怖感も、メイクとかイマイチなのだけれど、見ている部屋に突然現れたようなリアリティ。

◆映画館アプリ CINEVR - The Movie Theater | Oculus
 アプリを立ち上げると豪華な劇場でスクリーンを観ている感覚に入り込める。
 しかも他のOculusユーザの観客がリアルにVRの劇場シートに、アバターの姿だけれどいるのである。話しかけることもできる。遠方の友達と一緒の時間にそこで映画を観て盛り上がることもできる。

 その際に工夫されているのは、映画の音声と観客席の会話のボリュームを自由に変えられるため、周りがうるさい時は劇場内の会話ボリュームを下げれば良い。発声して応援上映をする場合は、ボリュームを上げる。
 劇場で世界の人を相手にナンパもできるはず(英会話が必須だけどw)。そう考えて観てると、観客が近くにいる劇場へ本当に行っている感覚が生じてくるのでとても面白い。もちろん、声はかけていませんが(^^;)。

 コンテンツは3D映画の予告篇が数本置かれていたり、そこそこ観られます。まだコンテンツの充実はこれからですかね。

◆関連リンク
Oculus Go おすすめVRコンテンツ|VR版バラエティTV『Amaze』 | なるほど!いいね

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2018.09.24

■感想 Oculus Go の VR世界(1) ハードウェア中心に

20180630_224734Oculus Go | Oculus (公式HP)

"さまざまなストーリーの世界を楽しめる VRの世界に今すぐダイブ!
ゲーム、ソーシャルアプリ、360度エクスペリエンスなど、1,000本以上のコンテンツが揃っています。"

 スタンドアローンタイプで今最も手頃なVR専用ヘッドセットであるOculus Goを数日借りて体感したので、レポートします。
 PS-VRは1ヶ月ほど試してヤフオクで売ってしまいましたが、こちらは改めて自分で購入しようかと思っている次第。手頃さとコンテンツの豊富さがなかなか良いです。

◆画質
・PSVRは5.7インチ、1920×1080ドット有機ELパネル。それに対して、Oculus Goは5.5インチ,2,560×1,440ドットの液晶パネル。
・画像は映画を立体視で観るとさすがに荒く感じるが、VR専用コンテンツでは眼を凝らさないと画素は気にならなく、PS-VRよりも高精細な印象。
・後述する映画館の劇場空間の中でスクリーンに映された映画を見るコンテンツで言うと、体感300インチくらいの大きさで観えるが画質が荒く映画館感覚を減じているのが残念。
・時々レンズのグリグリが見えるのは愛嬌かw。

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◆コントローラ
・片手で操作する空中マウスのようなコントローラが付属している。これによって画面に映るインターフェーズ(ボタン等)を操作する。リモコン側のボタンは主にはトリガーで押す。
・画面上の指示は、このコントローラの前後の軸方向に光の矢が画面上に現れることで操作。Touchサーフェイスと呼ばれているパッド部分を指でこすると画面のページをめくったりできる。ここはスマホの操作感に近く、かなり直感的に使うことができてここにもお手軽感がある。

◆装着感と音質
・メガネの上へ被って、ヘッドバンドで頭に装着した感覚がなかなかいい。
・特にヘッドバンドとHMDの装着部分に設えられた左右のヘッドフォンの音が気持ち良い。耳の中に入れるわけでもなく、耳の近くに小さな穴が空いているだけなのに、なかなかの音質。
・耳が圧迫されず、自然にステレオ音。しかもVR空間で首を振ると、その音の方向が変化。空間の臨場感をあげている。別のヘッドフォンを使うことも可能とのことだが、特に支障を感じない出来だと思う。
・VR酔いはPS-VRより良いように感じたが、これはコンテンツによるのかもしれない。

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◆3D空間
・PS-VRとの大きな違いは、このOculus Goには、PS-VRにあるカメラのような、ヘッドセットの位置を外部のセンサで捉えるシステムが存在しない。
・Oculus Goはヘッドセットに装着されたセンサで頭の向きの変化を捉えるのみ。これにより頭の向きが変わることによる視界の変化を再現している。この再現のリアリティが見事で、ほとんど遅れを感じさせない自然な動作を実現している。これにより視線の変化による空間の広がりが的確に映し出されて、まるでその空間の中にいるような気分になる。
・残念なのは、頭の位置が動いても映し出されている対象物をその頭の位置から見られるわけでないところ。PS-VRでは目の前のCGモデル等の裏側に回り込むようなこともできる(コンテンツによる)が、Oculus Goは無理。
・このVR空間は、ヘッドセットを取り囲む360°の全天球球面スクリーンに映し出される3D立体視映像ということになる。コンテンツによっては3Dでなく2D、360°でなく180°のものもあるが、前述の頭の動きに映像がうまく追従するため、2D 180°のものでもなかなかのリアリティを確保している。

◆関連リンク
Oculus Go オキュラス 単体型VRヘッドセット スマホPC不要 (64GB) [並行輸入品] (Amazon)
 Oculus (公式HP)から購入すると、Amazonの並行輸入より安く買えますのでご注意を。
【西田宗千佳のRandomTracking】「Oculus Go」に見る“みんなのVR”時代。VRで実現するパーソナルごろ寝シアター - AV Watch.

"Oculus Go向けには、ハイエンドVR向けとして人気がある「Bigscreen」というアプリがあり、これを使うと、PC上の画面や音をなんでも転送できる。

 テレビ録画を見るには、著作権保護技術である「DTCP-IP」に対応したアプリが必要だが、日本以外ではマイナーであるため、現状、Oculus
Goから直接視聴はできない。しかし「Bigscreen」を介し、「PC上で再生した動画を見る」ならば対応できる。PC上でゲームを動かしてそれを楽しむことも可能だ。Oculus
Go内蔵ブラウザで対応できないサービスは、「Bigscreen」を使ってPC経由で楽しむ……という方法もある。"

Oculus Goは魅力的だが、やっぱPSVRの方が満足度高そう | More-interest.GAME.
 両者を丁寧に比較されていますのでご参考。
・当ブログ 関連記事
 ■感想 プレイステーションによるヴァーチャル・リアリティ体験 PlayStation®VR

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2018.09.19

■予告篇 ルカ・ハルゴヴィック監督「スライス・オブ・ライフ (人生の一コマ)」"Slice of Life"


Slice of Life - Official Trailer - YouTube

""Slice of Life" is an original short Science Fiction film inspired by the Blade Runner universe."

 "Slice of Life" ブレードランナー風未来都市を描いたインディーズフィルム!
 『ブレード・ランナー』にインスパイアされたルカ・ハルゴヴィック(Luka Hrgović)監督による短篇映画。

 リンク先の予告篇を観てもらうとわかるが、「強力わかもと」ならぬ「吟徳門」と名付けられた商品(日本酒か?)のCMガールのふんどし美女が凄い(^^)!

 そして手作り特撮と思えぬ完成度の映像。後述するメイキングの映像を見るとわかるが、いずれも手作り感のあるミニチュアによる特撮である。
Slice Of Life Film(公式HP)


Creating the miniature sci-fi city in a garage - from junk! - YouTube.
 こちらにミニチュアの手作りシーン、それを利用した特撮シーン撮影のメイキング記録映像。

 『ブレード・ランナー』インスパイアは、その制作スタイルにまで徹底している。全篇見てみたいものです。

◆関連リンク

Solposter_web_big

Creating a sci-fi city in the garage
 特撮シーンの模型制作等のメイキング映像。
Slice of Life (Facebook)
 メイキング映像ほか、最新情報が語られています。
Slice Of Life - YouTube.
 こちらにも多数のメイキングが掲載されています。
Slice of Life - original short film homage to 80's SCI-FI by Julius Film — Kickstarter
 キックスターター、すでに受付は終了しています。ファンディングゴール $25,000に対して、$81,756の資金が集まったようです。
ファンが作った「ブレードランナー」のサイドストーリー動画「Slice of Life」のクォリティが高すぎる - DNA.

"クロアチアのLuka Hrgovićを監督に、極少人数のグループが自主制作している短編動画。完成すれば30分程度の上映時間になるそう。 現在、実写パートの撮影は終了し、ミニチュアなどを使った特撮パートの撮影に入っているとのこと。今後はKickstarterで3万ドル(約340万円)の出資を募り完成を目指すとしています。"

『ブレードランナー』へのラブレター、80年代SF映画への愛を込めた短編SF作品『SLICE OF LIFE』。 - ぼくと、むじなと、ラフカディオ。.

ちなみに本作品では、80年代のSF映画における特殊技術、ミニチュア、リアプロジェクション、マットペインティングなどの、今となっては旧式だと言われる技法がフル活用されているとのことで、「You won't find any CGI here!!!」と豪語している、それは本当にすごい!

Luka Hrgovic - IMDb
 4本の短篇映画の制作実績が記載されています。

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2018.09.17

■感想 フアン・アントニオ・バヨナ監督『怪物はささやく』"A Monster Calls"

 フアン・アントニオ・バヨナ監督『怪物はささやく』、WOWOW録画初見。
 少年のリアルとファンタジーの交錯。

 裏の巨大な古木が巨人として少年の前に現れ、人間の3つの物語を語り、悪夢に絡む4つ目の物語を少年に語らせる。
 巨人の語る物語を映像化したイラストレーション風の3D CGアニメが素晴らしい。絵本の中から立ち現れたような水彩風のCG。このシーンを観るだけでも、大きな満足が得られる映像。この映画は3D上映はなかったようだけれど、3Dでこの水彩の映像が動くところが見たくてたまらない。

 巨人の現実との重なり合い、伝える善悪の併存というメッセージの少年への影響、母親との関係。そしてラストで示される映画だけの、この巨人のエピソード。
 アメリカではヒットしなかったようだけれど、なかなか素晴らしい映画。どこかで観られる機会があれば、お薦めです。

 最後、蛇足ですが、少年の悪、自分の周りのものへの暴力が罰せられることがないところは少し違和感。通学路のごみ箱、祖母の居間、そしていじめっ子への逆襲。いずれも誰からも否定的な言葉は出ず、母親からはラスト付近で、怒りは自由に出しなさいと逆に肯定的に言われるところ。

 ある意味、この主人公の「悪」部分が本人にとって肯定的とも受け取られかねない描写が取られている。決してハッピーエンドではないこの映画のラストにこの映画はある意味、少年の将来が暴力に彩られるのではないか、という不安な余韻をもたせているように感じた。この後の祖母との生活、学校での生活がどんな展開になるかで、少年の未来は決定されていくのだろうけれど、そうしたダークなイメージを残したのも人の善悪の並存を描いたこの映画のテーマに沿って、そうした余韻は意図的なものなのかもしれない。

■3Dアニメーション部分のメイキング

Making of A Monster Calls (Animation Sequence)
  from GLASSWORKS VFX on Vimeo
 こちらにメイキングがある。
 やはり3D CGを水彩風に描き出した手法。こういう手法で撮られたアニメーション立体映画を是非制作いただきたいものです。短編でもいいので(^^;)。

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2018.09.14

■感想 黒崎博脚本・演出『容疑者Nと刑事の15年』 NHKスペシャル | 未解決事件 File.07 警察庁長官狙撃事件


NHKスペシャル | 未解決事件 File.07警察庁長官狙撃事件容疑者Nと刑事の15年

"この日は、「実録ドラマ」で描き出す。 執念の捜査で犯人を追っていく刑事役に國村隼さん。別の強盗事件がきっかけで容疑者として浮かび上がった男役にイッセー尾形さん、警視庁トップ、警視総監役に小日向文世さん。日本を代表する名優たちがしのぎを削り合う「実録」にして「本格派」。「未解決事件シリーズ」ドラマの新境地を開く。"

 黒崎博脚本・監督『容疑者Nと刑事の15年』、力作でした。
 押井守の映画音楽を手がける川井憲次のサントラをバックに描かれる現代警察事件の闇。まるで『パトレイバー THE MOVIE』の帆場暎一のように霧散していく犯人像。
 警視庁捜査第一課元刑事・原雄一を演じた國村隼、容疑者N 中村泰を演じたイッセー尾形の熱演と、黒崎脚本による「虚構」と「真実」のせめぎ合い。
 昨年の是枝裕和脚本・監督『三度目の殺人』の影響もあるかもしれない。三隅(役所広司)ほどではないが、掴みどころのない中村(イッセー尾形)の描写は影響を受けているような気がする。
 で、興味深いのは、このドラマが現実をベースにしていること。まだ謎は明らかになっていない。
 先週のドキュメンタリーのラストからは、NHKはまだこの資源を取材し続けている。今後の展開にも期待したいもの。

◆関連リンク

原雄一『宿命 警察庁長官狙撃事件 捜査第一課元刑事の23年』 

警察庁長官狙撃真犯人「捜査秘録」 原雄一×江川紹子 | 文春オンライン
 原雄一元刑事の証言。
 これを読むと今回のドラマの各々のエピソードが実際に原氏が警察内部で経験したことを元にしたのがわかる。

   それより面白いのは、原視点では中村は思想犯、自分が革命家であるというフィクションを作りたがっている殺人愛好家である、と分析しているところ。
 ドラマでは隠し続けた事件当日の共犯者の名前を明らかにしなかったのは、自分の物語を崩してしまう、ただ金が欲しかった共犯者であることが明るみに出るのを恐れてのことだったのではないか、と推定し語っている。

 ドラマは、全体として中村の革命家的物語を意図してか意図なしにかわからないが、番組としての強度を高めるために(?)、そうしたフィクションを結果的に補強してしまったように見える。

 現実とドラマの関係性が、メタレベルで、この事件が複雑化しているのを地で表現してしまったようでとてもスリリング。

警察庁長官狙撃事件「真の容疑者」中村泰からの獄中メッセージ(原 雄一) | 現代ビジネス | 講談社
 そしてこちらは、獄中の中村泰による、原雄一『宿命 警視庁捜査第一課刑事の23年』レビュー。
 この第三者的筆致、すごく面白い。現実は小説より奇なり。

 次はこのNHKのドラマのレビューも書いてもらいたい。

警察庁長官狙撃事件の真犯人を支援した男の「正体」(原 雄一) | 現代ビジネス | 講談社
 事件当日の共犯者について、原氏が自著にあえて変えて記述した仕掛けに、本当の共犯者かもしれない男から連絡が入った経緯。

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2018.09.12

■写真レポート 【空宙博】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館


「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」イメージ映像 - YouTube

【空宙博】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館公式ウェブサイト

"航空と宇宙を同時に体験できる 国内唯一の本格的な専門博物館"

 今年の3月にリニューアルした空宙博:かかみがはら航空宇宙博物館に行ってきました。実物の迫力、やはり良いです。
 今回は写真レポートです。

 まずは入館する前、博物館の前の広場に展示されている5機ほどの飛行機。
 こちらは入場料なしで観ることができます。下はそのうちの1機「川崎 P2-J 対潜哨戒機」、このスレンダーなプロポーション、魅力的です。

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 そして大人料金800円を払って入場。この手の入場料としてはなかなかリーズナブル。この値段でこれだけの展示物が見られるのはお得かと思います。
 まず冒頭には、今回のリニューアルの目玉になる太平洋戦争中の戦闘機「飛燕」の世界で一機という実機と、ゼロ戦試作機「十二試艦上戦闘機」実物大模型。
 「飛燕」はジェラルミンのボディが美しい。僕は零戦よりこのデザイン、好きです。 

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 そして次にメイン展示スペース。巨大な屋内(体育館3つ分位)に並べられた航空機各種。

Sora_haku10 戦闘機からSTOL飛鳥まで、壮観です。

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 その一角からはじまる宇宙コーナー。
 まずはH2のフェアリングとエンジン。フェアリングは近くの川崎重工岐阜工場で作られたものとか。

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 そして2階へ上がってNASAとJAXAの展示。
 火星探査機とISSに搭載された日本実験棟「きぼう」の実物大模型。
 きぼうには内部に入り、実験装置のラックやエアロックを見ることもできます。

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 次にはISSの模型とJAXAの衛星群。
 下は無人宇宙実験機 SFUの模型とパンフレットの展示。これに搭載された部品の開発を担当していたので、感慨深いです。

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 ということで、今回の写真レポートを終わります。
 実は今回、立体映像を撮るために3Dハンディカムを持って行ったのですが、何と充電がすぐ切れてしまい、ロクに動画が撮れなかったので、今回体験できなかったシミュレーター体験共々、再度来訪予定。家から車で40分ほどと近いのでいつでも行けるのです(^^)。

◆関連リンク

岐阜かかみがはら航空宇宙科学博物館リニューアルオープン記念番組~オープン前に博物館の中をまるっと見せちゃいます~ - YouTube.
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「ひそねとまそたん」上映会|【空宙博】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館公式ウェブサイト
 この9月には「ひそまそ」上映会も開かれるとのこと。
 聖地「自衛隊岐阜基地」のすぐ隣の空宙博会場での上映はファンには格別ではないでしょうか。ショップにはグッズコーナーもあります。

日本最大級! 岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 - 3月24日にオープン! (1) 「飛燕」が里帰り - 幻の「Qロケット」の風洞試験モデルも公開 | マイナビニュース.

"空宙博最大の目玉となるのは、三式戦闘機「飛燕」の実機である。正確には飛燕の中でも、エンジンなどを改良したII型の、試作17号機という。 飛燕は1941年に開発された旧日本陸軍の戦闘機で、当時の日本軍戦闘機としては唯一、液冷式エンジンを積んでいるのが最大の特徴。空冷エンジンを積む「ゼロ戦」などとは異なり、液冷ならではの細くスマートな機首をしている。 飛燕を開発、生産したのは、岐阜県各務原市にあった川崎航空機岐阜工場(現在の川崎重工航空宇宙カンパニー)で、飛燕全体では約3000機、II型に限っては99機が生産されたという。空宙博での展示は、飛燕にとっては"里帰り"にあたる。

展示機体は塗装のない、ジュラルミンがむき出しの状態になっている。これは工場からの出荷時の姿でもあるものの、実際に配備されたあとも迷彩色などに塗らず、日の丸など以外は無塗装のままの場合もあったという。"

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2018.09.10

■感想 ヨン・サンホ監督『新感染 ファイナル・エクスプレス』&前日譚『ソウル・ステーション/パンデミック』"Train to Busan 2016" "Seoul Station"


Train to Busan 2016 - Behind the Scenes - YouTube

 ヨン・サンホ監督『新感染 ファイナル・エクスプレス』と前日譚『ソウル・ステーション/パンデミック』WOWOW録画初見。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』
 見事なホラーアクション映画。そして家族の物語。とても泣かせます。
 この映画、アニメーションの監督であるヨン・サンホの実写作品とのことだけれど、シナリオも見事(各エピソードと解決策等)なら映像の作りもきっちりしていて(ガラスが集団の重みで割るところとか列車に大勢がぶら下がったところのシーケンスとか)、安心して観ていられる作品。
 閉じた空間での恐怖感をうまく演出している。映像としての外連味もあり、世界でヒットした理由がわかります。


Seoul Station Japan Trailer - YouTube.

 そして前日譚のアニメ長篇『ソウル・ステーション/パンデミック』。
 こちらがヨン・サンホ監督の本来の領域での仕事なのだろうか。シナリオとか映像の作りは、実写版からスケールダウンしている。アニメ描写もロトスコーピング(?)なのか、キャラクタの表情と演技が硬い感じ。

 、、、、と思っていたら、これはこの映画のラストの非情さを描くための仕掛けだったのかもしれない。このラストの救いのなさはある意味すごい。
 『新感染 ファイナル・エクスプレス』が家族の愛の映画になるのに対して、こちらは正にそれをひっくり返したようなブラックさ。
 この監督の他のアニメーション作品もぜひ観てみたいと思った。

◆関連リンク

・「新感染」続編製作へ 2019年撮影開始 : 映画ニュース - 映画.com.

"続編について、「ウイルス感染後の半島が舞台だという点と、ゾンビ映画にインスパイアされたサバイバルアクション物だという点では続編と呼べるかもしれないが、キャラクターもまったく異なるし、さしずめ『同一の世界観を持った前作の延長線上の物語』とでも言ったところかな」と明かしたヨン監督は、「まだ脚本を書き始めたばかりだけど、前作よりはるかにスケールの大きい、アクション満載の映画になるということだけは確か」と自信をのぞかせる。"

ソウル・ステーション パンデミック 特集:
 あの感染はなぜ起こった?ソウルに何があった?本作を見て、初めて“すべて”が完成する! - 映画.com
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2018.09.07

■感想 岡本喜八監督『独立愚連隊』


Dgrenntai_yokoku - YouTube

 岡本喜八監督『独立愚連隊』WOWOW録画初見。
 何しろ毎週10本くらいの映画を4倍速で録画してブルーレイに突っ込んでるので、3年ほどで溜まった映画が1000本を超え、いくら観ても未消化が一向に減りませんw。

 さて今週は以前からいろんな作家とか監督が良い良いと評価されているのを聞いて、ずっと観たかったこの映画。
 確かに洒脱で痛快な感じがとても良かった。主人公の佐藤允の笑顔がまず印象的。で、三船敏郎のまさかのあの破天荒な役。こんな贅沢な使い方が当時許されたのですね。

 鶴田浩二の馬賊もカッコ良かったけれど、やはり助演の中谷一郎と佐藤允のコンビが素晴らしい。この方、水戸黄門の弥七の役の方だったのですね。観終わってから検索して気づきましたw。
 好みからはもう少し話がトリッキーで、アクションのポイントの押さえ方がシャープだと、噂に聞き続けてきた僕のイメージの中の『独立愚連隊』になるのですが、1959年当時の映画ファンの盛り上がりの一端に触れることができました。

 『独立愚連隊、西へ』から『血と砂』まで1枚100円のブルーレイに入っているのでw、しばらく楽しめそうです。

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2018.09.05

■感想 パティ・ジェンキンス監督『ワンダー・ウーマン』


Behind The Scenes On Wonder Woman (2017) + Movie Clips - YouTube

 パティ・ジェンキンス監督『ワンダー・ウーマン』WOWOW録画初見。
 イスラエル軍でトレーニングを積んだ主演 ガル・ガドットの魅力が、『ジャスティスの誕生』に続き素晴らしい。

 それにしても戦争に対してまっすぐの思いで突っ込んでいくこの女性主人公の姿は、いろいろと複雑な想いも抱くが、心打つものがある(ドイツ軍の兵士ならドカドカ殺しても問題ないのね、とかw)。彼女が第一次大戦からどのように世界と戦ってきたのか、この後の展開も大変楽しみ。

 コミックヒーローもの全盛の現在、神のような能力の大インフレ状態が映画界に吹き荒れているわけだけれど、このような物語の趣向で、画面構成が同じようなものになりそうなのに、映画が一定の緊張度を持続し続けていること、現在の映画の力の素晴らしさに感嘆するばかりである。

 こういう映画が年に何本も観られる状況。僕たちはCGによって素晴らしい映画の時代に生きている、と言ったら70年代オールドファンの方々の顰蹙を買うのだろうか、、、(^^;)。僕も70年代にティーンだったオールドファンの一人でもあるのですがw。

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2018.09.03

■情報 富野喜幸監督『無敵超人ザンボット3 Blu-ray BOX』発売予定


「無敵超人ザンボット3」SD/HD比較映像PV - YouTube 公式サイト

"初回放送から41年。サンライズ初のオリジナル作品『無敵超人ザンボット3』が遂にブルーレイで登場!ニュープリントマスターポジフィルムから2Kスキャンした最高画質の全編フルHDリマスター映像! 発売日:2018年12月4日 希望小売価格:30,000円(税抜)

【封入特典】ブックレット(200P)※内容予定
・シリーズ構成・設定書、長編映画構成台本など未公開の貴重な資料集
・富野由悠季監督、安彦良和氏へのインタビュー

【映像特典】※予定
・ノンテロップOP/ED
・クローバー「ザンボット3 コンビネーションプログラム」CM集
・番組告知CM

【静止画特典】※予定
・第1話絵コンテ
・完成台本(全23話分)"

 初のブルーレイ化!リンク先の動画を観ると、オープニングフィルム(35mmとか)のみですが、見たことのない鮮やかな色になってますね。(ザンボットはあの淡い色合いが好きなので複雑だったりしますが…) 。

 「幻の長編映画構成台本などの未公開の貴重な資料や、 富野由悠季監督ほかへのインタビュー」、御存命なら金田伊功さんの作画語りが収録されたかもしれないと思うと残念でなりません。

Kanada_photo_2

 また「幻の長編映画構成台本」、あのエキサイティングなストーリーが長篇映画の尺でコンパクトにインパクトを持った映像として語られるというのはファンが夢見ていたことです。どんな話に再構成されているか興味深いです。

20170722003014

◆関連リンク
富野 喜幸 監督『【Amazon.co.jp限定】無敵超人ザンボット3 Blu-ray BOX (安彦良和氏複製サイン入りB2サイズ布ポスター(三方背アートBOXイラスト使用)+オリジナルキャラファインボード付) 』
富野 喜幸 監督『無敵超人ザンボット3 Blu-ray BOX 』

金田伊功 ザンボット3 関連当ブログ記事 Google 検索

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