« 2018年9月 | トップページ | 2018年11月 »

2018年10月

2018.10.31

■動画 キューブリック監督『2001年宇宙の旅』のメイキング


Stanley Kubrick | 2001 A Space Odyssey (1968) | A Look Behind The Future - YouTube

 キューブリック監督『2001年宇宙の旅』のメイキングがいくつか映像として、Youtubeに掲載されているので紹介する。今週は『2001年宇宙の旅』50周年ミニ特集です(^^)。

 まず上の動画。セット、プロップデザインからディスカバリー号の人工重力シーンの現場まで、こんなドキュメントが映像で残ってたということは知らなかったのでネットで見つけた時は嬉しかったので、ご紹介。
 A・C・クラークもしっかり語ってます。

 そしてこのメイキング映像を紹介したディスカバリーチャンネルの記事。

徹底的な科学考証が生んだ映画『2001年宇宙の旅』、そのデザインの裏側 – Discovery Channel Japan.

"人工重力空間は直径18m、重さ32トンもある空間を実際に回して撮影された。これほどまでに大規模な人工重力空間はISSには無いが、先日ドラゴン貨物宇宙船が届けた実験用の多用途重力可変プラットフォーム「MVP」はこれと同様に遠心力を使って人工的に重力を作り出すものだ。"

 いくつかの先進的なデザインについて、その出自を紹介しています。
 かなり簡易的な書き方なので、これはしっかりとした記事が読んでみたいものです。


Stanley Kubrick 2001 A Space Odyssey 1968 Making of a Myth - YouTube.

 もう一本、メイキングドキュメント。ペンの無重力シーンの再現シーン、ジェームズ・キャメロンやダグラス・トランブルも出演。
 モノリスの前で、語る後年のクラークの映像とかも味があります。

キューブリックが徹底研究した作品と、集められたスペシャリストたち『2001年宇宙の旅』 |CINEMORE(シネモア) 大口孝之氏

" 『2001年宇宙の旅』がいつ観ても古さを感じさせないのは、その後のSF作品を一変させてしまったメカデザインや、セット、ミニチュア、特殊メイクなど、美術全般の魅力が大きい。そして何より、とんでもなくリアリスティックな画面を実現させた、高度な特撮技術(*1)の貢献を忘れてはならない。本来であれば、製作・配給を手掛けたMGMのスタッフが、特撮も担当するべきなのだろう。だがこの時期、ほとんどのハリウッドの撮影所は特撮課を廃止してしまっており、スタンリー・キューブリックは新たにスタッフを見つけることからスタートしなければならなかった。
*1:この映画が公開された1968年は、ビジュアル・エフェクトという英国式表記がアメリカでは普及していなかったため、スペシャル・フォトグラフィック・エフェクトという長い役職で呼ばれていた。" 

 日本の3D映像、大型映画、CG映像の先端を切り開かれたクリエータ 大口孝之さんの筆になる『2001年宇宙の旅』のスペシャル・フォトグラフィック・エフェクトのスタッフの系譜をまとめた、大変興味深い論考。

 特に後のIMAX社の創業者であり、NFB(カナダ国立映画制作庁)の短篇映画の特撮の名手であったローマン・クロイター氏との共同の仕事の際に、直接聞き込まれたスターゲート以降のビジョン構築の裏話等、貴重なエピソードは必読です。

◆関連リンク


50th anniversary 2001: A Space Odyssey interview actor Keir Dullea - YouTube
 『2001年 宇宙の旅』ボーマン船長こと、キア・デュリアの最近のインタビュー。
 老け方が映画ラストのボーマンそのもの。
 俳優の50年後を見事にキューブリックが予見した! のか、もしくはキアが、自分の代表作の、映像の鋳型にはめるように自身で老けていったのか(^^)!


2001: a space odyssey; CG discovery - YouTube
2001年宇宙の旅、ディスカバリー号の構造: 万象酔歩.

"残念なことにディスカバリー号の設計図は廃棄されてしまったとの ことで、正確な構造は分かりません。 ここでは次の大まかな情報     頭の球体は直径12mくらい     人工重力(遠心力)居住区の直径は10mくらい     ポッドの直径は2mくらい と、映画の各シーンからディスカバリー号の内部構造を推測しCGモデルを作成してみました。"

 ディスカバリー号の内部構造をCG化したCG動画とその記事。
 ボーマン船長他の移動経路を知りたくなった時に、とても参考になります。労作ですね。

| | コメント (0)

2018.10.29

■感想 スタンリー・キューブリック監督『2001年 宇宙の旅』IMAX , 2001: A Space Odyssey - 50th Anniversary

44797821_2124505391212377_391640028

43636875_2124505447879038_717786559

 2週間限定公開の『2001年宇宙の旅』IMAXを、名古屋では唯一の上映館となったイオンシネマ大高で観てきたので感想です。

 まずは映画を観終えて、「50年前の2001年」から現在の2018年に戻ってきて、感じたこと。
 劇場の映像空間から、大高イオンに戻っても、LEDの光と21世紀のショッピングモールのリノリウムの床の空間は正に地続き(上の写真)。キューブリックとクラークは21世紀を50年前に幻視していたのをまざまざと実感。
 というのはこの映画のひとつの側面にすぎないのですが、続けて映画本篇の感想です。少し回りくどいけれど、初めて観た時の印象から始めます。


4K/BD【予告編】『2001年宇宙の旅 HDデジタル・リマスター』11.21リリース & 10.19 IMAX上映 - YouTube

 僕が劇場で『2001年 宇宙の旅』を観るのはこれで二度目。
 1度目は1978年のリバイバル上映、白川公園横にあったシネラマ名古屋の巨大スクリーンであった。ずっと憧れていたSF映画の最高峰に触れるには最適な環境だったと思う。
 実はその時の感想を細部については覚えていない。70mm上映だったかどうかも、、、。ネットで探ってみるとこのリバイバル上映は70mmと35mmの両方が使われていたらしい。巨大なシネラマの大画面用に70mmが使われたと想像しますが、、、。

 その時の感想としては、期待が大きかったからか、映画の感想としては、「凄い ! 」の一言ではなかった。映像としての洗練、凄さは感じたけれど、SFとしての物語が(当時、SFにどっぷりはまっていたので)、実はいまひとつに感じられたのだ。

 覚えている一番の点は、登場人物が人間らしくなくって(まるでファッション写真に出てくるモデルみたいで感情が感じられない。人の進化を描くのに、人間らしい矛盾した存在感が描けていないのは足りないのでは、)これで進化を描かれてもなぁ〜、というもの。(実はキューブリック映画にはこの時の印象がずっと尾をひいていて、全面絶賛にならない自分の気持ちがいますw)。

 で、今回、通して観るのは5回目くらい、大画面で観ての率直な感想。物凄い数の論評がなされてきたこの映画に新たに自分が追加できる視点はほとんどないと思う、ので、率直な自分の感想を記しておきます。

 この映画、今更だけれど、やはり映像の力が素晴らしい。画のバランス、隅々まで気迫のこもった未来描写。いずれも映像で象徴的に観客に400万年前から2001年の未来までを見せていく手腕がやはり素晴らしい。

 例えば月着陸船とディスカバリー号内部の重力と無重力の描写。人が円筒の中に作られた重力の中で、観たことのない動作をするのをこれでもかと描いているが、まさにこうしたところに映像で新しい世界を観客に、ある種の驚きを体感させることでリアルに実感させることを狙った手法。

 今では宇宙ものの定番描写になっているディスカバリー号が画面左から入ってきてて、カメラがその表面を舐めるように映し出す映像。これも、上に書いたのと同じく観客に映像の衝撃で未来を実感させる手法のひとつと言える。

 どのシーンも実はそうしたことを隅々まで考えてキューブリックが設計した映像であることがとてもよくわかる。400万年前の人類の夜明けも。2001年の月世界も。そして木星からスターゲートと欧州家具で調度されたボーマンの部屋。
 特に木星シーンから以降は、人類の進化を映画の時間軸で体感させるためにキューブリック(とクラーク)によって、同じく映像ショックで体感させるべく設計された映像なのではないか、と強く今回感じられた。

 謎解きについては、クラークの小説、キューブリック自身のラストを語る言葉、そして多くの評論家、SF作家、ファンによって語られた言葉で、既にキューブリックの意図したところは、ほぼ解明されているのではないか、というのが僕の印象。

 今後もこの映画が語られ続けるのは、映像としての素晴らしい構築力についてではないか、と思う。
 今回、僕がもうひとつ感じたのは、月面のシーンとか、宇宙の暗黒空間をゆくディスカバリー、そして木星のシーンでの、音の演出と各カットの長さである。
 真空の無音を限りなく意識した音設計。そして通常の映画と比べて恐ろしく長い各カットの時間である。
 これにより感じられる静寂な印象がもたらす映画空間としての印象。
 感情を排したように感じられた僕の初見の感想は、こんなところにもあるのかも、と思った。

 ではなぜこうした静粛を狙った映像になっているのか。
 もちろん宇宙の独特の空間を体感させる効果はある。しかし400万年前のシーンもラストのボーマンの部屋もそうした描写が際立っている。
 どこか神の目の視点、ここではモノリスを作った異星の存在の視点を意識した描写ではないだろうか。静かに人類を眺めている存在の視点を隅々まで意識的に張り巡らせることで映画自体に異星人は登場しないが、見終わった時になぜか観客に残る人類と異なる存在の意識みたいな冷たい異質な感覚。
 これをまさにキューブリックは意識的に描き出していたのではないか、というのが今回の鑑賞の一番の収穫だった。

 今度は、この感覚の正体を、意識しつつ、もう一度、この映画を観てみたい。
 初見の感想から40年経って、その古びていない未来幻視と映像の独特の感覚に浸って、いろいろと考えるところの多い映画体験でした。こんな機会を作ってくれた映画関係者に感謝です。


2001: A Space Odyssey - 50th Anniversary Trailer Comparison - YouTube

 最後に、IMAX版の映像について。
 これは今までのブルーレイ映像と70mmレストアの予告編映像を比較したもの。ブルーレイと比べて、アンレストア70mm版は、明るくて色味が黄色っぽく見えますね。

 この比較映像と比べると、IMAX版は中間よりちょい70mmアンレストア版の色合いに近い感じだったかな。 でもIMAXで観ると、70mmフィルムの解像度は、IMAXのデジタル解像度(2Kなんですけど)に追いついてなく、細部がつぶれてる印象。違ってたらごめんなさい。

◆関連リンク
【関連動画】『2001年宇宙の旅』アン・レストア70mm版と、デジタル処理されたBDとの比較動画 : KUBRICK.blog.jp

 これをソースに同シーンをBDから抜き出してBD→70mmの順で比較した動画が一番上の動画ですが、けっこう印象が違います。当然キューブリックの意図は後者なので、後者を基本に考えるべきですが、BDを見慣れていると違和感も否めません。ただしモニターとスクリーンでは映像の投影方法が異なるので映画館で観ればこれとは印象は異なるかも知れません。

 キューブリック関連の情報では日本最強のキューブリックブログさんの記事。
 この他にも2001年に関する素晴らしい情報があふれていますので、是非ご覧ください。
8K版「2001年宇宙の旅」、NHKが12月1日放送。70mmフィルムからフルレストア、世界初 - PHILE WEB.

NHKによると、70mmフィルムは8K並みの情報量を持つとのこと。「70mmフィルムのポテンシャルを十分に生かし切ることができる8Kでのテレビ放送は世界初」としている。 今回の8K放送はNHKが呼びかけ、現在作品を管理しているワーナー・ブラザースが、専門の作業チームに修復と8K化を依頼。「フィルムの傷などを丹念に修復し、すべての色彩を検証、細かく補正し、初公開時の映像と音声にできるだけ近づけるようレストアを行った」という。

 これは是非観てみたい、録画して手元に残したいと思うのですが、8Kテレビが68万円、HDレコーダーが14万円。まだまだ高嶺の花で絶対自分では手が出ない値段ですね。

マイケル・ベンソン, 中村 融 訳, 内田 昌之 訳, 小野田 和子 訳『2001:キューブリック、クラーク』

20181027_204408

“1968年、映画史に残る名作『2001年宇宙の旅』が製作・公開された。 スタンリー・キューブリックとアーサー・C・クラークという映画界・SF界の二人の天才の出会いから製作、公開までを克明に綴る。公開から50年、エポックメイキングな傑作の価値を再検証する”

2001年宇宙の旅 IMAX版の功罪 | シュウさんのブログ.

"最近観たアンレストア70㎜版とはまた違う印象を受けた。 70㎜では、想像以上にグレインが目立ち、いわゆる”荒々しさ”を感じたが、IMAX版は、きれいにレストアされた上品な印象だった。 ただ、IMAXの功罪を感じたのもまた事実。 「7人の侍」4Kリマスター上映でも感じた、ハッキリ見え過ぎる罪というか。 「7人の侍」では、カツラのラインがハッキリ見えてしまってたのだ。 今回の「2001年」IMAXでも、合成のズレによるチラツキとか、宇宙船から星が透けているとか、今まで気がつかなかった点がハッキリ分かってしまったのだ。 これは、IMAXならではの事なのか。 それとも、スクリーンの詳細さは今も昔も変わらず、単に私が気がつかなかっただけなのか…。 気になるところだ。"

 大変に興味深いブログ記事です。
 こちらで書かれている、窓の中のシーン(ステーションへのドッキング)のチラツキは、ハイビジョン放映版をうちのプロジェクター(120インチ)で観ても分かるので、IMAXというよりか、今回のIMAXの2Kデジタルの功罪でしょうね。 2Kでも既に解像度が当時の70mmを超えてる感が(画像のボケが気になる、ex. IBMのTele Padの文字が潰れているとか、いろいろ) あるので、8Kの意味があるか疑問を感じたりします。
【町山智浩映画解説】映画史上最も難解な映画『2001年宇宙の旅』 - YouTube.

"町山智浩さんが、ほとんどの評論家が解釈を間違えたという『2001年宇宙の旅』の解説をしています。この『2001年宇宙の旅』は、町山さんが映画に関する文章を書くキャリアの始まりとなった映画だそうです。あの、淀川長治さん、荻昌弘さんも間違えたという、難しい映画の本当の意味とは?・・・・・・"

 謎解き側面での2001年解釈の集大成的な町山氏の映画解読。とても興味深いです。

| | コメント (0)

2018.10.24

■感想 360° 3Dシアター@ぎふ清流里山公園

44402521_2121635171499399_561873029

ぎふ清流里山公園
 ぎふ清流里山公園(旧 日本昭和村)(今は入場無料)に、リニューアル後、初めて行ってきたが、360度 3Dシアターが出来てて吃驚。

44464922_2121635334832716_137484767

Photo

 直径5m、高さ2m位の白銀の円筒スクリーンの中で、偏光式メガネをはめて観るタイプ。ここの入場料は1プログラム500円。
 映写機は多分フルではないハイヴィジョン×10台。2台づつセットで映写機の投影レンズの前に左右の偏向板を手作りで貼り付けたような造作。

 コンテンツの制作費はともかく、プロジェクタは今や一台数万円、直径5mの部屋さえあればw、DIYで3Dシアターが作れる、というのも今回の新たな発見。5mは無理にしても、こんなもの家に作ったら家族はきっと出て行ってしまうのでは、というリアルなリスクを背負いつつ、そんな夢想もしてしまったのである(^^;)。

 観たのは「ダイナソーアドベンチャー」、恐竜の生活と闘い、そして隕石による滅亡までを5分で描いたもの。
 羽毛の生えた恐竜が観客にググッと迫ってくる映像の迫力はなかなかで、画像の荒さは気にならなくなる出来でした。

 ある事も知らず、期待しないで観ましたが、充分楽しめる出来でした。
 今はこういったものは、簡易的にVRで表現できるようになっているが、こうした物理空間に360度シアターが存在するというのは、これはこれでやはり3D映像好きとしてはワクワクするものです(^^)。

 あとこの里山公園、なかなかのんびりと昭和を体感できたりしますので、写真で一部ご紹介。

44467845_2121635351499381_515527197 新しい子供が遊べるこんな遊具も出来てます。

44471419_2121635394832710_275338628 そしてロバのパンと、ヤギの雑草除草隊。ロバパンの店舗、はじめてみました。そしてパンが買えます。

44503605_2121635561499360_5698524_2

44412574_2121635611499355_697078722 昭和パビリオンの中では、古い街並みと商店街が楽しめます。

| | コメント (0)

2018.10.22

■感想 フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿「超人類 ヒトか?機械か?」

20181021_192021side

フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿「超人類 ヒトか?機械か?」 - NHK

"小説「フランケンシュタイン」が出版されて200年。科学史の闇に迫る、あの知的エンターテインメントが3週連続の特集シリーズで帰ってくる!第一夜は、機械と人間の融合を目指してロボットに新たな命を吹き込んだサイボーグ研究の先駆者の物語!巨額の開発費は、すべて軍の資金だった!最先端のサイボーグ開発現場、そして衝撃の計画も登場!人間の能力を超えた超人類が生まれる時、はたしてそれはヒトなのか?機械なのか?"

 NHK BSプレミアのフランケンシュタインの誘惑、今回はパワードスーツで有名なGEのエンジニア ラルフ・モシャーの特集。まさにパワードスーツのコンセプトから、その実装まで、電子機器の発達していなかった50-60年代当時に、油圧機械中心でここまでのロボット技術を構築したマッドネスは凄い。自分の持つ未来イメージを形にしていく、創造するエンジニアの姿が眩しい番組だった。


GE's Walking Truck - ca. 1965 - YouTube
 上は、動画が紹介されたモシャーが開発したウォーキングトラックの動画。 ダイナミックさと繊細さを融合した油圧メカで燃えます。電子機器がどの程度使われたのか/使われなかったか、いまひとつ番組からはわからなかったが、、、。

Mosher-Handyman-to-Hardiman-1967.pdf

20181021_194002

 番組で紹介されたモシャーの論文「ハンディマンからハーディマンへ」のPDFがあった。

 ここに記載されている右図によると、やはり電子機器は関わっていなく、油圧を増幅する油圧回路によるもののように見える。このような仕組みで、人の動きの軌跡を拡大して、力の増幅を成し遂げているメカニカルパワードスーツ、エキサイティングです。

1965-71 - G.E. Hardiman I Exoskeleton - Ralph Mosher (American) - cyberneticzoo.com
 ハーディマンのさらに詳細な資料がここにあります。マニアのページみたいで、やはりこうしたものは人を強く惹きつける魅力があるのですね(^^)。

| | コメント (0)

2018.10.17

■感想 入江悠監督『太陽』(2016) 、前川知大演出『太陽』(2016)


『太陽』予告編 - YouTube 映画公式サイト

 劇団イキウメの前川知大による原作脚本の映画『太陽』をWOWOW録画で初見、続けて、2016年に再演された前川知大 原作脚本演出の舞台『太陽』をNHK BSプレミア版で初見。簡単だけれど、見比べた感想を記します。
 まず映画版。
 キュリオのひなびた村の光景、対するノクスの近代的な都市等、どこかSFチックな映像を見事に見せてくれて、まず映画的な世界の広がりに感嘆。
 物語は、ウィルスの拡散により人口が激減した世界で、ウィルスに耐性を持つが太陽光を浴びると体が燃えてしまうノクスと、ウィルスに罹患すると死んでしまうが元々の人間的な生活を太陽のもとでおくるキュリオの対立を小規模の境界を舞台にして描いている。
 そうした設定で描かれる世界は、少人数だけれど、新しい未来像を描き出していて、どう展開するのかワクワクしてしまうプロローグ。
 ただ、物語は閉鎖的な世界としてのキュリオの村の描写を昭和の邦画のようなドロドロとしたものとして描いていく。ここが僕はいまひとつだった。

宇多丸『太陽』を語る!by「週刊映画時評ムービーウォッチメン」2016年4月30日放送.

"「村としての日本、村人としての日本人」。もっとはっきり言えば、こういうことですね……「オラこんな村、イヤだ!」っていうね。「オラこんな村、イヤだ! ……でも、我々はここで生きていくしかないのだから……」っていう、こういう話をある意味、入江さんは毎回やっていると言える。"

 という評もあるが、確かに入江悠監督のテーマとしてそうした描写は必然的だったのかもしれない。しかし僕はしっくりこない。
 キュリオとノクスの世界の接触による異文化SFとして期待したものが、なぜ、昭和的日本人のムラ世界の湿度の高い世界描写に収束しなければならないのか。特に芝居にはないレイプシーンにはガッカリ。陰湿なムラ世界描写の協調かもしれないけれど、その前のシーンで太陽の下での若者三人の溌剌とした世界を描いていながら、ノクスとの対比で本来最も特徴的に描けたはずの太陽の光の下でのキュリオの世界描写を相殺してしまっている。ここが最も残念なところだった。

20181014_212129

 そして芝居版。
 こちらは映画とは逆のテーマが描かれている。人工的なノクスの論理的世界に対して、太陽の下で奔放な芸術、職人スキルでの突出(主人公 鉄彦の紅茶に対する深い理解)。ヒロイン結の変貌は映画も演劇も同様に描いているが、その後の鉄彦のとる態度で、逆の意味合いを持たせた芝居の方が僕は好きなテーマだった。

 映画は芝居で描けない太陽の光の描写を映像として思う存分にできるため、本来映画化ではそこがもっとも強いイメージを残せるはずで、それがテーマ的に消化するのは、芝居が描き出したテーマだったはず。

 映画は、入江監督のこだわりのテーマでタイトル『太陽』の持つ意味を否定してしまった。この映画化は監督とのミスマッチで、せっかくの良い映像を撮っているのに、それを十分に生かせず、芝居に対してテーマ的に力を失ってしまったのではないか、というのが僕の比較して観た感想です。

◆関連リンク
イキウメWeb 『太陽』2016 
イキウメWeb 通信販売ページ 前川知大演出『太陽』DVD
入江悠監督『太陽 Blu-ray』(Amazon)
前川知大演出『太陽 DVD』(Amazon)
前川知大『太陽』小説(Amazon)

 

| | コメント (0)

2018.10.15

■新刊情報 飛浩隆 第2長篇『零號琴(れいごうきん)』

71gskfsgk3l

零號琴 | 刊行年月,2018年,10月 | ハヤカワ・オンライン

"特種楽器技芸士のトロムボノクと相棒シェリュバンは惑星〈美縟〉に赴く。そこでは首都全体に配置された古の巨大楽器〈美玉鐘〉の五百年越しの竣工を記念し、全住民参加の假面劇が演じられようとしていた。上演の夜、秘曲〈零號琴〉が暴露する美縟の真実とは?"

 ついに 飛浩隆さんのSFマガジン連載作『零號琴』が第二長篇として刊行される。

 SFマガジンで読んでいないため、どのような話なのか、公式HPにある上記ストーリーを読むしかないが、音楽劇を中心にした奇想な世界が堂々開陳される雰囲気。
 こころして刊行を待ちたいと思います。

飛浩隆16年ぶりの第2長篇『零號琴(れいごうきん)』刊行記念トーク&サイン会、開催!!.

"10月18日(木)発売の『零號琴(れいごうきん)』の刊行を記念して、八重洲ブックセンター本店にて著者・飛浩隆氏のトーク&サイン会を開催いたします。「グラン・ヴァカンス」以来、16年ぶりの第2長篇小説。飛浩隆氏と編集担当塩澤が制作秘話や裏話を語ります。

〔日時〕10月20日(土)14:00~15:30
〔場所〕八重洲ブックセンター8階イベントスペース
〔出演者〕飛浩隆 塩澤快浩

詳細とお申込みについては、八重洲ブックセンターHPをご覧ください。"

 トークショー、激しく聞きたいですが週末の東京行きはなかなか、、、。
 どなたか、レポートお願いいたします。

◆関連リンク
2018年京都SFフェスティバル 飛浩隆先生のレポートツイート かーらーのー 「創作踊り説」! - Togetter
飛浩隆twitter
題材不新鮮 SF作家 飛浩隆のweb録

| | コメント (0)

2018.10.08

■感想 ナ・ホンジン監督『哭声/コクソン』


3/11(土)公開 『哭声/コクソン』予告篇 - YouTube

  ナ・ホンジン監督『哭声/コクソン』WOWOW録画初見。

 この映画は一筋縄ではいきません。衝撃を受けたのは確かなのですが、僕は観終わった今もストーリーに釈然としないものを覚えて、モヤモヤとした想いでいます。

 ということで、まずはネタバレなしの感想から。

 端正な画面と少しコミカルな登場人物の営み。この映画はそのように始まります。
 そして谷城(コクソン)の村に起こる猟奇的な殺人事件。ここのサスペンスはなかなかのもの。サイコサスペンスとして、さらにはそこに祈祷師という存在を登場させ呪術的闘いというホラー寄りのサスペンス見せていく。

 ここまでの映画のサスペンスはなかなかのもの。エンタテインメントとしてかなり恐ろしい話を見事に映像化している。映像の美しさとともにエンタテインメントとしての完成度もなかなかのものです。
 特に國村隼の不思議な落ち着きを持った狂気の演技が素晴らしい。

 そしてラストの15分間のすごい映像。主人公ジョングと謎の女ムミョンとの農家と畑の間での夜明け前のシーンの素晴らしさ。

 光と影と、光の色の表情、凄みのあるこのシーンの映像、助祭イサムと國村隼のシーン、そしてジョングの家をカットバックで見せ、多義的なシーンを描き切ったこのクライマックスのもたらす映画としての魅力に正に感嘆。凄いものを見せてもらいました。



★★★★★★★ ネタバレ注意 ★★★★★★★ 

 さてここからが難しい。僕は少なくともまだこの映画を噛み下せていないので、この後は疑問点の提示に留まりそう。

 冒頭に引用されるキリストの言葉としての聖書の一文

「なぜうろたえているのか。どうして心に疑いを起すのか。わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしだ。触ってよく見なさい。亡霊には肉も骨もないが、あなたがたに見えるとおり、わたしにはそれがある。」

Kokuson_201702_02_fixw_730_hq

 そしてクライマックスの國村隼演じる日本人の手の甲に穿たれた穴と、この言葉を模したセリフ。明らかにキリストとこの日本人をダブらせた演出。

 しかし助祭は、この日本人を自分の見聞きしたことから「悪魔」と呼んでしまう。
 國村が答えるのは、あなたがそのように信じているのなら、私がなんと言おうと「悪魔」であろう、という言葉。そしてカメラを構える、あの凄まじいシーンが描かれるのである。

 観客はここで、この日本人が村を救おうとしたキリストなのかそれとも悪魔なのか、どちらなのか迷ってしまう。

 同時にムミョンを信じられなかったジョングが自分の家に戻ることによって、ムミョンが悪霊に仕掛けた家の魔よけが変化するところが映し出される。魔よけの植物と思われたものが小さな髑髏に変貌するシーン。

 どちらも信じることとそれによる世界の変容が描かれている。

 この映画が多義的で、観客にとってどのように捉えたら良いか、迷わせてしまうのが、こうしたシーンを見ていると、まさに監督がこの映画で描きたかったものなのではないかと思えてくる。

 つまり映画の多義性は、この世界の姿が人の信じる想いによって変化してしまうことこそが映画のテーマなのかもしれない、という感想。

 とりあえずの僕のこの映画の感想まとめはこうしたことになる。
 実はキリストなのではないかと描かれた國村が殺された自分の愛犬をジョングの家にぶら下げたり(祈祷師イルグァンの仕掛けたものかもしれない)、真剣に國村に「殺」の念を送ったイルグァンが日本人の家にあった数々の呪いの対象の写真を持っていたり、、、ひとつの解釈をしようとすると、その反証として思い浮かぶシーンが多数埋め込まれている。そしてそれらも映画の結構としては、毒キノコの混入した健康食品の見せた幻覚と解釈できないこともない仕掛け。

20170315001333

 そうした仕掛け含め、この映画全体が多義的に解釈できる世界を象徴的に描き出そうとしているものだとしたらどうだろう。
 クライマックスで登場人物たちが信じたことが世界に顕在してしまう本作は、どのエピソードも矛盾するように散りばめられているが、それらすべてが人が解釈のために自分が信じたい事象を現実から選び出しているように、この映画の断片は観客が自分の信じたい解釈のために監督が用意し散りばめられた素材だとしたら。

 我々は真相などというものはなかなか存在しない現実を生活している。この映画はナ・ホンジン監督がそれをデフォルメして我々に見せているそんな映画なのかもしれない。これが現時点の僕の解釈です。

 今後何度か観て、この映画の仕掛けをもっと深く確認してみたいものである。

| | コメント (0)

2018.10.05

■感想 ザック・スナイダー/ジョス・ウェドン監督『ジャスティス・リーグ』


映画『ジャスティス・リーグ』特別映像【HD】2017年11月23日(祝・木)公開 - YouTube

 ザック・スナイダー/ジョス・ウェドン監督『ジャスティス・リーグ』WOWOW録画初見。

 ヒーロー映画らしい構造で気持ちよく見せてくれました。

20180930_194128

 ガル・ガドットのワンダー・ウーマンの美しさととりわけ笑顔が素晴らしい。この映画の気持ちよさの半分は彼女の笑顔によるものではないかという位。あのアナクロなコスチュームでこのインパクトなのだから、現代的な装いでのアクションものに登場したら、と考えると恐ろしい(^^;)。

 『アベンジャーズ』ほどのインフレがなくコンパクトに収めているため、最強のヒーローの登場が痛快。もちろんインフレを極めていくマーベルも大好きだけれど、こうした小気味好いコンパクトなまとめ方も大好きです。

 圧倒的なパワーの爆発を見せるには、こんな描き方がまさに効果的。

Justice_league_film_poster

 CGにしても、ところどころかなり荒いところがあったけれど(アマゾンの島の空撮ショットとか、、、)、ほとんど気にならない。映画の不思議は、各シーンの完成度が100%でなくても全体としての効果に貢献していれば、シーンごとの出来はそんなに気にならないというところ。(そんなことはその究極の『カメラを止めるな』をみればすぐわかりますw)。

 インフレ化している大作の世界も、こんな割り切りで、全体の構造、シナリオの練り込みに時間をかけて、適度なコストでさらに傑作が量産されることを望むものです。

◆関連リンク
ジャスティス・リーグ (映画) - Wikipedia

"ジョス・ウェドンが監督した劇場版とザック・スナイダーが監督したオリジナル版では演出や脚本の内容が異なっており、上映時間が劇場公開版では約50分ほどカットされている"

 いずれザック・スナイダー単独監督版も観てみたいものです。
ザック・スナイダー/ジョス・ウェドン監督『ジャスティス・リーグ 4K ULTRA HD&3D&2Dブルーレイ』(Amazon)
ザック・スナイダー/ジョス・ウェドン監督『ジャスティス・リーグ 3D&2Dブルーレイ』(Amazon)
 3Dも是非入手してみたいものです。

| | コメント (0)

2018.10.03

■感想 黒沢清監督『予兆 散歩する侵略者 劇場版』


映画『予兆 散歩する侵略者 劇場版』予告編 - YouTube

" 「もうすぐ世界が終わるとしたらどうする?」
 《概念》を奪う「侵略者」はほかにもいた。 映画『散歩する侵略者』から生まれた恐怖と驚愕の侵略サスペンス。
  「侵略者」がやってきたそのとき、別の街では何が起きていたのか? 黒沢のそんな着想から生まれた本作では、新たな設定、キャストでアナザーストーリーが語られてゆく。
 黒沢に「神がかった熱演」と言わしめた彼らの演技から目が離せない。 常軌を逸していく世界で、ただひとつ揺らがないものとは― 今、新たな物語が始まる。 "

『予兆 散歩する侵略者 劇場版』公式サイト

" ほぼ三人だけのキャストで、侵略の予兆というテーマに挑みました。ごく身近な人間が、家庭や職場が、世界全体がゆっくりと確実に変貌していきます。やがて誰もいなくなった街の中で、夏帆さん演じる主人公は何と直面し、どのような決意を持って先に進んでいくのでしょうか。壮大で身の毛のよだつ出来事が、可能な限りリアルに描写されています。"

 同じ黒澤清監督による映画『散歩する侵略者』のスピンオフドラマ(WOWOWで放映)を映画版としてまとめて公開したもの。ドラマでは40分×1回+30分×4回であったものを140分にまとめてある。ドラマ版を先に観ているが、ほとんど内容としては同じと思う。ただし各話の OP, ED がなくなり違和感なく繋がれた連続した140分の作品として、緊迫度と不穏さは増しているように思う。

20180930_191232

 この作品のポイントは、概念を奪うということの不気味さと、侵略の"予兆"が漂う日本のなんでもない光景の持つ異様さである。
 なんどか黒沢清映画の感想で書いている、通常の日本のなんでもない日常を写した映像に付与される不穏な空気感。光と影、そして画面レイアウトで醸し出される黒沢映画独特のそんな空気感が最大限に発揮された素晴らしく、不安さを湛えた侵略の予兆を描いた傑作といえよう。

 『ウルトラQ』等のウルトラシリーズで描かれていた侵略の恐怖、それを現代のリアルな空間で最大限再現し、そしてそれを見事にブローアップして見せた黒沢清と脚本の高橋洋の手腕の凄み。

 東出昌大のまさに異界から来たような幽玄なサイコ演技はもちろんだけれど、それを受け止める日本の良識的リアルを体現している夏帆の芝居、そしてその狭間で異界へだんだん取り込まれていく様を見事に演じている染谷将太。

 この3人の演技と日常の切り取り方だけでここまでの侵略ものの前哨を不気味に描いた映画は、リアルSF映画好きには超お薦めです。

 週末に来襲した台風24号が現在我が地方にも迫っていますが、そんな不穏な空気の中、映画を観終わって見上げた空は、まさにこの映画のラストと強く共鳴していました。

◆関連リンク
前川知大『散歩する侵略者』(Amazon)

"海に近い町に住む、真治と鳴海の夫婦。真治は数日間の行方不明の後、まるで別の人格になって帰って来た。素直で穏やか、でもどこかちぐはぐで話が通じない。不仲だった夫の変化に戸惑う鳴海を置いて、真治は毎日散歩に出かける。町では一家惨殺事件が発生し、奇妙な現象が頻発。取材に訪れたジャーナリストの桜井は、“侵略者”の影を見る―。再演を重ねる人気舞台を、劇作家自ら小説に。黒沢清監督による映画化原作。"

前川知大『 DVD 演劇 イキウメ 散歩する侵略者』(Amazon)
 原案、原作となった演劇のDVD。これは是非観てみたい。演劇の限られた空間であの不気味さがどう表現されているか、観たくてたまらないです。
黒沢清監督『散歩する侵略者』(Amazon)
黒沢清監督『予兆 散歩する侵略者』(Amazon)

| | コメント (0)

2018.10.01

■情報 ハイエンド一体型VRヘッドセット「Oculus Quest」


Oculus Quest -- VR Done Right? - YouTube

ハイエンド一体型VRヘッドセット「Oculus Quest」発表、399ドルで来春発売 | Mogura VR - 国内外のVR/AR/MR最新情報

"Oculusは、アメリカ・サンノゼにて開催中のイベントOculus Connect 5の基調講演にて、新たな一体型VRヘッドセット「Oculus Quest(オキュラス・クエスト)」を発表しました。発売時期は来春(2019年春)を予定しており、価格は64GBモデルが399ドル(約45,000円)。PCやスマートフォンを使わずに、身体や手を動かすことのできる没入感の高いVR体験が可能となります。"

Oculus Quest | Oculus(公式HP)

"Oculusは、アメリカ・サンノゼにて開催中のイベントOculus Connect 5の基調講演にて、新たな一体型VRヘッドセット「Oculus Quest(オキュラス・クエスト)」を発表しました。発売時期は来春(2019年春)を予定しており、価格は64GBモデルが399ドル(約45,000円)。PCやスマートフォンを使わずに、身体や手を動かすことのできる没入感の高いVR体験が可能となります。"

 Facebookのザッカーバーグがやってくれました。これだけワクワクするITガジェットの発表は久しく聞いたことがないというくらい。

 先日レビューした現行のスタンドアローン機 Oculus Goは、両眼で2560×1440のWGHD液晶パネル、なので、3割ほど高精細。しかもこちらは6Dof(自由度)で手の動きと頭の動きを捉えて、VR空間の中を動き回ることが可能。


Vader Immortal - YouTube

ダース・ベイダーがテーマのVR体験三部作「Vader Immortal」発表 Oculus Quest向け | Mogura VR - 国内外のVR/AR/MR最新情報

 6Dofだからできるこういうアプリがキラーコンテンツになるのかな。
 もちろんライトセーバーを振り回して、ダースベーダーと相見えることが可能です。

20180930_201639

MoguraVR Twitter

 Oculus Questで実現するMR環境。現実がVRの中でも見えるようです。
“Dead and Buriedでは、実際の世界にある段ボールを障害物として銃撃戦を行なうが、ハンドコントローラのAボタンを押しっぱなしにすることで、現実世界とVR世界を混ぜたものを「見る」ことができた。その映像は撮影できないので実物をお見せできないのが残念なのだが、段ボールの模様や縁、自分の手や体が「輪郭強調された白黒の低解像度映像」のように見えて、そこに、CGが重なるべき部分にグリーンなどの色のマーカーが見えた。実空間でのゲームの安全性を確保するものとして実装されていた機能だが、この先に「MR技術によるデスクトップがある」のは明白だ。”
 MRで映し出せる実景部分は「輪郭強調された白黒の低解像度映像」とのこと。カメラ映像を点群で処理したもののようです。 リアルな実写にVRの映像を重畳させる電脳コイル世界を実現するにはSOCの処理速度の桁がいくつか上がらないと無理なのかな。それとも今回の画像センサの解像度の問題なのか…。

"Oculus Goは、両眼で2560×1440のWGHD液晶パネルを備えています。リフレッシュレートは60Hzか72Hzで動作。プロセッサにはVR対応したSnapdragon821を採用しています。Snapdragon821は、2016年のプロセッサですが、高品質な描画を低負荷で処理するために「Fixed Forbiated Rendering」という独自技術で補っています。"

| | コメント (0)

« 2018年9月 | トップページ | 2018年11月 »