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2018年11月

2018.11.26

■感想 飛 浩隆『零號琴』

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飛 浩隆『零號琴』

"はるかな未来、特種楽器技芸士のセルジゥ・トロムボノクと相棒シェリュバンは、大富豪のパウル・フェアフーフェンの誘いで惑星“美縟”に赴く。そこでは首都“磐記”全体に配置された古の巨大楽器“美玉鐘”の500年ぶりの再建を記念し、全住民参加の假面劇が演じられようとしていた。やがて来たる上演の夜、秘曲“零號琴”が暴露する美縟の真実とは?飛浩隆、16年ぶりとなる第二長篇。"

 稀代の奇想SFを読み終わりました。ひさびさに充実した読書を体験(^^)。

 最初、今までの飛作品とは文体がだいぶんと違い、まず思い出したのは、ディレイニーのクールなスペースオペラを萩尾望都の漫画で読んでる感じ(^^)。 そして物語は、手塚治虫だったり円谷だったり宮崎、庵野だったり、楽器都市で繰り広げられる、ARの進化版のような假面(かめん)劇 : 假劇(かげき)の大怪獣/巨大ロボット/戦隊ものwへと転移していく。

 多くのサブカルチャーに属する物語の楽しさを縦横に使って、そして描かれる物語にとり憑かれたある星の種族の巨大な悲劇。それは飛が描いた物語の極北、アンチ物語小説であるのかもしれない。世に「反推理小説(アンチ・ミステリー)」と呼ばれる中井英夫『虚無への供物』が奇想小説として我らが昭和時代に屹立しているが、本書はある意味、それに対になる平成の「反エンタメSF小説」なのかもしれない(詳しくはネタバレ部分で記します)。

 まずはSF、アニメ、特撮、VR/AR 関係者必読!…かと思います。実は惹句の「想像しえぬものが想像された」というのは、そうした世に「想像された」物語の極北という意味にも取れる。それはまずは文字でこの世界に生み出されたのだけれど、実はとても映像化にも向いていて(というか元が映像作品であるものを換骨奪胎しているわけで)、いずれ映像化にチャレンジする、極北監督が出るかもしれず、そんな無謀に期待しつつ、まずはこうした言葉でネタバレなし感想とします。



★★★★★★★★★以下、ネタバレ注意★★★★★★★★★


 




 まず『零號琴』本篇からの引用。

 "人間の身体は、汚染され住めない土地になったのだ。
 (略)いまだかつてじぶんの身体から、生きながら逃げおおせた者はいない。人間を情報化するレシピは<行ってしまった人たち>も残していない。(P485)

 個別の人間、ひとりひとりのわたしを残すことをあきらめたのだ。
 その代わり、物語になることにした。(P486)"

レイゴウキンって? 飛浩隆インタヴュー:朝日新聞デジタル

"1960年代以降のオタク的カルチャーを容易に想像させるような固有名詞をちりばめて、こうしたいかにもな物語が展開されることについて、何か別の意図を感じてくれることを想定していました。

 SFを書く側のモチベーションや読む側の楽しさというのは、本当に信じてよいものなのか。無条件に楽しみ、それを前提として再生産していっていいのかどうか、ということを書きたかった"

 散りばめられたSFの名作、怪獣特撮、戦隊もの、アニメ、漫画といったサブカルチャーの物語。その再生産による集大成のような壮大な物語のラストで明かされる惑星「美玉」→「美縟」の秘密。

 

 人の想いを映しとって500年間にわたりその記憶を再生し続ける「美縟」の生命 「梦卑」(むひ)。死に絶えた「美玉」人類の物語を夢のように再生産し続ける「梦卑」たち。「むひ」というのは、元は「夢非」なのかな、と思いつつ読んでいた。夢のような不死の存在が演じ続ける物語の否定。「梦卑」が滅びるこの作品の最後を反物語として読むことも可能で、そんな想像が「夢非」という言葉をイメージさせた。

 演じられる假劇、そこに混入される当代宇宙で大ヒットした『仙女旋隊 あしたもフリギア!』のエピソードの数々、そしてそのラストへの宇宙の数多くのファンの想いとして描かれる「旋妓婀(ふりぎあ)」の終わりのその先。徹底して物語へのこだわりがこの小説の骨格をなしている。

 『零號琴』全体は、小説としてあたかもそんな「美縟」の物語世界を体現するように、我々「地球」人類の物語を再生産しこれでもかと重層的に重ねた形態を取っている。ラストで死滅される「美玉」人類の仮想としての「梦卑」の不死の世界。それをこの「地球」の物語たちで描いた反物語『零號琴』というわけ。

 それは上記リンクのインタヴューにある、物語の再生産を葬送する飛の決然とした姿なのかもしれない。


 「美縟」は、「仮想空間にデータを転移できなかった」知的人類の行く末としてこのように描き出されている。この小説はこうした視点から『グランヴァカンス』と対をなす作品と見ることもできる。

 現在のデジタル社会から想定される知的生命体の未来、それを飛氏は幻視したいのだと思う。本作はテーマがフィクションであることから、多数のSFやアニメや特撮といったサブカルチャーのフィクションをごった煮に放り込み、それをある惑星上で究極の姿として描き抜いた怪作と思う。

 プリキュアは観てないので全くわからないけれど、卵型の眼をした光の巨人 守倭(「しゅわ」って読むのだ!(^^))とか、金属の鎧を纏った巨人、最高峰のアニメ、SFXを彷彿とさせるアクション描写、異界の情景描写が凄みをもって迫ってくる。

 僕が謎として残されたと思ったのは、前半で死んだパウル・フェフフーフェンがクライマックスで登場していること。すると、既に彼は梦卑化しているはず。ということはこの後、、、。ここが何を意味するかよくわからなかったため、ご教授いただければ幸いです。

◆関連リンク
飛浩隆 twitter

"美玉鐘(びぎょくしょう)、零號琴(れいごうきん)、五聯(ごれん)、鐡靭(てつじん)、守倭(しゅわ)、㤀籃(ぼうらん) ……まだまだあると思いますが(特に把握しようとしていないw)とりあえずこんなところで。『零號琴』を辞書登録されている方が増えているようでもあり、本作に登場する変換しにくい固有名詞を掲出します。コピペして使ってください。あと、本作の公式(笑)ハッシュタグを #059n とします。

【地名編】美縟(びじょく)、美玉(びぎょく)、磐記(ばんき)、綺殻(きかく)、綾河(りんか)/紅祈(あかね)、華那利(かなり)、沈宮(じんく)、芹璃(せりり)、昏灰(ぐらふぁい)
【人名編】咩鷺(みさぎ)、菜綵(なづな)、峨鵬丸(がほうまる)、旋妓婀(ふりぎあ) /
【その他編】假劇(かげき)、假面(かめん)、亞童(あどう)、吽霊(おんりょう)、梦卑(むひ)、天蓋布(てんがいふ)"

レイゴウキンって? SF大賞2度受賞の作家、久々長編:朝日新聞デジタル

"「すでに消えてしまった高度な文明があって、それがあちこちの星に建物大の楽器をたくさん残していて。それを修理して回る主人公と、お話をかき乱す相棒がいて……みたいな感じになれば楽しいだろうなと」。"

◆ネット上のレビュウ

【今週はこれを読め! SF編】日本SFが生んだ奇書、得体の知れぬ迷宮的作品 - 牧眞司|WEB本の雑誌.

"『零號琴』という名で組みあげられたこの言語構造物は、遠くから眺めれば絢爛豪華なジャンクであり、近づいてみればダイナミックに鳴動する迷宮である。  日本推理小説の領域では『ドグラ・マグラ』『黒死館殺人事件』『虚無への供物』『匣の中の失楽』を四大奇書と呼ぶが、ついに日本SFも沼正三『家畜人ヤプー』と並び称すべき奇書を得たことになる。"

牧眞司(shinji maki)(@ShindyMonkey)/「零號琴」の検索結果 - Twilog.

"萌えるスペースオペラとして読めばイイかと思いますが、メタとかインターテクスチャリティとか好きなひとにとっては「沼」な小説なのでご注意。"

吉田隆一/黒羊㌠さん の 2018年11月23日 のツイート一覧 - 1 - whotwi グラフィカルTwitter分析.(以下の言葉に続けて音楽観点からの分析がなされています)

"飛浩隆『零號琴』(早川書房)について。 音楽についての感想から。本作は「音楽ワイドスクリーンバロック」という視点でも楽しめるSFでもあります。そして本作において音楽とは「創り手の意思が先行する」ものとして描かれています"

大森望(@nzm)/「零號琴」の検索結果 - Twilog.

"飛浩隆『零號琴』をなんとか読み終え、八重洲ブックセンターに向かい中。7年前に連載で読んだときは、古風でエキゾチックな冒険SFという印象で、いくら改稿したにしても、あれがオールタイムベスト級の本格SFになるとか、そんなわけ…………ほんまや! どうしてこうなった!?

ヴァンスとゼラズニイとベイリーと田中啓文とプリキュアとまどマギとスーパー戦隊と宮崎駿とエヴァをまとめて放り込んだ波瀾万丈冒険活劇を魔術的手管で本格SF化する無敵のエンターテインメント。次の直木賞はこれで。いやマジで。本屋大賞でもいいけど。"

中野善夫(@tolle_et_lege)/2018年11月07日 - Twilog.

"『零號琴』読了。勢いのよい科白にめまぐるしい場面転換、目の前に鮮やかな情景が繰り広げられるのが見えるようで、その流れに身を任せて結末まで一気に(ではなかったが)読み終えた。

が、結末はよく判らなかった。そして、勢いのよい科白にめまぐるしい場面転換は現代のアニメのようで、実は些か苦手な流れ。「無番」が妙に読みやすかった。多くの読者はこの流れに乗って読み進めらるのか。私はもう駄目なんだと思った。"

【声優、エッセイスト池澤春菜の推薦図書】その明快な語り口と解説の素晴らしさに宇垣アナも唸る TBSラジオ アフタ−6ジャンクション

"そんな池澤さん至極の推薦本はこちら↓
・『オブジェクタム』(朝日新聞出版:高山羽根子) ・『ハロー・ワールド』(講談社:藤井太洋) ・『零號琴』 (早川書房:飛浩隆)"

twitter 青の零号

"飛浩隆さんトークより。「『零號琴』は自分が読んできた初期の海外SFノヴェルズやサンリオSF文庫のキラキラ感を再現しようと短編として書き始めたもの。そのキラキラ感は今でも保たれてると思う。」"

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2018.11.19

■感想 ブライアン・シンガー, デクスター・フレッチャー監督『ボヘミアン・ラプソディ』


映画『ボヘミアン・ラプソディ』最新予告編が世界同時解禁! - YouTube

 ブライアン・シンガー, デクスター・フレッチャー監督『ボヘミアンラプソディー』@各務原イオンシネマ。
 クイーンの特別ファンというわけではないけど、「ボヘミアンラプソディー」の曲は中学の時に初めて聴いて衝撃を受け、今でも聴くたびにあの頃ラジオで聴いた瞬間にタイムスリップできる特別な曲なので、映画公開を楽しみにしてた。

 映画全体もなかなか良かったけれど、「ボヘミアンラプソディー」の制作に立ち会えたようなシーンにとにかく感激。 そしてクライマックス。圧倒的なリアリティで再現されたライブに最高潮で映画を見終えることができました。

I DIDNT REALIZE THEY DID IT THIS PRECISELY - 9GAG
 映画のシーンと実際のライブを比較した映像。
 左上が映画、右下がライブの本物のフレディ・マーキュリー。
 パフォーマンスの模写が素晴らしいのと、さらに映画はカメラアングル、特に観客の中へカメラが入っていくシーン、そしてフレディや周囲の人のアップ描写が演出として素晴らしいのがわかる。
 映画を観終わってから、ライブ映像を観てみたけれど、この演出により、映画のシーンの迫力が素晴らしいことがよくわかる。

◆関連リンク
Queen - Live  YouTube
 こちらが映画で再現されたライブのフルバージョン動画。ネタバレになるので、映画を観終わった方、ご覧ください。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』のサントラがヤバい。 – 久々に出たクイーンの新譜は、映画のサウンドトラックだった。 (安藤夏樹) | 音楽文 powered by rockinon.com

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2018.11.12

■感想 静野孔文・瀬下寛之監督、ストーリー原案・脚本/虚淵玄『GODZILLA 星を喰う者』『GODZILLA:The Planet Eater』


『GODZILLA 星を喰う者』(『GODZILLA:The Planet Eater』

"その<黄金>は<絶望>すら焼き尽くす。 ゴジラ・アースVSギドラ、滅びの祭典が幕を開ける。 アニメーション映画『GODZILLA』、ついに完結。 【最終章】『GODZILLA 星を喰う者』11/9(金)全国公開。
【第一章】『GODZILLA 怪獣惑星』
【第二章】『GODZILLA 決戦機動増殖都市』

<STAFF> ■監督/静野孔文・瀬下寛之  ■ストーリー原案・脚本/虚淵玄(ニトロプラス) ■キャラクターデザイン原案/コザキユースケ ■副監督/吉平”Tady”直弘・安藤裕章 ■プロダクションデザイン/田中直哉・Ferdinando Patulli  ■CGキャラクターデザイン/森山佑樹 ■造形監督/片塰満則  ■美術監督/渋谷幸弘  ■色彩設計/野地弘納  ■音響監督/本山 哲"

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 虚淵玄のCGアニメ『GODZILLA』3部作観終わりました@109シネマズ名古屋。
 いや〜SFでした。おそらくゴジラ史上最高にSF。そしてまさに、地球最大の決戦。

 特に宇宙のGのシーン、映像と音響でこの世ならざる異界の存在感をたっぷりと見せてくれます。(本当に第1作からこの作品の音響の素晴らしさには感動します。あの音を聴くだけでも劇場をお薦めします。音響監督は本山哲さん)

 そしてその設定の暗黒。さすが虚淵玄。
 人類/知的生命史の暗黒描写が鈍く光ります。
 ゴジラの設定とそのルーツとなる日本に叩き込まれた事象、そしてそこに某が重なる描写には震えました。

 庵野監督作が物語とキャラクタ群とバトルと音楽で見せているのに対し、こちらは骨太い宇宙史的暗黒構造と独特のCGの質感で魅せます。どちらに軍配を上げるかというと前者ではありますが、本作が東宝から怪獣プロレスは除外して(以下関連リンク参照)、と言われてなかったら、後者が勝っていたかも(^^)。


kanada dragon - 金田龍 - YouTube
 『三大怪獣 地球最大の決戦』のキングギドラ(特にその奔放な怪光線)に大きな影響を受けたアニメーター金田伊功が描いた龍の迫力のシーン。この龍のダイナミックなアニメートに、『GODZILLA 星を喰う者』のギドラはインスパイアされたものだと思う。
 特に全体のフォルム、竜の下顎が長いところ。首のもたげ方とダイナミックな動き。
 欲を言えば、あの怪光線がなかったのが残念。そして画面構成はさらに金田伊功のものを強く導入しても良かったのではないかと思ったり。

■関連リンク
「GODZILLA 星を喰う者」虚淵玄・静野孔文・瀬下寛之鼎談インタビュー、あのラストはどのように生み出されたのか? - GIGAZINE.

"企画の初期段階で東宝さんから「このアニメ版ゴジラは怪獣プロレスにはしません」という宣言というか、方針確認があったんです。「アニメで怪獣をやる」という意味について初期段階で検討したんですね。日本だと「怪獣という存在」と「怪獣プロレス」がどこかでセットのイメージがあって。だからこそ「プロレスをしない怪獣」というのは、大胆な切り口であり、虚淵さんは原案を考えていく段階で、そこを起点にしていました。もともとゴジラ映画を見ていない静野さんには、僕と虚淵さんで「ここから先、ゴジラ映画を見ないでください」と伝えました。"

『GODZILLA』ギドラナイトでクリエーターが語る、実写とCGで「怪獣はどう造形されてきたか」 | マイナビニュース.

"『星を喰う者』を試写で観たという品田氏は「ギドラの設定が、『三大怪獣 地球最大の決戦』でのオリジナル・キングギドラに近いことに驚いた」と感想を述べた。瀬下監督はこれについて「企画が始まった当初の1年間は、今までの東宝怪獣映画を改めて調べ上げて、何を引用してどの部分を膨らますか、を徹底的にやったんです」と、過去の東宝怪獣映画、「ゴジラ」シリーズを研究した上で、実写と同じものにせず、アニメでしか描くことのできない世界を作ろうと熟考を重ねたと話した。"

CREATORS' INTERVIEW 音響監督 本山晢|アニメーション映画『GODZILLA 怪獣惑星』OFFICIAL SITE

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当ブログ関連記事 感想 虚淵玄 脚本、静野孔文,瀬下寛之 監督『GODZILLA 怪獣惑星』

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2018.11.07

■動画 『H・R・ギーガー アート・イン・モーション』 "H.R Giger - Art in Motion"


H.R Giger - Art in Motion - YouTube

Petr Luksan監督『H.R. Giger's Art in Motion (2010) 』(IMDb)

"It is the first time you will be able to see Giger's paintings processed digitally in high resolution quality, 3D animated and together with original film music and surround sound. Watch ten moving image collages, where we used over 200 diapositives which cover the most important periods of his work. Each of those collages will be presented in an abstract story, which will tell us more about Giger's life and artistic work."

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 ギーガーの絵をテクスチャにして、CGモデルに貼り付けて動かしたものでしょうか。なかなかの出来です。一枚一枚をCGの形状モデルに貼り付けて動画にしているとしたら大変な労作。

 IMDbによると、これを制作したのは、チェコのペトル・ルクサン氏。監督とアニメーションの両方を担当しているようです。

 右のポスターもいい出来。DVD化されているということでしょうか。

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2018.11.05

■予告篇 郭帆 : Frant Gwo監督『流浪地球 : The Wandering Earth』


2018中国科幻电影《流浪地球》“The Wandering Earth”片花 - YouTube

"站長超級期待的中國大陸首部科幻大片 《流浪地球》首款電影海報發布!
本片改編自大陸科幻小說名家劉慈欣同名小說,吳京參與本片演出,中國大陸將於2019年2月5日大年初一上映。
劇情描寫太陽即將毀滅,人類在地球表面建造出巨大的推進器,尋找新家園。然而宇宙之路危機四伏,為了拯救地球,為了人類能在漫長的2500年後抵達新的家園,流浪地球時代的年輕人挺身而出,展開爭分奪秒的生死之戰。"

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 Facebookで教えていただいた中国のSF大作映画『流浪地球』。予告篇がまさに大作SF映画の香りで、これは期待できます。
 そしてあらすじからうかがえるのは、まるで『妖星ゴラス』のような地球に巨大な推進器を付けて、地球が宇宙を放浪する様。そんなストーリーを映画大国中国の総合力で描かれるかと思うとワクワクします。右のポスターもなんだか質感がいい感じです。

 以下にあらすじが日本語で書いてあるページが見つかりました。 噴射ノズル、まさに『妖星ゴラス』のようです(^^)

さまよえる地球 | 中国のSFを読もう!.

"太陽が数百年以内にヘリウム・フラッシュ(大爆発)を起こして赤色巨星化することが判明したので,地球ごとプロキシマ・ケンタウリまで逃げようという話である.映画『妖星ゴラス』に出てきたような巨大エンジンを作って逃げるのだ.木星でフライバイするときには空が木星に覆いつくされる.このイメージが素晴らしい."

 リンク先には、もう少しあらすじが詳しく書かれていますので、ご興味のある方はクリックして読んでみてください。

劉慈欣 - Wikipedia.

"さまよえる地球(原題:流浪地球) - 『S-Fマガジン』2008年9月号、訳:阿部敦子     初出:『科幻世界』2000年12号。第12回銀河賞特等賞[3]。"

 そして原作のSFは、既にSFマガジンに訳出されているとのこと。
 映画の公開まで(日本では果たして公開されるのか!?)、まずは原作を読んで楽しみに待つことにしましょう。

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 というわけで原作、劉慈欣「さまよえる地球」、SFマガジンをヤフオクで入手して読了。
 地球に推力150億トン、高さ1万1千mの重元素核融合エンジンが数万機建造され、太陽と木星を使ったフライバイで、赤色巨星になることが予想された太陽からの離脱を計る雄大な物語。

 15回の楕円軌道での太陽系内流浪、その際の灼熱と極寒の地球の文明の変化、太陽と木星のフライバイの雄大な描写、小惑星帯通過時に反物質爆弾で小惑星を破壊する宇宙艦隊等、映画的に映えるエピソードが盛り込まれている。
 小説としては32ページと短く粗筋的にみえないこともないけれど、ジュビナイル的なストレートなストーリーに好感。(イラストがもろ児童書ぽくって笑いますが…)
映画が楽しみです。予告篇を観るとかなり原作に忠実に作られてそう。


《流浪地球》预告分析,地球将成为诺亚方舟引领人类走向希望 - YouTube
 もう少し長い予告編です。

◆関連リンク
流浪地球(2018年郭帆执导中国电影)_百度百科.

"上映时间     2019年2月5日"

 中国での上映は、19年2/5からのようです。日本公開も待たれます。

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