■感想 黒沢清監督『セブンスコード』
Maeda Atsuko - Seventh Chord (前田敦子 - セブンスコード) - YouTube
黒沢清監督『セブンスコード』WOWOW録画初見。
前田敦子の曲「セブンスコード」のミュージックビデオとして作られた60分の黒沢清作品ということで実はあまり期待していなかった。
しかしウラジオストックを舞台にした本作、なかなか見ごたえのある黒沢清作品として、高い完成度を持ったサスペンス映画となっています。傑作。
まずロシアの街並みの切り取り方が素晴らしい。
荒廃した街の雰囲気、アンダーグラウンドな廃墟感が見事に物語を盛り上げる的確な映像として定着されている。
そしてクライマックス。ネタバレはしないですが、この展開は鮮烈。ラストの余韻含めて、どこか岩井俊二の傑作「Fried Dragon Fish」を思い起こす。
残念なのは、「Fried Dragon Fish」のラストで流れるチャラの楽曲に対して、前田敦子の「セブンスコード」が弱いw。
劇中で唱される与謝野晶子の詩「旅に立つ」、この苛烈な言葉を歌詞として、チャラの曲として流れてたらな、、、。
以下与謝野晶子「旅に立つ」引用
"いざ、天の日は我がために
金の車をきしらせよ、
颶風の羽は東より
いざ、こころよく我を追へ。"
◆関連リンク
・『セブンスコード』がすごくおもしろい。あと、すごく両義的。 – 新・批評家育成サイト
・黒沢清についての評論を執筆せよ – 新・批評家育成サイト
"毎回、ゲスト講師を対象とした批評文の執筆が課題となります。 したがって今回受講生の皆さまには、映画回の実作者講師である黒沢清さんについての評論を書いていただきます。"
批評家を目指す皆さんの黒沢清作品の評論各種が読めます。
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