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2019年3月

2019.03.27

■感想 アンナ・ボーデン&ライアン・フレック監督『キャプテン・マーベル』 3D

 アンナ・ボーデン&ライアン・フレック監督『キャプテン・マーベル』 3D @109シネマ名古屋、IMAXレーザーで観てきました。
 エキサイティングなマーベル・シネマティック・ユニバースは今回も健在、素晴らしいエンタテインメントを見せてくれます。
 ネタバレするのはまずいので、ぼんやりと書きますが、クライマックスへ向けての結構が今回も素晴らしい。主人公の成長度合いとしては、今作、MCUの中でも屈指かも。それだけにラストへの盛り上がりカーブが急峻で観ていて気持ち良い。
 映像について言うと、今回の3Dコンバージョンは、STEREO DとLEGEND 3Dの2社がクレジットされていたけれど、冒頭の宇宙シーンでの宇宙機の立体視映像が、ミニチュア然として、いささかリアリティに欠ける描写だった。何が良くないのかわからないけれど、そうしたシーンが前半特に目立って、そこは残念。
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 とは言え、迫力のCG映像はいつもながら素晴らしくシャープで、物語と相まって満腹感は保証されています。3Dのイマイチ感なぞ映画全体のほんの微かな瑕疵に過ぎず、映画の総合芸術感にため息を付いて、劇場を後にしました。
 前回、初IMAXレーザーは『スパイダーバース』だったので、実写作品は今回初めてだったけれど、以前のMCUと比べて映像の鮮明度が上がった感覚はほとんどなし。やはり凄いといっても、たぶん劇場で開幕後示されるIMAXレーザーの画像が鮮明だというCM映像と同様に、横に並べて見比べないとわからないレベルの違いかもしれない(^^)。

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2019.03.25

■感想 デヴィッド・リーチ監督『デッドプール2』

 デヴィッド・リーチ監督『デッドプール2』、WOWOW録画初見。いやぁ〜、笑いました。一人で観ていたのだけれど、バカみたいに笑わせてもらいました(^^)。これは、アクションコメディとして傑作ですね。R指定の気合の入ったブラックジョークも切れ味鋭くお薦めです。
 中でも予告で出てくる「Xフォース」の扱いとか、某キャメロン監督作の秀逸なパロディ部分、ケーブルという新登場人物とミュータント施設から暴走するラッセルというキャラクターをめぐる物語が最高。Xメンの世界のひとつの大きな可能性が示されていて、MCUならぬマーベルのこちらのシリーズもまだまだ進化する気配濃厚。
 21世紀フォックスがディズニーに買収され、今後はマーベルスタジオがXメンの制作も担当するということで、ケビン・ファイギのMCU構想の中へどう組み込まれていくか、ますます今後の展開に眼が離せませんね。
"マーベル・スタジオのケビン・ファイギ社長は、以前から「X-MEN」シリーズをマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に引き入れることに意欲的と報じられていたが、「『X-MEN』シリーズは今後ファイギの指揮のもと、マーベル・スタジオが製作することになるのか」という問いに対し、アイガー会長は「それが自然の成り行きだと思う。誤解を招くといけないので断言することは避けたいが、フォックス側もそれが筋だと理解しているはず。単一企業がマーベル作品の製作を統合的に管理するのは道理にかなっているし、“2つのマーベル”が存在していたことの方が、むしろ不自然」と見解を述べた。"

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2019.03.20

■情報 「デヴィッド・リンチ 精神的辺境の帝国」展 @ GYRE GALLERY

"デヴィッド・リンチ 精神的辺境の帝国
会期:2019年4月19日〜6月23日
会場:GYRE GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE3階
開館時間:11:00〜20:00
休館日:無休"

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〈GYRE GALLERY〉第1弾はデヴィッド・リンチにフォーカス。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS.

"映画監督、脚本家、プロデューサー、ミュージシャン、アーティスト、俳優としても活躍するデヴィッド・リンチは、シュルレアリスティックな作風と個性的な映画スタイルを確立した、“カルトの帝王” とも呼ばれている。この本展はタイトルにもなっている「精神的辺境の帝国」というコンセプトに合わせ、デヴィッド・リンチ本人とキュレーターを務める飯田高誉により選びぬかれたペインティング7点、ドローイング3点、工業地帯の写真22点、水彩画12点(予定)が展示される。これらは、リンチ初期の代表作『イレーザーヘッド』と、その映画ロケを行った制作現場のフィラデルフィア工業地帯へのインスピレーションに捧げたものとなっており、リンチの創作の原点を見据えた展覧会構成と言える。

「ペインティングと映画には、従うべきルールがある。このルールは、とても親密なもので抽象的なものである。なおかつ、無限の可能性を秘めている。ときにこれらのルールは存在しないとさえも思わせるほどだ。しかし、確かに、ルールは存在する。それらのルールは本には書かれていないが、我々の精神と心の中に内在する。行動と決断の直前、あるいは直後に、それらは直感を通してその存在を現す。これらのルールは、すべての表現媒体に適応する。それらに従えば、幸福がもたらされる」とコメントを寄せている。"

 デイヴィッド・リンチの日本での7年ぶりの美術展(前回は、2012年11-12月のデイヴィッド・リンチ展 〜暴力と静寂に棲むカオス@ラフォーレミュージアム原宿)。

 規模から言うと前回のラフォーレの展示に比べると随分こじんまりとしたものになる様だけれど、現在のリンチの日本での知名度(映画は『インランド・エンパイア』以降作られておらず、傑作『ツイン・ピークス シーズン3』はWOWOWのみの公開)からは、開催されることだけでもファンは喜ばないといけないだろう。

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 この左の写真は、『ツイン・ピークス season3』の造形物を想起させずにはおかない。今回、22点の写真作品が公開されるとのことだけれど、こうしたリンチ独特のデッドテックな工場地帯の写真、生で見るのは初めてなので、大変楽しみ。

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 そして絵画作品は、ペインティング7点、ドローイング3点、水彩画12点の合計22点を計画しているという。ラフォーレミュージアム原宿での展示の際、大判のペインティングが素晴らしい迫力だったのだけれど、今回、どの程度の大きさの絵画作品が並ぶのか、楽しみに4月を待ちたいと思う。

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2019.03.18

■動画 ヴィアレッジョ2019年のカーニバル 満潮 "Carnevale di Viareggio 2019 - Alta marea"


Carnevale di Viareggio 2019 - Alta marea - YouTube

 イタリアのカーニバル Carnevale di Viareggio のパレード。巨鯨のアート作品。
 鯨の口に入っているのは、海に投棄されたプラスチックとのこと。環境問題を提起したアート作品になっている。そうした問題意識よりもインパクトのある、この巨鯨の造形が素晴らしい。

 鯨表面の猥雑なテクスチャアとか、鯨の体の動きとか。なかなかの完成度で、近くで是非観てみたいものです。


Goldrake Generation... anche dall'alto! - Carnevale di Follonica 2019 - YouTube

 こちらは同じカーニバルの全高約15mのグレンダイザー!
 ビルや人々のコスチュームも含めて、欧州のグレンダイザー人気は根深く定着している様です。

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2019.03.13

■情報 ジョセフ・ステファノ監督『シェラデコブレの幽霊』 "The Ghost of Sierra de Cobre"


探偵!ナイトスクープで有名なアレ【冒頭7分】 - YouTube

 今までに何度か記事にしてきた幻の映画、ジョセフ・ステファノ監督『シェラデコブレの幽霊』、北米ではブルーレイとDVDが去年秋に出たのに、日本語未対応。

 早く観たいんですが、英語版ではヒヤリングが心もとないので観ることができません。上記リンクで雰囲気のみ味わって日本語版発売を待ちます。 冒頭7分の恐怖体験が待っています。

◆関連リンク
シェラデコブレ 当ブログ関連記事 Google 検索

ジョセフ・ステファノ監督『シェラデコブレの幽霊』ブルーレイ
 日本のAmazonでも北米版のブルーレイ、DVDが売られていますが、残念ながら日本語字幕が入っていない、リージョンが日本のプレイヤーで合わない等の課題がありますので、購入は自己責任でお願いします。ヒアリングがしっかりできれば、僕も買うのですが、、、。

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2019.03.11

■情報 デイヴィッド・リンチ イギリス初のアート展 "David Lynch: My Head is Disconnected"

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David Lynch: My Head is Disconnected - HOME

Google翻訳引用
“David Lynch:私の頭はディスコネクトされた

2019年7月6日 - 2019年9月29日
 1960年代後半から60以上の奇妙で素晴らしい作品をフィーチャーして、我々が先駆的な映画監督と芸術家デビッドリンチによる作品の最初の英国の主要な展覧会を主催するように現代。

 Elephant Man、Blue Velvet 、TV番組Twin Peaksなどの映画で最もよく知られていますが、私たちの多くはすでにリンチのオンスクリーンビジョンに精通していますが、ペンシルベニア美術アカデミーを卒業して以来、彼は絵画、彫刻、写真、そして絵を描くことで、日常生活の内的な働きをまとめます。 彼の作品では、平凡なことは暗くて風変わりな内部探査の機会を提供しています。 傷のある、焦げた、そして立体的な形をしたリンチの表面は、魂への窓のようなものです。

 私の頭は切り離されています
 彼の壁ベースの彫刻作品の主要な展覧会です。4つのテーマは40年以上にわたって発展してきた芸術的経歴を結びつけます。
 展覧会の最初の章では、 City on Fireという題名で、極端なディストピアンの風景と、それが住む人々に与える影響について探ります。 何もないここでは、一連の幅広いキャラクターを通して人間の精神と心の脆弱性を見ています。
 インダストリアルエンパイアは、労働、産業、そして環境のテーマに関する絵を描いています。
 展覧会の最後の章、 Bedtime Storiesは 、彼の暗い物語とキャラクターを彼ら自身の宇宙で一緒に折り畳むリンチによる新しい作品を特徴とします。 私の頭が切断されているのと同時に、HOMEのDavid Lynchも特別にキュレーションされた音楽イベントと映画の回顧展を特集します。“

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 デイヴィッド・リンチのイギリス初 マンチェスターでの展覧会の公式HPの記事。

 まだ少し先の7月からということだけれど、展覧スペースは4つに分けられて、映画とアートと音楽イベントが開催されるということで、かなり大規模な展覧会になっているようです。
 夏休みにイギリス旅行を企画されている方にはお薦めです。

 日本でもすでに何年も開催されていないため、デイヴィッド・リンチのアート展、どこかで開いて頂きたいものです。

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2019.03.06

■感想 特別展「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」@名古屋市博物館


特別展「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」スペシャル映像 - YouTube

特別展 挑む 浮世絵 国芳から芳年へ:中日新聞(CHUNICHI Web) 名古屋市博物館

"怪奇、快感。  旺盛な好奇心と柔軟な発想、豊かな表現力を武器として浮世絵のさらなる活性化につなげた歌川国芳 (1797年から1861年)。本展では国芳の武者絵を中心としながら、月岡芳年(1839年から92年)ら弟子たちの作品にもスポットを当てます。"

 『国芳から芳年へ』@名古屋市博物館 観てきた。浮世絵鑑賞初体験。怪異画、妖怪画、奇想画、残酷画のオンパレードで正に眼の保養となったw。

 やはり国芳の過剰なイマジネーションが突出してる。この奇想を描かずにおれない、内部的な衝動、素晴らしい。江戸末期のワイドスクリーン映像、国芳にも影響したという講談の語りとともに観ると、江戸の人々は脳内で素晴らしいスペクタクル映像を体験していたことが伺えて楽しい(^^)。

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 この展覧会、写真撮り放題ということで、沢山iPhoneに奇想を積み込んで家路に着いたのですw。

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2019.03.04

■感想 ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン監督『スパイダーマン : スパイダーバース』Spider-Verse


SPIDER-MAN: INTO THE SPIDER-VERSE - Official Trailer (HD) - YouTube

 ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン監督『スパイダーマン : スパイダーバース』109シネマズ名古屋 IMAXレーザー 3Dで観てきました。

 素晴らしい、3Dアニメーション映画の革新!
 アニメーションのヒップホップというか、アメコミサンプリングの3Dワイドスクリーンバロック映像というかw、とにかくぶっ飛んだ立体空間に暴力的に連れ込まれます!(^^)。

 この映画、IMAXはともかくw、3Dで観られることを是非ともお薦め。
 メイキングについては、なかなか日本語の記事は見つからず、関連リンクにスタッフが語る動画を引用したので、ご覧ください。

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 3D CGをベースに手描きでリファインされているという映像、3D立体視と相まって独特のスピード感と没入感があります。欲を言うと、ステレオ化が奥行きをつけるタイプで、画面からガンガン飛び出て劇場空間にどんどん侵食してくる様にしてたら、さらに凄まじい映像体験になったはずなのに、残念でなりません(^^)。

 あと残念ついでに書くと、物語はワクワクする起承転結の効いた楽しいもので映画としてエンタテインメントとして素晴らしいことはまず大前提として、、、もしこの映像に追いついた飛んだ物語だとしたら、と思わずにはおれません。

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 今回、僕は昨年末109シネマズ名古屋のリニューアルしてから初めてのレーザーIMAX体験でしたが、2Kから4Kへの映像の進化がどのくらいなのか、今までこの劇場で観た他の作品と映像の比較が出来ないくらいぶっ飛んだアニメーションだったので、比較は次回まわしになりました。

 音響は以前近所のミッドランドスクエアシネマが上かな、と思っていたんですが、並んだくらいの迫力でした。

 『スパイダーマン:スパイダーバース』の映像の秘密の一端が、SONYの特許として出願されているそうです。以下の記事に詳細。Patent検索してみましたが見つからず、たぶんまだ公開されていないものと考えられます。

‘Spider-Man: Into The Spider-Verse’: Sony Seeks Patents On Animation | Deadline

以下引用(Google 翻訳)

"Spider-Verseはドット、思考の吹き出し、パネル、書かれた効果音、そして色分解におけるアライメントの欠陥の錯覚さえも含む、最先端の映画です。(4色漫画の読者には、オールドスクールの音楽ファンにとってのビニールレコードと同じように馴染むでしょう)"
"ソニーの特許出願のクレームの要約:

「定型化された量子化」によって表面の滑らかな陰影を芸術的に修正することができる独自のレンダリングおよび合成テクノロジ。これらのテクノロジは、肌に当たる光の分割に対する特定のパターン制御を追加できます。 「スクリーントーン」)。

ソニーからも提出されました。芸術家が基礎となる幾何学から解放されてそしてよりイラスト技術に類似している方法でキャラクター表面に描くことを可能にするインクラインソフトウェア。 キャラクターの顔の手描きの線はジオメトリに変換され、アニメーション制御のためにリグされます。

この特許出願には、 Spider-Verseアニメーションプロセスの機械学習コンポーネントも含まれています。これは、次のフレームのラインの位置を予測する自動機能としてプロセスを合理化します。 外挿された線はプロセスを合理化し、アニメーターに線を微調整するための利点を与えます。

この出願はまた、平らな表面上の奥行きの錯覚、建物の内部容積のエミュレーション、および図解されたグラフィックの反射を作り出すシェーディングツールで構築された「様式化された現実の抽象化」を引用した。 また、注目に値するのは:鮮明で硬い影を保ちながら、建物の大部分をインタラクティブに照らすアーティストフレンドリーな照明ツールです。"

 さらに素晴らしい2D-3Dについては、検索してみても特にメイキングの記事は見つかりませんでした。
 IMDbによると、ステレオスコピック・スーバーバイザーは、レイン(レイニー?)・フリードマンという方で、ソニー・ピクチャー・イメージワークスの所属とのこと。

Spider-Man: Into the Spider-Verse (2018) - Full Cast & Crew - IMDb.

"Layne Friedman ... 3d stereoscopic supervisor"

Layne Friedman - IMDb.

"Layne Friedman is known for his work on Spider-Man: Into the Spider-Verse (2018), Maleficent (2014) and Bad Boys II (2003)."

Layne Friedman - Stereographer / Stereo-3D Supervisor - Sony Picture Imageworks

 Stereo 3D Suoervisorとしては、『メン・イン・ブラックIII』『スパイダーマン ホームカミング』ほかを歴任されているとのこと。CINEFEX等で特集して頂きたいものです。

◆関連リンク
・制作者インタビュー 作画のポイントについても語られています。


Creating the groundbreaking style of Spider-Man: Into the Spider-Verse - YouTube.


A behind the scenes look at Spider-Man: Into the Spider-Verse | Adobe Creative Cloud - YouTube

Facebookの僕のページに、劇場の3Dポップの3D写真がありますので、よろしければご覧ください。

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