■感想 『特撮映画美術監督 井上泰幸展』@グランドニッコー東京 台場 GALLERY 21
"会期:4月18日(木)〜4月30日(火)
平成の終焉に、昭和の特撮を支えた特撮美術デザイナー井上泰幸の作品展を開催します。
一昨年、創業の地”海老名”で1週間限定で開催された『井上泰幸展』。
「ゴジラ」から「竹取物語」まで、約200点を公開します。
5月31日にハリウッド版GODZILLA公開前に、日本の誇る特撮技術を再確認が必要です!
当然、東宝様よりご協力も賜りましての開催です。
三池敏夫特撮美術監督ギャラリートーク
4月21日日曜日 13:00~
4月28日日曜日 13:00~
4月30日火曜日 13:00~/15:00~"
井上泰幸展@グランドニッコー東京 台場、入場料無料が信じられない充実のアート展でした。
写真は禁止だったので撮れなかったけれど、円谷特撮、東宝特撮を支えられた井上泰幸特撮美術監督の画面設計、美術造形設定の絵画とスケッチと造形物で拝見でき、映像で興奮したあの映画のシーンが正にこの肉筆の絵コンテとスケッチから生まれたという臨場感が素晴らしい。
絵画としては、『怪獣総進撃』のゴジラとクモンガの対峙シーンとヘドラの初期デザインが白眉。浅学にして、井上泰幸さんというとメカやセットのイメージが強かったけれど、怪獣の絵のフォルムやタッチが迫真の迫力で感動的でした。
さらに三池敏夫特撮美術監督のギャラリートークを拝聴。30名ほどの観客に円形のホールに並べられた作品を端から円の2周分、1時間以上に渡り熱心に、井上泰幸さんから直接聴かれた話を交えて語られた興味深いお話に引き込まれて聴講。話を聴きながらさらにじっくり作品を見られて、贅沢な時間でした。
一番の驚きは、井上泰幸さんが脚本の文字から絵コンテを起こしそれを元に大道具と小道具、セットを制作。その後、円谷監督が撮影、セットの造作の制限の中で撮影されるため、ショットがかなり最初の井上泰幸さんの絵コンテが画面作りに大きく影響していたとのお話。
質問すると、円谷監督は最初、脚本から映像のイメージについて、井上泰幸さんと語り合った後は、絵コンテはほとんどチェックせず井上泰幸さんにセットを任せていたという。それだけ井上さんの画面作りを信頼されていたということのようです。
それを聴いて、『サンダ対ガイラ』等の絵コンテから美術造形メモまで観ると、正にこの肉筆があの映像のイメージの源なんだと更に感慨深く感じられました。特に『三大怪獣 地球最大の決戦』のキングギドラ誕生シーンは、僕の東宝特撮NO.1に興奮した映像なので、最高でした。
素晴らしい展示会をありがとうございました。
◆関連リンク
・井上泰幸(wiki)
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